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平成18年9月定例市議会市長説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2006年9月1日更新
 本日は,9月定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御多用の中を御参集いただきまして誠にありがとうございます。
今回提出いたしております諸議案の御審議をお願いするに当たり,当面する市政の状況と議案の大要について御説明申し上げます。
 初めに,市長に就任以来2年が経過しようとしております。私は,三好市政の継承と更なる発展を目標に掲げ市長に就任いたしました。この間,「教育」「協働」「安心・安全」などの7つのキーワードに基づき施策の選択と重点化を図り,市政運営に取り組んで参りました。残り2年の任期を力強く折り返し,市民の皆様との協働により,にぎわいがあり拠点性と求心力を備えたまちづくりにチャレンジするとともに,輝く未来に向かって夢のある中国・四国地方の拠点都市にふさわしい躍動するまちづくりを進めて参りますので,議員各位の御指導と御協力をお願い申し上げます。
 次に,国際情勢についてであります。レバノン・イスラエルでは停戦が発効しているにもかかわらず,依然として緊張した状況が続いており,イラクでも治安の悪化はますます深刻化するなど,世界各地で平和を脅かす事態が続いております。また,我が国においても7月に北朝鮮が発射したミサイルが日本海に着弾するなど,近隣諸国との外交上の緊張関係が高まっており,誠に憂慮する状況にあります。本市におきましては,「平和非核都市福山」宣言に基づき「核廃絶」と「恒久平和の実現」を基本理念に平和行政を推進しており,8月8日に行った「2006市民平和のつどい・第52回市民平和大会」では,世界の平和と人権の尊さについて認識を新たにした矢先に,米国が臨界前核実験を行うという出来事があり,本市でも市議会とともにブッシュ大統領に対し強く抗議を行ったところであります。改めて,すべての国が恒久平和の実現に向け,積極的に取り組んでいかれますことを念願いたしております。
 さて,我が国の経済情勢は,政府が発表した8月の「月例経済報告」によれば,景気の基調判断を引き続き「景気は,回復している」としており,先行きについては,国内民間需要に支えられた景気回復が続くと見込まれるものの,原油価格の動向が内外経済に与える影響等には留意する必要があるとしております。また,政府は,本年7月に閣議決定した「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」に基づき,これまでの構造改革路線を継続・強化させるとしており,今後の地方財政にこれまで以上に大きな影響を及ぼすものと思われます。本市といたしましては,引き続き国の動向を見極めながら,活力と魅力ある福山市への更なる発展につながるよう自主・自立のまちづくりに向けて知恵を絞り,本市の将来への展望を切り開いて参る考えであります。
次に,酒気帯び運転を始めとする相次ぐ市民の信頼を損ねる出来事に対し,信頼回復に全力で取り組んでいるにもかかわらず,引き続く職員の不祥事につきましては,私自身,市長として市民の皆様に大変申し訳なく,誠に遺憾に感じております。改めて,議会を始め市民の皆様に深くお詫びを申し上げます。市民の信頼を回復し,その負託にこたえていくためには,職員一人一人が公務員としての自覚と責任を改めて再認識しなければなりません。今後,職員の服務規律の確保について,更に指導を徹底するとともに,懲戒処分の基準,とりわけ飲酒運転にかかわる事案につきましては,特に厳しく見直して参る考えであります。
次に,第四次福山市総合計画についてであります。6月27日に福山市長期総合計画審議会に対して総合計画の基本構想を諮問し,御審議をいただいておりましたが,昨日答申を受けたところであります。この答申を踏まえ基本構想案を作成し今議会に御提案申し上げ御審議をいただきたいと考えております。
次に,福山市観光振興ビジョンの策定についてであります。本市は,自然や歴史・文化,産業などの豊富な地域資源を有しているものの,それらは観光資源として十分に生かされていない状況にあります。今後,地域資源や地域特性を最大限に活用しながら,地域の活性化を視点に取り入れた観光振興策の展開が必要であると考えており,行政や市民などが協働で福山の魅力を全国に向けて積極的に発信するなど,新たな本市の観光行政の指針となる観光振興ビジョンを策定し,交流とにぎわいあふれるまちづくりを進めて参りたいと考えております。
次に,4月から市民,事業者の皆様の御理解と御協力の下,新たな分別収集に取り組むとともに,リサイクル工場におけるプラスチックごみの手選別ラインの改修などに取り組んで参りました。こうした取組の結果,昨日,財団法人日本容器包装リサイクル協会から10月1日からの引き取り再開の決定が通知されたところであります。これまでの市民,事業者の皆様の御協力に心から感謝申し上げるとともに,引き続き,資源循環型社会の実現を目指して参りたいと考えておりますので,分別の徹底とごみの減量化・資源化に御理解と御協力をお願いいたします。
次に,市制施行90周年記念事業として,中央公園地区整備事業と(仮称)福山市西部市民センター建設事業に取り組んでいるところであります。中央公園地区につきましては2008年(平成20年)7月の開館に向け,(仮称)中央図書館の建設に着工したところであり,(仮称)西部市民センターにつきましても2008年(平成20年)3月の完成を目指して整備することとしております。いずれも市民交流の拠点施設として,多くの市民に利用していただき,活性化につなげていきたいと考えております。また,スポーツの分野ではドリーム・ベースボールを,10月28日,29日の2日間,竹ヶ端運動公園野球場等で開催することとしております。日本プロ野球名球会などから選手が参加し,地元チームとのドリーム・ゲームや少年少女ふれあい野球教室など各種の催しを開催する予定としており,多くの皆様に楽しんでいただきたいと考えております。
次に,夏の夜を彩る祭典として,今年も「福山夏まつり2006」が8月13日から15日の3日間,市の中心部で華やかに開催されました。二上りおどり大会,サマーナイトふれあいフェスタ,日本の伝統花火を中心に約1万3千発を打ち上げる花火大会などの催しが行われ,過去最高となる約48万人の人出となりました。このにぎわいを活力と魅力があり,全国に誇れるまちづくりにつなげて参りたいと考えております。
次に,福山駅前広場整備につきましては,本年度からの工事着手に向け取り組んでいるところでありますが,先般,駅南口広場の試掘調査を実施したところ福山城の外堀の石垣の一部が出土いたしました。福山城は市民の貴重な文化遺産であります。この遺構をどのような形で保存・活用していくか十分検討しながら,福山駅周辺の整備を計画的に進めて参りたいと考えております。
福山市駅西送迎専用駐車場と福山駅南有料自転車駐車場につきましては,7月1日に供用開始いたしましたが,利用者の利便性の向上が図られ,有料自転車駐車場につきましては,8月1日現在の定期利用の登録者は募集定数に達し順調な利用状況となっております。今後は,福山駅周辺の駐輪状況について調査し,景観の保全や歩行者の安全確保のため放置禁止区域の指定なども検討して参りたいと考えております。また,うつみ市民交流センターにつきましても,多くの皆様に利用をしていただいており,とりわけ温水プールにつきましては開館1か月で1,700人を上回る利用者となり,内海町地域以外の方々にも御利用いただいております。今後とも,多くの人々が集い,交流の輪を広げる場として,地域振興につなげて参る考えであります。
次に,若年者の就労問題についてであります。全国的に若年層における雇用対策が大きな課題となっており,本市におきましても,ニート・フリーターなど若年者の就労問題への取組として8月に産学官の関係機関による「若年者就労問題意見交換会」を開催し,連携して就労問題へ取り組むことの意思統一を行いました。また,保護者を対象とした連続セミナーも開催しているところであります。さらに,生徒にしっかりとした勤労観・職業観を身に付けさせるため,学校・家庭・事業所の三者が連携し,市内の全公立中学校2年生3,795人を対象に地域を中心とした5日間の職場体験「チャレンジ・ウィークふくやま」を実施したところであります。今後とも,関係機関と連携をとりながら若年者の就労にかかわる課題解決に向け取り組んで参りたいと考えております。
次に,安心・安全についてであります。本日9月1日は「防災の日」であります。8月30日には地震発生時の初動体制を確認するための参集訓練などを行い,1時間後には地震発生の連絡を受けた職員の8割を超える職員が参集するなど,非常時における危機管理意識の向上が図られたと考えております。今後とも的確な情報の提供と迅速で機動的な防災体制の整備を図り,安心・安全のまちづくりに努めて参りますので,市民の皆様におかれましても家庭内での安全点検,非常用品の準備を行うなど日ごろから災害に備えていただきますようお願い申し上げます。
なお,広島県営水道の送水トンネルの崩落事故に伴い呉市,江田島市に発生した断水被害に対し,水道局では8月28日から職員を派遣し給水車などによる応援をいたしており,消防局においても応援要請があった場合には救急車両などを直ちに派遣できるよう体制を整えております。本市におきましては,こうした送水の形態はありませんが,毎年,事故を未然に防ぐため水道管の漏水調査を行っており,今後も市民のライフラインの確保に万全の体制をとって参る考えであります。
また,子どもの安全対策につきましては,不審者情報を始めとする子どもの安心・安全に関する情報をすばやく広範囲に提供するため,学校や受信を希望する保護者及び地域の防犯活動者などに対して,7月から携帯電話などの電子メールによる配信システムを開始したところであります。8月末の教育委員会等への登録数は約1万3,000人で今後も増加するものと見込んでおります。9月からは保育所においても利用を開始し,引き続き情報発信の有効な手段として積極的に活用して参る考えであります。
また,保育所・幼稚園・放課後児童クラブにおける緊急通報システムの稼動を始めるとともに,市内全学区の通学路への防犯灯の設置や福山市御船駐車場など3か所への防犯カメラシステムの設置などにも取り組んでいるところであります。さらに,学校においては,子どもによる地域安全マップの作成や避難訓練の実施により,子どもの危険回避能力を高める取組も進めているところであります。こうした取組や地域での見守り活動により,犯罪の未然防止につなげていきたいと考えており,今後とも,行政と市民の協働による地域防犯活動の推進に御理解と御協力をお願い申し上げます。
今日,子どもたちを取り巻く環境が大きく変化している中,子どもが被害者となる事件が発生する一方で,子どもが加害者となる事件も後を絶たない状況があります。子どもたちは社会全体の希望,未来の力であり,私自身こういった事件の報道に深く心を痛めております。今後とも,子どもたちが生命を大切にし,思いやりの心や正義感などの人間性や社会性をはぐくむことができるよう,豊かな心の育成を図って参りたいと考えております。
 次に,この夏も水による事故が多発し,本市におきましても8月に児童・生徒の尊い命が失われるという事態が発生し,大変残念に思っております。御家族及び関係者の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。また,埼玉県ふじみ野市での流水プールにおける小学2年生の女児の死亡事故を発端として,施設の安全管理体制が,全国的に問題となっております。本市におきましては,事故発生の翌日8月1日に福山メモリアルパーク内の流水プールを始め,市立小・中学校のプール105か所などにおいて排水口等の点検を行ったところ,いずれの施設におきましても異常がないことを確認いたしました。今後とも,施設管理者として危機管理意識の高揚に努めるとともに,安全の確保を徹底して参ります。
次に,6月に中国バス株式会社が株式会社整理回収機構の企業再生手続に基づき私的再生計画を進めることとなりました。バス路線は,市民生活を支える重要な移動手段であり,地域における大切な社会基盤であることから,本市といたしましては,生活バス交通の維持・確保のため,今後の状況を十分注視しながら,国・県・関係市町と連携して対応して参りたいと考えております。
次に,競馬振興についてであります。競馬事業の2006年度(平成18年度)第1四半期の決算は,開催経費等の見直しにより2,737万2千円の黒字となりましたが,昨年同期の売得金と比較するといまだ下げ止まりの状況に至っておらず,大変厳しい経営環境にあります。これまで関係者と一丸となり各種イベントへの参加などPRに努めてきたところでありますが,引き続き,単年度の収支均衡を基本に,馬資源の確保に取り組む中で,より魅力あるレースの実施と入場人員の増加に向けたファンサービスの充実などに鋭意取り組んで参ります。
 次に,2005年度(平成17年度)普通会計の決算見込みについてであります。財政運営の主要な指標である経常収支比率は82.1%となり前年度と比べ4.2ポイント改善し,公債費比率は16.7%で前年度と同率となりました。今後見込まれる地方交付税制度の改革など,本市を取り巻く財政状況は,依然として厳しい状況が続くものと判断しております。引き続き,社会経済情勢を見極める中で,行財政改革の着実かつ積極的な取組を行い,真に必要な施策の選択と重点化を図りながら,行財政健全化を一層推進して参る考えであります。
 次に,今回提出いたしております2005年度(平成17年度)の企業会計の決算につきまして,その大要を御説明申し上げます。
 まず,病院事業会計につきましては,救命救急センター開設後の初めての決算となりました。医療体制やヘリコプターの離着陸場の整備に取り組むとともに,多様化する患者の選択肢に対応するため医療水準の向上を図り,効率的な業務運営に努めたところであります。収支状況は,入院患者数の増や高度医療・救急医療の増加により収益は増加しておりますが,救急医療体制の充実のための経費の増や医療サービスの質を確保するための医療機器の更新による医業費用の増加等により,3億4,630万9千円の純損失となりました。2006年度(平成18年度)においては,医療体制の更なる充実に向け,形成外科など2科を新たに開設するとともに,病院機能評価の認定を取得し,8月24日には地域がん診療連携拠点病院の指定を受けたところであります。今後とも地域医療の中核病院として,医療サービスの充実と健全経営に取り組むとともに,公共の福祉の増進に寄与して参りたいと考えております。
 神辺町病院事業会計の打切り決算につきましては,外来患者数,入院患者数とも前年度に比べて減少し,8,808万3千円の純損失となりました。
 水道事業会計では,これまでの合併による影響が懸念されていましたが,経費の削減に努め,4億894万8千円の純利益を計上いたしております。
 神辺町水道事業会計の打切り決算につきましては,2,531万7千円の純利益を計上しております。
 工業用水道事業会計では,施設の老朽化に伴い,年次計画的な改修工事の検討が喫緊の課題となっている中,当年度純利益は2億2,613万円を計上することができました。水道事業,工業用水道事業,いずれの会計につきましても,今後とも経営の健全化と効率的な運営に重点を置いた事業運営に努めて参ります。
 次に,補正予算について御説明申し上げます。このたびは,一般会計を始め4会計の補正をお願いいたしております。
 まず,一般会計の補正内容につきましては,公共事業等の追加に伴うもの,篤志家からの寄附や制度上補正を必要とするものなどについて措置をいたしております。
 今回の補正では,障害者自立支援法の本格的な施行に伴い,地域生活支援事業に係るもののほか,障害者が安心して地域で暮らせるよう,本市独自の施策として,福祉サービス,障害児通園施設の利用者に対し,負担が大きくなりすぎないよう助成措置を講ずるなど,利用者の負担の軽減に配慮いたしております。公共事業につきましては,国庫補助事業では,住宅建設事業として,国の補助の追加により市営住宅の外壁改修工事などを行うこととしております。県補助事業では,急傾斜地崩壊対策事業を実施することとし,県営事業負担金では,尾道糸崎港ほか2か所の港湾改良事業や街路整備事業などについて,所要額を措置いたしております。単独事業といたしましては,竹ヶ端運動公園用地整備などを行うことといたしております。また,6月,7月の大雨による,道路や河川の土木施設に被害が発生しましたので,速やかに災害復旧に対応して参ります。このほか,道路や水路などの維持補修についても措置いたしております。篤志家からの寄附につきましては,ふくやま書道美術館などの自主事業に対する助成など,それぞれ御寄附の趣旨に沿ったものといたしております。制度上補正を必要とするものといたしましては,本郷町上納屋町内会など6か所の地域集会所の整備に対する補助のほか,児童扶養手当や重症心身障害者福祉年金について対応いたしております。このほか,消防携帯用無線機導入などについて措置いたしております。また政務調査費につきましては,本年6月の福山市特別職報酬等審議会の答申を受け,所要の経費を措置いたしております。
 特別会計では,集落排水事業会計において,内海町東部地区の排水管埋設工事について所要の措置を講じております。競馬事業会計においては,篤志家からの寄附により,競馬振興のための情報誌への広告掲載などの経費を措置いたしております。国民健康保険会計においては,制度上補正を必要とするものとして,広島県国民健康保険団体連合会への拠出金について措置いたしております。
 以上の結果,今回の補正予算額は,一般会計で6億8,084万1千円の追加となり,全会計の補正予算額は,25億2,600万9千円となりました。
 決算及び予算以外の議案といたしましては,条例案として,福山市議会議員の政務調査費の交付に関する条例の一部改正についてなど8件,その他の議案として,損害賠償の額を定めることについてなど7件を提出いたしております。
何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。

本文は,口述筆記ではありませんので,表現その他に若干の変更があることがあります。