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広報ふくやま2019年3月号特集「みんなで変える、福山駅前」
福山の「顔」、また備後圏域の「玄関口」でもある福山駅前。
新たな魅力をもつエリアとして再生する動きが、大きなうねりを起こしています。
今回はこのエリアの未来を考え新しいことを始めている人たちの話と、
にぎわいのある福山駅前の実現に向けたさまざまな取り組みを紹介します。
福山駅前再生推進室( 084-928-1094)産業振興課( 084-928-1038)
伏見町再生の拠点となる 人でにぎわう場をつくりたくて
高校時代によく遊んだ駅前は、商業ビルの閉店などもあって次第に足が遠のくように。 ただ、駅前のことは気になっていたんです。 人とのつながりの中で、リノベーションスクール@福山に参加。 そこで出会った仲間とどうすれば福山駅前ににぎわいを取り戻せるかを考え抜き、伏見町でこの店を開業しました。 さらに、伏見町の新たな魅力をつくり出せるようBat projectとして市や他の店舗と一緒に実証実験「文化市 伏見町」を実施。 この場所を拠点にまちの魅力を発信しながら、今後も駅前の活性化につなげていきたいと考えています。
伏見町で新たに開業
池口 峻平さん
新涯町の池口精肉店で企画室長として活躍。2018年12月、伏見町にイケグチミートパブリックハウスを開業。有志でBat projectを立ち上げている。
Ikeguchi meat public house
リノベーションスクール@福山卒業生による事業化第1号。昼は総菜店、夜は肉バルとして営業。ビル上階はゲストハウス。
人にスポットが当たるような駅前再生がエリア価値を高める
駅前再生といっても、地元住民のためだけの視点では継続的な発展は望めません。国内外から訪れる人が「また来たい」と思ってくれるようなグローバルな視点で考え、建物や道路の整備といったハード面以上に、この地域で暮らし、働く人々にもスポットが当たるようなソフト面を充実させることが、エリアの価値を高めるはずです。私が駅前で「食べる・寝る・ 遊ぶ」の店づくりやツアーを企画しているのは、世界の人々と福山の人々の交流が、まちをもっと良くする原動力になると考えているため。エリアの価値を継続的に高めていく事業をこれからも考え、実現していきたいと思っています。
魅力ある人と店で まちを元気に
古賀 大輔さん
大学時代に福山へ移住し、飲食業界へ。2015年にカフェ、2018年にゲストハウス、日替わりママスナックを駅前に開業。
Forever & company
福山駅前でカフェやバー、ゲストハウスなどを展開。地元の魅力を体験できる「福山の日常を楽しむ」ツアーも企画中。
「まちやど」構想で実現したい 駅前の新たな魅力の創出
「福山駅前がどうなるのか」。備後圏域で事業を展開する中、 不動産オーナーと意欲ある事業者を結び付ける役割を担いたいと思い、 まちづくり会社の築切家守舎を有志4人で立ち上げました。 駅前は鞆の浦やその先の瀬戸内エリアを訪れる人の旅の出発地。 まちぐるみで新たな旅とおもてなしを実現する「まちやど」構想を具体化すべく、 イケグチミートパブリックハウスと上階の宿泊施設の開業をサポートしました。 第2、第3の事業が進む今、駅前再生に関心がある人や志がある事業者の多さに驚いているところです。 そういった人々と手を携えて駅前を盛り上げていきたいですね。
不動産オーナーと 事業者を結び付ける
藤本 慎介さん
備後圏域で多彩な事業を展開する株式会社フューレック代表。2018年4月に築切家守舎を開業。
築切家守舎
まちづくり会社として、不動産オーナーと事業者を結ぶ空きビル再生事業や公民連携のまちづくりをプロデュース。
なぜ駅前を再生するの?
福山全体の持続的な発展のためには、玄関口である福山駅前の再生が欠かせないからです。
にぎわいを感じにくくなっているとはいえ、駅前は市内外から多くの人が訪れる備後圏域の要所です。このポテンシャルを最大限に生かし駅前のにぎわいを取り戻すことが重要です。
誰が再生するの?
行政だけではできません。市民や事業者の力が不可欠です。駅前に関わる多くの人がそれぞれの役割を明らかにして連携することで再生が実現します。
どんなことをするの?
駅周辺エリアの価値向上に向け、既存の遊休不動産を新しい使い方で積極的に利用することや、歩いて楽しい駅前になるような道路の活用や歩行者空間の整備を行います。また駅前再生に必要な人材を育てるなど、駅前再生につながるさまざまな取り組みを行っていきます。
めざす福山駅前の姿
“働く・住む・にぎわい”が一体となった福山駅前
福山がもつ可能性を駅前再生で引き出します
400年以上の歴史、瀬戸内エリアや備後圏域の玄関口としての役割、恵まれた山と海、唯一無二のものづくりなど、福山は高いポテンシャルを秘めています。そして今、これらを駅前再生につなげるエリアプロデュースの動きが始まっています。志をもった人々による事業化が、最初は点でも、やがて線、面となり、将来は生活圏域をカバーするエリアの価値向上につながるはずです。その実現の一翼を担うのが市民の皆さんです。一緒に取り組んでいきましょう。
株式会社
アフタヌーンソサエティ
代表取締役
福山駅前再生アドバイザー
清水 義次さん
リノベーションスクール@福山
まちづくりを担う人材育成
スクール受講生が駅前でチャレンジ中
リノベーションまちづくりとは
まちの遊休不動産を新しい使い方で再生することにより地域の特性を生かした新たな事業や雇用を作り、それを起点にエリアの価値を高める取り組みがリノベーションまちづくりです。
リノベーションまちづくりでは、遊休不動産のオーナーと事業をしたい人をつなぐ「家守」という存在が欠かせません。家守は民間主導でエリアの価値を高める地域づくりのプロデュースを担います。
このような新たなまちづくりの担い手を見つけ、育てるためリノベーションスクールを開催しています。エリア価値を高めるプロジェクトが多数生まれるスクールはリノベーションまちづくりのエンジンとなります。
提案だけでは終わらない 事業化する実践的なスクール
リノベーションスクールでは、不動産オーナーから提供された遊休不動産を対象に、市内外から集まった意欲ある受講生と、全国各地でリノベーションまちづくりを実践している講師陣が一丸となり、3日間かけて事業プランを練り上げます。最終日には不動産オーナーに提案。スクール後はその提案を基に事業化をめざします。これまで3回行われ、この中から実際に事業化した提案もあり、その他も実現に向けて取り組みを進めています。
最終日に受講生たちは不動産オーナーを前にプレゼンを行う
約8人で構成するユニットごとに講師陣とプランを検討
受講生はプラン事業化に向けて意欲ある仲間と動き出す
提案の事業化
駅前の空きビル再生をはじめとした 受講生たちの提案が具体化しています
歩いて楽しい歩行空間の創出
駅前の「にぎわいの創出」「回遊性の向上」に向け、福山駅前の歩行空間やまちの公共空間を使った実証実験を行ってい*ます。>
文化市 伏見町
市やBat projectなどにより開催した道路や駐車場などの空間を利用した実証実験。普段は駐車場として利用している場所にJazz演奏や映画上映など魅力的なコンテンツを配置しました。普段とは違った新しい風景の伏見町を多くの人が楽しみました。
Open street fukuyama
「ミチ」という公共空間をきっかけにし、楽しい「マチ」をつくるための実証実験。普段は通り過ぎるだけの道も、少しの工夫でまちでの過ごし方や楽しみ方が変わります。
金融機関も駅前再生をバックアップ
福山駅前再生ビジョン提携融資制度
「にぎわい」
地域の金融機関として駅前再生に貢献したいという強い思いで創設した「にぎわい」は、福山ビジネスサポートセンター「Fuku-Biz」と連携して福山駅周辺エリアの事業者の事業計画策定をサポートし、資金を融資するものです。駅前での事業展開を考えている人は気軽に相談してください。
\応援しています/
広島銀行
福山営業本部
岡野 帝男さん
公園の新たな活用
法改正により公園内に事業者が飲食や物販などのコンテンツを設置しやすくなりました。福山城を核としたにぎわいの創出「くらしを変える公園の使い方」をテーマにシンポジウムを行うなど事業者と行政が一緒になり楽しくにぎわいがある公園になるよう取り組みを進めています。
福山城を核としたにぎわいの創出
福山城は駅前再生の核です。より訪れやすい福山城にするため、歩行者優先空間をつくるなどの取り組みを行っています。
デザイン計画の策定
福山駅前再生ビジョンの実現に向けたソフトとハードの取り組みを示す(仮称)デザイン計画を策定します。
「福山駅前再生フォーラム」を開催します
- 時間
- 3月22日(金曜日) 15時00分〜17時00分
- 場所
- まなびの館ローズコム
- 内容
- “働く・住む・にぎわい”が一体となった駅前の実現に向けた市長と専門家によるパネルディスカッション