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令和2年6月定例市議会 市長説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年6月1日更新

 本日,6月定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御参集いただき,誠にありがとうございます。
 今回提出しております2020年度(令和2年度)補正予算案を始め,諸議案の御審議をお願いするに当たり,当面する市政の状況と議案の大要について御説明申し上げます。

 始めに,新型コロナウイルスへの対応状況についてです。先月25日,緊急事態宣言が全面解除されました。1つの節目を迎え,働き方や消費行動など私たちの暮らしは大きく変わりつつあります。また,倒産や失業者が増えるなど,国内経済にも深刻な影響が出ています。更に幅広い分野に影響が拡大していくことが懸念されており,今後の社会経済情勢には最大限の注意を払っていかなければなりません。
 新型コロナウイルス対策は長期戦を覚悟しなければなりません。そして,機動的・効果的に対処していかなければなりません。このため,初動の緊急対応から社会経済活動の再開,そして回復の3段階からなる本市のロードマップを策定しました。これに沿って「市民生活」と「経済活動」を守るために必要な対策を果断に打ち出し,社会経済活動の回復と「新しい日常」の定着に向け,職員一丸となって全力を尽くして参ります。
 このロードマップの第1段階として,5月臨時議会で御可決いただいた補正予算は,市民の命と健康を守ることを最優先に編成したものであります。その第1の柱は,感染拡大防止策です。市保健所によるPCR検査の実施や民間委託により,本市の検査体制を1日当たり120件へと大幅に強化しました。医療機関の献身的な努力や市民・事業者の皆様の御理解と御協力もあり,4月26日から新規の患者は発生していません。また,昨日,宿泊療養中の患者3人が退所しました。これで,入院患者・宿泊療養者ともにゼロになりました。
 2つ目の柱は,市民への生活支援です。国の特別定額給付金については,これまでに大きな混乱もなく,予定どおり先月27日から給付を開始しています。ひとり親家庭と重度の障がい者・医療的ケア児に対する本市独自の緊急応援金については今月10日から,また,子育て世帯に対する国の臨時特別給付金については今月下旬からの給付をそれぞれ予定しています。市民の皆様の生活を支えるため,1日も早くお届けできるよう全力で取り組んで参ります。
 最後の柱は,中小事業者への支援です。雇用調整助成金の申請に係る事務負担を軽減するため,事業者が社会保険労務士へ支払う報酬の一部を補助する制度を創設しました。また,福山商工会議所に持続化給付金の申請サポート会場が設置されました。
 県の休業要請等に協力した事業者に対する感染拡大防止協力支援金については,先月12日から支給を開始しています。売上げが大きく減少した飲食店等を支援するため,テイクアウト・デリバリーに新たに参入する事業者への本市独自の補助制度を創設したところ,予想を上回る申請件数がありました。追加支援を検討して参ります。小規模事業者経営改善資金融資,いわゆるマル経融資については,3月の制度拡充からこれまで約50件の申請がありました。事業継続のためのつなぎ資金として一定の役割を果たしているものと考えています。
 これらをスピード感を持って取り組むことで事業継続を下支えし,従業員の雇用を守って参ります。
 先月25日には,ロードマップの第2段階に当たる社会経済活動の再開に向けた対策の方向性を発表しました。現在,追加の補正予算の編成に着手しており,今議会に緊急提案をさせていただきたいと考えています。
 主な内容としては,まず,感染の第2波への備えとして,県内で初めての抗原検査の導入による検査体制の更なる強化など感染拡大防止策を徹底します。次に,テレワークなど新しい働き方やオンライン教育のための環境整備を加速するとともに,子育て世帯や学生への生活支援にも引き続き注力します。また,家賃補助など中小事業者の事業継続支援や,「新しい生活様式」に対応する事業活動を特区を活用して支援します。これらに加え,新たに市民の消費喚起にも取り組みます。甚大な影響を受けている観光業や飲食業,交通事業者などへの支援として,大規模なキャンペーンを展開し,地域経済回復の足掛かりとしていきます。
 新型コロナウイルス感染流行の第2波は必ずやってきます。私たちには,市民生活や経済活動に与える影響を最小限に抑え込むための知恵と工夫が求められています。このため,本市では,感染の予防から終息までの各段階における行動指針となる,「新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」を全国に先駆けて策定します。今月中には,「職場編」,「家庭編」,それぞれの素案をお示しします。
 引き続き,持続可能な行財政運営に努めながら,時機を逸することなく必要な支援策を講じ,市民の皆様が安心・安全に暮らせる,活力と魅力に満ちた都市づくりを進めていきます。
 さて,本日から市立小中学校等が全面再開されました。国の「学校の新しい生活様式」の行動基準を踏まえた感染症対策を徹底する中で,児童生徒が学習と生活のリズムを取り戻せるよう,心身の変化に細心の注意を払いながら取り組んでいきます。また,1人1台端末を活用したICT教育の充実にも努めて参ります。

 次に,災害への対応についてです。5年をかけて進めている抜本的な浸水対策については,新たに手城川流域における内水排除対策施設整備が国の補助事業に採択されました。
 また,6月の出水期を控えた先月29日,国や県などの関係者と芦田川水系における治水協定を締結しました。万が一に備え,事前放流により水位を下げておくことで,ダムの治水容量を増やし,下流の氾濫リスクを低減します。
 避難場所の感染症対策についてであります。特に3つの密の条件が揃いやすいこともあり,避難者同士の間隔を確保するため,収容人数を従来の4分の1程度とします。また,検温により,発熱等の症状が確認された場合は,他の避難者との接触を避け,専用の個室へ誘導します。現場をしっかり確認した上で必要な感染防止対策に取り組んでいきます。
 次に,本市の新たな魅力づくりについてです。県の緊急事態措置が解除されて以降,総合体育館公園(エフピコアリーナふくやま)の大型遊具と芦田川かわまち広場のバーベキューテラスやスケートボードパークなどには,子ども連れの方々や若者の元気な姿が戻ってきています。安心して利用いただけるよう,引き続き3密防止など感染防止対策を徹底していきます。また,今後は,キッチンカーでの飲食も楽しめるようにして,備後圏域のにぎわいの核にしていきます。
 福山城については,来月1日から櫓のライトアップを行います。天守等の改修工事に着手する10月までの期間限定で行います。ナイトタイムエコノミーの1つの試みとして,福山城の新しい魅力に加えていきます。

 最後に,この度の補正予算案においては,一般会計と商業施設特別会計において,エフピコRiMの営業終了に伴う所要の措置を講じています。RiM内の公共施設については,一部を廃止した上で,8月30日の商業テナント営業終了以降,速やかに移転します。また,次期ごみ処理施設の整備・運営の契約を締結するための債務負担行為を計上しています。なお,条例案としては「福山市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正について」など11件,その他の議案として「ごみ固形燃料工場プラント設備改修工事請負契約締結について」など3件を提出いたしております。
 何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。

 本文は,口述筆記ではありませんので,表現その他に若干の変更があることがあります。