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令和5年6月定例市議会 市長説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年6月12日更新

 本日,6月定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御参集いただき,誠にありがとうございます。
 今回提出しております2023年度(令和5年度)補正予算案を始め,諸議案の御審議をお願いするに当たり,当面する市政の状況と議案の大要について御説明申し上げます。

 始めに,今後の感染症への備えと新たな日常に向けた取組についてであります。
 本市では,将来の感染症の流行に備えるため,今年度中に「健康危機対処計画」を策定します。先般,国からモデル団体の指定を受けたところであり,新型コロナの経験を踏まえつつ,感染状況に応じた業務の重点化や人員体制などについて実践型訓練を行い,その検証結果を計画に反映させていきます。足下の物価高騰から市民生活を守り,デジタル化や脱炭素化の流れに誰一人取り残されることのないよう社会経済活動を下支えするなど,新たな日常に向けた歩みを着実に進めていきます。

 まず,活力と希望があふれるまちの実現に向けた取組について申し上げます。
 第1に,地域の活力再生についてです。
 G7広島サミットにおいては,福山のばらが会場を彩るとともに,福山デニムを使用したサミットバッグが多くの方から好評を得たと聞いています。このほか,海外メディアが福山城や鞆の浦,本市のものづくり企業を取材するなど,2025年(令和7年)の世界バラ会議福山大会に向け,確かな一歩になったと感じています。
 また,5月はばらのまち福山が一年で最も華やぐ季節であり,今年は本市を代表するイベントが4年ぶりに本格開催されました。ばらのまち福山国際音楽祭では,海外オーケストラを招へいし,多くの聴衆が国内外のアーティストの競演を堪能しました。福山ばら祭では,ローズパレードが復活し,福山城天守前広場で映画の上映会が開催されるなど新たなにぎわいも加わりました。今後は,福山城を活用した夜間のイベントや城泊など,ナイトタイムエコノミーを充実させ,都市の魅力を一層高めていきます。
 個性豊かな資源の活用に知恵を絞る「(仮称)地域未来ビジョン」を,住民や事業者等が主体となって策定できるよう支援します。今月1日には第1回の有識者会議が開かれ,来月からは勉強会などを順次開催していきます。魅力ある資源を共通のテーマなどで結び,関心を持つ人や企業を呼び込むことで地域の活力を引き出し,市全体の活性化につなげていきます。
 第2に,「(仮称)子ども未来館」についてです。
 小学生以上を対象に昨年度実施した市民アンケート調査の結果や基本計画検討委員会での意見を踏まえ,現在,基本計画の素案を取りまとめています。今後,パブリックコメントを実施し,展示手法のほか,科学実験等の体験プログラム,整備候補地などを具体化させた基本計画を8月を目途に策定してまいります。
 第3に,人材の育成についてです。
 先般,デジタルやグリーンなどの成長分野をけん引する高度専門人材の育成に向け,学部再編などに取り組む大学を支援する方針が国から示されました。本市には,多様なものづくり企業が集積しており,理工系の人材を望む声が産業界を中心に多くあります。こうした声を踏まえ,市内企業の成長の原動力となるデジタル等の知識・技能を備えた人材を育成していくため,福山市立大学において情報工学系学部の新設に向けた具体的な検討を開始しました。現在,国の支援制度に申請しているところであり,その採択に向け,大学と連携してまいります。

 次に,安心・快適な暮らしの実現に向けた取組について申し上げます。
 第1に,福山ネウボラの更なる強化についてです。
 今後の少子化対策においては,特に,未婚化や晩婚化といった結婚前のライフステージにおける課題に対応していく必要があります。市内企業で働く子育て世代や大学生などとの意見交換で出された論点のほか,専門家の意見も踏まえ,9月を目途に効果的な施策の方向性を取りまとめていきます。
 今年4月1日現在の保育所等の待機児童数が,2018年(平成30年)以来5年ぶりにゼロになりました。これまでの保育士確保の取組や入所申込み状況に応じた柔軟な保育士配置などが実を結んだものと考えています。一方で,国の待機児童の定義には該当しないものの,希望する保育所等に入所できなかった方もいます。引き続き,多様な保育ニーズに対応できるよう,保育士確保などに努めていきます。
 放課後児童クラブについては,今年度から,先行的に市内5か所で開設時間を延長します。地域バランス等を考慮しつつ,延長希望の多かったクラブのうち,まず8月から御幸と湯田で,10月からは新涯,松永,緑丘で実施します。今後も,実施クラブの拡大に向けて受入れ体制を整備していきます。
 第2に,安心・安全な生活基盤の整備についてです。
 市内の道路については,区画線が不明瞭な箇所が多く見受けられ,安全性の確保が課題となっていました。このため,本市や国,県,公安委員会で構成する連絡調整会議を経て,先月,区画線等を引き直す「路面標示3か年集中対策方針」を策定しました。現在,主要な市道で車載カメラとAIを活用した路面調査を実施しています。それ以外の一般の市道では,道路パトロールや地域からの要望に基づき,計画的に対策を進めていきます。
 また,水路等転落事故防止対策については,ハード・ソフト両面からの対策などを盛り込んだ「水路等転落事故防止対策基本方針」を今月中に策定します。その後,9月には道路とため池についての対策実施計画を策定し,今後の5年間で安全対策を強化していきます。このうち,公園を含む公共施設については,既に対策に着手しており,今年度中には必要な対応を終える予定です。引き続き,子どもから高齢者まで全ての市民の安心・安全の確保に努めてまいります。
 福山市民病院では,今月,2台目となる手術支援ロボット「ダビンチ」を導入しました。今後,泌尿器科や外科以外の領域でも活用し,患者の身体的負担の少ない高度な手術を行っていきます。引き続き,備後圏域の基幹病院としての役割をしっかり担ってまいります。

 さて,本市は,先般,「SDGs未来都市」に選定されました。これを受け,「福山版サーキュラーエコノミー(循環型経済)」の実現をめざす「SDGs未来都市計画」を8月までに策定していきます。この中で,「(仮称)グリーンなものづくり企業プラットフォーム」の構築に取り組み,環境への配慮や働きやすい職場環境づくりなどを進める企業を市内外に発信し,その認知度向上や人材の確保につなげていきます。また,世界バラ会議福山大会の成功に向けて,市民を始め,多様な主体と連携することで市全体のSDGsの機運を醸成し,持続可能な社会の実現をめざしていきます。

 最後に,補正予算案についてです。
 まず,原油価格・物価高騰対策として,住民税非課税世帯等に対し,給付金を支給します。省エネ家電買替支援事業費補助については,市民の高いニーズを踏まえ,追加で申請を受け付けます。介護事業所や障がい福祉サービス事業所を始め,私立の保育所や幼稚園,子ども食堂などに応援金を支給し,事業者の負担軽減につなげます。また,市内のバス事業者やタクシー事業者などに対しては,燃料費高騰相当分の一部を補助します。
 新型コロナ対策としては,ワクチンの初回接種を完了した5歳以上の市民を対象に,9月以降に追加接種を実施します。
 このほか,債務負担行為として,公園LED外灯管理業務委託を計上しています。
 以上の結果,今回の補正予算額は,一般会計で46億2,390万6千円の追加となりました。

 予算以外の議案としては,条例案として「福山市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正について」など6件,その他の議案として「福山市ぬまくま市民交流センター東棟耐震改修工事請負契約締結について」など4件を提出いたしております。

 何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。


 本文は,口述筆記ではありませんので,表現その他に若干の変更があることがあります。