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放射線科

前立腺癌に対するCTガイド下放射線治療

 前立腺癌に対する従来の放射線治療の治療効果は手術による切除とほぼ同等です。
 前立腺癌の多い米国においては、1980年代から日本での厚生労働省にあたる組織で結論がでており、米国では手術可能な前立腺癌の半数以上で放射線治療を行っております。
 癌の状態は4段階で分類しますが、放射線治療は全ての段階の前立腺癌に対して行うことができ、また何らかの理由で手術はリスクが高い患者さまにも比較的安全に治療することができます(照射回数は少し減ります)。
 日本でも前立腺癌の患者さまが急速に増加し、特に都市部では放射線治療を受けて頂く患者さまが激増してきております。
 この従来の放射線治療での限界として、治療して数年後の直腸潰瘍・出血、慢性膀胱炎で患者さまにご迷惑をおかけすることが一定の頻度でおこり、近年、前立腺の位置が日々異なることがその原因の一つとわかってきました。
 膀胱の尿や直腸の便の量の違いが前立腺の移動に大きく作用します。

前立腺の位置は毎日異なる。

 ところが従来の放射線治療では前立腺が日々移動しても、放射線治療を照射する部位は計画時と同じになります(図)。  
 極端な図ではありますが、計画時にはきちんと前立腺に照射されることになっていますが、前立腺が移動してしまうと病気のある前立腺に照射しているのか、病気のない直腸に照射しているのかわかりません(赤い線が照射範囲)。
 このため一定の頻度で直腸に障害が出現し、副作用のみならず前立腺に正確に照射されないと期待した治療効果もでなくなってしまいます。

従来の放射線治療時の照射位置図

 このような問題を解決する手段として当院では最新機器をもちいてCTガイド下放射線治療を行っております。  
 毎日治療直前にCTを撮影して、計画時との誤差を計算してその分を補正して照射します(図)。
 前立腺と精嚢全体を撮影しますので変形していてもきちんと照射範囲に移動することができます。
 これにより、前立腺がどこに移動しても前立腺のみに正確にピンポイントで放射線治療をすることができ、直腸の副作用を減らせ、さらに、前立腺癌の治療効果も高めることができます。
 前立腺癌に対する放射線治療は治療回数が多いほど治療効果が高まりますが、当院のように安全に36回もの治療を行える病院は中国地方では数カ所しかございません。

 従来の放射線治療ではこのような前立腺の移動を少しでも少なくするため、排尿後に放射線治療を行います。
 前立腺の動きが減ってその点ではよいのですが、膀胱はつぶれておりますので、膀胱にあたる放射線はかなりのものとなります(図)。
 当院では前立腺がどこに移動してもかまいませんので、3時間以上我慢できるところまで畜尿して頂いて照射します。
 膀胱に照射される範囲が明らかに狭くなり(図)、数年後の慢性膀胱炎のリスクをかなり減らすことが可能です。

 治療は1日1回、週5回、計36回行い、仰向けになって1日30分程度寝て頂くだけで、全員外来通院にての治療が可能です。     
  (2007年4月 文責 勝井邦彰)






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