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2017年度(平成29年度)管外先進地視察研修 〔兵庫県神戸市〕

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年10月31日更新

視察の目的

 ICT教育環境を視察するため,2017年(平成29年)9月27日に兵庫県の神戸市教育委員会と学校を訪問しました。
 神戸市は2016年5月に「ICT活用重点推進校」として指定した3校の全教室に電子黒板や書画カメラなどを設置し,ICTを活用した授業のありかたについて実践と検証を重ねてきた,ICT教育の先進地の1つとして知られています。
 本市でも,2017年度よりパソコン教室の機器の更新にあわせてタブレットなどを導入しており,今後の普通教室などでのICT環境整備を検討するため,今回視察させていただきました。


神戸市教育委員会(9時から9時30分まで)

 学校の視察に先立ち,まず神戸市教育委員会を訪問しました。
 定例市議会の会期中というご多用の中,雪村 教育長様をはじめ,川田教育次長様,浜本 総務部長様らにご対応いただき,短時間ではありましたが,ICTの取組状況のほか,話題となっている教員の働き方改革に関する取組などについて,お伺いすることができました。


神戸市立大池中学校(9時55分から10時50分まで)

 神戸市教育委員会の職員の方にご案内いただき,最初の視察地である「神戸市立大池中学校」を訪問しました。神戸市東部の団地の中にある大池中学校は,「ICT活用」重点推進校にされた3校のうち,唯一の中学校です。生徒数368人,学級数12クラスの中学校で,本市では駅家中や神辺西中に相当する中規模校です。

大池中学校に到着しました生徒会のスローガン前でパチリ。
大池中学校に到着しました。生徒会のスローガン「努根情(どこんじょう)」の前でパチリ。

 到着後,校長室にて,西崎 校長先生から学校の状況やICT環境整備による効果や教員や生徒の声などについて説明を受けた後,校舎を回り,2時間目の社会や英語,理科などの授業の様子や,各教室に設置された機器類について,視察をさせていただきました。

校長室での説明の様子。いざ教室へ。
校長室での説明の様子。いざ教室へ。
視察の様子社会の授業
視察の様子。社会の授業。
英語の授業数学の授業
英語の授業。数学の授業。
パソコン教室での授業

 ICT機器導入の効果として,大池中学校の先生方からは「資料をタイムラグなく見せられる」「動画などを見せることで学びが深くなった」「生徒たちの集中する時間が長くなった」などの意見が出ているとのことでしたが,実際,先生が説明を始めると,生徒たちは背筋をぴんと伸ばし,見逃すまいと電子黒板の方に集中している様子が見られ,機器を活用して生徒たちの興味関心をひきだしながら,円滑に授業を進められている様子がよくわかりました。
 生徒たちからも「わかりやすい」「授業が楽しい」など,上々の評判のようです。

パソコン教室での授業。

 理科室では,今回のICT機器整備を担当された 亀井 業務改善・情報監理担当課長様などから,各機器の説明や実際の操作をしていただき,とても参考になりました。
 お忙しい中ご対応いただいた西崎校長をはじめ,大池中学校の教職員の皆様,ありがとうございました。

電子黒板の説明機能などを確認していきます。
電子黒板などの説明を受けました。実際に使って機能などを確認していきます。

神戸市立若草小学校(11時15分から12時50分まで)

 続いて,次の視察地である「神戸市立若草小学校」を訪問しました。
 神戸市西部にあり,水族館などで知られる須磨区の高台にある若草小学校は,昭和55年の開校です。生徒数は342人,学級数は13クラスという,本市では幕山小や今津小に相当する中規模校です。

正門を入ったところで徳山浩一校長(中央)から校長室での説明の様子
正門を入ったところで徳山浩一校長(中央)から
お話を伺っています。
校長室での説明の様子。

 到着後,校長室にて,徳山校長先生から,昨年夏にICT環境を整備した後の学校の様子や1年運用してみての課題,教員の反応などについて説明を受けた後,各教室を回って4時間目の授業の様子などについて,視察をさせていただきました。

玄関から・・・算数の授業
玄関から…算数の授業。
国語の授業動画でハマグリについて学びます。

とても印象的だった国語の授業。
「うみのかくれんぼ」という詩の解説で…

ハマグリってどんなの?どうやって砂にかくれるの?
実際にかくれる様子などを動画で確認しました。

社会の授業図書館にもお邪魔しました

こちらは社会の授業。♪ち,ち,近松もんざえも~ん
有名俳優が踊る元禄文化の解説動画に夢中です。

図書室にもお邪魔しました。

 視察をした国語や社会,算数の授業では,先生が書画カメラで電子黒板に教科書などの内容を映し,線をひいて説明をしたり,発表する児童がおそるおそる計算式を記入したり,映されている写真の該当する箇所に色をつけたりし,解説をする際には教卓付近の操作ボックスで教員用のパソコン画面に切り替え,動画や写真などを映す…という,ICTをフルに活用した授業が展開されており,児童たちがとても引き込まれているのがよくわかりました。

理科室の様子理科準備室の様子

電子黒板機能付きのプロジェクターとスクリーンが
上下黒板部分に絶妙に配置されていた理科室。

ICT環境だけではなく,理科準備室のような
授業を支えるバックヤードも見せていただきました。

運動場から須磨の海を望む

 視察を終え,高台にある若草小学校の運動場へ出ると,彼方向うに臨むのは須磨の海。絶景です!
 …この日は断続的に雨が降るあいにくの天候だったため,霞んでいて見えなかったのですが,絶景を思い描きながら,失礼しました。
 徳山校長先生をはじめ,若草小学校の教職員の皆様には,お忙しい中ご対応いただき,ありがとうございました。


神戸市教育委員会 (14時30分から16時まで)

 その後,神戸市内中心部へ戻り,神戸市教育委員会を再度訪問しました。
 会議室での協議では,今日の視察にも随行していただいた亀井 業務改善・情報監理担当課長様や,これらICT機器の管理などを担当している学校経営支援課情報化推進係の担当者の方から,神戸市の整備方針や導入に至る経過,整備費用のほか,1年運用することで見えてきた導入の効果や課題などについて,詳しくお話を伺いました。

 国は現在,「第2期教育振興基本計画」において,「各普通教室にコンピュータ1台,電子黒板1台,実物投影機1台」というICT環境を,各学校に整備することを目標としています。また,現在策定作業が進められている「第3期教育振興基本計画」では,更なるICT環境の整備要件が求められようとしています。
 一方で,少子高齢化により人口や税収が徐々に減少することが予想される中,様々な教育施策を進めており,新たにICT環境整備に多くの経費をかけていくことは,容易ではありません。せっかく整備をしたものの,学校現場のニーズと合わなかった,複雑すぎてほとんど使われなかった,すぐ壊れてしまったという失敗事例も聞こえてきます。
 自分たちの学校にはどういったICT環境が必要であり,それをどう整備し,どう活用していくのか。今,多くの自治体が,模索をしています。
 今回お伺いした内容は,本市の今後の方向性を検討する上で大変参考になりました。また,教育委員も同行した職員も,様々に質問をしながら,本市のICT教育のあるべき姿について,想いを新たにすることができました。


メリケンパーク(16時20分から17時まで)

ポートタワーの前で。

 その後,市役所にほど近い,「メリケンパーク」を訪れました。

 神戸市を代表するウォーターフロント公園のメリケンパークは,芝生広場や桜並木,飲食店や各種モニュメントなどが整備され,神戸港開港150年となる今年の4月にリニューアルオープンしたばかり。
 時折小雨の降るあいにくの曇天で,時刻も夕方ではありましたが,ちょうど岸壁からはクルーズ船が汽笛を鳴らしながら出港しようとしており,また,ポートタワーなどの観光スポットなどもあるとあって,多くの市民や観光客で賑わっていました。

新涯小学校6年生のみなさん

矢田校長先生と

教諭と子どもたちの笑顔でピース

 
 訪れていた修学旅行生の集団を何気なく眺めていると…
 世間は広いようでやっぱり狭い!

 なんと,修学旅行中の福山市新涯小学校6年生の皆さんに偶然 お会いしました。
 矢田校長も私もびっくり👀

 教諭と子どもたちの笑顔でピース!

 今日は2日目とのこと。
 気をつけて帰ってくださいね!

 
神戸海洋博物館

 新涯小学校の皆さんと別れた後,「神戸海洋博物館」を訪れました。
 メリケンパークのシンボルの一つともなっている海洋博物館の白い屋根は,大海原を駈ける帆船の帆と波をイメージしているとのこと。

 最後の視察地は,神戸市ゆかりの川崎重工業が,地域や学校教育への貢献を目的に,この博物館内に2006年にオープンした企業ミュージアム「カワサキワールド」です。
 「見て,触れて,体感しながら『技術のすばらしさ』と『ものづくりの面白さ』を実感する」がコンセプトになっており,0系新幹線の先頭車両やヘリコプター,バイクやバギーなどの各種乗り物や,地雷探知除去機や工業ロボットなど,同社がこれまで世に送り出してきた様々な製品が様々なパネルや映像とともに展示してあり,一部は実際に乗り込んだり,シミュレーターなどで動かしたりすることもできました。
 本市は,オンリーワン・ナンバーワン企業が数多く立地するものづくりの街であり,子どもたちは義務教育9年間を通して,地域の歴史や産業,伝統文化などを,地域に出かけたり,副読本を通して学んでいますが,こうした「本物」を使った教育施設は,子どもたちの学びを深めていく上でも非常に有用であると感じました。 

カワサキワールド
 
神戸港震災メモリアルパーク

 その後,公園内にある,「神戸港震災メモリアルパーク」を訪れました。
 ここは,1995年の阪神淡路大震災で被災した岸壁の一部区画がそのままの形で残されているもので,激しくひび割れて崩落したり,浸水して波に洗われたりしている岸壁や,大きく傾いてしまったフェンスや街灯などが,当時の被害の凄まじさを静かに伝えてくれました。
 「喉元過ぎれば熱さを忘れる」といわれるように,震災から20年以上が経過し,当時の記憶も風化しがちですが,改めて,自然の持つエネルギーの大きさ,防災の重要性などを実感しました。

 
BE KOBE

 メリケンパークに設置されたモニュメント,「BE KOBE」とともに。
※左から菅田委員(B),柿原委員(E),三島委員(K),金委員(O),三好教育長(B)
 
 阪神淡路大震災から20年を契機に生まれたこの「BE KOBE」という言葉には,「人のために力を尽くす」という市民の想いや,神戸市民であることへの誇り,そして,神戸の一番の魅力は人である,という自負などが込められているとのことでした。
 本市教育委員会では,子どもたちが福山に愛着と誇りを持ち,変化の激しい社会の中で,ローズマインドを胸に,自分の夢の実現に向かってたくましく生きる子どもを育てることを「福山100NEN教育」として宣言し,様々な取組を進めています。こうした取組が実を結び,誰もがいきいきと輝き,福山市民であることを胸を張って誇れるような魅力ある街となるよう,一層頑張っていきたいと思います。