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メディア教育評論家 渡辺真由子さんメッセージ(イコールふくやま講演会に寄せて)

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年5月13日更新

2020年(令和2年)3月29日(日曜日)に開催を予定していた、イコールふくやま講演会「メディアと賢く付き合う方法~男女共同参画の視点で情報を読み解く~」は、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため中止となりました。

この度、講演を依頼していた メディア教育評論家 渡辺真由子さんから講演会寄せてメッセージをいただきましたので、掲載させていただきます。

福山市での講演に寄せて メディア教育評論家  渡辺 真由子

メッセージ

 このたびは福山市からお招き頂いていた講演を、新型コロナウイルスの影響により務めさせて頂くことが出来ず、とても残念です。

 福山市には2016年にも講演にお招き頂きました。私の大学時代の先輩が福山在住でして、この時は地元の有名ラーメン店に連れて行ってもらい、尾道ラーメンを福山で食べるという不思議な経験をしたのもいい思い出です。

 コロナ情勢が落ち着きましたら、また福山市の皆さまに講演の場でお会いさせて頂き、さらには福山グルメの開拓にも励めますことを楽しみにしております。

講演要旨

 「きみは女性なんだから料理してよ」「あなたは男性なんだからもっと稼いできてよ」。女だから、あるいは男だから〇〇すべきという、性別にとらわれた考え方は「ジェンダー」によるものです。

 ジェンダーとは、特定の社会や文化の中で育つうちに身に付けていく、「性のありよう」のこと。いわゆる「女らしさ」とか「男らしさ」と呼ばれるものですね。ジェンダーに縛られると、相手の個性を見失い、自分自身の生き方すらも狭めてしまう恐れがあります。
 私たちのジェンダーに関する価値観に大きな影響を与えているのが、広告です。テレビや新聞、インターネット上の広告が、「家事育児を担う女性」「大黒柱の男性」といったイメージを繰り返し流すことで、あたかもそれらが自然で理想的であるかのような意識が、人々にすり込まれていきます。

 なぜ、偏ったジェンダー表現の広告ばかりが作られがちなのでしょうか。制作過程が「男性の視点」で占められているためです。広告の内容を最終的に決めるのは、発注企業の管理職の人々。しかし民間企業の管理職における女性の割合は、12.1%に過ぎません(厚生労働省調査、2016年度)。

 最近は、行政による広告でも、女性を性的に誇張して描いて「炎上」する例が相次ぎますね。私は20年前、ある地方自治体が広報物の制作に男女共同参画の視点を取り入れ、偏ったジェンダー表現をやめるよう取り組んだ事例を取材したことがあります。

 その自治体は、小学生向けの理科の教材で、実験に取り組む場面のイラストに男子ばかりを登場させていたのを、女子と男子混合のイラストに差し替えました。また、介護に関するパンフレットでは、介護役として女性のみが描かれていましたが、介護を担う男性の姿も盛り込むようにしました。さらに納税を呼びかけるポスターでも、女性の笑顔の写真を使っていたところ、「これでは男性しか振り向かない」と、赤ちゃんの写真に変更しました。

 そうした先進的な自治体がある一方で、全国的にはいまだ旧態依然とした広告を作る自治体も多いことに、男女共同参画をめぐる意識の差を感じます。

 私たちは、広告というメディアの発信内容をうのみにせず、賢く付き合うために、何を心がければいいのでしょう。必要なのは「メディア・リテラシー」です。リテラシーとは「読み解き能力」。ジェンダーに関する広告を目にしたら、「これはどんな手法で、どんなジェンダーの価値観を私に植え付けようとしているのか」と、常に問いかけるようにしましょう。

 例えば企業は、やせて喜ぶ女性たちの声をダイエット食品の広告に載せることで、「女性が太っているのはいけないことで、スリムな体型の女性こそ優れている」という価値観を押し付けます。滋養強壮剤の広告では、会社や家族のためにバリバリ働く人物として男性ばかりを登場させ、「会社で責任あるポストに就くべきは男性であり、男性こそが一家のリーダー」という、家父長制的な価値観を刷り込んできます。

 今回の講演会では、こうした事例を題材とし、企業による広告戦略と、それを読み解くメディア・リテラシーを学んで頂くこととしていました。グループワークでディスカッションして頂きたかったのは次の問いです。

 「広告のジェンダー表現で、違和感を覚えるのはどんな内容か? なぜ、その内容に違和感を覚えるのか?」

 まずはこの問いについて、あなたの意見を考えてみませんか。

講演会ポスター