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平成19年6月定例市議会 市長説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2007年6月1日更新

 本日は,6月定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御多用の中を御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 今回提出いたしております諸議案の御審議をお願いするに当たり,当面する市政の状況と議案の大要について御説明申し上げます。
 初めに,去る4月17日に長崎市の伊藤一長市長が暴漢に襲撃され亡くなるという,非常に衝撃的な事件が発生いたしました。いかなる場合も暴力は断じて許されることではありません。特に,統一地方選のさ中に行われたこの事件に対し,行政に携わる者として非常に強い怒りと憤りを感じております。伊藤市長の御逝去は誠に残念であり,謹んで御冥福をお祈りいたします。
 本市におきましては,これまで,危機管理防災課を設けるなど,行政対象暴力に対してき然とした態度で臨むよう全庁的に取り組んで参りました。この事件を契機として,より一層の危機管理を徹底するため,このたび全課長を不当要求防止責任者とし,意識改革のための研修も行ったところであります。引き続き,暴力追放都市宣言の趣旨を踏まえ,暴力や脅しに屈することなく,公平・公正な市民サービスの提供のため,行政対象暴力の徹底的な排除に向けて取り組む覚悟であります。
国内では,長崎市の事件のほかにも銃器を使用した殺傷事件が相次いで発生し,誠に憂慮すべき状況にあります。本市におきましては,所管の関係警察署との連絡会議を設置するなど,引き続き警察当局との連携を一層強化し,市民の安心・安全な生活を守っていく考えであります。また,生命の大切さはもとより平和の尊さを次の世代へ確実に伝えていくため,今後とも,平和非核都市福山宣言の下,平和行政の推進に積極的に取り組んで参ります。
さて,本市では,第四次福山市総合計画を策定し,将来都市像である「にぎわい しあわせ あふれる躍動都市 ばらのまち 福山」の実現を目指して,新年度の新たなスタートを切ったところであります。私は,この将来都市像の実現に向け本市の舵取り役として,50万都市としての都市基盤整備を着実に進める中で,備後都市圏全体のけん引役としての自覚を持ち,広域的な役割を果たしながら変化にも柔軟に対応できるまちづくりに積極的に取り組むとともに,将来を担う子どもたちを始め地域のすべての人が,住んで良かったと,胸を張って誇ることができる,愛される福山市となるよう市民の皆様とともに,果敢にチャレンジして参る考えであります。10年後には,まいた種が健やかに育ち,大きな花を咲かせ,たくさんの実を結ぶよう誠心誠意取り組んで参りますので,議員各位を始め市民の皆様の御理解と御協力をお願いいたします。
 次に,鞆地区道路港湾整備事業についてであります。4月24日に埋立て免許の差し止め請求訴訟が提訴されました。これまで機会あるごとに山側トンネル案などとの対比や事業効果などについて説明して参りましたが,計画に対して一部の方々の理解が得られないことにつきましては,非常に残念な思いがいたしております。先般,広島県と共同で行った事業説明会では,雨が降る中参加された約700人の地元住民の方々の早期着工への熱意を感じ,事業の推進を改めて強く決意したところです。5月23日に埋立て申請を行い,事業着工への第一歩を踏み出すことができました。計画策定から24年という長い年月を経て,念願の埋立て申請ができたことにつきましては,非常に感慨深く感じているところであります。今後,解決しなければならない課題は数多くありますが,それらを一つずつ着実に乗り越え,引き続き,事業の推進に向け取り組んで参る覚悟であります。
また,このたびの埋立て申請は,鞆のまちづくりへの大きなステップであり,今後,将来を見据えて歴史と伝統の鞆の町を再生・活性化していかなければならないと考えております。とりわけ,鞆の歴史的町並み保存につきましては,保存すべき建物の老朽化が著しく,早急な保存整備が必要な状況となっております。このため,基金を有効に活用し修理・修景など町並み保存事業に取り組むとともに,重要伝統的建造物群保存地区の指定に向けても積極的な取組を行って参ります。また,今後,地元住民との協働により支所機能を含めた公共施設の整備計画の策定に取り組むとともに,鞆地域の総合的なまちづくりについても検討して参ります。
 次に,市民病院の産婦人科についてであります。4月1日から休診しておりました産婦人科について,地元医師の支援を得て婦人科の診療の一部を4月25日から再開することができました。現在,週2日間の婦人科一般外来などの診察を行っており,5月からは母乳外来も再開したところです。引き続き,産婦人科の一日も早い全面再開に向けて,医師の確保に万全を期す考えであります。また,市民病院の隣接地に整備しておりました蔵王緑地がこのほど完成いたしました。今後は,市民の皆様の憩いの場として,また,患者の機能回復のための心身をリフレッシュする「リハビリ公園」として利用していただきたいと考えております。
 次に,ツネイシホールディングス株式会社の無願埋立地についてであります。5月23日の全員協議会において,これまでの経過や今後の事務手続などについて御説明いたしました。協議会での御指摘を踏まえ,これまでの市議会での議論経過などについて企業に対し伝えたところです。先日企業側から,今回の件については本市に対して誠実な対応をして参りたいとの意向が示されたところであります。今後,広島県とも協議しながら早急に整理して参ります。
次に,一昨年12月に本市の中学生が自殺した事案についてであります。昨年12月,調査委員会を設置し,10回にわたり専門的な立場から慎重に調査いただいたところであります。5月15日に同委員会から,いじめを自殺の直接の原因と断定することはできないとの報告を受けました。しかしながら,かけがえのない命が失われたことは事実であり,我々行政といたしましても非常に重く受け止めております。これまでも,教職員が子どもの目線に立ち,いじめを絶対に許さない,一人一人を守るという姿勢を示すことにより,子どもの不安や悩みの解消に努める取組を継続的に行ってきたところであり,引き続き,保護者や地域との連携を図り,将来を担う子どもたちがたくましく生きる力をはぐくめるよう取り組んで参ります。
 次に,市立四年制大学についてであります。5月10日に,第1回大学設置基本構想検討委員会を開催し,大学設置基本構想について諮問をいたしました。本市の「四年制大学の設置に関する基本的な考え方」に基づいて御審議いただき,9月ごろ答申をいただく予定といたしております。この答申を受け,本年中には大学の基本理念や教育目標,教育課程などを明確にした基本構想を策定し,魅力ある四年制大学の設置を目指して参る考えであります。
 次に,都市基盤整備についてであります。福山駅前整備事業に係る福山城の遺構につきましては,このたびの発掘調査で当時の福山城が偲ばれる外堀の石垣などが出土いたしました。より多くの市民が福山の歴史に触れることができるよう,可能な限り現状のまま見える手法も含め,その保存・活用方法について引き続き協議・検討して参りたいと考えております。また,JR福山駅周辺地区交通バリアフリー基本構想に基づき整備されておりました,福山駅新幹線ホームへのエレベーター設置工事が3月に完成し,多くの方が円滑に移動できることとなりました。今年度は在来線にも設置の予定であり,より一層,公共交通機関の利用が促進され,利便性の向上につながるものと考えております。
また,福山内港周辺の円滑な交通処理を図るため整備を進めておりました福山港洗谷線について,3月31日から一部区間で暫定供用を開始いたしました。また,広島県により入江大橋北詰交差点も暫定整備され,交通渋滞の緩和に一定の効果が挙がっているものと考えております。引き続き,福山港洗谷線の福山駅大門線への今年度中の接続に向けて早期整備に努めて参ります。
 次に,協働のまちづくりについてであります。今年度もキーワードモデル事業など協働のまちづくり提案型事業について,昨年度を上回る32団体の事業を採択いたしました。イメージデザインとして新たに「協働の花」を定めたところであり,引き続き,市民と行政が一体となり地域の特性を生かした魅力あふれるまちづくりを進めて参る考えでありますので,市民の皆様の更なる御理解と御協力をお願いいたします。
次に,40回目を迎えたばら祭は,今年も市民との協働により盛大に行うことができ,約83万人という多くの人出でにぎわいました。市民の皆様を始め御協力をいただいたボランティアの方々に心から感謝を申し上げます。特に今年は,朝鮮通信使の再開400周年を記念した行列や米国マウイからのお客様を迎えるなど国際色豊かな祭りとなりました。また,ばら祭のテーマ曲「心に咲く花」の振り付けなどを披露し,祭りを大いに盛り上げるとともに,思いやり,やさしさ,助け合いの心~ローズマインドを市民に広く伝えることができました。また,今月から新築住宅へのばら苗の配布を行うこととしており,これらを契機に,「ばらのまち福山」の心を多くの人に伝える取組を,引き続き行って参りたいと考えております。
 次に,環境問題についてであります。私は,環境問題は,今後特に力を入れていくべき課題であると考えており,引き続き,市民・事業者・行政が一体となり,ごみの減量化や地球温暖化問題などに対する取組を着実に行って参ります。なお,6月の環境月間に併せて本日6月1日から7月末日まで,環境意識の向上やごみの減量化を目指して,レジ袋削減キャンペーンを実施いたします。また,「ベスト運動」の取組も行っており,参加を促進するため,本日よりバス交通情報などの提供を行う交通情報提供システムの運用を開始いたしました。一人一人の行動の積み重ねが大きな効果を挙げるものと考えておりますので,多くの皆様に参加していただきますよう御協力をお願いいたします。
 次に,障害福祉の充実についてであります。昨年10月からの障害者自立支援法の本格施行に伴い,昨年度末,障害のある人が地域で安心して暮らせる社会の実現を目指して障害福祉計画を策定し,新サービス体制への円滑な移行に向け取り組んでいるところです。本年度では,5月7日から福山すこやかセンターにおいて専門的な知識を持つ相談員による障害者等総合相談事業も開始したところであります。大いに活用していただき,適切な支援とサービスの提供につなげていきたいと考えております。
 次に,合併建設計画の主要事業である沼隈運動場が完成し,4月1日から供用を開始いたしております。軟式野球やソフトボール,サッカーなど様々なスポーツが楽しめる地域のスポーツ交流の拠点として,市民の皆様の健康増進の場として大いに利用していただきたいと考えております。また,沼隈支所につきましても改修を行い,支所機能だけでなく地域住民の交流促進や公民館の機能を加え,新たに,ぬまくま市民交流センターとして供用を開始いたしました。協働のまちづくりの拠点や生涯学習の場として今後,大きな役割を果たしていくものと考えております。
 次に,競馬事業についてであります。これまで関係者の御理解と御協力の下,経営の健全化に向け全力で取り組んで参りました。その結果,2006年度(平成18年度)におきましても,前年度に引き続き単年度収支が約4,400万円の黒字となる見込みとなりました。また,今年度は,福山競馬で初となる日本中央競馬会認定競走を実施することとしており,多くの皆様に楽しんでいただきたいと考えております。今後とも関係者と一丸となって,経営の健全化に鋭意取り組んで参ります。
 さて,我が国の経済情勢についてであります。5月の「月例経済報告」によれば,「景気は,生産の一部に弱さが見られるものの,回復している」との判断を示しており,雇用情勢は,厳しさが残るものの,改善に広がりが見られるとしています。景気の回復には地域差も見られ,国においては自治体間の税収格差の是正へ向けての議論が行われておりますが,地方の自由度を高めるとともに,活力と魅力ある地方の創出のための適切な施策が展開されることを期待するところであります。今,地方分権改革の流れの中で,自治体の真の自立が求められています。本市といたしましては,引き続き,国の動向を十分見極める中で,10年後の福山市の姿を見据えた事業の選択と重点化を図り,健全な行財政運営に取り組んで参ります。
 次に,今回提出いたしております議案について御説明申し上げます。
 条例案として,屋外広告業について,良好な景観の形成,風致の維持などの確保を図るため,現行の届出制度から登録制度へ移行することに伴い,必要な改正を行う福山市屋外広告物条例の一部改正についてなど7件,その他の議案として,損害賠償の額を定めることについてなど5件を提出いたしております。
 何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げます。

本文は,口述筆記ではありませんので,表現その他に若干の変更があることがあります。