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≪インタビュー企画≫101年目のあたらしいふくやまへ。

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年2月28日更新

 はじめて福山に訪れたのは3年前の3月でした。それから月に約一度のペースで福山に通い、早いものでこの連載も今回で30回目を迎えます。福山に住む皆さんが見過ごしている福山の魅力を再発見することをミッションに、東京在住という視点を大事にこれまで取材してきましたが、そのなかで見えてきたのは、これから魅力になり得る福山の可能性の存在でした。すでにある魅力に光を当てるだけでなく、その可能性をじっくり育て、根気強く伸ばすこと。それこそがこれからの福山にとって最も大切なことなのではないでしょうか。それには、外からの視点に加え、中からの視点が重要になります。そこでこの連載もそれに最も相応しい方々に託したいと思います。私から最後にご紹介するのは地域おこし協力隊のお二人。福山に定住し、市の活性化のために活動している中尾さんと羽田さんにお話を伺いました。 地域おこし協力隊
▲福山市地域おこし協力隊 羽田俊介さん(左)、中尾圭さん(右)

―自治体からの委託を受け、1年以上3年以下の期間、その地域の活性のため、そこで生活しながら活動する地域おこし協力隊。現在全国で約900の自治体が採用しているそうですが、そのなかでなぜ福山で活動しようと思ったのですか?

中尾さん:以前はまちづくりの会社に勤めていたのですが、その仕事の関係で福山には度々来ていました。それでだいぶいろんな人や場所に繋がりが持てたのですが、仕事をやり終えたとき、福山の人たちとの繋がりがなくなる、新しいところでゼロからはじめるってことが考えられなくて。それで福山で仕事がしたいなって思うようになったんです。そんなときにちょうど福山で地域おこし協力隊の募集があったんです。
 中尾さん
▲中尾さんは主に内海町で活動

羽田さん:僕は福山市出身で、もともと地元に愛着はありましたが、上京して写真家として活動したあと、2年前までの4年間モロッコで現地の駐在員として旅行会社に勤めていました。モロッコから帰国する年に福山市で地域おこし協力隊の募集があるという話を聞いて、生まれた地域のために何かをしたいという思いから応募しました。

羽田さん
▲羽田さんは主に鞆の浦で活動

―地域おこし協力隊として、ご自身の強みは何だと思いますか?

中尾さん:地域の人とコミュニケーションを取ることも好きですが、その地域の課題を見つけて解決につなげる手づくりの取組を考えることが得意だと思っています。

羽田さん:これまでの観光と写真のスキルを生かせたらと。海外で観光関係の仕事をしていたので、海外のお客さんがどういうものが好きかとか、そういう知識や視点もあるかなと思っています。

―福山が抱える課題とは何でしょう?

中尾さん:福山の人たちがあまり福山を知らないということでしょうか。興味を持ってないというか……。

羽田さん:空き家の問題もありますね。観光や移住を考えると、空き家は活用したいところです。

―そのために、いま活動していることは?

羽田さん:鞆の浦には宿泊施設が少ないので、バックパッカーみたいな人たちが泊まれるところがあったらいいなと、空き家を活用したプランを練っています。お客さんとの鍵の受け渡しにも使える場所として、観光案内所兼カフェサロンみたいなものがつくれたらと当初は考えていたのですが、今はまだ進んでないですが。鞆に来る旅行者の方のフロントみたいな役目を果たせる場所があったらいいと思うんですがね。空き家の状況を調べる中、片付けなどを手伝うことになったりして、いまは何でも屋状態です(笑)。

たけあかりたけあかり
たけあかり鞆の浦

常夜灯
▲2016年9月に開催された鞆の浦肝試しイベントにも撮影担当として参加

中尾さん:協力隊になってから、まずは地域資源の掘り起こしをしていました。車で行って、見て、人を紹介してもらって繋がって、という一年でしたね。最近では東京から来た友人にモニターになってもらって、内海での漁業体験などを実験的にしています。網で上がってきた魚を一緒に生簀に仕分けて、魚をさばいて食べるところまで漁師さんと一緒にやってみたのですが、とても好評だったので、イベント化できたらいいなと思っています。また、山野のほうには無農薬・無化学肥料で麦をつくっているところがあるのですが、その小麦粉を使ってパンをつくれないかとかも考えています。耕作放棄地になってる場所で、地元のおじちゃんおばちゃんたちがつくってるんですけど、そういうとこにも光を当てられたらいいなって。2年目の今年は、地元にある素材を使ってものを作ったり、土地にあるものを日常的に食べる企画を考えたいです。その中で可能性を探しつつ、ワークショップやイベントといったもっとわかりやすいかたちにできたらいいなと思っています。

調理風景刈り取り中
イベント内海手帳

―お二人が思う、ふくやまの魅力とは?魅力創造のためには何が必要だと思いますか?

中尾さん:人ですね。気候が温暖だからか、会う人みんなオープンな人が多くて、気質的に明るいし、みなさん冗談言って笑ったり。そういうのがすごくいいなって思う。自分に合ってるなって思うんです。

羽田さん:僕の場合、福山は地元なのでこういうところがいいとか、違うとか、改めて思ったことはなかったのですが、人口が減っていって、街がなくなってしまうのは寂しいなと、危機感を感じています。観光の仕事をやっていた立場でいうと、福山はアピールの仕方が弱いなと感じるところがあって、その方法も、ちょっと古臭い部分があったり、ありきたりな方法だったり。工夫や新しい視点、既存のやり方とは違う方法を生み出さなきゃいけないと思っています。福山なりの新しい発想ができればなと。かといって、僕はまだその回答を持ってるわけじゃないんですけど……。

海外からの観光客は、意外なところに興味を持ってくれたりもするので、既存の観光資源と呼ばれているもの以外にもきっと魅力的に感じてもらえたりするんじゃないかなと。仙酔島もパワースポットとして隠れた人気があったり、海浜セラピーの企画とかもいいなとか、新しい価値観を創造するチャンスは十分にあると思っています。もっと鞆の浦には商売っ気を出して欲しいんですよね(笑)。

中尾さん:他の地域と比べると、観光地として鞆は頑張ってるとは思いますけどねえ。

羽田さん:とにかく、鞆の浦をもっと観光地として盛り上げたいです。鞆に住む年配の方は「観光客なんていらん」みたいなこと言うんです。けど、鞆の人口はどんどん減ってる。このままだと街がなくなってしまうんです。お子さんやお孫さんが鞆の浦にいながら生計が立てれるよう活性化できたらなと思っています。

―今後の目標。

羽田さん:観光って、まちの活性法のひとつだと思うんです。それを年配の方にも理解してもらう努力をしていかなくてはいけないなと思っています。

地域おこし協力隊

中尾さん:市街地と郊外を繋ぐイベントを開催して、いい出会いをつくれたらいいですよね。日常生活に取り入れられるような、ちょっとした体験イベントができたら、それが情報発信にもなるし、市民のみなさんも自然と参加してくれるんじゃないかなって思っています。

あと、平日、福山の都市部に勤めている人たちの多くが、週末は郊外のショッピング施設や岡山まで行って遊んでいる現状を少し変えられたらいいですね。こんなに身近に、海もあって、山もあって、素晴らしい資源があることを見直して、福山でも楽しんでもらえたらなあって。街も田舎も両方ある、福山だからこそのライフスタイルを提案したいです。

―この連載を通してやっていきたいことは?

中尾さん:伝えることによって、読んだ人の行動を変えることができたらいいですね。ここに行ってみようかな、とか、これ食べてみようかなって、なったらいいですね。

羽田さん:これまでやってきた写真の技術を武器に、写真で伝えていけたらいいですね。地域おこし協力隊として、写真のワークショップも開催できたらと思っています。

―最後に、お二人が思う理想のまちって、どんなものか教えてください。

中尾さん:当たり前にみんなが自分の生業をして、その生業自体がまちを元気にすることに繋がっているのが理想かな。仕事と別に地域づくりを意識しなくても、みんながみんな自分の仕事の範囲で、自分のまちのことを考えながら働けば、きっといいまちになると思うんです。

たとえばですけど、飲食店の人は地元の素材を使うだけで、観光で訪れたひとも嬉しいし、生産者の方にもいい。ある意味、観光的でもあり日常的でもある、みたいな。そういうことをみんなができるまちになったら素敵だなあと思うんです。おじいちゃんおばあちゃんたちが昔当たり前にしていた暮らしって、いま自分たちがめざす在り方なんじゃないかなって思っていて。当たり前に地元のものを使うとか、余ったらお裾分けするとか、何かしてもらったら、すぐじゃなくてもゆくゆくちゃんと恩返しするとか。もっと先輩の生活をリスペクトしつつ、自分たちなりにアレンジして、新しい時代をつくっていけたらいいのかなって、内海町にいると思うことがたくさんあります。みんながそういうこと感じながら生きていけたらいいんじゃないかな。

羽田さん:地元ってみんななんだかんだ愛着を持っていると思うんですけど、愛着を持つのはもちろん、自慢できるまちであることが大切かなって思うんです。その自慢の部分を一つでもいいんですけど、それぞれが具体的に人に伝えられるようなことができたらいいなって。そういう自慢できるまちにできたらいいなと思っています。

地域おこし協力隊

※次回からは,地域おこし協力隊の2人が福山の魅力を発信していきます。