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ふくやま書道美術館 特別展 「没後30年 桑田笹舟展」

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年3月1日更新

この作品は、書家・桑田笹舟(1900~1989)が福山市名誉市民に推戴されたことを記念して開催された個展のための六曲一双屏風の大作です。

右隻は太陽、左隻は三日月が雲間から覗き、全面に飛沫を上げて激しくうねる波を、銀箔を用いた伝統的な装飾技法によって表現しています。

この壮大な画面に書かれるのは、笹舟と親交があった歌人・清水比庵の短歌です。華やかな料紙とは対照的に、装飾性を抑えて簡略化した万葉仮名で表し、リズミカルな散らし書きがなされています。そして特に興味深いのは、歌中の「日」の字を省略し、屏風の意匠から読み取らせるという、平安時代に流行した「葦手」に通ずる遊び心に富んだ仕掛けです。

書だけでなく、料紙や装潢の美しさをも追求した笹舟のすべてが凝縮された《日月》は、笹舟が生涯をかけて築き上げたかな書の美を象徴する存在なのです。

(この作品は、同展で4月27日(土曜日)から6月2日(日曜日)まで展示します。)

ふくやま書道美術館 Tel:084-925-9222

手話通訳/要約筆記の有無: