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≪インタビュー企画≫今、ある価値。まずはそれに気づくこと。

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年11月30日更新

鏡がないと自分の姿は見えないように、その価値は誰かの助けを得ることでやっと見えてくるものなのかもしれません。
「マインドマップ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?それは発想法の一つで、課題としているテーマから連想するイメージを放射線状に書き出し頭の中を整理することで課題解決に導く手法です。そのマインドマップを利用し福山の魅力を発見・発信しているのが藤本貴史さんです。沼隈のオフィスでお話を伺ってきました。

 藤本さん
▲沼隈内海商工会 主任 藤本貴史さん

―藤本さんのお仕事を教えてください。

 皆さんが抱える課題を解決するにはどうしたらいいか、それを一緒に考えるのが僕の仕事です。支援していることは皆さんの想いや課題を聞き取り、それを見える化して整理してあげること。それだけなんです。そのためにマインドマップを使います。こうやって黒板にどんどん書き出していくんです。おもしろいでしょ。みなさん、マインドマップを使うと、自分が何に悩んでいたかがやっとわかったとおっしゃってくれます。そして、そのなかで「じゃあここは僕が支援できますね」となれば手伝うし、整理するだけであとは皆さん自身で解決できちゃう人もいるんです。

 マインドマップ
▲「備後」と「会社」をテーマにしたマインドマップ

―おもしろいですね。

 マインドマップのいいところは否定しないところ。相手や現状を否定せずに課題だけがどんどん見えてくる。最終的に経営計画を作ることが目的なんですが、最初は色々難しく作っても見なかったり、つくっただけで満足しちゃうから。僕自身もこの方法でいろんなことを解決してきたんです。心の整理をするのに本当に便利なんですよ。

―藤本さんはいつからこの仕事を?

 もう13年になりますね。以前は博物館に勤務し、発掘や歴史の調査などをしていました。やりがいは感じていましたが、それは過去を探す仕事。過去って変えられないじゃないですか?けど、未来は変えられる。それで、未来を支援する仕事がしたいなあと思い、今の仕事に就きました。博物館の目の前に商工会があったっていうのも大きかったのかな(笑)。経営指導員研修生の採用試験というのがあって、県内で一年間に一人だけ経営指導員研修生を募集しています。試験に合格し晴れて商工会に。最初の勤務地は呉市下蒲刈町でしたが7年前から沼隈の商工会に勤めはじめました。商工会という立場から経営支援というかたちで地域を活性化し、地元を支援し、福山を盛り上げていきたいなという気持ちでやっています。

―その福山愛はどこから?

 私は神辺町の出身ですが、特に昔から地元愛が強いタイプ、というわけではないんですよ。福山愛が強くなったのは10年前に東京の商談会に参加したことがきっかけ。アンケートで、広島県内で知ってる市町村を上げてもらったんですが、福山の名を挙げる人が一人もいなかったんです。ショックでしたね。それで福山を発信するようなことをしたい、福山のために働きたいと思うようになりました。決して新しいものをつくろうとしなくたっていい。今あるものを生かすだけで十分に福山の魅力は伝わるんじゃないかと思っています。

―福山の魅力とは?

 福山の人はいいもの持っていても、あまり言わないんですよ(笑)。福山の人は、謙虚ですね、大変良いことですが、それが魅力を埋もらせている時もあります。そういう事は自分でいうもんじゃないんよとか言って。あれ、もったいないなと思います。
 市外の人は、福山というと工業の街という印象が強いようですが、それ以外にも観光や特産品、地域資源など魅力はたくさんあります。それもすべて見せ方・伝え方次第だと思っています。当会では、観光に関してはすでに民泊をはじめたりもしていますよ。

―ほかには? 藤本さんのアイデアを聞かせてください。

 工業ならたとえば見学ツアーを実施してますが、「工業系の大学生」や「医療機器メーカー」「ロボットメーカー」の方などを対象にして見学ツアーを組んで、参加者の方々に企業の技術やサービス等の魅力を探ってもらい、そこから就職(雇用)や新商品開発につながるようなことになればいいかなと考えたりします。
 今って求人倍率がすごい高いから、ここで働きたいと思うような見学会にできたらいいですよね。とにかく今あるものを活かすこと、それだけです。沼隈町の特産品「ビンゴソース」も、もともと「さばったれ」という商品だったんですよ。

―ビンゴソース!首都圏でも販売しているし、ネットでも買えるんですよね?
http://www.sidasi-takano.com/

 飲食店からお弁当屋さんに業務転換しながらも、昭和34年から続く人気店で昔から売っていたソースで、まさに埋もれてたんですよ。「この消費はもっと売れるんじゃないですか?」と提案したら「年間100本くらいしか売れんのに、年間何万本も売るなんて無理ですよ」なんて、お店の人は、はじめは消極的だったんですが、お互いネーミングを10個ずつ考えるところからはじめて、商品取引シートの書き方から営業方法、販路開拓も一緒にまわって、今は市内を含め80店舗以上の店舗で販売して頂いてます。以前は、約3キロ圏内の商圏だった事業がビンゴソースを切っ掛けに一気に広がりましたね。自社製品があるってことは強みです。製造施設とかは増築せずそのままで、売上は以前の100倍以上になりました。子どもたちが嫌いなピーマンなんかもこのソースがあれば食べれるようになったと、学校給食でも使われています。

藤本さん

―すごいですね!

 調味料は、大手メーカー商品が安く出回っているので、販路開拓は難しいんです。しかし、このソースはストーリーもちゃんとしてるし、売価も大丈夫だったし、そして何より美味しかったから販路開拓に繋がりました。それにはネーミングやパッケージだけじゃなく、陳列の場所も重要です。たとえばスーパーのソースの棚だけでなく惣菜のところに並べてもらうか、地域産品のところに並べてもらうか。とにかく価格の勝負になってしまうような同じソースの棚には並べないようにしよう等と最初は話しました。販路開拓後も陳列の仕方など、細かいアドバイスはさせてもらっています。商品ができて終わりじゃありませんから。

―関わり方に愛を感じます。

 もっとこうしたらいいなあと自分が支援したいと思っても、別にこのままでいいという人には無理に何かしたりはしません。相手を否定することにもなるし、求めてもないのにぐいぐいいっても仕方ないですから。話してみて、興味を持ってもらったら一緒に頑張ろうって感じです。

―前職が役立っているということですが。

 発掘等をしているとき、町史を編集をしていました。その頃のくせというか、どこかの事業所を支援するとき、その事業所がある地域の歴史をまず調べるんです。で、町内のいろんなところを調べていると、遺跡だったり平家の落人の伝説だったり、食文化等、歴史的に興味深いものがたくさん出てくるんです。それって魅力ですよね。けど、やっぱり埋もれている。それを見える化していくのが僕の仕事。事業所だけじゃなく、その所在地を掘り下げるってことは地域全体を盛り上げることになりますからね。

―素晴らしい。

 事業者の良いとこと強み、地域の良いとこと強み、それを広げていく。良い技術であったり、良い場所だったり、風景だったり、匂いだったり、風だったり、いろいろあるんで、それを何にして伝えていくか。じゃあ、どこを伸ばしていくかっていう話をしていると、事業者さんのモチベーションもあがっていくんですよ。「わしゃ、何をすればよかったんじゃろう?」と、わかんなくなってる人がいたら、今はここですよ。って、それを教えてあげること。決して、人を、地域を否定しないことですね。まあ、どうしても否定せんといけんこともあるけど(笑)。あとは、必ず次に会う日を決めて宿題を出す。そして一歩一歩、課題解決へと歩みを進めていく感じです。

―そのたびにマインドマップで課題を整理していくんですね。

 僕の頭の中ではいつもマインドマップが広がってます。ばらを中心にしたり、福山を中心にしたり、とにかくいつも福山のこと考えてるなあ(笑)。お酒飲みながらとかね。頭の中のことを忘れんようにするのに、メモを取るのもマインドマップ。それでどんどん考える。自分にできることはなんだろうって、いつも考えています。

―次の100年に向けた抱負は?

県外の人に「広島県でどこの市町村を知っていますか?」って聞いたときに真っ先に福山って言ってもらえるようになることですね。そのためにも、年に1回は東京に行って確認しています。

―成果は感じますか?

 10年前よりはだいぶ知られるようになりましたね。映画の誘致とかでどんどん知られてるのは感じます。けど、もっと自分たちで発信していきたいですね。市外の人にどんどん福山をPRしていきたいです。

―では、福山市民のみなさんに伝えたいメッセージは?

 まず1つは、商工会をもっと活用してください。経営支援はもちろん、地域活性化だったり、何かしたいと考えてる人はぜひ、まずは来てもらいたいです。福山市内には商工会が4つと、商工会議所1つあるんですけど、ほかの市では普通1つしかないもんなんですよ。それが福山には5つもある。それを活かしてもらいたい。みんな活かしきれてないです。来てもらいたいし、言ってもらえたら行きますからね。モットーは、「行きます、聞きます。提案します」。商品にしても、事業所にしても、人にしても、ダイヤの原石みたいなのが福山にはいっぱいある。こうしたらきっともっといいのになっていうのがたくさんあるんです。まずは持ってる価値をわかってもらって、その価値を伸ばしていくっていう仕事をしたいね。

―福山、まだまだ埋もれた魅力、ありそうですね。

 海があって、山があって、川があって、新幹線のぞみが1時間に1本停まる。これすごいことです。高速道路のインターチェンジも2つあるし、水上飛行艇もできたし、瀬戸内海じゃけ、船も乗れるし、そう考えると、けっこう条件いいんですよ、福山は。まだまだ、もったいないですよ。けっこういいとこなんだけどね(笑)。

全国的に人口が減っていく中で、この47万の人口規模を維持できたらカッコいいなと思うんです。みんなまだまだ福山の価値や魅力に気づいてない。まだまだおのおのが頑張ってる段階。商工会は、事業所の人の個人的な問題だけじゃなく、同じ考えを持った人同士を繋げることだってできるんです。その点と点を線で結んで繋いでいけたら、きっといいまちだということに気づいてもらえると思っています。そして、うまく外に発信できたらもっといいまちだと感じてもらえるんじゃないかなあと。すでに魅力はありますから。それを生かす、価値を上げていくっていうことをしていきたい。今、ここにあるよっていうのを伝えていきたいです。福山の未来をになう子どもたちのためにもね。

藤本さん