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平成18年6月定例市議会 市長説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2006年6月8日更新
 先程は,「福山市議会の議員、特別職の職員等の給与の特例に関する条例の一部改正」について御可決いただきました。下水道工事に係る補償問題の発生を契機に,これまでも,工事検査体制など諸制度の改正や危機管理体制の整備を行うなど一定の改善策を講じてきたところでありますが,これを契機として,不退転の決意で,改善すべきところは早急に対処し,法令遵守は無論のこと,適正な事務執行を行い,私を先頭に職員が一丸となり,市民の皆様の信頼回復に全力で取り組んで参ります。
 本日は,6月定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御多用の中を御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 今回提出いたしております諸議案の御審議をお願いするに当たり,当面する市政の状況と議案の大要について御説明申し上げます。
 5月27日に発生したインドネシア・ジャワ島中部地震では,外務省の情報によりますと,死者が5,000人を超え,負傷者も30,000人を超えるなど,多くの人々が被災するとともに,世界遺産が損傷を受けるなど甚大な被害をもたらしました。このたびの地震により,犠牲となられました方々に対し,深く哀悼の意を表すものであります。
 次に,邦楽研究家で,福山市名誉市民の吉川英士様が,去る4月13日,97歳の生涯を閉じられました。吉川様は,日本音楽史研究の第一人者であり,1993年(平成5年)には文化功労者顕彰を受賞されました。東京芸術大学教授などを歴任され,芸術文化の発展に多大の貢献をされた御功績は,誠に大きく,47万市民の皆様とともに,謹んで御冥福をお祈り申し上げます。
 次に,本年は,1916年(大正5年)7月1日に福山市が誕生して90周年を迎える節目の年であり,また,100周年に向かっての第一歩をスタートさせるチャレンジの年でもあります。市民公募によります『福山市 90年の力が拓く 夢未来』のキャッチフレーズの下,夢と希望にあふれる活力と魅力ある福山市の創造に向けて,市民とともに,全力を挙げて市政運営に取り組んで参ります。
 なお,市制施行90周年記念事業として,7月1日の市制施行記念日に,リーデンローズにおいて記念式典を挙行するとともに,多くの市民の参画を得て,福山市の歴史を振り返り,未来を志向した記念ステージを開催すべく,現在,諸準備を進めているところであり,多くの市民の皆様にご覧をいただきたいと考えております。
 次に,本市のばら公園が,世界37か国のバラ会が加盟している国際的な機関である,「世界バラ会連合」の「世界バラ会議大阪大会2006」において,「優秀ローズガーデン賞」に選ばれました。日本国内では,2番目の受賞となりました。折りしも,90周年の記念すべき年に,明るい話題が一つ加わることとなり,市民とともに喜び合いたいと思っております。ばら公園は,本市の目指す協働のまちづくりの原点ともいえるものであり,「ばらのまち福山」のアピールに,一層,努めて参る考えであります。
 こうした中で,今年のばら祭は,全国で3番目となる「青いばら」の特別展示を行い,多くの関心を集めました。また,市民参加による多彩なイベントが繰り広げられたことや,多くのボランティアの参加もいただき,大変,感謝いたしております。今年は,市民との協働により,約84万人という過去最高の人出となりました。このにぎわいを,活力ある福山の創造へとつなげて参りたいと考えております。
 次に,都市基盤整備についてであります。まず,福山駅周辺整備についてであります。福山駅周辺の交通の円滑化に資するよう,福山駅西側からの送迎が可能となる福山駅西町線の道路改良に合わせ,福山市駅西送迎専用駐車場及び約700台の収容台数を備える福山駅南有料自転車駐車場の整備に取り組んでおりましたが,7月1日から供用開始をすることとなりました。これにより,利用者の利便性が図られるとともに,駅前の新たな魅力ある都市空間が創出されることとなります。また,2002年度(平成14年度)から整備をしておりました,福山駅大門線シンボルロード整備事業が,地元住民の参画をいただく中で,3月31日に完成いたしました。入り江をイメージするカラー舗装を施すなど工夫が行われ,福山の歴史を回顧させる街並みが創造されたところです。5月21日には,ばら祭に合わせ,地元住民により,「とんど」を復活させるなど,記念式典も催されました。この事業の完成により,快適な歩行者空間が創出されたところであり,地域一帯の回遊性の向上やにぎわいにつながるものと考えております。次に,市街地再開発事業についてであります。東桜町地区については,認可を受けた事業の施行者が,権利変換計画の作成に取り組まれており,伏見町地区では,商業核テナントの候補者が決定するなど,大きな前進を見たところであります。本市におきましては,両地区の再開発事業の推進に向け,今後とも,積極的に支援を行って参る考えであります。
 次に,福山駅前の旧ダイエー福山店の跡地についてであります。本市といたしましても,これまで,市議会を始め,県や経済団体の方々とともに,閉店後の施設の活用について,中心市街地のにぎわい創出が図れる商業施設となるよう,関係機関等に対し,要望活動を行って参りました。こうした中,地元企業等が取得されたことが4月13日に公表され,大変喜ばしく受け止めたところであります。利用計画については,商業ビルなどとして再生されるよう伺っております。今後,この施設が,中心市街地の活性化に寄与いただけるものとして,大いに期待しているところであります。
 次に,福山市民病院についてであります。国においては,全国どこでも質の高いがん医療を受けることができるよう,「第3次対がん10か年総合戦略」の下,各種の施策を積極的に推進されています。こうした中,専門的ながん治療の実施,地域の医療機関と連携した医療提供等を行う「地域がん診療連携拠点病院」として,福山市民病院が,県から推薦を受けたところであります。今後は,がん治療における,地域連携の中心的な役割を果たすとともに,引き続き,広島県東部の中核病院としての役割を果たして参りたいと考えております。
 次に,芦田町の富谷公園の一角に,財団法人日本宝くじ協会から寄贈された,大型総合遊具を備えた広場の開園式が,4月22日に,盛大に行われ,市民公募により,愛称を,「富谷ドームランド」としたところであります。この広場の開園との相乗効果により,市立動物園のゴールデンウィーク中の入園者は,48,000人を超え,対前年比で約2倍となるなど,大変多くの市民でにぎわったところであり,今後とも,福山市北部における市民の憩いの場として,多くの皆様に利用していただけるよう期待しております。
 また,本市は,観光鯛網を始めとした恵まれた観光資源を多く有しており,さらに,合併により,新たな観光資源も加わりました。今後,活力あるまちづくりのために,これらの資源をどういう形で活用していくかということが重要であり,今年度策定予定の観光振興ビジョンの中で,方向性を示していくとともに,近隣の都市との一体的な取組も進め,一層の観光振興に努めて参りたいと考えております。
 次に,市営住宅建設事業についてであります。2004年度(平成16年度)から取り組んできた山手町市営住宅が,5月末に完成し,6月上旬から入居を始めました。この住宅は,40戸のうちの20戸を,シルバーハウジング住宅として,高齢者が安心・安全に暮らすことができるように,緊急通報設備を設置し,また,生活援助員による生活指導・相談等の福祉サービスを適切に受けられるよう配慮し,建設いたしました。今後とも,高齢者を始め,すべての人たちが,健やかで自立し,ともに支え合い,安心して暮らせるまちづくりを進めて参りたいと考えております。
 次に,うつみ市民交流センターについてであります。合併建設計画の主要事業となります当事業は,支所機能を始め,保健機能,ホール機能等を併せ持ち,世代を問わず人々が集える複合施設となっております。また,ユニバーサルデザインに配慮した施設として整備を行って参りましたが,6月25日に竣工式を行い,7月1日から,供用開始の予定といたしております。このセンターの中には,本市では初めてとなる海水を利用した温水プールを備えており,市民の皆様の健康増進に役立つものと考えております。内海町のみならず,多くの市民の方に利用していただきたいと考えております。
 次に,鞆地区道路港湾整備事業についてであります。昨年度,環境現況調査等が実施され,現在,その結果を基に,環境影響評価を行うとともに,国との事前協議に必要な資料の作成等を行っているところです。今後,広島県と連携しながら,埋め立て申請の認可に向け,取り組んで参ります。
 次に,福山港についてであります。福山港は,県東部の国際物流拠点として,昨年3月に「福山港国際コンテナターミナル」が供用開始されたところであり,コンテナ貨物取扱量は,対前年比で約9%の増加をするなど,順調な伸びを示しています。今後も,取扱量の増加が見込まれる中で,4月末には,官民連携の下,「福山港発展計画検討委員会」が設置されるなど,様々な方面からの,福山港に対する期待が高まっているところです。こういった状況の中で,県においては,福山港の機能強化に向けた取組を行う方針が示され,本市としても,今後の地域経済の発展につながる基盤整備が行われるよう,引き続き,関係機関とともに,鋭意取り組んで参りたいと考えております。
 次に,協働のまちづくりについてであります。協働のまちづくりの推進母体となりますまちづくり推進委員会が,現在,市内全学区で立ち上がったところです。この取組につきましては,市民の様々な団体などの御協力をいただき,大変感謝いたしております。今年度は,「協働のまちづくり元年」と位置付け,福山市協働のまちづくり基金を活用した「ふくやまの魅力づくり事業」等の提案型事業について,募集を行っているところであり,市民の皆様とともに,魅力あるまちづくりに取り組んで参ります。
 次に,介護保険制度についてであります。介護保険法の改正に伴い,介護保険制度は,今年度から予防重視型システムへの転換が図られました。介護予防事業,包括的支援事業等の地域支援事業が新たに創設され,本市におきましても,4月から介護予防の中核的な役割を果たす地域包括支援センターを市内15か所に開設したところであります。また,4月下旬から5月中旬にかけて,市内7か所で制度の改正内容や介護保険料改定等に関する説明会を開催するとともに,制度の改正内容を掲載したパンフレットを作成し,全戸配布を行うなど,市民への周知・啓発活動に努めてきたところであります。今後とも,高齢者が住み慣れた地域で安心して生活でき,多様で柔軟なサービスの提供が図られるよう鋭意取り組んで参りますので,市民の皆様の御理解をお願い申し上げます。
 次に,ごみの分別方法の変更についてでありますが,従来の分別では適切なリサイクルが困難となったことから,4月から,プラスチックごみの分別方法を見直し,新たな分別収集に取り組んできたところです。市民の皆様の御理解と御協力により,おおむね混乱もなく新しい収集方法へ移行することができました。また,リサイクル工場におけるプラスチックごみの手選別ラインの改修も現在行っており,より確実な再資源化・商品化を進め,資源循環型社会の実現を目指して参りたいと考えておりますので,引き続き,市民,事業者の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。
 次に,危機管理についてであります。あらゆる災害から市民の生命と財産を守り,安心・安全な市民生活を確保することは,行政としての責務であり,これまでも災害に強いまちづくりに取り組んできたところです。本年,4月に設置した,危機管理防災課により,危機管理に関する職員への説明会や,福山市津波・高潮ハザードマップの作成を行ったところです。引き続き,広く市民の安心・安全につながる幅広い取組を通して,市民生活にかかわる危機管理を徹底して行って参ります。
 次に,最近,全国的に,罪のない子どもが,被害者となる事件が多発しており,誠に憂慮に堪えません。本市におきましては,このような事件が起こることのないよう,学校における不審者対応のための緊急通報システムの整備や,通学時における安全確保対策などを行うとともに,地域住民の御協力による安全パトロールも行っていただいているところです。さらに,不審者情報のメール配信を行うなどの整備も加え,今後とも,地域の多くの皆さんの御協力を得る中で,子どもの安全確保に取り組んで参ります。
 次に,競馬振興についてであります。競馬事業については,昨年度,競馬振興プロジェクトを立ち上げ,大変厳しい経営環境の下,関係者の御理解と御協力をいただく中で,健全化に向け全力で取り組み,2005年度(平成17年度)の単年度収支は,約5,100万円の黒字となる見込みです。今年度は,市民の皆様に競馬事業に対する支援と理解を深めていただく取組として,初めて,ばら祭のローズパレードに参加し,競馬事業のPR活動を行ったところであります。また,福山駅前等においてもチラシを配布するなど,随時,ファン層の拡大に向け,競馬開催日程の周知に努めているところであり,引き続き,関係者と一丸となって,経営の健全化に向け,鋭意取り組んで参ります。
 さて,我が国の経済にかかわって,昨年来,金融・証券の分野で経営者が投資家の信頼を損なうような事案の発生が続いております。これらの利益至上主義ともいえる風潮に対し,一抹の不安を覚えているところであります。経済情勢につきましては,政府が発表した5月「月例経済報告」によれば,我が国の経済情勢は,「景気は,回復している」との判断を示しており,先行きについても,景気回復が続くと見込んでおりますが,原油価格の動向など依然として懸念材料を抱えております。政府においては,「簡素で効率的な政府」の実現に向けて,歳出・歳入一体改革の議論が本格化されてきておりますが,今後とも国の動向を見極めながら必要な対応を図って参る考えであります。
 こうした中,「三位一体の改革」や,更には,今後見込まれる地方交付税制度の改革など,本市を取り巻く財政状況は,依然として厳しい状況が続くものと思われます。引き続き,行財政改革に着実・積極的に取り組むなど,より中長期的な視点に立った行財政健全化へ向けた取組を行って参る考えであります。
 次に,今回提出いたしております議案について御説明申し上げます。
 条例案として,国民健康保険税について,被保険者一人当たりの保険税額を軽減するよう,税率の改定などを行う,福山市国民健康保険条例の一部改正についてなど9件,その他の議案として,損害賠償の額を定めることについてなど14件を提出いたしております。
 何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げます。

本文は,口述筆記ではありませんので,表現その他に若干の変更があることがあります。