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平成17年6月定例市議会市長説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2006年3月6日更新
2005年(平成17年)6月14日

 本日は,6月定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御多用の中を御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 今回提出いたしております諸議案の御審議をお願いするに当たり,当面する市政の状況と議案の大要について御説明申し上げます。
 冒頭,黙とうをささげました学校法人福山大学名誉総長で,2003年(平成15年)8月福山市名誉市民に推戴いたしました宮地 茂様が,去る5月19日,91歳の生涯を閉じられました。宮地様は,文部省初等中等教育局長を退官後,1975年(昭和50年)に福山大学を開学され,理事長として西日本有数の総合大学に育てて来られました。また,福山平成大学の開学にも取り組まれ,教育・文化の振興や地域の活性化に多大の貢献をされた御功績は,誠に大きく,42万市民の皆様とともに,謹んで御冥福をお祈り申し上げます。
 次に,去る4月25日に発生したJR福知山線脱線事故は,107人の犠牲者を出す大惨事となりました。亡くなられた方々とその御遺族に対し,深く哀悼の意を表するとともに,事故に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。
 次に,競馬事業についてであります。5月9日に本市の競走馬購入補助制度に係る詐欺等の容疑で市営競馬の調教師等が逮捕されるという大変残念な事態となり,このことを主催者として重く受け止め,第3回開催を自粛したところであります。ファンを始め市民の皆様の信頼回復と公正確保のため,法令遵守を目的とした研修を実施し,関係者としての強い自覚を促すとともに,関係機関等と連携を図り,主催者として不正行為の防止に向けた対応を行ってきたところでありますが,6月13日に再逮捕されるというさらに残念な事態となりました。市民の皆様の信頼と支援があってこその競馬事業との認識に立ち,農林水産省とも協議する中で,今後とも健全で公正な競馬事業へ向け全力を挙げて取り組んで参る考えであります。
 次に,去る6月8日,職員が道路運送車両法違反の容疑で逮捕されました。日ごろから,職員に対して交通法規遵守の指導を行ってきたところですが,このような事態が発生したことは誠に遺憾であります。今後,再びこのようなことが起こらないよう全職員に対して一層の指導・徹底を図り,信頼回復に努めて参ります。
 次に,平和行政についてであります。イラク情勢は,依然としてテロ行為や戦闘による犠牲者が後を絶たず,世界各地で地域紛争も続いております。また,我が国においては近隣諸国との外交上の緊張関係が近年になく高まっており,誠に憂慮すべき状況にあります。こうした中,今年は戦後60周年・被爆60周年という節目の年に当たり,本市においても1945年(昭和20年)8月8日に市街地の8割を焼失した福山空襲から60年を迎えることとなります。「市民平和のつどい・市民平和大会」などの行事に多くの市民の皆様の参加をいただきたいと存じます。福山空襲や原爆の悲惨さを心に刻み,改めて,不戦の誓いと人権の尊さについて認識を新たにすることが必要と考えております。また,我が国が被爆国として世界に向け核兵器廃絶を強くアピールしていくことで,すべての国々が戦争のない平和な社会の実現に一層積極的に取り組まれることを念願いたしております。
 次に,今年のばら祭についてであります。2月に合併した沼隈町にも会場を設け,一体となった取組を行うとともに,運営や内容にも市民の一層の参加を得て多彩なイベントを繰り広げ,81万人という過去最高の人出となりました。また,分別の徹底とごみの減量啓発を目的として,会場のごみを減量,リサイクルする「クリーンパトロール隊」を新設し,多くの中学生を始め民間企業や市職員によるボランティアの参加を得て,環境に優しいイベントにすることができました。今後とも,市民との協働による魅力的な行事やイベントの開催に努めて参りたいと考えております。
 次に,4月1日から,県東部初の第三次救急医療として市民病院の救命救急センターの運用を開始いたしました。4月・5月に救急車により市民病院へ搬入された患者数は424名と昨年より137名増加,そのうち,集中治療室へ入院された患者数は164名と31名増加しております。より多くの重症患者の受入れがなされており,おおむね順調なスタートを切ることができたものと受け止めております。市民の命と健康を守る取組をより積極的に推進しているところであり,今後とも信頼される医療の提供に向け,他の医療機関との緊密な連携を行う中で,救命率の向上,地域医療水準の向上に努めて参る考えであります。
 次に,福山駅周辺整備についてであります。福山駅前広場整備につきましては,安全性と利便性の向上を更に図る観点から,送迎機能を駅前広場の地下に設けることとした基本計画を取りまとめたところです。また,東桜町地区市街地再開発事業については,去る5月24日に再開発会社から事業の施行認可の申請がなされ,事業実施に向けて大きく動き始めました。本市においても,国・県の協力を得ながら再開発事業の推進に向け支援を行って参る考えであります。引き続き,福山駅周辺整備の計画的な推進を図り,備後の中核都市福山の玄関口にふさわしい都市機能の整備と中心市街地の活性化を促進して参ります。
 次に,鞆地区道路港湾整備事業についてであります。本年度,広島県において1995年(平成7年)7月に実施した環境影響調査の再調査を行うこととされております。今後,本市においては鞆地区のまちづくりの推進に向けた住民との意見を交換する場などを通して合意形成を図り,事業推進に向け取り組んで参ります。
 次に,就学前施設の再整備についてであります。少子化,核家族化,女性の社会進出の増大など,子どもや子育て家庭を取り巻く環境が変化する中で,就学前施設に求められる役割・機能も大きく変化しております。こうした状況の中,今後とも保護者・子どものニーズにこたえ,将来にわたってサービス水準を維持・向上する必要があります。このため,保育所・幼稚園ともに,それぞれの役割を踏まえながら再整備に取り組んで参りたいと考えております。
 次に,「自治体改革推進会議」の設置についてであります。本市は,これまでも労使それぞれの立場から各種の行政課題について労使双方で議論をすることにより,効果的な施策を展開し,健全な行財政運営に多大なる成果を挙げてきたところであります。今後更に多様化・高度化する行政需要に対応するため,これまでの「労使協働」のあり方を制度として新たに位置付けた「自治体改革推進会議」を設置することにより,市民サービスの向上や職員の意識改革などに向け,取り組んで参る考えであります。
 次に,局制についてであります。本年4月1日から,新たに局制を創設し,より質の高い行政サービスを提供できるよう各局に一定の権限を移譲して庁内分権を進め,責任の明確化を図った上で各局が経営感覚を発揮して行政運営に取り組む組織として整備いたしました。このことにより,多様化する課題に,主体的に迅速かつ柔軟に対応するとともに,市政運営の7つのキーワードに基づく重点政策の着実な推進に取り組んで参ります。
 次に,プロジェクトについてであります。局それぞれが最重点で取り組むべき課題に対してプロジェクト組織等を立ち上げ,全庁一体となって課題解決に向けて,より積極的に取り組んで参ります。
 取組の第1は,競馬振興プロジェクトであります。競馬事業については,4月8日にプロジェクトを立ち上げ,具体的な振興に結び付くような施策を検討・実施してきたところです。2004年度(平成16年度)の単年度収支は,約5億4千9百万円の赤字となる見込みであり,非常に厳しい状況にあります。今後とも引き続き,競馬振興プロジェクトを中心に全庁体制の下,知恵を出し合って,健全化に向けて鋭意取り組んで参ります。
 第2は,産業活性化プロジェクトであります。本市が将来にわたって持続的な発展を遂げるためには,地域経済の活性化と雇用の創出が不可欠であります。そのためには企業が活動しやすく,また,勤労者が生活しやすい魅力ある都市づくりが必要であり,プロジェクトを立ち上げたところであります。今後,全庁一体となって産業活性化プログラムに基づく総合的な施策を展開し,都市間競争に打ち勝つまちづくりを推進して参ります。
 第3は,介護保険制度見直しに係るプロジェクトであります。介護保険制度については,現在,国会において介護保険法等の改正について審議がなされており,来年度からは,予防重視型システムへの転換など大幅に制度の見直しがなされる予定です。これらを踏まえる中で,今年度中に介護保険事業計画の見直しを含む「福山市高齢者保健福祉計画2006」を策定することとしており,先般,社会福祉審議会を開催するとともに,プロジェクトチームを立ち上げ,鋭意取り組んでいるところです。また,障害福祉についても,国会において2003年度(平成15年度)からスタートした障害者支援費制度を見直し,新たな障害者自立支援法案が審議中であり,これらの動向を見極める中で,来年度以降の「福山市障害者保健福祉総合計画」を策定して参ります。
 第4は,協働のまちづくりの推進であります。まちづくりの主役は市民であり,市民の自主的な行動の下に,地域において市民と行政が良きパートナーとして連携し,それぞれの知恵を出し合い,まちづくりに取り組むことが住民自治の高揚につながるものと考えております。市民と行政がそれぞれの責任と役割を分担し,対等な立場で補完し,協力し合う「協働のまちづくり」を進めていくための第一歩として,指針策定懇談会を開催するなど市民から幅広く意見をお聴きする中で,7月末には「協働のまちづくり指針」を策定して参りたいと考えております。
 第5は,生活バス交通利用促進であります。市内の公共交通機関網はバス路線が市内を移動する基幹的な機能を担っておりますが,モータリゼーションの進展などによりバス利用が減少し,バス路線の廃止や減便等が実施・検討されるなど市民生活への影響を懸念しております。このため,バス交通網は地域における市民生活を支える大切な社会基盤との観点から,現状と問題点の分析,地域特性に応じた運行形態や市民が利用しやすい路線のあり方など交通手段の確保を図る施策を内容としたバス利用促進策等に関する計画づくりに向け,市議会,更に関係機関等と十分連携を図る中で,鋭意取り組んで参る考えであります。
 さて,我が国の経済情勢は,政府が発表した5月の「月例経済報告」によれば,「景気は,一部に弱い動きが続くものの,緩やかに回復している。」との判断を示しております。先行きについては,景気回復が続くと見込んでおりますが,原油価格の動向など依然として懸念材料を抱えております。政府においては,構造改革の取組を加速・拡大するとしておりますが,今後とも国の動向を見極めながら必要な対応を図って参る考えであります。
 こうした中,本市におきましては,「三位一体改革」の影響などから非常に厳しい財政運営を強いられております。引き続き,行財政改革に着実・積極的に取り組むとともに,施策の選択と重点化を図る中で,市民の目線に立った市民に満足していただける行政運営に取り組んで参る考えであります。
 次に,補正予算について御説明いたします。このたびは,一般会計ほか5会計の補正をお願いいたしております。
 補正の内容は,神辺町との合併準備に係るものといたしまして,合併期日までに整備しておく必要のある住民情報システムを始めとする電子計算システムの統合などについて所要の経費を計上いたしております。また,次期総合計画の策定にかかわり神辺町を対象とした住民アンケート及び基礎調査の追加実施に係る経費や,合併に係る広報臨時号発行経費を措置しております。来年3月1日の円滑な合併に向けて万全を期して参ります。合併準備に係るもの以外については,草戸町鳥越共用墓地,奈良津墓苑での損害賠償金を措置しております。
 以上の結果,今回の補正予算額は,一般会計において4億7,159万4千円の追加となり,補正後の予算総額は,1,375億2,159万4千円となっております。また,全会計の補正予算額は,6億3,477万3千円の追加となり,補正後の予算総額は2,923億6,057万1千円となりました。
 予算以外の議案といたしましては,条例案として,福山市税条例の一部改正についてなど7件,その他の議案として,財産の取得についてなど8件を提出いたしております。
 何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げます。