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≪インタビュー企画≫眺めるだけじゃない。ふれて感じる福山の宝もの

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年2月29日更新

 福山のシンボル、福山城。日本一駅から近い城のすぐ隣に、戦時中の激しい空襲にも耐えた市の貴重な文化財があります。檜皮葺(ひわだぶき)拝殿造り唐破風(からはふ)という様式の純和風本館とヴェネツィア・ルネサンス風の装飾がなされた洋館、さらに回遊林池式の庭園と茶室を有する“福寿会館”です。建設当時の趣を今に残し、国の登録有形文化財にも指定されているその歴史的建造物が、なんとレンタルスペースとして開放されていると聞き、お話を伺いました。

ふくやま芸術文化振興財団 学芸員 皿海弘樹さん
▲ふくやま芸術文化振興財団 学芸員 皿海弘樹さん

全ての建物が国の登録有形文化財に指定
▲全ての建物が国の登録有形文化財に指定

―福寿会館の成り立ちを教えてください―

 削り節の販売で財を成した「安部和助」という人が、昭和の始めから12年ごろにかけて別荘として建てたのがはじまりです。その後の戦争で天守閣をはじめとする城郭関係施設は焼けてしまいましたが、福寿会館は焼けずに残ったのです。

―空襲に耐え、戦火を逃れたって本当にすごいことですよね―

 一説によると住み込みしていた関係者が必死に消火活動にあたったという話です。後にその福寿会館を買い取ったのが福山通運の創業者渋谷昇さん。昭和28年に渋谷さんが福山市に寄付し、市の迎賓館として利用されたのち、平成16年の改修工事を経て一般開放されるようになったのです。

―福寿会館の魅力を教えてください―

 まず、70年以上の歴史があるということ。そして、建築物として高い価値があるということですね。檜皮葺拝殿造り唐破風の表玄関に格天井の平屋数寄屋造りの純和風の本館と、当時では相当ハイカラなイタリア・ルネサンス風の洋館。その両者を有し、建築として融合させているというのは珍しいと思います。また、本館の奥には西茶室と呼ばれる茶室もあり、利休好みの三畳台目席と二畳中板席、さらにそれぞれ水屋も付いているんです。

和館玄関本館には5つの客室がある
▲本館の表玄関 ▲本館には5つの客室がある
洋館(1階は喫茶、2階は貸会場になっている)洋館
▲洋館(1階は喫茶、2階は貸会場になっている)

西茶室
▲西茶室

―お庭にも茶室がありますよね?―

 表千家の家元に『望城亭』と名づけていただいた南茶室があります。当時、巨匠といわれた数寄屋大工、笛吹嘉一郎さんによる建築で、4部屋からなっています。

南茶室
▲南茶室

―庭園も見事です―

 回遊林池式で、京都の作庭家の指導により、10年の歳月をかけてつくられたといわれています。古田織部型の灯籠など様々な意匠を凝らした石燈籠が多数設置されており、松は250以上あります。池は小堀遠州好みの心字型につくられ、遊魚石や船形石が見て取れます。欄干付きの太鼓橋は石造技術の代表作品ともいえる見事なものです。

―お散歩したくなりますね―

 ぜひ、ゆっくり見ていただきたいですね。もちろん建物内の窓から見るのもいいですよ。福山城を借景に、冬は椿、春はつつじ、夏は青葉、秋には紅葉と、四季の変化を楽しんでいただけます。

ツツジ 

―駅から近いのに、ここは本当に静かです―

 駅から本当に近いので、新幹線の時刻の前後などにもおすすめです。気持ちだけでも当時にタイムスリップしていただけるのではないでしょうか。

―さらにレンタルスペースとして使用できるなんて贅沢ですね―

 市民の人に限らず、県内外どなたでもレンタル可能ですよ。開放された当時は結婚式場として多く利用されていたようです。お茶会や琴の演奏会をはじめ、最近ではアニメのコスプレイベントなど用途やジャンルを問わず、幅広く活用されています。大切にしながら多くの人に使っていただきたい福山の宝です。

本館から福山城を望む 
▲本館から福山城を望む