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≪地域おこし協力隊インタビュー企画≫住まいから地域が豊かになる暮らし

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年9月29日更新

 今回は、神辺町で伝統工法による家造りに取り組む野島英史さんに、住まいから地域が豊かになる暮らしについて伺いました。

祖父の背中を見て、15歳で大工の修業を始めた

─なぜ「家(や)大工」になったのですか?

 大工だった祖父の影響で、幼い頃から大工になりたいと思っていました。早く大人になりたいという気持ちが強かったのでしょう。早く手に職をつけたいと思い、15歳から修業を始め、福山市内の工務店で働きました。その頃も、機械を使わず手刻みで材を作っていましたが、大工は彫り物までするものだと思っていた自分にとっては、次第に物足りなくなってきて。もっと木を自由に扱えるようになりたいと、20歳の時に岐阜県の飛騨高山へ宮大工の修行に10年間行き、福山市に戻ってきました。現在は、伝統工法による木造の家造りをしています。

野島さん
▲のじま家大工店 野島英史さん

─「家大工」という言葉、初めて聞きました。

 福山の方にはあまりなじみのない言葉かもしれません。修業していた岐阜では、比較的なじみのある言葉なんです。船をつくる船大工や、寺社をつくる宮大工のように、家を専門に建てる大工のことです。ずっと、宮大工として寺社を中心に手掛けてきましたが、普通の人の暮らしになじみのある「家」をつくることに携わりたいと思うようになって、この言葉を使うようになりました。

─新築の物件以外にも手掛けていらっしゃるんですか?

 現在でも、寺社に関わることもしていますし、古い建物の移築をしたこともあります。古民家の改修の依頼は結構あります。最初は、定年退職された方が多かったですが、2010年代からは子育て世代の方が増え、移住してくる方に出会う機会も増えました。時代の変化を肌で感じています。

幼い頃から親しんできた風景を残すために、県産材にこだわる

─一番のこだわりは何ですか?

 語り出したらキリがないのですが、主要な部材に県内産の木材を使い、金具を使わずに木組みで建てているところです。宮大工として学んだことが、そのまま私の家造りにおけるこだわりになっています。現代の住宅の効率的な作り方とはほぼ正反対のことをしているとも言えるかもしれません。なぜ県産材にこだわるかというと、地元で育った木は、その土地の気候に合っているから。もうひとつは、地元の製材所や林業を守りたいという思いがあるからでしょうね。幼い頃から親しんできた風景を残したいという気持ちは、誰しも抱いたことがあるのではないでしょうか。


 木材

─木造住宅と聞くと、シロアリなど心配なこともありそうです。

 シロアリが心配という方は結構いらっしゃいます。ただ、シロアリが好む木というのがあって、そういうものは使わないようにしていますし、木の中心に近い部分を使うことで寄りにくくなります。また、木の膨張が心配だという方もいらっしゃいます。木が膨張する梅雨時期のことを考えて、小さな隙間を作ることで対処できるんです。そういう意味でも、家はその土地の気候を知り尽くした地元の大工が建てるのが、一番いいんですよ。住まう人とつくる人が直接話すことで人間関係もできますし、そのこと自体が家を良くしていくと思います。

─人と人との関係性も、良い住まいには欠かせないんですね。

 今のように、木を運ぶ車がなかった時代は、家は裏山から丸太を切り出してつくっていたんだそうです。裏山には後世のために家造りで使えるような木を植えたりもしていました。そういう木を使う時、職人だけでは木を持ち上げられないので、近所の方も手伝ってくれて、そうして近所とのつながりもできていたんですね。現代ではそういう作業を近所の方と一緒にするのは難しいですが、施工する時は、何度もご近所の方に挨拶に行くようにしています。どういう人が建てているかをわかっていただくと、安心につながりますし、住まう方がご近所とよい関係で暮らすことにつながると思うので。


野島さん 

家を大切にすることは、先人や地域を大切にすること

 ─ご自身がつくる家は、どんな家でありたいと思われますか?

 私が建てる家は、何世代も続く家にしたいと思っています。そのためには、丈夫な家であるだけでなく、住む人の意識も大切です。家を大切にするということは、それを残してくれた先人を大切にすることであり、その周りの近所や地域を大切にすることです。

私の家族も、3世代が一緒に住んでいます。祖父母や両親が草刈りや畑をしてくれているから景観もきれいだし、新鮮で安心なものが食べられるし、年配者から学べることもたくさんあります。子どもたちにも、「将来は一緒に住むんだぞ」と言い聞かせています。昔は当たり前でしたが、小さい頃から伝えておくことが親の役割だと思うので。今の世代が、次の時代がどうなっていくかを担っていると思うと、大切だと思うことはつないでいかないといけないなと思います。

家は、社会の最小単位である家族が日々過ごす場所。家族が支え合って健やかに暮らすことで、学校で友達を大切にしたり、近所で助け合ったり、気持ちの入った仕事ができる。それがさらに周りに伝わって影響しあって、集落が、地域が、まちが、よりよくなっていくのではないかと思うんです。よりよい地域造りを、よりよい家造りから支えていきたいです。


─「住まいから地域が豊かになる暮らし」。野島さんのお話から,また一つ福山らしい暮らしのヒントが見えました。ぜひ職人の技を、イベントで体感してみてください。

野島さん 

《お知らせ》伝統の技術を体感するなら

 ■イベント「“UTSUMIって“vol.2」

内海町の自然の中で、文化、アート、食を楽しむイベント。
伝統古式製材法の“はつり”見学や土壁塗り体験など、『文化に親しむ』。
アート作品やワークショップを通じて『アートに触れる』。
食の安全とおいしさを知り『食を楽しむ』。
お子さまから大人の方まで、楽しめるイベントです。
ぜひお越しください。

日時

10月28日(土曜日)10時00分~16時00分
10月29日(日曜日)10時00分~15時00分

場所

クレセントビーチ内zono kitchen前(福山市内海町236)

主催・問い合わせ先

ハツリビトの集い実行委員会(084-962-2297)

ハツリビト