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《地域おこし協力隊インタビュー》お互いに見守り支え合う暮らし

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年9月5日更新

今回は、内海町いちかわ診療所の市川勉さんに、お互いを見守り支え合う暮らしについて伺いました。

救命救急医から、島の医師に

─内海町で開業したきっかけは?

父が沼隈町能登原地区の出身で、子どもの頃、長期休みの度に訪れていました。能登原は目の前が内海町で、海もあり穏やかでいいところだなという記憶があって。医師になってからは、救命センターに勤務していたのですが、今後も続けるか考えた時に「これまでと違う環境で頑張ってみよう」と思い、内海町での開業を選択しました。2008年に開業した時、内海町の人口は3,000人ほど。唯一の診療所には80代の医師ひとりでした。

 市川勉さん
▲内海町いちかわ診療所 市川勉さん

─開業してみて、いかがでしたか?

先祖の墓の面倒も見ないといけないし、ちょうどいいかと開業してしまいましたが、実際は考えが甘かったなと思うこともたくさんありました。最初は1日5人くらいしか来ない日もあって、救急車はよく通るのにおかしいなと。集落の草刈りや祭り、イノシシの罠の当番などに出るうちに、集落の方と打ち解けていき、自然と診療所にも人が集まるようになっていきました。

─田舎で医師をするときに不安なことはなんですか?

一番困るのは、最先端の技術やものから置いていかれるのではないかという点です。今も大学病院で指導医をしているのですが、数ヶ月ぶりに行くだけで、道具もどんどん変わっているので驚きます。最新のものに触れる機会があることで、より高いモチベーションが維持できているのかなと思います。

 支え合って暮らしている、内海町のよさ

─医師の立場から見た内海町の良さはなんですか?

まず元気な方が多いことですね。畑の手入れをしたり、自分で買い物に行ったり。自分で動くことで筋力維持にもつながるし、意欲的になります。「自分の目で見て商品を選びたい」というような気持ちは、元気の源でしょうね。

それと、地域内での見守りがあってお互いが支え合って暮らしていること。診察していると「近所の○○さんが最近調子悪そうで…」という話題になり、ケアマネージャーさんに連絡して様子を見てもらうこともあります。

─近くに親戚が住んでいる人も比較的多いですよね。

子どもたちが家族を持って、市中心部で暮らしている場合も多いですね。たまに内海町に来てくれているという家庭は多いです。ただ、高齢者が核家族化しているので、「一緒に暮らせないのはなぜだろう」というのは気になる点ではあります。働きに出ている人が多いので昼間人口が少なく、地域行事も30代と70代の間がすっぽり抜けていて、つながりがつくりづらいのが課題になっているようです。

地域のつながりが、異変の早期発見になる

─内海町で働いてみてどうですか?

患者さんとの距離がとても近く、スーパーに行って患者さんに会うなんてことはしょっちゅう。理髪店に行ったら両隣が患者さんなんてこともあります(笑) 医師が患者さんとこれほど日常的に関わるというのは、普通はあまりないと思います。部屋の電気がつけっぱなしだと近所の人が電話で教えてくれたりして、最初はびっくりしましたが、とてもいいことだなと。小さい地域なので、理髪店や商店に行けばさまざまな情報が集まります。住民の健康状態の変化により早く気付くことができています。

─理髪店や商店にたくさん情報が集まるというのは、私も住んでみて初めて気づいたことのひとつです。理髪店の方も商店の方も、お客さんを車で送ってあげたり、心配な人が見に行ってあげたり、善意でされていて。古き良き日本の社会が残っているような感じがするんですよね。

堂理容室にて
▲内海町横島の「堂理容院」にて。左から、地域医療の実習生、理容院の村上修生さん、市川さん、看護師の平良子さん。

─健康で豊かに暮らしていくために、できることはなんだと思いますか?

プライバシーにも配慮した上で、住民自身が小さなお医者さんのようにお互いを気にかけて暮らせたらいいなと思います。早期に異変に気付ければ医療費も減るし、病院側の負担も減るはず。大きな病院と小さな病院が連携して、それぞれの役割ができたら、医療者にとっても患者さんにとっても、よりよい医療ができるのではないかと。病院は、住民が安心して暮らすために不可欠な半公共的なもの。私にできることを精一杯やっていくつもりです。

 ―「お互いを見守り支え合う暮らし」。市川さんのお話からまた一つ、福山らしい暮らしのヒントが見えました。ずっと先の年をとった時のことを考えることはあまりないかもしれませんが、年をとった時にどんな暮らしをしていたいか、たまにはじっくり考えてみるのはいかがでしょうか。車に乗れなくなった時、会うのが楽しみな人はいますか?行くのが楽しみな場所はありますか?理想の暮らし方をイメージしながら、日々の暮らしを営んでいければ、きっと理想に近づいていく。そういう暮らし方をしていきたいと改めて思いました。

お知らせ

今回で福山市ホームページでの連載は最後となります。今後は不定期で「note」にて掲載していく予定です。これまでの記事も掲載していますので、ぜひご覧ください。これまでお読みいただきありがとうございました。

ふくやま暮らし研究所(note)
https://note.mu/k_satani/m/m555c0f73542a

※2018年(平成30年)9月4日に写真を変更しました。