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≪インタビュー企画≫自分が変われば、世界が変わる

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年1月31日更新

 一人あたりのゴミ排出量が世界で一番多い国、日本。「もったいない」という言葉を持つ国の一人として、何か心がけていることはあるかと問われたとき、あなたは自信を持って答えることができるでしょうか。ここ福山には、その「もったいない」という気持ちを大切にして活動している人たちがいます。神辺町にある資源リサイクル・廃棄物処理業者「かこ川商店」の水主川夫妻にお話を伺ってきました。

かこがわさん 
▲株式会社かこ川商店 水主川嘉範さん、水主川緑さん

―廃棄物の処理とリサイクルをお仕事とする「かこ川商店」さんが、わくわくワークショップをはじめたきっかけは何だったのでしょう?

嘉範さん:廃棄物処理という業務の中で「もったいない」と感じることがよくあります。きっとそれはみなさんも感じたことがある感覚だと思うんです。それを大切にしたいと思って2年前にはじめたのがわくわくワークショップ。ゴミとして扱われるモノに新しい視点を持ってもらえたらと思っています。

緑さん:廃棄物と呼ばれるモノの中にも、見たことのない形をしているものだったり素材だったり、なんだか気になってしまうようなモノがあるんです。そういうモノを見たときに、単純に面白いなって思って。はじめてここ(かこ川商店)に来て、積まれた廃材を見たとき、ここには未来があると思ったんです。で、何かやりたいなって思って。

 廃棄物
▲かこ川商店には様々な廃棄物が集まる

嘉範さん:僕も、先代から継いだ8年前にはそんな風に思ったこともあったと思うんですけど、日々の業務の中で忘れていた感覚だったんです。そういう感覚を彼女がもう一度気づかせてくれたんですよね。

―ワークショップでは具体的にどんなことをしているんですか?

緑さん:ワークショップでは、廃材・端材を使って、子どもたちから、お父さんお母さん、おじいさんおばあさんまで、自由にものづくりを楽しんでいます。

嘉範さん:福山は、ものづくりの企業が多いので、商品を製造する過程で発生する廃材・端材は、本当にいろんな種類があるんです。布や糸、ビーズとか。再利用しなければゴミとして捨てられてしまうその廃材・端材を利用してワークショップをするなかで、こんな会社があったんだとか、こんな仕事があるんだなど、福山というまちを知るきっかけにもなればいいなと思っています。これもワークショップの目的の一つです。

かこがわさん

—実際、ワークショップをやってみてみなさんの反応はどうですか?

嘉範さん:子どもたちの想像力ってすごいなって思います。僕もやってみたんですけど、何をつくってもいいと言われると、おとなって一回手が止まるんです。何か言われたものをつくるほうが楽なんですよね。けど、子どもは自由な発想で躊躇なくどんどんつくる。恥ずかしいとかいう気持ちを捨て、おとなの自分をいったんリセットして、子どもに戻ってやると楽しいですよ。おばあちゃんにも喜ばれています。ワークショップはこれからずっと続けていきたいと思っています。

ワークショップ 
ワークショップ
▲ワークショップの風景写真

―「もったいない」のメッセージは、ワークショップ以外でも?

緑さん:資源収集ボックスの目の止まりそうなところに「不要になったモノを使って、社会に役立てるという発想へ」といったメッセージを書いています。小さなことですけど、それが何かしらの気づきになったり、考えるきっかけとなったらいいなと思っています。

嘉範さん:循環型の社会の実現は理想ですけど、一企業ができることじゃないので、身の丈でできるとこから、と思っています。まずは、メッセージとして伝えられたらいいですよね。そういう人が増えればきっと社会が、世界が変わっていくかもしれないと思うと、わくわくしちゃいます。

資源収集ボックス 
▲かこ川商店の「資源収集ボックス」

―これから伝えていきたいことは?

嘉範さん:もったいないと思う暇もなく捨てられちゃうモノってあると思うんです。ボールペンのインクが出なくなったら、芯を買うより新しいボールペンを買ったほうが安いし、換える手間もかからない。確かにそのほうが楽かもしれません。いまは何かを大切にとっておくよりも新しいモノを買ったほうが楽だし安い時代です。けど、それによって失っているものってあると思うんです。

たとえば二世代前、モノが不足していて、捨てるようなモノさえないくらいの時代、むかしの人はみんな工夫して生きてきたんだと思うんです。まったく同じ生活をしようとは思いませんが、そういう工夫や知恵、その精神ってこれからどんどん失われていく一方だと思うんです。いまはまだ僕たちが持っている「もったいない」って感受性さえも、これから失っていっちゃうじゃないかって。せめてその気持ちだけは失ってほしくない。残していけたらと思うんです。

―モノを大切にするっていうことは、自分の感性を大切にするということと一緒かもしれませんね。

嘉範さん:そうそう。ワークショップがそういう感性を大切にする機会になればいいなと。それを一年に一度くらいでもいいので感じてもらえたらと思っています。ゴミと呼ばれてしまうモノの活用法を提案するのも、廃棄物処理を担う僕らの社会的な責任と自覚して、活動を継続していきます。今そう思えるのも彼女のおかげです。(笑)

―WEBサイト(kakgoawaRD.jp)も緑さんが手掛けているとお聞きしました。とてもきれいで見やすいデザインですよね。

緑さん:何かを伝えるということにおいてデザインの重要性は強く感じています。写真もそうですが、届けたいメッセージがあったら、まず立ち止まって見てもらうきっかけが必要かなって。それは自分たちが仕事をする上でも大切に思っていて、作業着のワッペンもオリジナルでつくっています。

ウェブサイトイメージ
▲  ウェブサイトのトップイメージ

―今後の展開は?

緑さん:場をつくりたいですね。会社の敷地のどこかにワークショップを開催できるようなスペースが持てたら、ワークショップの際に廃棄物処理の作業工程や現場も見てもらえるし、もっと身近に考えてもらえるんじゃないかなって思っています。

嘉範さん:廃棄物の活用法として、ワークショップの開催だけでなく、そこでできた作品を集めて瀬戸内国際芸術祭みたいなことができたらなんてことも考えてます(笑)。実用ってことでいうと損得が出てきちゃうけど、アートなら実用とは違うところでモノの価値を高められるんじゃないかなって。そのモノの価値って実用とは違うところにもあると思うので。

―アートへの昇華、すごくいいと思います。

緑さん:実は、自分たちのサイトをつくるとき、kakogawa.jpでドメインが取れなかったんですね。で、悩んだ末、kakogawaとjpの間に、R(リサイクル)D(デザイン)を入れてkakogawaRD.jpにしました。狙ってなかったんですけど、奇しくもkako(かこ)/g(グッド)/award(アワード)、みたいになって(笑)。

―次の100年に向けての抱負を教えてください。

嘉範さん:抱負というか、これからやりたいこととしては、グッドデザイン賞とかも挑戦したいと思っているんですが、自分たちでもアワードをつくって、廃材を活かしたコンテストなんかをしてみたりもしたいななんて。ゆくゆくは、アーティストとコラボとかができたらいいですね。

写真の皆さん