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≪地域おこし協力隊インタビュー企画≫好きなことを活かす暮らし

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年10月31日更新

 今回は、「ビジョンプロジェクター」として活動する田中美紀さんに、好きなことを活かす暮らしについて伺いました。

1枚の絵から生まれた、自分らしい仕事

─ビジョンプロジェクターとはどんなお仕事ですか?

 会社や個人の方の夢や目標(ビジョン)を、絵という形で視覚化することで、実現をお手伝いする仕事です。

田中さん
▲ビジョンプロジェクター 田中 美紀さん

─このお仕事をするようになった経緯を教えてください。

 小さい頃から絵が好きで、高校生の時から予備校に通い、金沢の美術大学で学びました。しかし、受験のために絵を描いてばかりだったので、楽しんで絵を描けなくなってしまったんです。だから、卒業後は絵とは直接関係のない空間デザインの職業に就きました。何年か働いていたのですが、もっと人の役に立てる仕事がないだろうかと考えるようになりました。

─その時の働き方に、何かもどかしさがあったのでしょうか?

 だんだん予算ありきの仕事になってきて、自分にとってのやりがいがわからなくなってきた、というのも少しあります。ただ、いつか自分の好きな絵を仕事にしたいという気持ちもあったんです。そんなことを考えていたある時、夫に1枚の絵をプレゼントしたことがありました。それは、夫がかつて目ざしていたけれど、諦めざるを得なかった夢を描いたものです。とても喜んでくれました。その時に、「夢やビジョンを絵にしてほしい人は他にもたくさんいるから、仕事になるのでは」と言われたんです。

-それが、「ビジョンプロジェクター」という仕事の始まりだったんですね。

  「ビジョンプロジェクター」という名前も、夫が考えてくれました。頭の中にあることを投影するという意味で、この言葉はどうか、と。私は人の話を聞くことがとても好きなので、きっと向いているなと感じましたし、自分の絵の画風が決まっていないという弱みに思えたことも、この仕事では強みに変えられると思いました。今では、自分を最大限活かせる仕事だと思っています。

アリストぬまくま
▲田中さんが描いたアリストぬまくまのビジョン

じっくり話を聞き、その人のファンになる

 ─ビジョンプロジェクターとして活動する中で、印象的だったことはありますか?

 当初の予想では、夢やビジョンというと、「お金持ちになりたい」「いい車がほしい」「海外旅行に行きたい」「豪邸に住みたい」といったことが多いのかと思っていました。しかし、自分のことだけでなく、地域がよりよくなることを考えている方がたくさんいることに驚きました。もちろん、会社や事業のことが一番ではあるのですが、それだけでなく、人とのつながりや地域の人がいきいきと暮らせるようにということをおっしゃる方が多いんです。

画材

─ビジョンを描く際に心がけていることはありますか?

 私自身がその方のファンになることです。「なぜその志を持つようになったか」ということをしっかり聞くようにしています。結構おもしろい発見があるんですよ。おじいちゃんやおばあちゃんの影響を受けているという方も何人かいらっしゃいました。生き方で後世につないでいけるって素晴らしいことだなと思います。話をじっくり聞くので、「自分の思いを改めて整理できる機会にもなって嬉しい」と言ってくださる方もいます。

─描いてもらう方にとっても発見があるんですね。

 そうですね。ビジョンを絵にすることで従業員の方とゴールが共有できるのもいいと喜んでもらっています。「美しいまち」とひとことで言っても、人によって抱くイメージは違いますよね。「楽しい」という言葉ひとつとってもそうです。ビジョンは、端的な言葉だけでは伝えきれない部分もあります。そうしたビジョンが伝われば、周りの人も応援しやすくなります。最近では、ビジョンを描いた方のことをSNSなどでご紹介してその人の応援団を増やすことも、私のできることだなと思うようになりました。

田中さん

自分が得意なことは、周りが教えてくれる

 ─その他に印象的だったことはありますか?

福山に限ったことではないかもしれませんが、自分の好きなことをしている人が増えたような気がします。時代的にも、好きなことを仕事にしやすくなってきたのかもしれません。モノが溢れているからでしょうか、お金以外の豊かさを暮らしに求める時代、これまで通りの生き方では生きづらい時代が来ているのかもしれません。

─自分の生き方を見直す方が増えているのでしょうか?

 ストレスいっぱいで稼いでも、その発散にお金を使ってしまう。好きなことでもそうでなくても、辛いことがあるなら、充実感がある方がいいのではないでしょうか。仕事に忙殺されていくよりも、やりたいことやビジョンを持って、こうなりたいという理想を追いかける生き方は楽しいと思います。自分ができないことは、それが得意な人と助け合っていけばいいんです。

─田中さんが思う、福山らしい暮らしは何ですか?

 福山のよいところは、街もあるけど、少し移動すると自然があるところでしょうか。ありきたりなことかもしれませんが(笑)。個人的には鞆の町も好きで、外から人が訪れる場所もあって、バランスがよい場所ではないかと思います。

─今後やっていきたいことはありますか?

 やりたいことやビジョンがないという人は、ビジョンを持っている人を応援することから始めるといいと思います。特技は誰しも潜在的にありますが、その活かし方は自分だけで見つけられるものでは、もしかするとないのかもしれません。私がそうであったように、人とつながることで周りの方が教えてくれるものだと思います。志を持つ方はみんな不安だと思います。そういう方々が交流したり、夢を語り合ったりできる場をつくりたいです。私には、みなさんのビジョンを伝える役割があるんだと思います。「こんな人がいて、福山ってすごいね、いいね」と感じてもらえたら嬉しいです。人の力や土地の力ってすごいですよね。目の前の人を応援することで、福山を元気にすることに貢献していきたいです。

─「好きなことを活かす暮らし」。また一つ福山らしい暮らしのヒントが見えました。一人ひとりが好きなことや得意なことを活かすことで、さらに魅力あるまちになれるかもしれませんね。

田中さんの畑で咲く花