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令和元年9月定例市議会 市長説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年9月3日更新

 本日は,9月定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御参集いただきまして,誠にありがとうございます。
 今回提出いたしております2019年度(令和元年度)補正予算案を始め,諸議案の御審議をお願いするに当たり,当面する市政の状況と議案の大要について御説明申し上げます。

 始めに,市政運営についてであります。
 私は,これまで,ふるさと福山が県東部の拠点にふさわしい,活力と魅力に満ちた輝く都市となるよう,市民の皆様の声に耳を傾けながら,5つの挑戦に取り組んできました。福山駅前の再生や福山北産業団地,福山道路の整備促進など,人や企業を惹き付ける都市基盤の強化に努めてきました。また,福山ネウボラを始め,子どもの医療費助成の拡充,小中学校の空調設備整備など,未来を担う子どもたちへ重点的に投資してきました。鞆の浦の日本遺産への認定やばらのまち福山国際音楽祭の開催など,歴史・文化のまちづくりも積極的に進めてきました。
 今年度からは,5年間の抜本的な浸水対策を柱とする「頻発する自然災害への備え」を始め,「本格化する人口減少への備え」,「備後の拠点都市としての備え」の3つの備えに改めて注力しています。
 このように,一歩一歩着実に前進してこられたのも,市議会を始め,市民の皆様の御理解と御協力の賜物と心から感謝申し上げます。
 引き続き,本市が直面する様々な課題や更なる成長のための基盤づくりに果敢に挑戦していくためには,その裏付けとなる持続可能な財政の確立が不可欠です。事務事業見直しなど従来の歳出削減策にとどまることなく,ネーミングライツの積極的な導入や遊休財産の効果的な売却,RPA(定型的な事務作業の自動化)の導入などによる,総合的な財源確保策に本格的に着手して参ります。
 今後も,リーダーシップを持って,未来への礎を築いて参ります。

 次に,市政の状況について御説明申し上げます。
 まず,抜本的な浸水対策についてです。これまで,国においては芦田川の樹木伐採や土砂撤去など,県では排水ポンプ車の配備や福川と天王前川への仮設ポンプの設置などを行ってきました。本市においても,水路等の土砂撤去や排水機場への防水施設の設置など,流域ごとの浸水対策を計画的に進めてきました。そして,今後,手城川流域の内水排除対策を力強く実施していくため,国からの重点的な財政支援が見込まれる「100mm/h安心プラン」への登録申請を先月末に行いました。引き続き,国・県・市が連携した抜本的な浸水対策に取り組みます。
 次に,人口減少対策についてです。今,ワーケーションという新たな働き方が注目されています。ワーケーションとは,ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた造語であり,普段の職場から離れ,一定期間,別の場所において働くことで,生産性や創造性の向上をめざそうというものです。本市では,IT関連の仕事に携わるクリエイターを首都圏から受け入れ,今月から,田尻町を中心に活動していただいています。全国の自治体に先駆けた,兼業・副業限定の戦略推進マネージャーの取組と併せ,地方への新しい人の流れを創るモデルとして積極的に発信していきます。
 来月から,主に3歳児から5歳児までの子どもを対象とした保育料無償化が始まります。女性の社会進出ともあいまって,保育需要の更なる高まりが予測されます。本市では,従前から老朽化した保育施設の改築などを計画的に実施することで,低年齢児の受入枠拡充に努めてきました。今後は,保育人材の確保がより一層重要となってくるため,現在実施している保育士の処遇改善や保育士資格の取得支援に加え,近隣の大学などと連携した人材確保も強化します。本市の強みである保育施策の更なる充実に努め,人口減少対策の重要な柱である,子育てと仕事の両立を支援します。
 次に,持続可能な地域コミュニティへの再構築についてです。重層化した地域自治組織の整理など,昨年度の有識者会議で示された取組の方向性を踏まえ,先月,「地域コミュニティのあり方検討委員会」を立ち上げました。今後,地域コミュニティの運営や必要な支援制度について議論する中で,曙学区と新市学区をモデルとした,地域コミュニティの再構築にも着手します。あわせて,行政と地域との役割分担の整理も行い,今年度中には一定の方向性を示して参ります。
 次に,先端技術による新たな都市づくりについてです。昨年度,「まるごと実験都市ふくやま」の取組をスタートさせました。これまでに,自動車の自動走行など多くの実証実験を実施してきました。こうした実績が評価され,国の近未来技術等社会実装事業に選定されたほか,大手通信会社による次世代通信規格「5G」のネットワーク整備実証実験都市の3都市のうちの1つにも選ばれました。また,服部地区では,MONET Technologies社と連携して実施したオンデマンド交通の実証実験の結果を受けて,10月からは新たに共同配車システムなどを導入します。実証実験で得られた成果と課題を踏まえ,必要ならば国に規制緩和を求めるなど,実装への道筋をつくっていきます。先端技術による地域課題の解決を通して,近未来社会の新しいライフスタイルを福山から創造していきます。
 次に,歴史・文化のまちづくりについてです。今年は,福山藩初代藩主である水野勝成公が備後へ入封して400年の節目となる年です。先月31日,入封400年フォーラムを開催しました。今月21日から23日までは,備後入封400年祭を福山城天守前広場を中心に開催し,ステージイベントや千人茶会,夜の音楽イベントなどを実施します。これを機に,本市の発展の礎がどのように形成されてきたかを学び直し,先人たちが残した豊かな歴史・文化を次世代に引き継いでいきます。
 ばらのまち福山国際音楽祭については,来月10日から13日までの4日間,「みんなで創る」,「次世代育成」,「国際交流・過去と未来の懸け橋」の3つをテーマに,作曲家で文化功労者でもある池辺晋一郎さんを総合プロデューサーに迎えて開催します。このたびは,新たに市民音楽家で結成された「ふくやま祝祭合唱団」,「ふくやま祝祭管弦楽団」,「ふくやま祝祭邦楽団」によるコンサートを実施します。また,日本とハンガリーの国交樹立150年を記念して,「ジュール・フィルハーモニー管弦楽団」を招へいするとともに,チャイコフスキー国際コンクール・ヴァイオリン部門優勝者のセルゲイ・ドガディンさんにも参加していただきます。全国から注目される音楽祭になったことを喜んでいます。海外の質の高い音楽をリーデンローズの最高の音響とともに鑑賞いただき,世代や言語を越えて人々が交流できる「音楽の力」を感じていただきたいと考えています。

 次に,2018年度(平成30年度)普通会計の決算見込みについて,その大要を御説明申し上げます。
 まず,歳入では,土地・家屋の評価替えに伴う固定資産税の減少や企業収益の減による法人市民税の減少などから,市税が約736億円と前年度を下回りましたが,財政調整基金等からの繰入金や寄附金などの増加から,全体では前年度に比べて1.7%増の1,735億3,312万1千円となりました。
 歳出では,甚大な被害をもたらした豪雨災害からの復旧事業や再度災害防止に向けた浸水対策に着実に取り組みました。福山駅前のにぎわいの創出を始め,備後圏域における拠点機能の強化などにも努めた結果,全体では同0.6%増の1,659億2,559万1千円となりました。
 また,事業の優先順位や効果などにも配慮した結果,財政の健全性を表す健全化判断比率は,前年度に引き続き,4つの指標全てが早期健全化基準内となりました。市債残高は,市民一人当たり29万8千円で前年度と同額となり,引き続き30万円台を下回りました。本市の財政は,健全な状況を維持できているものと受け止めています。
 次に,今回,議案として提出いたしております2018年度(平成30年度)の企業会計の決算などにつきまして,その大要を御説明申し上げます。
 まず,病院事業会計についてです。市民病院は,国から大学病院に相当する医療機関として,2016年度(平成28年度)からDPC特定病院群に継続して指定されています。また,小児科医の増員など医療スタッフの確保にも積極的に取り組むとともに,西館4階を「小児専用病棟」とするなど,職員体制と医療提供体制の更なる充実に努めています。収支状況につきましては,旧神辺診療所用地の売却に伴う一時的な特別要因のため,1億1,418万7千円の純損失を計上したものの,経常収支は11年連続の黒字となっています。引き続き,福山市民病院改革プランの取組を進め,健全な経営を維持するとともに,備後圏域全体の医療水準向上のための中心的役割を担う基幹病院として,高度で良質な医療を提供して参ります。
 次に,水道事業会計では,良質で安全な水道水を安定的に供給するため,基幹・重要管路や施設の耐震化に取り組んできました。当年度の純利益として17億6,837万6千円を計上し,当年度末資金残高は約38億4千万円と,前年度から増加しました。しかしながら,いまだ企業債残高は約375億円となっていることから,より一層の健全経営に努めて参ります。
 工業用水道事業会計につきましては,引き続き純利益を計上しており,今後とも,企業活動を支える役割を担って参ります。
 下水道事業会計につきましては,安全で快適な生活環境を確保するため,汚水管渠の整備に加え,ポンプ場等の耐震化・長寿命化に取り組んできました。また,水洗化率や収納率の向上の取組により,収益確保に努めてきました。頻発する浸水被害を軽減するため,市街地の内水排除対策を力強く実施して参ります。
 上下水道事業は,市民生活や社会経済活動にとって重要なライフラインです。上下水道事業中長期ビジョンを着実に実施し,経営資源を最大限に活用します。本年3月に上下水道事業経営審議会から受けた「水道料金及び下水道使用料のあり方について」の答申を踏まえ,引き続き,持続可能な経営基盤の確立と市民サービスの維持向上に努めて参ります。

 最後に,補正予算案について申し上げます。一般会計において,災害復旧に対応するものや学校図書館の追加整備などが主な内容となっています。
 まず,7月9日の大雨による被害への対応としては,被災した農道の復旧を行います。また,小中学校図書館の環境整備については,企業や団体,個人などからの多額の御寄附を活用して,当初予定していた3校に加え,14校を追加して実施します。福山城築城400年記念事業については,福山城天守や美術館プロムナードの夜間景観照明を整備します。福山城博物館については,天井の一部で使用が確認されたアスベストの除去工事を実施します。このほか,次期ごみ処理施設の整備・運営について,債務負担行為を計上しています。
 以上の結果,今回の補正予算額は,一般会計で5億4,402万3千円の追加となりました。

 決算及び予算以外の議案といたしましては,条例案として,公益的法人等への職員の派遣等に関する条例等の一部改正についてなど14件,その他の議案として,福山市立東小学校北棟校舎改築他工事請負契約締結についてなど8件を提出いたしております。
 何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。


本文は,口述筆記ではありませんので,表現その他に若干の変更があることがあります。