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貨泉(かせん)

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年7月7日更新

市指定重要文化財 昭和35年(1960年)3月31日指定

 貨泉は,中国新の王莽が天鳳1年(西暦14年)に鋳造した貨幣で,中央に方孔があり右側に「貨」,左側に「泉」の2字を鋳出している。日本へは朝鮮半島を経て伝わったものと考えられ,中国文化の東方波及を示すと共に,弥生時代中~後期の年代を明確に示す好資料となっている。
 この貨泉は,昭和17年(1942年)に津之郷小学校校門脇に防火用池を造成中,地表下1.3~1.4メートルの弥生式土器を含む土層から出土した。直径2.3センチ,方孔は一辺7.5ミリで右側の「貨」の字は鮮明でない。裏面は無文である。
 津之郷は,古来より奈良津・深津・吉津などとともに奥深く湾入した良津として栄えたことも考えられ,こうした地理的背景の上に大陸との文化交流を物語る遺物が出土したことは重要である。
 出土地は「本谷弥生遺跡」として福山市史跡に指定されている。

所 在 地 丸之内 福山城博物館 
員    数 1枚
構造・年代 弥生時代中~後期

天鳳1年(西暦14年)に鋳造

貨泉