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《地域おこし協力隊インタビュー企画》子どもたちといきいきと過ごす暮らし

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年2月28日更新

 今回は、本通商店街にある学習塾で子どもたちの居場所づくりに取り組むNPO法人学習支援VAPAUS(ヴァパウス)の木村素子さんに、子どもたちといきいきと過ごす暮らしについて伺いました。

 木村素子さん
▲NPO法人 学習支援VAPAUS 木村 素子さん

教えるのは勉強ではなく、自分でやる力

 ─学習塾を始めたきっかけは?

 元々、学習塾の講師として働いていました。共働きやひとり親で子どもたちの面倒を見づらい世帯が多いことに気がついたことがきっかけです。2人で任意団体として活動を始めて、現在10年目です。「学習塾」と分かりやすく言っていて、もちろん学習のサポートもしていますが、学習以外の面でのサポートも大切にしています。

─塾にはどのような子どもたちが来ているのですか?

 全員ではありませんが、先生や友人との関係で悩んでいる子ども、発達障がいや学習障がいなど、さまざまな面で難しさを感じている子どもたちです。そうした子どもを抱える親御さんも相談に来ます。ここでは勉強を教えるだけでなく、子どもたちの気持ちをくむことを大切にしています。学習計画も自分で立て、分からないことはまず参考書を使って自分で調べます。

─最初はびっくりしそうですね(笑)。

他の塾から来た子はびっくりしますよ。「何からすればいいですか」「プリントをください」と言う子がいるのですが、それは先生主導の指導に慣れてきた結果なんだろうと思います。ここでは大人がすべてをお膳立てすることはありませんから、自分でやるということが身についていきます。だから、中学校卒業と同時に塾を辞めても、高校に入ったら成績があがっていくんです。

ヴァパウス
▲VAPAUSの拠点である「COCO&NICO」は商店街の中にある元カフェの物件

子どもたちと一緒につくっている塾

 ─子どもたちの様子を見てどんなことを感じていますか?

 自分の存在意義を無意識に探している子が多いと思います。すごくおしゃべりな子の話を聞いていたら、実は家では全くしゃべらないと言うんです。子どもの居場所を家庭だけにせずに、社会に出て別のコミュニティで力を発揮し、喜ばれることで「やっていいんだ」と自信がつきます。
 ここでは、子どもたちがやってみたいことを、やってみようかと言える環境がありますから、子どもたちが提案して地域の祭りに参加したり、卒業生も一緒に座談会を年1回開いたりしています。座談会は、高校生が「まじめなことをまじめに話す機会がないよね」と言ったことがきっかけで始まり、「本当の友達ってなんだろう」など、様々なテーマで話をしています。

─NPO法人がやっている塾であることの良さはなんですか?

 子どもたちと一緒につくっている塾であるということでしょうか。子どもたちと一緒に考えて、あるものでいろいろやってみることが多いです。夏場にクーラーが効かなくて、凍らせたペットボトルで体を冷やしながら、誰も文句を言わずに過ごしたこともありました(笑)。「机をもうちょっときれいにしたら?」と子どもたちから言われることもあるくらいです。

ヴァパウス
▲学習塾には学び直したい年配の方も来ている。その姿や話から子どもたちが学ぶことも多い。

「自分が自分でいられる場所」であり続けたい

 ─子どもたちと関わる上で心がけていることはありますか?

 自然にやっていることですが、一人の人間として分かってあげたいという気持ちを持って接しているかもしれません。興味を持って質問することでお互いが理解し合える、というのがコミュニケーションの基本です。私たちが悩みを聞いてもらっていることも多いんです。子どもたちの意見がおもしろいし、聞いてもらうとスッキリします。大人のペースや考えを押し付けるのではなく、子どものペースや目線で関われる大人がもっと増えたらいいなと思います。

ヴァパウス
▲それぞれが学びたいことを学んでいる空間がある。

─今後、取り組んでいきたいことはありますか?

 10年前からずっと学習カフェをやっていて、子どもたちと一緒に調理をして食事をしています。食事は味わう、嗅ぐ、触れるなどの五感を共有できて絆も深まります。子どもたちに手伝ってもらうには少し狭いので、もう少しキッチンを広くしたいなと考えています。子どもたちには、ここでしかできない経験をさせてあげられたらと思っています。子どもの貧困というと経済的な面ばかりが取り上げられがちですが、いろんな経験ができていないことも問題だと思うんです。あとは、子どもたちにとって「自分が自分でいられる場所」であり続けたいです。「ここに来ればあの人がいる」という安心感を持ってもらえたら嬉しいです。

おでん
▲この日の夕食は、ボランティアさん手づくりのおでんとおにぎり。

─「子どもたちといきいきと過ごす暮らし」。木村さんのお話から、また一つ福山らしい暮らしのヒントが見えました。子どもたちがいきいきと過ごせるまちであるために、小さなことでもいいから自分が始められることは何か、考えてみたいと思いました。