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平成15年第1回定例市議会市長総体説明

印刷用ページを表示する 掲載日:2006年3月6日更新
2003年(平成15年)2月28日

 本日は,平成15年第1回定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御多用の中を御参集いただきまして,誠にありがとうございます。今回提出いたしております平成15年度当初予算案を始め,関係諸議案の御審議をお願いするに当たり, 新年度における市政運営の基本方針と予算案の大要について御説明申し上げます。
 最初に,2月23日に行われました「第22回ふくやまマラソン」において,最近の相次ぐ市民マラソンでの急死事故に対応し, 救護体制等を強化していたにもかかわらず参加者がお亡くなりになるという誠に残念な事態となりました。謹んでお悔やみ申し上げますとともに,心から御冥福をお祈りいたします。
 次に,緊迫の度を強めるイラク情勢についてであります。米英両国とスペインは,去る2月24日,国連安全保障理事会に 新たな決議案を提案し,政府もこれを支持するとしておりますが,平和非核都市宣言をしている福山市として,何としても戦争は避けるべきと考えており,これは私の願いでもあります。
 次に,本市の名誉市民は,1986年(昭和61年)以降の推戴は行っておらず,現在,生存者もいらっしゃらない状況と なっております。このため,合併により40万都市となったことを記念し,本年7月1日の市制施行記念日に向け,公共の福祉の増進や社会文化の進展に貢献された方の中から,推戴も検討して参りたいと考えております。
 さて,市政を取り巻く諸情勢についてであります。
 昨年前半は,輸出の増加や生産面での改善などから,景気に一部持ち直しの動きが見られたものの,後半にかけては世界経済の 先行き懸念や株価低迷の影響などから厳しさを増し,昨年の平均完全失業率も過去最悪の5.4%となりました。国においては,平成15年度予算案において,本年度に引き続き「改革断行予算」を実現するとの方針の下,財政面での構造改革を進めるとともに, 重点分野への予算の優先配分が行われているところであります。本市の財政につきましても,昨年度以上の厳しさとなっており,創意・工夫しながら限られた予算の有効な活用に努めることが求められます。こうした中,新年度は特に次の6点を重点課題として 取り組む考えであります。
 その第1は,「合併に伴う一体的なまちづくり」 であります。
 内海町及び新市町との合併につきましては,市議会を始め多くの関係者の御理解と御協力をいただき,本市の歴史に新たな 1ページが加わりました。去る2月3日に開庁式を行い,おおむね混乱もなく順調な滑り出しをすることができたものと受け止めております。また,2月23日には市議会議員の増員選挙が行われ,両町の衆望を担って新たに3人の方々が当選の栄誉に浴されました。 心よりお喜びを申し上げます。新年度においては,合併建設計画に盛り込まれた事業の着実な実施を図り,両町地域との一体的なまちづくりと市域のバランスある整備を進めて参る考えであります。また,沼隈町との合併につきましては,去る1月31日,沼隈町長から 事務協議を進めたいとの申入れがありましたので,新年度より事務調査に入る考えであります。引き続き,市議会合併調査特別委員会の御意見等を踏まえながら具体の取組を進めて参る考えであります。
 第2は,「少子高齢社会に対応した自立と共生の地域づくり」 であります。
 少子高齢社会への対応では,行政,地域,家庭との連携や地域社会の受け皿づくりなど,共助型地域福祉の一層の推進を図る必要が あると考えております。新年度では,新たに策定する「福山市高齢者保健福祉計画2003」を踏まえ,高齢者が心身の健康を維持し,住み慣れた地域で自立し,安心して生活できるよう各種施策を推進して参ります。医療面では,引き続き市民病院の増改築工事を 進めて参ります。障害者福祉では支援費制度への円滑な移行を図るとともに,児童福祉においてもプランの着実な推進を図って参ります。更には新年度から実施することとなる「男女共同参画基本計画」を踏まえた施策の推進を図り,高齢者や障害者,そして 子どもや男女など,市民一人一人が自立し,ともに支え合う地域づくりを進めて参ります。
 第3は,「人々が集う都市基盤づくり」であります。
 本市の将来都市像である「交流拠点都市」の実現のためには,外部から人,モノ,情報,投資などを呼び込む活力と魅力ある 都市基盤づくりがより一層求められます。特に,幹線道路網は,産業活動や交流の促進を支える基盤となるものであり,引き続き福山道路を始め幹線道路ネットワークの整備推進に取り組んで参ります。中心市街地においては,駅周辺地区整備や中央公園地区の整備, 市街地再開発など,複合的な取組を引き続き推進して参ります。また,福山市商業施設につきましては,去る2月5日に賃貸借契約を締結したところであります。来たる4月25日にはオープンする予定であり,今後ともにぎわいと活気のある都心部の形成を図り, 多くの人々が集う魅力あふれるまちづくりに取り組んで参ります。
 第4は,「環境と調和した循環型社会づくり」であります。
 循環型社会実現のためには,市民,事業者,行政がそれぞれの役割を果たしていかなければなりませんが,何よりもごみの排出抑制, 再利用,再資源化が重要ですので,市民の皆様の御協力をお願い申し上げます。新年度においては,「RDF化施設」の来年4月の稼働に向け,引き続き取り組むとともに,地球環境の保全や「みどりのまちづくり」を推進するなど,環境と調和した循環型社会の形成へ 向けた取組を進めて参ります。
 第5は,「地域の将来を担う個性と人間性豊かな人づくり」であります。
 教育委員会においては,新しい教育課程に対応した年間授業計画を各学校で作成し,計画的な教育活動の推進に努めてきたところです。 今後,更に基礎・基本の確実な定着を図り,自ら学び自ら考える力を育て,特色ある学校教育を展開して参らなければなりません。また,学校教育と併せ,地域,家庭にあっても,それぞれの役割と責任を果たす中で,地域の将来を担う個性と人間性豊かな人づくりを 進めていく必要があり,こうした取組に対し支援を行って参る考えであります。
 第6は,「新たな視点に立った行財政運営システムづくり」であります。
 厳しい行財政環境が続く中であっても,高度化・多様化する市民ニーズに的確に対応していくためには,事業の選択と重点化を図る とともに,最少の経費で最大の効果を挙げる知恵をますます働かせていかなければなりません。新年度においては,昨年12月に策定した新たな行財政改革大綱の初年度であることを踏まえ,自治体改革に向けた行政経営転換へのワンステップとなるよう, 行政評価システムの実施を始め,経営感覚や成果を重視する新しい視点に立った行財政運営システムの構築に取り組んで参ります。
 次に,公共工事を巡る暴力団の介入の問題につきましては,昨年の12月に,議会においてなされました 「暴力追放都市宣言の一層の推進に関する決議」を踏まえ,「暴力団を恐れない,金を出さない,利用しない」という市民意識の醸成を図り,市民,事業者,行政が一体となって暴力を追放し,明るく住みよいまちを目指した取組を進めて参ります。 また,入札・契約制度の改善につきましては,第三者による入札監視委員会を設置して参ります。受注希望型入札については中小事業者のIT化の普及状況の見極めや低入札の増加など,なお検討を要する課題があり,議会の御意見も参考にする中で,国・県と連携を 取りながら公正な競争の確保に努めて参ります。
 次に,新年度予算案の大要について御説明申し上げます。
 まず,歳入については,合併による影響分を除きますと,景気動向や評価替えなどから個人市民税や固定資産税の減少が見込まれ, また地方交付税制度の見直しによる減少などから一般財源は大幅に減少することが確実であります。歳出については,義務的経費が高水準にある中で,継続事業への対応などでかつてない困難な予算編成となりました。一方では,合併に伴う予算規模の拡大もあり, 新年度予算は,一般会計で1,349億6,800万円となり,前年度当初予算に比べ9.0%の増となりました。また,特別・企業会計を合わせた全会計では2,873億8,980万円となり,前年度当初予算に対し9.0%の増となっております。
 次に,新年度の主要な施策につきまして,新規事業を中心に御説明申し上げます。
 第1は,「心ふれあい健やかに安心して暮らせるまち」であります。
 基本的人権の尊重と恒久平和の実現は,すべての人々の願いであり,普遍の目標であります。引き続き,人権啓発や平和行政の推進に 努めるとともに,「福山市同和行政基本方針」に基づき,人権・同和問題解決に向けて有効かつ適切な諸施策の推進に努めて参ります。また,男女共同参画社会の実現のため,その拠点となる施設の整備が課題となっておりましたが,できるだけ早期の整備が求められており, また利便性や財政状況などを総合的に検討した結果,福山市商業施設内に(仮称)男女共同参画センターを設置することとし,併せて既存の類似施設の統合・機能化を図ることといたしております。
 高齢者福祉では,高齢者向けの優良な賃貸住宅建設への補助を行うことといたしております。なお,来年度から介護保険料が 改定となりますが,要介護者や介護サービスの利用の増加に伴うものですので,御理解をお願いいたします。
 障害者福祉につきましては,障害者支援費制度の実施に伴う在宅支援や施設支援の所要額を措置しており,円滑な移行に向け万全を 期して参ります。
 児童福祉では,入院に係る乳幼児医療費の助成対象を就学前の児童にまで拡大するほか,子育て支援施策の充実を行うことといたして おります。
 市民病院の整備につきましては,工事も順調に進んでおり,本年12月ごろには新館を供用開始できるものと考えております。 これに伴う現施設からの移転に当たっては,市民の皆様への医療サービスに支障を生じないよう,万全を期して参ります。引き続き,本館の改修に取り組み,2005年(平成17年)4月には運用開始の予定であります。
 第2は,「自然とともに生きるまち」であります。
 循環型社会の形成に当たっては,市民・事業者・行政の適切な役割分担の下に各種施策を推進していくことが 求められます。このため,引き続き一層のごみの減量化・資源化に向けた多面的な取組を進めて参ります。前段でも申し上げましたが,来年4月の稼動に向け,RDF化施設の建設に引き続き取り組んで参ります。また,これと併せ,今後, 環境産業や港湾機能が集積される箕沖地区において,資源循環と国際物流のモデル地域の形成を目指し,県と共同して,「環境ソリューション・国際物流特区」の認定申請を行うこととしております。
 自然環境の保全と創出では,新たに民有地の緑化事業に対して助成を行うとともに,(仮称)蔵王緑地の整備に取り組むなど, 人と自然が共生するまちづくりを進めて参ります。
なお,昨年のリサイクル工場の火災につきましては,災害復旧事業として取り組むことといたしております。
 第3は,「豊かさを実感できる舞台となるまち」であります。
 コミュニティーの振興では,御幸公民館の実施設計を行うほか,地域福祉活動費補助など,ともに支えあう地域づくりを引き続き 進めて参ります。
 道路整備では,新たに中心市街地等の地域における通行について,より安全確保を図るため,重点的・計画的な道路の維持・整備に 取り組むことといたしております。また,渋滞緩和対策として,来年度末の供用開始を目途に高屋川左岸線の整備を推進するほか,幕山台大門線などの整備に取り組んで参ります。
 上水道の整備では,新規浄水場の建設を引き続き進めるほか,水質管理センターの拡張整備による水質検査体制の充実や災害に強い 施設整備,水量水圧不足地域の解消を図って参ります。去る2月17日の伊勢丘地区のガス供給支障につきましては,水道管の漏水が原因であり,今後,併設された地下埋設物の実態把握を行い,漏水調査の強化や計画的な布設替え等事故の未然防止に努めて参ります。
 下水道につきましては,松永浄化センターの施設整備を行うほか,引き続き面整備を進めて参りますが,合併に伴い,新年度末の 普及率は65.4%となる見込みであります。
 住宅整備では,(仮称)松永南住宅が,本年5月末に完成予定であり,早期の供用開始に向け取り組んで参る考えであります。
 第4は,「個性を育む教育・文化のまち」であります。
 学校教育につきましては,福山高校における来年4月の併設型中高一貫教育校の開設に向け,そのための準備や施設整備に取り組む とともに,特色ある学校教育推進事業などの取組によって,すべての小中学校の教育活動の充実を図って参ります。また,小中学校の屋内体育館や校舎の改修,郷分幼稚園の増改築についても措置いたしております。
 鞆地区の重要伝統的建造物群保存地区の選定を目指した取組につきましては,鞆地区道路港湾整備事業の実施が不可欠でありますが, いつまでもこのままというわけには参りませんので,地元同意の動向などを見極める中で,7月の国の予算の概算要望時期までには一定の結論を得て参りたいと考えております。また,(仮称)ふくやま書道美術館につきましては,本年夏ごろの開館を目指して 取り組んで参りますが,市民ギャラリーにつきましては,4月25日にはオープンできるよう取り組んで参ります。
 第5は,「地域の資質を活かした産業のあるまち」であります。
 農林水産業の振興では,来る4月に駅家町服部地区の農業集落排水事業が供用開始となります。北部地区における 農村総合整備モデル事業につきましては,来年度の事業完了を目指して取り組むとともに,走島の漁業集落環境整備事業により,生活基盤整備を進めるほか,田尻漁港の整備を引き続き進めて参ります。
 商工業の振興では,現下の厳しい経済環境を踏まえ,景気対策特別融資制度の融資枠の拡大を図るほか,新たに県内の大学等の 研究成果を円滑に産業界へ移転するための機関の設立に対し,応分の負担をして参ります。また,雇用対策では,緊急雇用創出事業として,駅周辺の駐輪場の防犯対策などについて措置いたしております。
 第6は,「発展する都市圏の中核となるまち」であります。
 新たな都市構造の形成では,東桜町地区市街地再開発事業について,来年度に予定されております組合設立に伴い,早期の 事業着手に向け事業計画作成への補助を行うことといたしており,その他の地区につきましても,熟度に応じた支援を行って参ります。中央公園地区整備につきましては,PFI手法による実施を検討して参りましたが,実施に当たってはなお検討をする必要があり, その結果を見極める中で取組を進めて参りたいと考えております。福山駅周辺地区の整備につきましては,引き続き福山駅西町線,北浜通りシンボルロードの整備に取り組むほか,駅南口の自転車駐車場の実施設計を行うとともに,駅周辺の交通実態調査を行うことと いたしております。
 交通体系の整備では,引き続き福山港洗谷線の整備に取り組むほか,山手橋の架け替えに伴う高架橋の拡幅などを実施して参ります。
 以上,第三次福山市総合計画の柱立てに沿って御説明申し上げました。
 次に,内海町・新市町との「合併建設計画」について, その大要を御説明いたします。
内海町地域では,(仮称)うつみ市民交流センターの実施設計・用地整備を行うほか,生活支援ハウスの建設,箱崎漁港の 漁業集落環境整備や南番川原線などの市道改良を実施して参ります。また,消防防災施設や小中学校の空調設備などの整備,上水道の受水池の築造などに取り組むほか,県道や港湾に係る県営事業負担金についても措置いたしております。
新市町地域では,(仮称)新市スポーツセンターや大佐山運動公園の整備を行うほか,現新市中央公民館の改修,木曽丸線などの 市道改良や農道等の整備,上下水道や下排水路及び宮内排水管の整備を実施して参ります。また,消防防災施設や小中学校の空調設備整備・プール改修などに取り組むほか,県道やダム施設に係る県営事業負担金についても措置いたしております。
 次に,競馬事業につきましては,売上げの減少が続くなど依然として経営環境は厳しい状況にあります。このため,場外発売所の 設置に向けた取組など「福山市営競馬振興中長期基本計画」に基づく振興策の推進を図る中で,事業の健全化に向け全力で取り組んで参る考えであります。
 予算以外の議案といたしましては,福山市一般職員の給与に関する条例の一部改正など条例案29件,その他の議案として, 損害賠償の額を定めることについてなど8件を提出いたしております。
 以上,新年度予算案を中心に,主要な施策とその大要について申し上げました。
 提出いたしております議案につきましては,慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ, 提案理由の説明といたします。
 なお,私の任期は8月25日で満了となります。今後のことにつきましては,議員各位を始め,各界各層の御意見を お聴かせいただいて,熟慮の上,出処進退を決したいと考えております。御指導のほどよろしくお願い申し上げます。