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≪インタビュー企画≫市の花「ばら」を、福山の産業として育てたい

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年4月28日更新

 ばらを市の花と定めている自治体や名所といわれる場所は全国にいくつもありますが、福山ほど市民ひとり一人が思いを寄せ、ばらを大切にしている地域はないのではないでしょうか?戦後、復興の礎となり、ローズマインドとして“こころの豊かさ”をも担うばらは、まさに福山の象徴です。そのばらを生かし、ひいては市の産業にしたいと語るのは造園師・廣岡修一さん。昨年、沼隈にある旧校舎をリノベーションし、一風変わったガーデニング店「丘の上のつるばらや」をオープンさせた彼の熱い思いに迫りまりました。

廣岡さん 
▲庭.Life 露花(にわらいふ ろか)
丘の上のつるばらや代表廣岡修一さん

―ばらへのこだわりについて聞かせてください。
 なぜ、ばらなのでしょう?―

正直言うと、最初はそこまでばらに興味はなかったんです (笑)。

―確かに一見したところ、ばら好きという雰囲気ではないかも……
 いつから興味をもつように?―

 熊本の造園学校を卒業後、京都や岡山で作庭の修行を積み、日本庭園について学びました。そして、生まれ育った地元沼隈に戻り、今は市内で造園の仕事をしています。京都は一般的に敷地が狭いので庭造りは繊細。一方、九州は敷地が広いため、石や木を大胆に使う豪快な庭造りをします。また岡山は石の産地なので石を使うのが上手いんですよね。さて、福山だったらどんな庭がつくれるだろうと考えたとき、ばらだと思ったんです。「ばら祭」をはじめ、市民のみなさんに愛されているばらを使えば、福山ならではの庭がつくれるんじゃないかと。実際、扱っているうちに僕自身どんどんばらが好きになっていました。

―ばらを使った福山ならではの庭造り。
 たとえば、それはどんなものでしょう?―

 ばらは昔から品種改良がくり返され、本当にたくさんの種類があるのですが、大きく分けると“きばら”と“つるばら”の2つに分類されます。駅前や公園で見かけるのはきばら。高さはなく、硬くて太い枝が特徴で、大ぶりの花を咲かせるばらです。僕が専門で扱っているのは「オールドローズ」と呼ばれるつるばら。すーっと伸びて細くしなやかなつる枝が特徴で、フェンスに絡ませたり、アーチをつくったり、立体的に仕上げるのに向いています。だから、狭い場所の庭造りにもすごく合うんですよね。

廣岡さん
▲「ばらは環境に適した品種を選ぶことと樹形が大事」と話す廣岡さん

―お店の名前もずばり「丘の上のつるばらや」。
 ロケーションも外観も、とってもすてきなお店です―

 店舗がある沼隈は僕の生まれ育った土地です。昭和27年に丘の上に分校として建てられた木造校舎。地区の集まりや盆踊りの場所として、子どもの頃よく来ていたところだったんです。昨年の5月にその木造校舎をリノベーションし店をオープン。つるばらをはじめとしたばらの苗や観葉植物、ガーデニング雑貨の販売をしています。今年はここでワークショップも開催していく予定です。寄せ植えやばらの剪定、ばらの誘引の方法など、ガーデニングの楽しみが広がるような教室ができればと思っています。

丘の上のつるばらや

店内店内

―市制100周年となる今年、ばら100万本を達成しようとしている福山ですが、各家庭でばらを使ったガーデニングが盛んになれば、もっともっと広がりますね。―

 ばらって、庭造りにおいてはほかの植物とは扱いが違うんです。ガーデニングには園芸と造園があるんですが、園芸屋が扱うのは草花など観賞用の植物で、造園屋が扱うのは松やケヤキなどの植木。ばらって確かに木ではあるんですが、専門性が高いので造園屋が扱うものではないんです。かといって園芸屋も実はよく知らなかったりするんですよね。実はばらにはばらの専門家っていうのがあるんです。園芸屋があって造園屋があって、一つのジャンルとしてばら屋がある。ばらの専門家は全国でも少なく、かなり限られているので、おそらく日本では10軒か多くて20軒ぐらいしかないはずです。

 ―ばらのまち福山でばらに特化したガーデニング。
 福山だからできることですね―

 ばらと庭と福山市、合うんじゃないかなあと。ばらって想像以上に繊細でしなやかなで、パーゴラやフェンスに絡ませたり、アーチをつくったり、あらゆる条件の庭に対応するので、狭くても本当にいろんなことができるんです。日本庭園を専門に学んできた自分の観点からいっても、それは十分日本人の感性に合うんじゃないかと思っています。そして、ただつくって終わりではなく、今はその庭を利用した企画を考えているんです。

―ばらを使った庭造りのその先。
 庭を利用した企画ってなんですか?―

 公園など公共の場所と違い、一般的な家庭の庭ってそこに住む人たちやその関係者ぐらいしか出入りしないので、ほかの人たちは基本的に見ることができないですよね?けど、せっかくつくった庭ならもっとたくさんの人に見て欲しいと思うんです。そこで考えているのが「ガーデンティーパーティ」。つくった庭に、同じように庭好きな人を招いてお茶するような機会が設けられたらいいなと考えています。たとえば、家主は来る人のためにお茶やお菓子なんかを用意して、ゲストは家主に何百円かを支払うなど、ちょっとした仕組みをつくれたらと。市内にある見事な庭をコースにして、庭から庭をバスでまわるツアーを組んでもいいかなって。ただ庭をつくって終わりではなく、そこに住む人も、訪れる人も、みんなが楽しめる庭造りができたら、市を盛り上げることに繋がるんじゃないかと思うんです。

廣岡さん

―福山観光のコースとしてはもちろん、地元のコミュニケーションツールや老後の楽しみとして広がっていったら素晴らしいですね―

  はい、ばらにはその力があると思っています。ばら祭に来ている人たちを見ていてもそれは強く感じること。実際、僕自身ばらの魅力に突き動かされた一人ですからね。

―廣岡さんが思う、ばらの一番の魅力は何ですか?―

 香りです。品種にもよりますが、ばらって本当にいい香りを放つんです。ばらはその見た目の美しさはもちろんですが、空間として庭を考える上でも、本当に素晴らしい素材だと思っています。

ばら

―福山以外の土地に住み、学び、Uターンしてきた市民の一人として、市制101年目の目標を教えてください―

 まずは、「丘の上のつるばらや」で数多くのワークショップを開催し、ガーデニングの楽しさを多くの人に知ってもらうこと。市民のみなさんの庭造りのお手伝いができればと思っています。そして、駐車スペースや防犯上の問題など、まだ考案の段階ですが、ガーデンティーパーティを企画していきたいです。熊本、京都、岡山と、いろんな土地を見て感じたことは、地域によって庭も人も、みんな違うんだということ。市を盛り上げたいと思ったら、どこかの真似じゃなく、福山は福山にあるもので、福山らしく磨いていけばいいんだなって感じたんです。だから僕は、福山をばらで盛り上げていきたい、ひいては産業にしたい、そう思っています。将来的にはこの沼隈の山も、ばらでいっぱいにしたいですね。