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平成20年第1回定例市議会市長総体説明

印刷用ページを表示する 掲載日:2008年2月19日更新
 本日は,2008年(平成20年)第1回定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御多用の中を御参集いただきまして,誠にありがとうございます。
 初めに,去る1月に御逝去されました青山商事株式会社の創業者で代表取締役会長でありました青山五郎様と福山通運株式会社代表取締役会長小丸法之様におかれましては,これまで本市行政の発展のため多大な御貢献をいただいて参りました。これまでの輝かしい御功績をたたえ,両氏を本市の名誉市民として推戴いたしたいと考えておりますので,本日の市議会での御同意をいただきますようお願いを申し上げます。
 さて,今回提出いたしております2008年度(平成20年度)当初予算案を始め,関係諸議案の御審議をお願いするに当たり,市政を取り巻く諸情勢並びに新年度における市政運営の基本方針と予算案の大要について御説明申し上げます。
 今年度,本市は第四次福山市総合計画に掲げる将来都市像「にぎわい しあわせ あふれる 躍動都市~ばらのまち 福山~」の実現を目指して,新たな第一歩を踏み出したところであります。これまで備後地域の中核都市にふさわしい都市機能の整備を進めて参りましたが,先月25日にあしな文化財センターがオープンし,今月22日には西部市民センターの竣工式を行う予定といたしております。また,中央公園地区整備につきましても工事が順調に進み,5月には生涯学習プラザの一部が,7月には中央図書館が,供用開始の予定となっております。市民の皆様が待望されていた施設が完成し,だれもが住んでみたい,行ってみたいまちづくりへ向けて一歩,一歩前進しているものと考えております。さらに,福山商工会議所や観光協会との連携の下,今月10日に「福山知っとる検定」を行いました。当初見込んでおりました倍以上の639人という大勢の方から御応募いただき,県外や幅広い年齢層の方が福山に興味を持っていただいたことを大変嬉しく思っているところであります。今後とも,福山の魅力あふれる歴史や文化などに関する知識を深めていただき,福山ファンの増大や観光サポーターなどの人材発掘・育成に努めるとともに,大勢の市民の方々が「おもてなしの心」を持って福山を訪れる方々を迎えていただくよう継続して取り組んで参りたいと考えております。
 今後引き続き,福山駅前整備事業や四年制大学の設置,地域資源を生かした都市ブランドの発信など取り組むべき事業もありますが,市制施行100周年に向けて,確かな第一歩の踏み出しができたものと考えております。少子高齢時代への突入や人口減少社会への移行など社会構造の大きな転換期にある中,今後とも予測困難な時代を確実に乗り切るため,引き続き事業の選択と重点化を図る中で健全な行財政運営に努めるとともに,第四次福山市総合計画に基づく施策を着実に実施することにより,輝く未来に向かって夢のある中国・四国地方の拠点都市にふさわしい躍動するまちづくりに向けて誠心誠意取り組んで参る考えであります。
 さて,我が国の経済は,1月の月例経済報告では「景気は,一部に弱さが見られるものの,回復している」との判断が示されておりますが,福山商工会議所の1月の景気観測調査では,景気局面を把握する経済指標であるDIが前月調査より11.4ポイント下降し,悪化を示す結果となり,先行きにつきましても,総体的に厳しい見通しとなっております。世界の株式市場の不安定な状況や円高,原油価格の高騰により景気動向に対する懸念は,ますます強まっているものと受け止めており,国においては,早急に具体的な景気対策を展開されることを強く念願するものであります。
国においては歳出改革を確実に実施し,成長力強化,地域活性化,国民生活の安心・安全といった政策課題に予算配分を重点化するという基本的な考えの下,2008年度(平成20年度)予算案が示されました。地方が自主的・主体的に活性化施策を実施するための特別枠として財政状況の厳しい地域に重点的に配分する地方再生対策費が創設され,地方交付税総額も3年ぶりに増加するなど,一定の地方への配慮もなされたものと受け止めております。本市の新年度予算は「ふるさと福山」の更なる発展を目指して,健全で持続可能な財政運営の視点を踏まえる中,これまでの取組により足がかりのできたものを着実に実施するとともに,引き続き,特に重点化して進める施策や事業を7つのキーワードに基づく重点政策として設定したところであります。福山駅周辺整備事業などの都市基盤整備や鞆の再生・活性化に向けた取組,福山のアイデンティティーを確立するための都市ブランドづくりなどこれまで懸案となっている事業を始め,北京市・マウイ郡との国際交流の推進や産業団地造成など本市の持つ潜在能力を最大限に引き出すための事業,更には地球規模で喫緊の課題となっている環境問題に対する取組などに特に意を用いる中で,68事業,91億円余りの財源の重点配分を行ったところであります。
 こうした施策を中心に,新年度予算案を編成したところであり,その大要について御説明申し上げます。
 歳入につきましては,市税は,大幅な増加は見込めないものの個人市民税や法人市民税が一定程度増加することなどから,全体では1.6%の増加を見込んでおります。また,地方交付税も新設される地方再生対策費などにより8.4%増加し,主要な一般財源は前年度を若干上回るものと見込んでおります。また,現在,国会では道路特定財源の暫定税率の存廃問題を巡り大きな議論となっておりますが,道路特定財源は道路の整備や維持修繕,起債の償還を賄う貴重な財源であります。新年度におきましても30億円程度の歳入を見込んでおり,暫定税率が廃止されることになれば,道路整備のみでなく他の施策へも影響を及ぼすこととなり,財政運営上大きな支障をきたすことになるものと考えております。このため,道路特定財源の暫定税率につきましては,引き続き,その延長を求めて参りますが,将来的には地方の道路財源が安定的に確保されるよう適切な措置を講じられることを望むものであります。
 歳出につきましては,人件費は職員定数や退職者数の減などから4.1%と大幅な減となりましたが,生活保護費などの扶助費は6.1%の増となり,投資的経費では,中央図書館や西部市民センターなどの大規模事業の完了に伴い23.2%の減となりました。また,財政の健全化に向けた取組として,新年度では福山・府中広域行政事務組合からの引継金などを財源に大規模事業基金へ13億円の積立を行うとともに,公債費対策として高利率の公的資金について繰上償還を実施することといたしております。この結果,新年度の予算規模は,一般会計では前年度当初予算と比べ0.4%の増となりました。
 次に,新年度の主要な施策につきまして,第四次福山市総合計画に掲げるまちづくりの基本目標に沿って,重点政策を中心に御説明申し上げます。
 基本目標の第1は,「だれもが安心して安全で快適に暮らせるまち(安心・安全・環境)」であります。
 本市では,市民が安心して安全に住み続けられるまちを目指し,人権を尊重した平和なまちづくりを進めているところであり,引き続き,すべての人に優しいまちづくりや,災害など予測されない事態から市民の生命や財産を守るための万全の体制作りに取り組んで参る考えであります。
 まず,市民の安全対策として,生活安全モデル地域を指定し,地域の協働による安心・安全なまちづくりを推進して参ります。子どもの安全対策につきましては,これまでも特に重点を置き機動的に取り組んで参りましたが,今後とも,地域安全マップづくりの推進やこども110番事業ネットワーク会議の有効活用,防犯カメラシステムの設置など,最善を尽くして参る考えであります。消防・救急体制の充実につきましては,消防通信指令管制システムを更新整備するとともに2010年度(平成22年度)中の業務開始を目指して芦品消防署の整備に取り組みます。また,だれもが安心して通行できる道づくりに向けて反射鏡などの交通安全施設の整備や防護柵など緊急箇所整備の計画的な実施に努めるとともに,地震や大雨などの災害に備えて,主要配水池の耐震診断や雨水ポンプ場の整備,小中学校の屋内運動場の耐震補強などについても計画的に整備を進めて参ります。また,1月に国からオムニバスタウンの指定を受けたところでありますが,公共交通サービスの充実のため,ICバスカードや低床バス導入に対する補助などにより利用促進を図り,生活バス交通の維持・確保に努めるとともに,JR大門駅へのエレベーター設置に対する補助など交通バリアフリーに取り組んで参ります。このほか,備後の中核都市にふさわしい景観形成を図るため,2010年度(平成22年度)の景観計画策定に向けて基礎調査などを行って参ります。
 また,今年は京都議定書で定められた温暖化ガスの削減義務に取り組む初年度であり,7月には地球温暖化等の環境問題を主要なテーマの一つとする主要国首脳会議の開催が予定されるなど,環境問題に対する取組は世界規模で進められています。地球温暖化の問題は,私たちの生活と深くかかわる喫緊の課題であり,資源やエネルギーの消費について一人一人が今できることを着実に実践していかなくてはなりません。そのため,環境行政の基本的な枠組みと方向性を示す環境基本計画を市民の皆様の御意見もお聴きしながら策定するとともに,企業が環境規格認証を取得するための費用の補助,地域で環境問題に取り組む事業者などを表彰する「ふくやま環境賞」や,家庭で電気・ガス等の使用量の削減に取り組む世帯の「エコファミリー」認定制度を創設するなど,市民の参加を得る中で,地球温暖化防止に向けた施策に積極的に取り組んで参る考えであります。また,環境意識の向上に効果的な取組を市民や事業者と一体となり継続的に行っていくため,「エコでえ~ことキャンペーン」を新年度においても行うことといたしております。このほか,市域全体のし尿や浄化槽汚泥を処理するための新たな汚泥再生処理施設の整備に向けて,基本設計に取り組むことといたしております。
第2は,「子どもが健やかに育ち,だれもが健康でいきいきと暮らせるまち(保健・福祉・医療)」であります。
 内閣府が行った地方再生に関する特別世論調査では,地域が元気になるための施策は「福祉,医療の充実」との回答が最も多いという結果が示されております。こうした中,本市では,すべての人が個人として尊重され,生涯を通じて健康で心豊かな,生きがいのある生活が送れる地域社会の実現を目指して取り組んでいるところであります。
 子育て支援につきましては,子どもを生み育てやすい環境づくりのため,乳幼児等医療費助成制度など経済的な支援のほか,これまでの母子訪問事業に加え,子育て支援ボランティアや保健師が,生後4か月までの乳児のいるすべての家庭を訪問して,育児不安の軽減や児童虐待の防止につながる様々な支援を行う「赤ちゃん訪問事業」を実施するとともに,妊娠・出産期の母親等に対しても,健診や相談を通じて支える取組を充実して参ります。また,保育所を地域の子育ての拠点として,引き続き子育て支援センター事業の充実などに取り組むとともに,放課後児童クラブにつきましては,71人以上の大規模クラブの解消に向け,プレハブ教室の増築や余裕教室の改修を行って参ります。さらに,保護者の子育てと仕事の両立を支援するため,病児・病後児保育をこれまでの民間の3か所に加えて市民病院においても開始するなど,子育て支援策の充実に努めて参ります。高齢者福祉につきましては,介護予防の取組を更に充実するとともに,高齢者虐待の早期発見や未然防止のため,関係機関によるネットワークを設置し取り組んで参ります。障害者福祉につきましては,すこやかセンターでの障害者等総合相談事業について,相談,支援体制の充実を図ります。また,障害者の就労及び地域活動への助成や,施設入所者が住み慣れた地域でともに暮らせるよう支援を行うとともに,障害児通園施設の利用者の負担軽減措置を更に拡大して参ります。このほか,すべての市民が生涯健康で元気に暮らせることを目指し,保健や教育などの各分野が協働し,「食育」の推進に取り組んで参ります。
 市民病院につきましては,人々が安心して地域で暮らすことができるよう地域医療の拠点病院として,医療機能を更に充実するため,外来化学療法室や内視鏡室などの施設整備に取り組み,病院としての総合力の向上に努めるとともに,がん診療連携拠点病院として質の高いがん医療の提供体制の確立を目指して取り組んで参ります。なお,産婦人科医師の確保につきましては,依然として厳しい状況にありますが,生命と健康を守る病院として,市民の皆様の信頼に応えるべく,引き続き,課題解決に向けて鋭意取り組んで参ります。
 第3は,「多様に学び,文化をはぐくむまち(教育・文化)」であります。
まちづくりを支えるのは「人」であります。21世紀を担う人材を育成するため,子どもたちに「確かな学力」や「豊かな心」の育成を通して「生きる力」を身に付けさせることが求められております。学校教育においては基礎学力の向上に重点を置いて取り組んでいるところでありますが,引き続き,小中学校での少人数指導推進支援や中高一貫教育の充実などに取り組むとともに,本市独自の取組として,発達障害のある児童・生徒に対する特別支援教育体制の推進や学習活動推進員などによる不登校対策の充実を行うなど,一人一人に対してきめ細やかな指導に努めて参ります。四年制大学の設置につきましては,昨年12月に策定した大学設置基本構想に基づき,今後,地域社会の活性化や発展に寄与する教育研究拠点となるよう開学へ向けた準備を行って参ります。設置場所につきましては,大学の教育環境や利用者の利便性,地域の活性化などまちづくりの観点から,福山港内港地区を候補地として考えているところでありますが,今後,土地利用計画などについて,県等関係機関と協議して参る考えであります。
 また,貴重な文化財の保護と活用を図るため,二子塚古墳の国史跡指定に向けて取り組んで参ります。さらに,子どもから高齢者までだれもが生き生きと学ぶことができる生涯学習の場として整備を進めて参りました中央図書館につきましては,ばらに関する資料や福山にゆかりのある人物などの資料を集めた「福山らしさ」を発信する特設コーナーを開設するとともに,蔵書につきましても引き続き年次的に整備することといたしております。
 第4は,「産業の力みなぎる活力とにぎわいのあるまち(活力・交流)」であります。
地域づくりは,地域が主体的にその特色や特性を生かし,自立したまちづくりを進めることが求められており,都市間競争が激しくなる中で,これまで以上に都市の魅力を高めるためには地方の自立・独創性により自らその活力を創造していくことが重要であります。
企業の立地は雇用の拡大や税収の増加など大きな経済波及効果をもたらすことから,新たな産業団地の開発について今年度実施した概略調査を基に,あらゆる角度から検討して参りました。景気の要因はあるものの,本市の持続的な発展と産業振興に資するためには,新たな産業団地を開発することが必要であり,採算性,経済性,実現性の面からも可能であると判断したところであります。このため,新年度では測量や地質調査及び基本設計や実施設計に取り組んで参ります。
 また,人,モノ,情報が行き交う交流拠点機能の強化に向けて,国や県と一体になって福山道路など幹線道路網の整備を推進するほか,津之郷奈良津線など都市計画道路の整備を進め都市の拠点性の強化や交通渋滞の緩和に努めて参ります。また,北京市との教育・文化・学術を中心とした教育交流やマウイ郡との親善友好都市提携を通して,今後も,市民レベルでの国際交流を促進する中で,市民の国際的視野の広がりや異文化理解の推進に努めるとともに,次世代を担う若者が国際感覚を磨き,国際社会の中でたくましく生きる力を身に付けることができるよう交流事業を推進して参ります。このほか,農業基盤を整備するため農村振興総合整備事業として,ほ場整備や農業用用排水路の整備に取り組むことといたしております。
備後地域の中核都市の玄関口にふさわしい,魅力とにぎわいがある都市空間を創出するため進めております福山駅周辺整備事業についてでありますが,まず駅前広場につきましては,駅前の交通結節点としての機能の向上を図るよう,引き続き地下送迎場の整備を着実に進めて参ります。福山城石垣の遺構の保存・活用方法につきましては,福山城の歴史がしのばれるものとなるよう可能な限り現状のまま見える形で残していくという考え方であり,早急に現計画の中で検討し,案がまとまり次第,福山市文化財保護審議会や市議会などへお示しをし,御意見を伺って参りたいと考えております。さらに,市街地再開発事業では,東桜町地区につきましては2010年度(平成22年度)の再開発ビルの完成に向けて取組が進められており,新年度では建物除去工事費などを補助することといたしております。また,伏見町地区につきましても早期の事業化に向けて取組が進められており,引き続き積極的な支援を行って参る考えであります。このほか,多様な都市機能がコンパクトに集積した中心市街地を形成するため,中心市街地活性化基本計画の策定にも取り組むことといたしております。
 まちの持つ魅力を積極的・継続的に国内外に発信していくことは地域の活性化につながります。都市ブランドの創出と発信のための取組は本市の大きな課題であり,鞆のまちを謎解きしながら巡りその魅力を知ってもらうミステリーツアーや,これと連携して市内の名所・旧跡などを巡るスタンプラリーを行うなど知名度アップに向けて取り組むとともに,11月に本市で開催予定の中核市サミットなどあらゆる機会を最大限に活用して効果的な情報発信を行って参ります。このほか,地域ブランド品の企画・開発などに取り組む中小企業で構成するグループに対しての支援を行うなど,地場産業の活性化や福山ブランドの創出に努めて参ります。
 鞆地区の再生と活性化のため,引き続き,歴史的な町並みの保存を単市の補助事業として行うとともに,早期の重要伝統的建造物群保存地区の選定を目指して取り組んで参ります。また,歴史的町並みの保存・活用を図るため,その拠点となる施設を整備するほか,鞆地区道路港湾整備事業の推進を図るとともに,支所機能を中心とした公共施設の整備につきましても,地域で活動する各種団体で構成する鞆地区まちづくり懇話会との協働により現在策定中の基本計画に基づき着実に進めて参ります。
 第5は,「市民とともにつくる自立したまち(協働・行革)」であります。
 本市では,「自助」「共助」「公助」を基本に,市民や団体,企業などとの協働により地域の特性を生かした魅力あふれるまちづくりを進めているところであります。これまでの取組を通して協働への理解が深まりつつあるものと考えておりますが,幅広い市民や団体の参画を得る手法や人材育成などの課題も生じております。新年度においては,これまでの成果を引き継ぎ更に発展した取組となるよう,協働のまちづくり推進懇談会などを通して課題解決に取り組むとともに,協働のまちづくり基金を活用し,新たに住民参加型施設等整備事業を設け,市民による自主的・主体的なまちづくりを推進して参ります。また,本市の協働の原点である「ばら」がまち全体にあふれるよう,引き続き,新築住宅や地域へのばら苗の配布を行うなど「100万本のばらのまち福山」を目指して取り組んで参ります。このほか,団塊の世代のまちづくりへの参加を促進するため,団塊世代がその知識や能力,経験を活かして活躍できるよう,就労や社会参加などの分野において生涯現役を目指すことの支援を行って参ります。
 行財政改革につきましては,職員が一丸となり改革を推進し,健全な財政運営に努めているところであります。今後,地方分権の進展に伴い多様な市民サービスが求められる中で,経営的な視点で効率的・効果的な行政を推進するため更なる改革に取り組み,市民の皆様との協働の下,活力と魅力あふれる福山市の発展につなげて参りたいと考えております。なお,新年度では自主財源の確保のため,市税や国民健康保険税の滞納者に対する電話による自主的納付の呼びかけを行うコールセンターを新たに設け,税負担の公平性の確保や収納率向上に努めて参ります。
 次に,内海町,新市町,沼隈町及び神辺町の「合併建設計画」について,御説明申し上げます。内海町地域では,西部地区の漁業集落排水施設の整備を行うとともに,釜谷小用地線などの市道改良や藻場整備,市営住宅の整備などに取り組んで参ります。新市町地域では,小中学校の環境整備や農村振興総合整備事業,水路,ため池などの整備を行うとともに,引き続き,博物館線などの市道改良や維持補修,公共下水道の整備などを進めて参ります。沼隈町地域では,小中学校のプールや沼隈体育館の改修を行うとともに,(仮称)沼隈ふれあいプラザ整備や農村振興総合整備事業,松尾尻橋の架け替えなどにも取り組みます。また,王子配水池の築造に着手するとともに公共下水道につきましても整備することといたしております。神辺町地域では,竹尋小学校の校舎改修や(仮称)神辺斎場の造成工事に着手するとともに,下御領伊地線や東中条10号線などの市道改良や農村振興総合整備事業に取り組むほか,引き続き,ため池や水路,公共下水道の整備などを実施して参ります。
 次に,競馬事業についてであります。本年度におきましては,第3四半期までの収支について黒字が確保できたことや,正月開催では1レースの売り上げが14年ぶりに1億円を超えたことなどから単年度収支は,3年連続して黒字となる見通しであります。今後も馬資源の確保に努めるとともに,他場と連携した相互発売や魅力あるレースの実施を行うほか,新たなファン獲得に向けたPR活動を強化し,単年度収支の均衡を基本に経営の健全化に鋭意取り組んで参ります。
 以上,重点政策を中心に,新年度予算案とその大要について申し上げました。
 昨年,国内では「偽」という言葉に象徴される出来事が多く発生した1年でありました。私は今改めて,市民の皆様と我々行政とが「真(まこと)」・「信頼」というきずなでしっかりと結び付くよう「市民とともに歩む行政」を推進していかなければならないと考えております。法令遵守・情報公開・説明責任を基底に据え,引き続き,市民の目線に立ち,市民と行政が互いに知恵を出し合い工夫をしながら,良きパートナーとして市民満足度の高い自主・自立のまちづくりを進めて参ります。にぎわいあふれ拠点性と求心力を備えた「50万都市福山」へと大きく飛躍するよう全力を傾注して取り組んで参る決意でありますので,議員各位を始め市民の皆様の御理解と御協力をいただきますようお願い申し上げます。
 予算以外の議案といたしましては,生涯スポーツの振興を図り,明るく豊かな市民生活の形成に寄与するための施設として設置する福山市グラウンド・ゴルフ場条例の制定についてなど条例案16件,その他の議案として,損害賠償の額を定めることについてなど9件を提出いたしております。
 何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。

本文は,口述筆記ではありませんので,表現その他に若干の変更があることがあります。