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≪インタビュー企画≫「下駄といえば松永」といわれる所以(ゆえん)とその心粋

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年8月31日更新

 お祭りのときくらいでしょうか。カランコロンと小気味いい下駄の音を聞くことは少なくなりました。今の生活様式において、下駄は日常的に履くものではないのかもしれません。けど、だからこそたまに履くならいいものを粋に履きこなす日本人でありたいと思います。地産地消と言いますが、地元に生産量日本一を誇る松永下駄があるならば、ここで買わない手はありません。今回は広島県はきもの協同組合の代表理事井田陽三さんにお話を伺いました。

 井田 陽三さん
▲広島県はきもの協同組合 代表理事 井田陽三さん

―そもそもなぜ、松永で下駄がつくられるようになったのでしょう?―

 もともと松永には塩田があり、塩造りが盛んな土地でした。松永湾の入江は塩の製造に必要な燃料のための貯木場だったんです。その原木に目をつけたのが当時の地元の実業家丸山茂助。原木を利用して下駄をつくり、販売し始めたんです。それが明治11年。戦後、機械化に成功してからは、松永に300軒ほどの下駄屋がありました。ピーク時の昭和30年代には年間5,600万足を生産していたそうです。あの頃は松永で下駄に関わらない人はいませんでしたね。今も下駄といえば松永というイメージがあるのか、下駄が話題になると、出版社やテレビ局からの問い合わせが多くあります。 

松永湾には原木が一面に広がる
▲松永湾には原木が一面に広がる

―下駄といえば、松永なんですね―

 下駄に限らずはきもの全般に力を入れています。日本最大規模のはきもの資料館があるのもここ松永。リニューアルしたばかりの館内にある伝統産業館では下駄の歴史や製造工程も学べますよ。

松永はきもの資料館の伝統産業館
▲松永はきもの資料館の伝統産業館

―全国に先駆けて下駄製造の機械化に成功したのも、ここ松永なんですよね?―

 はい。機械化することで生産力が上がり、誰もが手にしやすい価格で販売できるようになりました。それですっかり下駄の産地としての認知が高まり、全国から問屋さんが集まってきたんですね。安くて大衆的だから、それはもう売れましたよ。戦後、モノがない時代でしたからね。けど、最後の仕上げはすべて職人さんの手作業でした。子どもの頃、職人さんたちが桐下駄を仕上げていた光景を今でも覚えていますよ。安くたってね、ひのきと比べて桐下駄は長持ちするんです。桐はね、砂利を噛む性格があるんですよ。その砂利が下駄をガードして長持ちするんですわ。大学の頃、下宿しとってね、毎晩銭湯に歩いて行っていたんですけど、友人が履いていたよその下駄より、私が履いていた松永下駄は倍くらい持ちが良かったです。まあ、よう銭湯で盗まれましたけどね。いい下駄でしたから。

現在も日本下駄の約5割の生産を誇る
▲現在も日本下駄の約5割の生産を誇る

―「神田川」の世界ですね―

 そんなふうに下駄を履く機会いうのは確かに減りましたけどね、下駄ブームっていうのが時々あるんですわ。20年前じゃったかのう、大阪のアメリカ村でデニムに合わせて下駄を履くのが流行って、途端に松永中の下駄の在庫がなくなりましたわ。そのときも新聞社が取材に来ましたよ。ブームになると言い値で売ることができるくらいです。

―流行とは関係なく、いつも夏の思い出のそばには下駄がある気がします。日常で履かないからこそ、たまに履く機会を大切にしたいなと。粋に履くコツってありますか?―

 まず痛くちゃいけません。鼻緒に指を入れて伸ばすと履きやすくなる。くの字になってカッコよくなりますしね。選ぶときは鼻緒に手の人差し指と中指を挟むように入れてみるといいんです。指の付け根まですっぽり入ってちょうどいいなら大体足にも合いますね。履いたとき下駄からかかとが5ミリ出るのが最も美しいんです。

―なるほど。かかとはちょっと出るくらいでいいんですね―

 下駄は健康にもいいし、そんなふうにしてもっと履いてもらえたら嬉しいですね。大学の先生の話だと、はきものは平べったい底のものほうが健康にいいらしいんですわ。最近では振付師の方とゲタップという名の下駄をつくったりもしています。改良を加えて、下駄の歯の部分にタンバリンを内蔵したりしてね。踊ると鳴るんです。今つくっているのはアンチエイジング用の下駄。体操するときに履くと健康にいいんですわ。もうすぐ完成予定です。そう、下駄飛ばしがしやすい下駄もつくってますよ。

ゲタップ
▲ゲタップ

―あ、もうすぐゲタリンピックですね―

 下駄飛ばしには下駄飛ばし専用の下駄があるんです。鼻緒が浅く、脱ぎやすい設計で、飛びやすいようにつくられているんですよ。新しいことはいろいろしてます。やっぱなんかせにゃあ。毎年9月の第三日曜はゲタリンピックの日。今年も皆さんの参加をお待ちしてますよ。

今年のゲタリンピックは9月20日(日)に開催

▲今年のゲタリンピックは9月20日(日曜日)に開催
「ゲタリンピック」公式ホームページ
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