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令和5年12月定例市議会 市長説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年11月28日更新

 本日,令和5年第5回定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御参集いただき,誠にありがとうございます。
 今回提出しております「令和5年度福山市一般会計補正予算」を始め,諸議案の御審議をお願いするに当たり,当面する市政の状況と議案の大要について御説明申し上げます。
 始めに,原油価格・物価高騰対策についてです。
 先般の国の総合経済対策を踏まえ,現在,住民税非課税世帯を対象とした新たな給付金の支給に向けた準備を進めています。物価高から市民生活を守るため,年内にお届けできるようスピード感を持って取り組んでいきます。これに加え,市民や事業者に対する支援策についても現在検討中であり,まとまり次第,今議会に追加提案させていただきたいと考えています。
 次に,産業の活性化についてです。
 優れた環境技術の積極的な活用によって企業の価値を高め,更なる成長につなげていく「グリーンなものづくり企業プラットフォーム」を来月立ち上げます。市内には,環境技術の活用のほかにも,女性活躍の促進や子育てしやすい職場づくりなどグリーンな取組を意欲的に実施している企業がある一方で,自らの取組の価値に気付いていない企業も数多くあります。このため,まずは行政や産業支援機関等が中心となって,それぞれの取組を“見える化”するなど,競争力の強化に向けた支援体制を構築していきます。また,「グリーンなものづくり企業チャレンジ宣言」を行う企業を募集し,プラットフォームへの参加の輪を広げていきます。こうした取組を通じて本市のものづくり企業の魅力を高め,発信し,人材の地元定着にもつなげていきます。
 次に,福山市立大学の情報工学系学部の新設についてです。
 先月,基本構想検討委員会を開催し,新学部の特色や施設整備の必要性などを議論しました。現在,備後圏域内の高校生や企業を対象に行ったニーズ調査の分析をしており,その結果も踏まえ,新学部の方向性を絞り込んでいきます。年度内の基本構想の策定に向け,地元の期待に応え,社会の変化にも対応できる人材を輩出できるよう準備を進めてまいります。
 次に,福山ネウボラについてです。
 子ども施策を総合的かつ一体的に進める指針となる国の「こども大綱」が年内に示されます。これを受け,本市では,子どもや子育て世帯が率直に思いを語り合う場を設け,生の声を次期ネウボラ事業計画に反映させていきます。また,オール福山で子どもや子育て世帯を支えていく体制づくりにも努めていきます。このため,全国から選ばれた自治体をバトンでつなぐ『「こどもまんなかアクション」リレーシンポジウム』を来年1月に開催し,市民と一緒に子どもや子育て世帯に優しい社会の実現について考える契機にしていきます。
 保育サービスの更なる充実に向け,備後圏域における保育所等の広域利用を進めていきます。このため,希望する市内の施設に受入れの余裕がない場合は他市町の施設への入所を可能にするなど,新年度から要件を大幅に緩和します。こうした要件緩和を連携中枢都市圏単位で統一して行うことは全国初となります。また,病児・病後児保育についても,利用ニーズを把握する中で,新年度からの実施をめざしていきます。さらに,休日保育の広域利用については,マイナンバーカードを活用してスマートフォンから利用予約や空き状況などを確認できる実証実験を,来年1月から新たに実施します。引き続き,保護者の負担の更なる軽減に取り組んでまいります。
 次に,地域の活力再生についてです。
 魅力ある資源を活用し地域の活性化をめざす取組の第1号となる地域活性化協議会が,先月設立されました。市内のデニム事業者や観光業者などで構成するこの協議会では,福山を「エシカルデニム(環境や社会に配慮したデニム)」の産地としてのブランド化をめざします。大量生産・大量廃棄から受注生産へと転換することで環境負荷を低減したデニムの製造現場を巡る産業ツーリズムにも新たに取り組みます。今後は,「地域未来ビジョン」の策定に向け,国の支援策も活用しながら,専門家等で構成されるアドバイザリー会議による支援を継続していきます。第2,第3の協議会の設立もめざして引き続き取り組んでまいります。
 また,自治会・町内会の負担を軽減するため,新たにデジタル技術を活用した電子回覧板の試行を開始しました。希望する21学区を対象に順次実施しており,利用者からは,「回覧物などが電子データで共有できるため便利になった」,「役員間の連絡や会議の出欠確認などができ,迅速な情報共有につながっている」といった声が寄せられています。課題等を検証し,実施学区の拡大をめざしていきます。
 次に,世界バラ会議福山大会についてです。
 先月,世界バラ会連合との間で,「みんなで創る みんなで盛り上げる みんなで輝く」大会の開催に向けて,大筋合意に至りました。年内には大会プログラムやプレ・ポストツアーの概要を世界に発表します。また,ばらに関わる新商品の開発やイベントなどを実施する市民・企業提案型事業には100件を超える応募があったほか,応援宣言も先月までに1,000件を超えました。こうした市内外の多くの皆様からの思いをしっかりと受け止め,また,大会終了後も「ばらのまちづくり」を発展させていけるよう,新たに「世界バラ会議福山大会記念基金」を設置します。アジアで2回目の開催となる世界バラ会議の成功に向けて全国の皆様方と共に取り組み,新しい都市魅力の創出につなげていきます。
 先月,新年度の予算編成方針を発表しました。今後の更なる人口減少に加え,激甚化・頻発化する自然災害や急速に進展するデジタル化といった先送りできない課題に一つ一つ取り組み,市民の皆様が「安心」と「希望」を実感できるよう引き続き注力していきます。このため,若い世代の活躍支援を始め,活力ある地域経済の実現や都市魅力の創造による「あらゆる世代が輝く魅力あふれるまちづくり」,また防災・減災の強化などによる「安心・安全で快適に暮らすことができるまちづくり」,そして未来への基盤となる産業・地域・行政の「デジタル化の推進」の3つの「重点推進枠」を設け,重点的に投資していきます。
 また,財政見通しについて,歳入においては,市税や臨時財政対策債の減少が見込まれるものの,地方交付税の増加により,全体では今年度を上回るものと見込んでいます。また,歳出においても,社会保障関係費のほか,人件費や公債費の増加が見込まれ,全体では今年度を上回るものと見込んでいます。現時点では収支不足が見込まれるものの,今後の予算編成過程において事業の選択と重点化など歳入・歳出両面からなる総合的な財源確保策に取り組むことで,収支不足の解消をめざします。財源確保に当たっては,遊休施設等の有効活用を図る民間提案制度や成果連動型民間委託事業など,民間活力も積極的に活用します。
 次に,補正予算案について申し上げます。この度は,一般会計を含む7会計の補正をお願いしています。
 まず,新型コロナ対策として,介護施設等におけるクラスター発生時の掛かり増し経費を補助します。
 世界バラ会議福山大会に向けた取組としては,緑町公園ばら花壇へ苗木の植え付けを行うほか,協働のまちづくり基金の一部を積み替えて「世界バラ会議福山大会記念基金」を創設します。
 芸術・文化活動を推進するため,新年度から開始する京都市交響楽団と広島交響楽団による定期演奏会に向け,チケット販売等の準備を行います。
 このほか,条例に基づく財政調整基金の積立てや公共施設の光熱費等の高騰などに対応します。
 債務負担行為については,公の施設の指定管理者の指定に伴う来年度以降の指定管理料を一般会計と駐車場事業特別会計でそれぞれ計上しています。
 以上の結果,今回の補正予算額は,一般会計では75億3,923万6千円の追加となり,全会計では75億6,951万6千円の追加となりました。
 予算以外の議案としては,条例案として「福山市議会の議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例及び福山市特別職の職員に対する期末手当の支給に関する条例の一部改正について」など17件,その他の議案として「(仮称)まちづくり支援拠点施設整備業務委託契約締結について」など23件を提出いたしております。
 何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。


 本文は,口述筆記ではありませんので,表現その他に若干の変更があることがあります。