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平成15年9月定例市議会市長説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2006年3月6日更新
2003年(平成15年)9月2日

 本日は,9月定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御多用の中を御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 開会に当たり,まず私の市政運営の所信を申し上げまして,議員各位並びに市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
 市長選挙につきましては,先ほどごあいさつ申し上げたところでありますが,今回の市長選挙を通じて,市政に対する市民の皆様の期待や要望を数多くお聞きしたところであり,これらの声を真摯に受け止め,市長の重責を果たすべく,初心に返り,決意を新たにしているところであります。
 さて,我が国は,少子高齢化の進行,人口の減少や地球規模での環境問題の発生など,複雑・多岐にわたる問題に直面し,あらゆる分野において大きな転換期を迎えております。我々地方自治体にとりましても,こうした課題を抱える中で本格的な地方分権の時代を迎えたところであり,今まさに新たな時代に対応した行政システムの構築を求められております。こうした中,改めて地方自治の原点に返り,住民自治の確立に向けた取組を進めながら,これらの課題を解決していかなければならないと考えております。
 このため,私は,引き続き「合意と信頼に基づく市民本位の市政」を基本姿勢として,施策の選択と重点化を図る中で,夢と創造性に満ち,輝きと活力があり,豊かで安心して暮らせる「ふるさと福山」を市民の皆様とともに築いて参る考えであります。
 また,非常に厳しい財政環境が続く中,市民の皆様の信頼にこたえていくためには,行政自らが先頭に立って改革へのたゆまぬ努力を行い,その成果を示していく必要があるものと考えております。同時に,これからのまちづくりに当たっては,市民生活に直結した行政課題への取組はもとより,21世紀を担う人材の育成,環境と調和した循環型社会の構築,少子高齢時代に対応した自立した社会づくり,また住んでみたい,住んでよかったと実感できる活力のあるまちづくりを,市民の皆様とともに汗をかき,智恵を出し合う中で進めていくことが重要であると考えております。
このため,「教育」「環境」「自立」「活力」「協働」 を市政運営のキーワードとして,50万都市構想の新たなる創造に取り組んで参る考えであります。
 以上の基本認識の下に,これから私が重点的に取り組むべき施策について申し上げます。
 その第1は,「教育」であります。
 21世紀を担う人材を育成していくことは,市民全体で取り組むべき大きな課題であります。このため,新たな時代に対応した教育改革を一層進めるとともに,子どもたちの生きる力,とりわけ,「豊かな心」を培っていかなければなりません。さらに,来年4月に開校する中高一貫教育校につきましては,6年間の一体的な指導体制による教育の確立を図るとともに,その成果を市内の中学校等に広げるなど,本市の公立学校教育全体の活性化を図っていかなければならないと考えております。
 また,進行する少子化への対策として,安心して子どもを産み育てられるよう,保育サービスの充実を始め,地域で子どもを育てる環境づくりや子育て支援策の充実に努めるとともに,少子化の流れを変えるための「次世代育成支援対策行動計画」の策定など,行政はもとより,家庭,地域,企業が一体となった総合的な取組を進めて参る考えであります。
 さらに,地域の文化は,教育の基礎となるものであり,市民の郷土への愛着を高め,心を豊かにし,都市の魅力を高めていくものであります。このため,本市の長い歴史の中で豊かにはぐくまれてきた文化を尊び,継承しつつ,更に個性的で魅力あふれる「ふるさと福山」の誇り得る文化の振興に努めて参ります。
 第2は,「環境」であります。
 21世紀は「環境の世紀」ともいわれており,我々は,豊かな地球の恵みを次の世代に引き継いでいく大きな使命が課されております。このため,一人一人の環境問題への認識を深める中で,市民や事業者との連携の下,ごみの排出抑制,再利用,再資源化を推進するとともに,適正な処理体制の整備を進め,環境への負荷の少ない循環型社会の形成を目指して参ります。さらに,地球環境の保全や「みどりのまちづくり」など,環境と共生する持続可能な社会を目指した取組を進めて参ります。
 そうした中,福山リサイクル発電株式会社のRDF燃焼試験中において,誠に遺憾ながら8月29日に火災が発生しました。貯蔵サイロ内のRDFについては異常ありませんが,当面9月3日までの試運転は中止いたしております。今回の火災の原因究明を早急に行い,対策を講じるとともに,プラント全体の総点検を行い,安全性を十分確認した上で来年4月からの本稼動に備えたいと考えておりますので,御理解をお願いいたします。また,三重県で発生した爆発事故の原因を入手するとともに,同様の事業を進めております他の施設等とも連携し,情報の共有を図る中で安全対策の強化を図るべく関係者で十分協議を行うことといたしております。
 第3は,「自立」であります。
 我が国の人口は,平成18年をピークに,いよいよ減少に転じると予測されております。こうした中,すべての市民が自立し,健やかで生きがいを持ち,安心して暮らせるよう,高齢者・障害者の自立や社会参加の促進,共助型地域福祉の一層の推進や,各種保健・福祉・医療サービスの充実,更には公共施設のバリアフリー化やユニバーサルデザインによるまちづくりなど,ソフト・ハードの両面から総合的・一体的な社会環境づくりに努めて参ります。医療面では,平成17年4月に救命救急センターを含む市民病院の増改築が完了し,三次救急医療体制が整備されることとなります。引き続き,市民の安心を確保するべく更なる充実を目指して取り組んで参る考えであります。また,7月に開所した男女共同参画センター「イコールふくやま」を拠点として,男女共同参画社会の実現に向けた取組を推進するなど,高齢者や障害者,そして子どもや男女など,市民一人一人が自立し,ともに支え合う地域づくりを進めて参ります。
 第4は,「活力」であります。
 「住んでみたい,住んでよかったと実感できるまち」をつくり上げていくためには,瀬戸内の交流拠点都市にふさわしい,にぎわいと多様性にあふれた活力のあるまちづくりを進めていく必要があります。とりわけ,都心部を再生することは本市の最重点課題の一つであります。このため,福山駅周辺地区整備,東桜町地区を始めとする市街地再開発事業の促進,更には中央公園地区の整備など,中心市街地活性化の事業の推進を図り,活力と魅力ある中心市街地の形成を進めて参ります。更には本市が備後の中核都市として「人,モノ,情報」が活発に交流する都市となるよう,福山道路を始めとする幹線道路網の整備や箕沖地区などの港湾整備事業の促進を図って参ります。なお,鞆地区道路港湾整備事業につきましては,残り3件の排水同意について,これまで鋭意説得を続けて参りましたが,同意を得るには至りませんでした。今後,県知事とも協議の上,対応して参りたいと考えております。
 本年2月に合併しました内海町・新市町につきましては,速やかな一体化に向け,合併建設計画を着実に実施するとともに,行財政基盤の強化や市域の拡大による発展可能性の増大といった合併効果を活かしながら市域のバランスある整備を図り,新たな活力と魅力を創造しつつ,本市の更なる発展に取り組んで参ります。沼隈町との合併問題につきましては,両市町の行政概要調査を行い,一定の取りまとめを行ってきたところであります。合併協議会の設置につきましては,市議会合併調査特別委員会での議論や,沼隈町の動向を見極める中で対応して参りたいと考えておりますので,よろしくお願いをいたします。
 第5は,「協働」であります。
 地方分権時代の今日,本市が自立性の高い基礎的自治体として行政サービスを維持・向上させていくためには,財源の確保と併せ,新たな行財政改革大綱に基づく経営感覚と成果重視の行政運営への転換を進めていかなければなりません。同時に,公共サービスの担い手の面においても,これからは,市民,事業者,行政など多様な主体が相互に自立した主体として,協働して担う中で,自助,共助,公助の地域社会をつくっていくことが特に重要になってくるものと考えております。このため,コミュニティーの振興やボランティア・NPO等の支援など,地域活動や市民活動の活性化を図るとともに,広報公聴活動や情報公開などの既存制度の充実や市政への市民参画機会の拡充など,市民の自立と参画による「協働」を基本とした各種施策,事業の展開を図って参ります。
 以上申し上げました5つのキーワードに基づく施策を重点施策として,これからの市政運営に当たって参りたいと考えておりますので,議員各位を始め,市民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。
 さて,我が国の経済情勢は,国の発表した8月の景気判断によれば「おおむね横ばいだが,景気を巡る環境に変化の兆しが見られる」と5か月ぶりに上方修正をしておりますが,こうした変化の兆しを本格的な景気回復に結び付けるよう強く期待するものであります。国においては,去る6月にいわゆる「骨太の方針第3弾」を決定し,国庫補助負担金,地方交付税,税源移譲の「三位一体改革」の具体策が検討されているところであり,その動向を注視していく考えであります。
 次に,平成14年度普通会計の決算見込みについてでありますが,財政運営の主要な指標である経常収支比率は85.1%,公債費比率は17.2%となり,前年度と比べ3.5ポイント,0.6ポイントそれぞれ上昇いたしております。今後,一般財源の大幅な減少が見込まれる中,本市の財政運営も一段と厳しい状況が続くものと判断しております。このため,行財政改革の着実かつ積極的な取組を行い,より中長期的視点に立った行財政健全化を一層推進して参る考えであります。
 次に,今回提出いたしております平成14年度の企業会計の決算につきまして,その大要を御説明いたします。
 まず,病院事業会計であります。地域の中核病院としての役割を果たすため,超音波診断装置など高度医療機器の更新・導入を行い,設備の充実に努めて参りました。利用状況は前年度と比べ入院実患者数は増加しましたが,平均在院日数の短縮により入院延患者数は4.0%減少しました。外来延患者数は市民病院で1.0%の減となりましたが,加茂診療所では6.2%の増となり,事業収支8,788万円の純利益を計上することができました。また,3月には山野診療所を開設したところであります。引き続き,地域医療水準の向上,患者との信頼関係に基づいた医療サービスの充実と健全経営に取り組んで参ります。
 水道事業会計では,主な建設事業といたしまして,安全で安定した供給体制確立へ向け,新規浄水場の施設整備などに引き続き取り組んで参りました。水需要につきましては,前年度配水量を0.5%下回る状況となりました。事業収益は,料金収入や加入金の減少などにより,対前年度0.2%減少しております。一方,事業費用は,減価償却費や職員給与費などが減少したため,前年度と比べ4.5%減少しております。結果,7億6,278万6千円の純利益を計上いたしております。
 工業用水道事業会計では,異常渇水による取水制限がありましたが,河口堰からの振替給水などにより乗り切ることができました。事業収益は,契約水量の減による給水収益の減少などにより減収となりました。事業費用は,河口堰維持管理費負担金の増がありましたが,減価償却費や支払利息などが減少し,純利益は2億3,850万2千円を計上することができました。経営環境は引き続き厳しい状況にありますが,経営の健全化と効率的な運営に重点を置いた事業運営に努めて参ります。
 新市町水道事業会計の打切り決算につきましては,合併に伴う整理等を行いながら収入の確保と諸経費の節減に努め,下半期分の企業債利息が合併後の支払となるなどの要因はありますが,2,449万3千円の純利益を計上いたしております。
 次に,補正予算について御説明いたします。このたびは,一般会計を始め3会計の補正をお願いしております。
 まず,一般会計の補正内容は,公共事業の追加に伴うもの,篤志家からの寄附や制度上補正を必要とするものなどについて措置をいたしております。
 公共事業につきましては,国庫補助事業では,介護予防拠点整備事業として,国の補正予算を活用し,野々浜公民館の施設改修を行うことといたしております。県補助事業では,田尻漁港の整備のほか,農村総合整備モデル事業の完了に向け,加茂町の水路や山野町の農村公園整備などについて措置いたしております。県営事業負担金では,福山港,横田港の港湾改良事業を始め,坂瀬川駅家線ほか4路線の道路整備や金江町野島東地区ほか3か所の急傾斜地崩壊対策事業などに係る所要額を計上いたしております。単独事業といたしましては,芦田町において市道広岡別所線の改良を行うほか,農地の地形測量を実施することといたしております。このほか,道路や小・中学校の維持補修などについても措置いたしております。篤志家からの寄附につきましては,ふくやま書道美術館の自主事業の財源として積み立てるほか,図書館図書整備,緑化事業費など,それぞれ御寄附の趣旨に沿って措置いたしております。制度上補正を必要とするものといたしましては,児童扶養手当や私立幼稚園就園奨励費補助など,それぞれ対象者の増加などに対し措置するとともに,引野町緑陽台町内会など7か所の地域集会所の改築等に対する補助や太陽光発電システムの設置件数の増加に伴う補助などについて措置いたしております。このほか,地域産業活性化事業として,地場産業である伸鉄製品についてグレーチングや門扉・フェンスなど新製品開発等への支援を行うほか,市立女子短期大学での大学入試センター試験の実施に伴う経費などについて計上いたしております。また,前段でも申し上げましたが,次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画策定に向けた調査等を実施することとしております。
 競馬事業会計では,場外発売所新設などに伴い,新勝馬投票券発売システムを導入するための債務負担行為を設定するとともに,既存システム改修経費の見直しなど,所要の措置を講じることといたしております。国民健康保険会計では,広島県国民健康保険団体連合会が行う高齢者健康・生きがいづくり支援事業の選定団体に決定されたことに伴い,運動普及推進員に対する研修の実施に要する経費などについて措置いたしております。
 以上の結果,今回の補正予算額は,一般会計では9億7,941万9千円の追加となり,補正後の予算総額は1,359億6,191万4千円となっております。また,全会計の補正予算額は,9億7,927万2千円となり,補正後の予算総額は2,900億9,891万5千円となりました。
 決算及び予算以外の議案といたしましては,条例案として,福山市新市体育館条例の廃止など5件,その他の議案として,福山市中央斎場火葬炉施設全面改修工事請負契約締結についてなど5件を提出いたしております。
 以上,今回提出いたしました議案の概要について申し上げました。
 私は,このたび市民の皆様の負託を受け,4期目の任期がスタートいたしましたが,私たちのまち福山は,先人のたゆまぬ努力と英知により幾多の困難を乗り越えて備後の中核都市として今日まで発展を遂げて参りました。多くの先人たちの努力の結晶が,今日の福山市の姿であります。先人から受け継いだこの「ふるさと福山」を夢と誇りが持て,暮らしやすい豊かなまちとして次なる世代に引き継いでいくことが,私に課せられた使命であり,そのために全力を尽くして参ります。
 提出いたしております議案につきましては,慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明とさせていただきます。