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大坊古墳(だいぼうこふん)
印刷用ページを表示する 掲載日:2016年3月31日更新
県指定史跡 昭和58年(1983年)11月7日指定
大坊古墳は,神辺平野の北にある中条の谷の西側丘陵先端に築かれた,巨大な横穴式石室をもつ古墳である。直径14m,高さ約5mの南北方向にやや長い円形で,15m×12mの長方墳の可能性も指摘されている。
横穴式石室は,南東に開口し,石室の長さが11.3m,幅・高さとも約2mの規模である。この石室の特徴は,花崗岩の表面を磨いたような石材を使用し,玄室と羨道がほぼ同じ規模で設計され,玄室は床面の中央に置かれた2個の石によって前後二室に分けられており,玄室の入口には2本の石柱が立てられ,その上に石が架けられている。加工された側壁はほぼ垂直に立ち,それぞれの石が正確に組まれている様子を見ると,高度な土木技術が駆使されている。
この古墳は,開口時期が早かったことから出土遺物は明らかでないが,切石状の石材を用いていることや,左右対称を意識していること,綿密な設計のもとに構築されていることから,古墳時代終末期頃に造られた古墳と考えられている。
所 在 地 | 神辺町西中条 | |
員 数 | 1基 | |
構造・年代 | 古墳時代終末期 |