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令和5年9月定例市議会 市長説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年9月4日更新

 本日,9月定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御参集いただき,誠にありがとうございます。
今回提出しております2023年度(令和5年度)補正予算案を始め,諸議案の御審議をお願いするに当たり,当面する市政の状況と議案の大要について御説明申し上げます。

 先月,本市の親善友好都市であるハワイ州マウイ郡で大規模火災が発生しました。歴史ある町がほぼ消失し,多くの死傷者が出るなど,極めて深刻な状況が今も続いています。犠牲になられた方々とその御遺族に深く哀悼の意を表するとともに,郡民の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 本市では,火災発生直後から外務省と緊密に連絡を取り合い,現地の状況把握に努めてきました。また,広島県知事とも連携して被災者を支援するための義援金の受付をいち早くスタートさせました。本市からも見舞金を贈ることとし,現地の状況が許せば職員を派遣して,市民の気持ちとともに義援金と見舞金を直接届けたいと思っています。あわせて,今後の支援の在り方も模索してきたいと考えています。
 今年は関東大震災から100年の節目に当たります。改めて,本市の災害への対応力を高めていく必要があると考えています。そのための取組の一つとして,民間企業の流通在庫を災害救援物資として活用し,その管理・購入・輸送を一体的に行う全国初の実証事業を開始しました。企業の協力も得る中で,災害に強い都市をめざしてまいります。

 それでは,市政の状況について御説明申し上げます。
 これまで,「安心と希望の都市」の実現に向け,国や県と連携を取りながら,5つの挑戦にスピード感を持って取り組んできました。
 まず,都市の魅力の創造に向けて,昨年の福山城築城400年事業において天守北側鉄板張りの復元や博物館リニューアルなど令和の大普請に取り組み,往時の姿を取り戻した福山城を市民の誇りとすることができました。福山駅北口スクエアの整備や三之丸町地区優良建築物等整備事業も進め,福山駅周辺は今,にぎわいを取り戻しつつあります。備後圏域の成長をけん引する福山道路の整備や福山港の機能強化も着実に進み,福山北産業団地第2期事業では既に全区画で分譲予定者が決定しています。そして,抜本的な浸水対策にもこの5年間集中的に取り組み,ほぼ全ての事業が計画どおりに完了する見込みです。全ての市立小中学校の耐震化も今年度中に終える予定です。
 また,福山の繊維産業の新たな展開をデニム産業の振興に託し,備中備後ジャパンデニムプロジェクトを戦略の中核に据えてブランド化に取り組んできました。5月のG7広島サミットでは一大デニム産地として福山が大きくクローズアップされるとともに,首都圏での認知度も向上しています。
 加えて,特にこの3年間は,新型コロナウイルス感染症や原油価格・物価高騰から市民生活と経済活動を守り,デジタル化の進展など変化する社会情勢にもスピード感を持って対応してきました。
 こうした中にあって,未来に目を向け,新しい一歩を踏み出していくため,人口減少対策にも注力してきました。ネウボラ相談窓口「あのね」を通じて子育て家庭の不安の軽減に努めたほか,子ども医療費助成制度を拡充しました。保育士の確保にも取り組み,今年4月には,5年ぶりに保育所等の待機児童ゼロを達成することができました。

 私に与えられた任期も残り1年となりました。引き続き,しっかり未来を見据え,人口減少社会にあっても安心と希望を実感できる都市の実現に向けて果敢に挑戦していきます。
 始めに,産業の活性化についてです。
 市内の国道2号では慢性的な渋滞が発生し,企業の生産性の低下や生活道路への迂回車両の流入による危険の増大などが大きな課題になっています。特に,明神町交差点付近の渋滞は深刻で,本市中心部の東側の幹線道路網の強化は喫緊の課題です。このため,福山道路の次なる事業展開に併せ,神辺水呑線の高架道路整備の早期事業化を国と県に求めていきます。
 グリーンなものづくり企業の魅力の発信と新たな発掘にも取り組んでいきます。環境への配慮や子育てしやすい職場づくりなどに積極的に取り組む魅力ある企業を内外に発信するプラットフォームを年内に立ち上げます。そして,企業の参加の輪を広げ,ひいては企業の成長と人材の確保につなげていきます。
 次に,教育環境の充実についてです。
 福山市立大学の学部新設に向けて,基本構想策定のための検討委員会を来月立ち上げます。あわせて,備後圏域の高校生や企業を対象としたニーズ調査も実施します。福山の産業をけん引する次代の高度専門人材を輩出できる特色ある大学をめざします。
 次に,福山ネウボラの進化についてです。
 今後の少子化対策においては,未婚化・晩婚化の背景にある課題の解決に取り組むことで結婚や出産を希望する方の背中を後押しするほか,子育て世代の経済的負担の軽減,仕事と子育ての両立支援,男性の家事・育児参加の促進などに重点的に取り組んでいきます。このため,先行的に,10月から子ども医療費助成の所得制限を撤廃します。11月の子育てパパ活躍ウィークでは,率先して市職員の子育て家庭へフレックスタイム制を導入するなど,「共働き・共育て」のモデルとしていきます。そして,国の「こども大綱」の策定を受け,来年1月にはシンポジウム等を開催し,子どもや子育て家庭を社会全体で支える取組を本格化させていきます。
 また,安心して子どもを産み育てられる医療体制の構築にも努めていきます。このため,福山市民病院の産婦人科の病床数を現在の10床から来年度は20床へと増床します。そして,その後も高度な医療を必要とする母体や新生児に対応できる体制を拡充していきます。近年,備後圏域内の分娩取扱医療機関が減少しており,安心して子どもを産み育てる環境の維持に危機感を持っています。こうした実情を国に対して強く訴えていくとともに,広島県や岡山県と連携し,医師等の確保に努めていきます。
 次に,世界バラ会議福山大会に向けた取組についてです。
 来月,世界バラ会連合の会長が来福し,大会会場などの視察のほか,大会プログラムの協議を行うこととしています。それを受けて,国際会議の運営に関するノウハウや実績のある事業者を選定し,大会本番に向けた準備・運営体制を本格化してまいります。市民一人一人の思いを込め,福山大会を成功させることで福山の魅力の再発見やシビックプライドの醸成につなげるとともに,SDGsの実現に向けたレガシーとなるよう取り組んでまいります。
 次に,地域の活力再生に向けた取組についてです。
 「(仮称)地域未来ビジョン」は,共通するテーマや思いで結び付いた人や団体,地域がそれぞれ「地域活性化協議会」を立ち上げ,実践を通じて新たな地域の魅力を創造していこうというものです。7月には,市内3か所で説明会を開催し,ビジョンの意義や活性化事例の紹介などを行いました。多くの参加があり,継続的に意見交換していきたいといった意欲的な声が多く上がりました。また,これらとは別に,住民や事業者から説明会の開催を望む声をいただいており,広がりを感じています。今後も,自発的な協議会の立ち上げを支援してまいります。
 次に,子ども未来館プロジェクトの推進についてです。
 市民や専門家からの意見を踏まえ,先月,基本計画を策定しました。今後は,民間活力の導入可能性調査を行い,整備場所や整備手法,運営方式などを決定していきます。先般,日本国際博覧会協会から,大阪・関西万博で展示されるパビリオンの再利用を希望する団体を公募するとの方針が示されました。未来館との親和性を確認しながら,誘致に向けて前向きに検討していきます。

 備後圏域連携中枢都市圏の取組について申し上げます。
 連携中枢都市圏は,人口減少社会にあっても市町村が広域で連携することで,活力ある社会経済を維持するための制度です。本市は,2015年(平成27年)に全国のトップを切って6市2町で備後圏域を形成し,これまでもその取組が総務省から注目されてきました。また,今年度からは,新たに備後圏域連携推進室を設け,連携を強化しました。この度,竹原市から備後圏域への加盟の意向が示されました。竹原市とは商工会議所同士の交流が既にあるほか,観光資源も豊富なことから,加盟による効果が期待されます。2024年(令和6年)4月の新しい連携のスタートに向け,その前提となる協約締結に向けた準備を進めていきます。

 次に,議案として提出いたしております2022年度(令和4年度)企業会計の決算について,その概要を御説明申し上げます。
 まず,病院事業会計についてです。市民病院では,第二種感染症指定医療機関として,昨年度も多くの新型コロナ患者を受け入れてきました。収支状況について,新型コロナに係る県補助金の減少や光熱水費の増加などにより,純利益は前年度に比べて減少したものの,9億2,506万7千円を確保することができました。また,経常収支は15年連続で黒字となりました。引き続き,健全な経営の維持に努めるとともに,備後圏域の基幹病院としての役割を担っていきます。
 次に,水道事業会計については,安心・安全な水を安定的に供給するため,基幹・重要管路の耐震化工事などを行ってきました。純利益として12億1,085万4千円を計上し,年度末資金残高は約43億円を確保しました。また,企業債残高は約9億円減少し,約326億円となりました。引き続き,健全経営に取り組んでいきます。
 工業用水道事業会計については,引き続き純利益を計上しており,今後とも地域産業の発展を下支えしていきます。
下水道事業会計については,快適な生活環境の確保に向け,汚水管の埋設工事を進めてきました。また,手城川流域における内水排除対策として今年度中に完成予定の雨水幹線のほか,雨水ポンプ場の建設工事も着実に行い,自然災害に備えていきます。

 次に,補正予算案について申し上げます。この度は,一般会計を含む3会計で補正をお願いしています。
 まず,原油価格・物価高騰対策として,バスと航路事業者に対し,燃料費高騰相当分の一部を補助します。
 「SDGs未来都市」選定を受け,持続可能な社会づくりへの理解促進のためのシンポジウムの開催やSDGsデジタルプラットフォームの構築を行います。また,リーディングプロジェクトとして,「(仮称)グリーンなものづくり企業プラットフォーム」への参加を促すための企業向けセミナーを開催するほか,世界バラ会議福山大会に向けた準備を加速するために実行委員会負担金を増額します。
 福山市立大学の学部新設に向けた基本構想策定などの費用の一部を助成する準備費交付金を新たに計上しています。
少子化対策としては,先般,国から示された保育士の配置基準の改善にいち早く対応していくため,潜在保育士の確保のための新たな給付制度を創設します。また,シンポジウム開催費も計上しています。
 このほか,6月に策定した「福山市水路等転落事故防止対策基本方針」に基づく道路・ため池・水路のハード・ソフト両面からの対策強化を行うほか,福山駅周辺の路上喫煙制限区域内に新たに喫煙所を設置します。
 企業や団体,個人からの御寄附の活用としては,松永駅前広場のばら花壇等を整備するほか,市立保育所やネウボラ相談窓口の環境整備などを行います。
 債務負担行為については,世界バラ会議福山大会実行委員会負担金と(仮称)仙酔島海浜広場整備事業を計上しています。
 以上の結果,今回の補正予算額は,一般会計では8億1,524万1千円の追加となり,全会計では8億3,324万1千円の追加となりました。

 決算及び予算以外の議案としては,条例案として「福山市職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部改正について」など4件,その他の議案として「竹ケ端運動公園庭球場整備上家新築工事請負契約締結について」など14件を提出いたしております。

 何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。


 本文は,口述筆記ではありませんので,表現その他に若干の変更があることがあります。