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■平成30年12月定例市議会 市長説明要旨
 掲載日:2018年12月3日更新

 本日は,12月定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 今回提出いたしております2018年度(平成30年度)補正予算案を始め,関係諸議案の御審議をお願いするに当たり,当面する市政の状況と議案の大要について御説明を申し上げます。

 始めに,防災対策についてであります。これまで被災の現状を国・県へ訴えてきた結果,河川の流れを阻害する樹木の伐採や堆積土の除去がそれぞれ始まっております。しかしながら,度重なる浸水被害は,住民を不安にさせるだけでなく,企業活動にも大きな支障を来します。二度と床上浸水被害は起こさないとの強い決意の下,手城川や瀬戸川など県河川の改修事業を大幅に加速化させるとともに,本市においては水路改修や排水機の整備を重点的に実施するなど,再度災害防止に向け,国・県と連携して抜本的な浸水対策に取り組んで参ります。
 ため池の安全確保にも全力を注ぎます。ため池の下流に人家等があり,災害時に深刻な被害につながる危険性のある防災重点ため池につきましては,国から示された新たな選定基準を踏まえ,早急に再選定に向けて県との協議を進めます。こうした動きに加え,改修や耐震対策など必要な措置について国・県と連携し,集中的に取り組んで参ります。
 先月25日には,2万人を超える市民の参加の中,本市で初めてとなる豪雨を想定した総合防災訓練を実施いたしました。地域住民や国土交通省,県,自衛隊,警察など関係機関の協力の下,避難場所の自主開設や避難所の運営,炊き出し訓練,土のう作りなど初動対応に重点を置きつつ,自助・共助による避難行動について改めて確認いたしました。
 引き続き,ハード・ソフト両面からの対策を進めることで,防災体制を強化して参ります。
 次に,中心市街地の活性化策についてであります。先月2日から4日までの間,伏見町地区において,人の流れを賑わいにつなげるための実証実験を行いました。また,24・25の両日には,福山城や伏見町地区など4つのエリアで地域住民やまちづくりの専門家が地域資源の魅力を発掘するトレジャーハンティングを開催しました。三之丸町地区につきましては,旧キャスパ・旧福山と〜ぶホテル跡の再生に向け,事業者と行政が連携し,本格的な事業化に向けて取り組んで参ります。福山駅北口広場につきましても,先月27日にJR西日本から,集客機能を高め,賑わいを創出する整備計画案が提出されました。これを有力な選択肢の1つとして年度内には福山駅北口広場整備基本方針を策定します。このように,駅周辺のエリア価値を高める動きが着実に進展しています。実証実験で得られた結果などは,デザイン会議において議論を深め,来年度策定する(仮称)デザイン計画へ反映して参ります。引き続き,市民の皆様の意見を幅広く聴きながら,国・県とも連携し,駅周辺を備後圏域の玄関口にふさわしい都市空間に再生して参ります。
 次に,芦田川におけるかわまちづくりについてであります。競馬場跡地に隣接する芦田川左岸の河川敷で新たな交流拠点づくりに着手いたしました。新総合体育館,公園と河川敷を連絡橋で結ぶことで,スポーツや健康づくりからレクリエーションまでが一体的に楽しめる空間を創出し,本市の備後圏域における拠点機能を更に強化して参ります。
 次に,福山城築城400年に向けた取組についてであります。先月26日の実行委員会において,4年後の築城400年に向けた福山城天守の外観復元や記念イベントなど柱となる事業の方向性をお示しいたしました。本日からは,市民の皆様が企画し,実施する市民企画事業の募集も開始しました。年明けには,(仮称)募金委員会を設置します。市民・企業,また,城郭に関心をお持ちの全国の方々にも幅広く協賛を呼び掛けて参ります。福山城は,西国鎮護の拠点として,江戸期最後の最も完成度の高い城で,日本有数の名城であったと言われています。全国の多くの方々に福山城の素晴らしさについて共感をいただきながら,かつての威容を誇った福山城の姿に近づけて参ります。
 次に,まるごと実験都市の取組についてであります。本市では,未来の新たな技術やサービスを生み出すための実証実験を積極的に推進しています。先月,ふくやま美術館前広場において,次世代移動通信システム「5G」によるドローンを活用したバーチャル飛行体験の実証実験をKDDIと共同で行いました。また,国の選定を受け,狭い小道や急な坂などにおける高齢者の移動や観光客の散策を支援するため,地元のバスやタクシー会社に運行協力をいただき,小型の電動低速車「グリーンスローモビリティ」の活用による実証調査も鞆の浦と走島で行いました。全国5地域で同様な実験が実施される中,現時点で最多の利用件数であります。近未来の新たな移動手段として実用化につなげて参ります。
 本年9月には,実験場所の提供やPRなどの支援を行う「まるごとサポート事業」をスタートさせました。多くのお問合せをいただく中,その第1号として,医療機関が保有する医療情報を患者と共有することで個人の健康意識の高まりを検証する実験を本日から開始します。
 これら実証実験を積み重ね,全国に共通する社会的課題の解決や地域社会における新たな価値の創造につなげる,未来をリードする都市を目指して参ります。
 次に,民間企業との兼業・副業である戦略推進マネージャーの活動についてであります。現在,食・文化など地域資源を活用して関西圏等から女性を呼び込むツアーや若者向けのキャリアデザイン支援などの事業を企画・実施しています。これらの成果と課題を検証し,今後は,産業界・大学との連携を深めて参ります。また,産業界から要望の強い国際会議や展示会といったMICE誘致など,新たな取組にも活動の幅を拡げて参ります。
 さて,10月1日から,カープ坊やをデザインした福山版ナンバープレートが交付されています。現在,申込件数は全国41地域の中でナンバーワンとなっており,2位以下を大きく引き離しています。街中で,カープナンバーを付けた車両を見かけるようになり,多くの市民や企業の皆様に御賛同いただけているものと,大変嬉しく思っております。年度内には,ナンバープレート交付時に納付された寄付金について,観光振興や交通サービスの改善などへの活用策を検討する協議会を立ち上げて参ります。引き続き,来シーズンに向け,このナンバープレートで広島カープのリーグ4連覇を応援していくとともに,福山の名を広く全国に発信して参ります。

 次に,新年度の財政見通しについて御説明申し上げます。歳入では,家屋の増加による固定資産税の増などにより,市税が今年度を上回るとともに,地方交付税の振り替わりとして措置される臨時財政対策債の増加が見込まれます。その結果,一般財源の総額は,今年度を上回る見通しであります。一方,歳出では,子どもの医療費助成の対象を中学生まで拡充することなどから扶助費が増加することに加え,高齢化の進行に伴う保険会計への繰出金の増加により,社会保障関係費が増加いたします。また,新総合体育館や教育環境の整備,浸水対策の強化などにより,投資的経費も増加するものと見込んでおります。
 こうした厳しい財政状況ではありますが,限られた財源の中で,次代を担う子どもたちの健やかな成長を支援する人口減少対策,安心・安全なまちづくり,都市の魅力向上など本市の将来の発展の礎となる未来づくりビジョンを,引き続き着実に推進して参ります。

 最後に,今回の補正予算案について御説明申し上げます。近年頻発する自然災害への備えを強化する浸水対策のほか,小中学校の空調設備整備の前倒しに取り組むものなどが主な内容となっており,一般会計を始め5会計の補正をお願いいたしております。
 まず,浸水対策としては,次期出水期までに,市内各所における河川・水路等の堆積土の除去や暗渠の清掃などに取り組むほか,次年度以降の対策工事に速やかに着手するため,調査・設計などを行います。下水道事業会計では,抜本的な浸水対策の早期実施に向けた準備として,流域関連公共下水道事業計画の変更に着手いたします。
 浸水対策以外では,小中学校の空調設備整備について,国の補正予算で創設された臨時特例交付金を活用し,来年度中の設置完了を目指し整備に取り組んで参ります。また,7月の豪雨災害に伴い,崩壊した地区のがけ崩れ対策や被災した営農者へ農業用機械等の整備費用を補助するほか,妊娠を希望される方やその家族等に対して風しん抗体検査を実施して参ります。
 都市開発事業特別会計では,水呑三新田土地区画整理事業について,後期高齢者医療特別会計では,保険料等納付金について,所要の措置を講じております。
 このほか,公の施設の指定管理者の指定に伴い,来年度以降の指定管理料にかかる債務負担行為を,一般会計と駐車場事業特別会計でそれぞれ計上いたしております。
 以上の結果,今回の補正予算額は,一般会計では過去最大規模となる102億5,650万9千円の追加となり,全会計では,105億4,741万6千円の追加となりました。

 予算以外の議案といたしましては,「福山市の議会の議員及び長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部改正について」など8件を,その他の議案といたしましては,「福山市立加茂小学校南棟校舎改築他工事請負契約締結について」など22件を提出いたしております。
 以上が,今回提出いたしております議案の概要であります。何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。


 本文は,口述筆記ではありませんので,表現その他に若干の変更があることがあります。



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