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不育症でお悩みの方へ
※2018年4月から,不育症の検査・治療に要した費用の一部を助成しています。 詳しくは,こちらをご覧ください。 |
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1 不育症とは
妊娠はするけれども,流産,死産や新生児死亡などを繰り返すことを「不育症」といいます。
不育症の原因は様々ですが,適切な検査と治療を行うことで,出産できる場合も多くあります。
2 研究が進められています
厚生労働省研究班の「フイク-ラボ」(不育症治療に関する再評価と新たなる治療法の開発に関する研究)には,不育症の原因や治療についての詳しい情報が掲載されています。
詳しくは,こちらをご覧ください。
「不育症Q&A」より抜粋
Q1 不育症の原因は何ですか? A1 妊娠初期の流産の大部分は胎児(受精卵)の偶発的な染色体異常が原因で,両親のリスク因子が原因になっている場合は少ないとされています。そのため,1回の流産でリスク因子を調べる必要はありません。 2回~3回以上流産を繰り返す場合は,両親のどちらかにリスク因子がある場合があるので,検査をお勧めします。 1回の流産でも妊娠10週以降の場合では,母体の要因が大きくなってくるとされていますので,検査をする意義はあると考えられます。 夫婦の染色体異常に加えて,妻側の要因としては,子宮形態異常,内分泌異常,凝固異常など種々の要因があります。 厚生労働科学研究班(齋藤班)では,詳しく調べてもリスク因子が分からない場合が64%ほどありました。その多くは,偶発的な胎児の染色体異常を繰り返しただけと考えられています。
Q2 不育症でも妊娠,出産はできますか? A2 不育症の方も,80%以上の方が出産することができます。 不育症の方の多く(約半数)は,偶然,胎児染色体異常を繰り返した偶発的流産です。そのような方の場合は,特別な治療を行わなくても次回妊娠予後は良好なので,安心して妊娠できる環境が何より大切です。 子宮形態異常や血栓症のリスクが高まる抗リン脂質抗体症候群,一部のプロテインS欠乏症,プロテインC欠乏症,第XII因子欠乏症などの場合は,治療が必要になることがあります。
Q3 不育症のリスク因子の検査にはどのようなものがありますか? A3 流産等を2回以上繰り返す場合には,不育症のリスク因子の検査が勧められます。血液検査により,夫婦それぞれの染色体の検査,糖尿病や,甲状腺機能などのホルモン検査,凝固因子検査(血を固める働きをみる),抗リン脂質抗体測定などを行うこともあります。 子宮の形の異常を調べるために子宮卵管造影検査や超音波検査を行います。必要に応じてMRI検査などを追加して行う場合もあります。 リスク因子の有無を調べることにより,次回の妊娠に役立てることができます。
Q4 不育症の治療にはどのようなものがありますか? A4 検査で見つかったリスク因子について治療を行います。 内科疾患やホルモン分泌異常が見つかった場合にはその治療を行います。凝固因子異常や抗リン脂質抗体症候群では,抗血栓療法(アスピリン内服やヘパリン注射)を行う場合もあります。 リスク因子不明不育症に対しては,積極的な治療をしない経過観察で比較的良好な結果が得られています。 治療した症例,経過観察の症例をふくめて,不育症外来を受診した方は,最終的に約80%以上が出産に至ると報告されています。
Q5 不育症について相談するにはどうしたらよいですか? A5 2回以上の流産,死産,早期新生児死亡を繰り返した場合は,不育症です。リスク因子の検査が勧められます(流産の場合は,その多くは偶発性流産ですが,2回以上繰り返す場合,リスク因子がある場合があります)。 |
主治医の産婦人科医師にまずご相談ください。
3 不育症に関する相談窓口
広島県では,不育症に関する様々な相談にお応えするため,広島県不妊専門相談センターを開設しています。
詳しくは,広島県不妊専門相談センターのホームページをご覧ください。
不妊専門相談センターリーフレット [PDFファイル/469KB]