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福山市旧佐波浄水場配水池(ふくやましきゅうさばじょうすいじょうはいすいち) ほか2件
登録有形文化財 平成25年(2013年)3月29日登録
福山市旧佐波浄水場は,芦田川下流の福山市街を望む佐波町城山の丘陵地に位置している。
浄水場施設は,ろか池と配水池および付属建物からなり,大正12年(1923年)1月に起工し,大正14年(1925年)9月に竣工した。中心施設である配水池の建物正面には,点検用入口が張り出して設けられている。配水池はコンクリート造およびレンガ造からなる地下構造物で,上部3mが有効水深とされた。両池は幅1.2mの中仕切り壁によって区画され,さらに中仕切り壁と対壁との間に5個のレンガ造導流壁を設け,その壁に開けられた小間を通し水を環流させ,停滞を防いでいる。導流壁の間にはれんが造のアーチをかけて天井とし,土で覆い芝生を張ることで,気温による水温の変動と浄水の汚染を防ぐ工夫がなされている。
各アーチ部には天井に換気口が設けられ,換気と池水の酸化を促進するようになっている。配水池そのものは地下施設でありアーチ部より上部が地上に出ているが,周囲を高さ2.0mのれんが造の外壁で囲んでいる。入口上部には,「不舎畫夜」の記念額が掲げられているが,これは孟子・離婁編下の「源泉混混不舎畫夜 盈科而後進 放乎四海」より採られたもので,水が絶えることのないようにとの願いが込められている。
浄水場配水池,浄水場浄水井上屋,浄水場門の3件が登録文化財として登録されている。
所 在 地 | 佐波町 城山 | |
構造・年代 | 大正14年(1925年) |
上左:旧佐波浄水場配水池入口,上右:旧佐波浄水場浄水井上屋入口,
下:旧佐波浄水場門