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平成23年6月定例市議会市長説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年2月26日更新
 本日は,6月定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御多用の中を御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 今回提出いたしております諸議案の御審議をお願いするに当たり,当面する市政の状況と議案の大要について御説明申し上げます。
初めに,このたび,職員が生活保護費の返還徴収金などを着服するという事案が明らかとなりました。このことは,市全体の信用を著しく傷つけるものであり,極めて遺憾に受け止めております。議会を始め,市民の皆様に深くお詫びを申し上げます。当該職員に対しましては,厳正な処分を行い,刑事告訴の手続も行っているところであります。今回の事案は,行政組織全体に係る重大な問題であり,直ちに全職員に対し,厳正な服務規律の確保について示達を行ったところであり,信頼回復に向け,全庁を挙げて取り組んで参ります。
さて,本年は,市制施行95周年を迎える節目の年であり,100周年に向かって再スタートを切る年でもあります。今年度は再(Re)パート2として,昨年度,取りまとめた理念の下,具体的な施策について再検討・再構築に取り組んでいるところであります。将来都市像「にぎわい しあわせ あふれる躍動都市 ~ばらのまち 福山~」の実現に向け,市民の皆様とともに,夢と希望にあふれる,いつまでも住み続けたいと思える持続可能で未来志向のまちづくりを進めて参ります。
なお,市制施行95周年記念事業として,7月1日の市制施行記念日に,リーデンローズにおいて記念式典を挙行することといたしております。当日は,本市における教育文化など様々な分野において御貢献いただいた方々の功労者表彰等と併せ,本市の歴史と文化を紹介する多彩な記念ステージも予定しておりますので,是非,多くの市民の皆様に御来場いただきたいと考えております。
次に,戦後最大の災害となりました東日本大震災の発生から明日で3か月を迎えます。これまで,本市におきましては,国や全国市長会など関係機関と連携し,人的・物的な支援を行うとともに,市独自で調査チームを被災地へ派遣し実態を把握する中でニーズに応じた支援活動を行って参りました。市民・企業・団体の皆様からも,これまで義援金など多くの善意をお寄せいただいております。また,ばら祭では,一日も早い復興を願い,市民の皆様に「折りばら」を折っていただき,被災者の皆様へお届けいたしました。本市にとってばらは,戦後の「復興のシンボル」であり,ばらのまちづくりを通じてはぐくまれた「ローズマインド(思いやり・優しさ・助け合いの心)」を,復興を祈るメッセージとして被災地に届けることができたものと考えております。これまでの多くの皆様方からの数多くの温かい御支援に対し,心から感謝を申し上げます。さらに,先月20・21日に開催いたしました「第20回ばら制定都市会議(ばらサミット)」におきましても,被災地への支援などを呼び掛けた「福山宣言」が採択されたところであります。被災地では,今もなお,多くの方々が厳しい避難所生活を余儀なくされておられます。被災された方々が安心・安全に暮らせ,将来に向け展望が持てるよう,国において,一日も早い復旧・復興に向けた道筋が示されることを念願いたしております。本市といたしましても,引き続き,被災地のニーズを的確に把握しながら,でき得る限りの支援を行って参る考えであります。
また,これまでも災害に強いまちづくりに向け鋭意取り組んできたところでありますが,このたびの大震災を踏まえ,改めて津波・高潮ハザードマップを浸水被害が想定される地域の自治会(町内会)へ周知いたしました。今後,地域防災計画の見直しや,先月30日から運用開始した防災行政無線を活用した防災訓練,中国・四国ブロック緊急消防援助隊合同訓練などを実施することといたしており,本市の防災体制の強化と併せ,関係機関との連携体制を構築して参ります。災害時の避難場所となる小・中学校の屋内運動場につきましては,2006年度(平成18年度)から計画的に耐震化を進めているところでありますが,2012年度(平成24年度)には,国の基準で危険性が高いとされている施設が完了いたします。さらに,今年度から,耐震性の低い木造住宅の改修に対する助成も行っておりますので,御活用いただきたいと考えております。今後とも,地域の実情に応じた防災対策に取り組んで参ります。
次に,我が国の経済情勢についてであります。国の月例経済報告では,大震災の影響により,景気は弱い動きとなっており,先行きについても,原子力災害などの影響により,景気が下振れするリスクが存在するとの基調判断が示されております。本市におきましても,福山商工会議所の東日本大震災影響調査では,過半数の企業が震災前より営業状態が「悪化した」と回答するなど,厳しい状況にあるものと受け止めております。こうした状況に対応するため,被災地域に事業所などを有する市内の中小企業に対し,速やかな事業再開に向けた資金繰り支援として,「福山市緊急支援資金融資制度」を先月から開始したところであります。引き続き,関係機関と連携し市内中小企業への支援に取り組んで参りたいと考えております。
 次に,福山市立大学についてであります。265人の希望に燃える第一期生をお迎えし,福山市立大学が開学いたしました。現在は,大学運営のための各種委員会などの立ち上げや,後援会の発足,学生の自治組織となる学友会設立へ向けた動きなどが進んでおり,順調なスタートを切ることができたものと考えております。また,各種団体や高等学校の視察が相次いでいるほか,施設見学会や定期的に開催することとしている公開講座にも多くの皆様に御参加いただいております。市立大学に対する期待の大きさを改めて感じているところであります。市立大学には,地域に開かれた教育研究拠点として地域の発展に貢献できる人材の育成や市のシンクタンクとしての役割を期待いたしております。開学を機に,大学との連携や産学官連携の取組を一層推進することで,本市の活力や成長力の向上を目指すとともに,人材の地元での活躍につなげて参りたいと考えております。
次に,福山港についてであります。先月31日,国において福山港が水島港とともに,国際バルク戦略港湾に選定されたことが公表されました。4月からは,国際コンテナターミナル第2バースの供用開始もされたところであり,今後,海外との物流拠点機能がより一層高まるものと期待いたしております。また,7月17・18日に「届けよう希望の光・夢・未来」をスローガンに東日本大震災復興支援イベントを福山港で開催いたします。世界最大級の帆船「日本丸」の一般公開や復興支援活動のパネル展示などを行うことといたしております。多くの皆様に御来場いただき,より一層,福山港を知っていただきたいと考えております。
次に,温暖化対策事業についてであります。東日本を中心に夏場の電力不足が懸念される中,本市では,本庁舎や各支所などで「緑のカーテン啓発事業」に取り組んでいるところであります。今年度は市民の皆様にも御参加いただいており,この啓発事業をきっかけに緑のカーテンが市域全体に広がっていくことを期待いたしております。自然の力を利用する再生可能エネルギーの利用拡大が注目される中,現在,中国電力株式会社により,箕沖町に中国地方初となるメガソーラー発電所「福山太陽光発電所」が建設されております。12月から稼動予定と伺っており,年間約2,100トンの二酸化炭素排出量の削減が見込まれております。本市におきましても,リサイクルプラザへの啓発パネルの設置や施設見学などを通じ,市民・事業者に対する太陽光発電の更なる普及促進に努めて参りたいと考えております。
また,自転車の利用促進につきましては,環境意識や健康志向の高まりを背景に,自転車は利用ニーズが高まる一方で,市内では自転車事故が多発しております。このため,5月20日から6月2日までの2週間,市道福山駅箕島線の一部約500mの区間で,車道に自転車レーンを設ける社会実験を行ったところであります。今後,有効性や安全性,路線バスの運行への影響などについて,十分検証する中で,歩行者と自転車がより安全で安心して快適に通行できる環境整備を行うとともに,温暖化対策の推進にも努めて参りたいと考えております。職員によるエコ通勤につきましては約6割の職員が参加するとともに,公用自転車の利用促進により,近距離における公用車利用も減少し,昨年度1年間で合わせて約21.5トンの二酸化炭素排出量を削減することができました。一定の成果があがっているものと受け止めており,引き続き,職員による自転車利用の促進に努めて参ります。
次に,神辺支所につきましては,合併建設計画を再検討する中で,移転整備することといたしたところであります。これまで建設場所について検討して参りましたが,神辺文化会館北側に建設することとし,今年度,用地測量などに着手いたします。支所機能,生涯学習機能などを有する複合施設として,また,体育館機能を併設し,神辺地域のコミュニティ活動の拠点となるよう,整備して参りたいと考えております。
次に,土曜チャレンジ教室についてであります。児童生徒が「わかった」「できた」を実感できる学習の場として「土曜チャレンジ教室」を,先月28日から市内4か所においてスタートいたしました。地域の退職教職員の方々の御協力をいただき,公民館などを会場に月2回開催することといたしております。地域ぐるみで学習支援を行い,児童生徒の学習意欲の向上や学力の定着につなげて参りたいと考えております。
次に,ばらのまち福山ミステリー文学新人賞についてであります。映画「少女たちの羅針盤」につきましては,先月14日から全国上映が始まっております。全国で多くの方々に御覧いただきたいと思っております。今年度,親善友好都市提携40周年となる岡崎市においても,来週から上映が予定されており,ホームページなどでPRいただいているところであります。また,この映画を生み出したばらのまち福山ミステリー文学新人賞も第5回の募集を始めたところであります。多数の作品を応募いただいており,確実に賞の知名度は上がっているものと受け止めております。今後とも,福山発の本格ミステリー作家の登竜門として,この文学賞を盛り上げて参りたいと考えております。
次に,鞆のまちづくりについてであります。住民協議会が設置され,1年以上が経過いたしましたが,いまだに先が見通せない状況が続いております。今後,議論を更に深めようとされておられますが,私は,「更に深掘りして次の展望が開けてくるのか」といった懸念を強く抱いております。賛成派・反対派双方の参加者からも知事の早期決断を求める声が上がっていると伺っております。控訴審の進行協議につきましても,裁判の期日の決定が持ち越されている状況にあります。裁判所からも進行について決断が求められていると受け止めております。これまで,県の意向を尊重する中で,動向を見守って参りましたが,この間にも,鞆は,人口減少や町並みの老朽化の進行などにより,「待ったなし」の状況にあります。知事におかれましては,鞆のまちづくりをこれ以上遅らせることがないよう,住民協議会の早期の取りまとめや控訴審の進行について,一刻も早く適切な判断を下していただきたいと切に願うものであります。
次に,(仮称)こども発達支援センターについてであります。県東部における発達障がい児への適切な支援を行うため,これまで4市1町で連携し取組を進めて参りました。保健・医療・福祉等の機関と連携を図りながら支援が行えるよう,福山市保健センターを改修し整備することといたしております。2012年度(平成24年度)中の開設を目指し,10月には改修工事に着手する予定であります。広島県立福山若草園につきましても,水呑町へ移転改築され,機能強化される予定と伺っております。今後も引き続き,県や近隣市町と連携し,子どもの発達支援の充実を図って参ります。
次に,市民病院についてであります。506床を擁する基幹病院へ向け,来月には増築工事に着手する予定といたしております。また,へき地医療拠点病院である神石高原町立病院が常勤医師の不足により医療提供体制の維持が困難な状況となり,診療支援の依頼がありました。そのため,中山間地域の医療における安心・安全を守るという広域的な視点に立ち,今月3日を初回に週1回から2回,医師を派遣し外来診療を支援しているところであります。引き続き,地域の中核病院として,市民の皆様に信頼される医療サービスを提供して参る考えであります。
次に,競馬事業についてであります。昨年度は,第4四半期の売上が好調であったことや,更なる賞典奨励費の見直しなどの経費縮減策の効果もあり,3,000万円を基金から繰り入れることにより単年度収支を確保できる見込みであります。今年度につきましても,第3回開催終了時点での売得金は,前年度を上回っているものの,5月後半から売上に陰りが見えていることなど,事業運営は引き続き厳しい状況にあります。事業継続の絶対条件である実質単年度収支の確保に向け,競馬関係者と連携する中で,全力で取り組んで参る考えであります。
 次に,今回提出いたしております議案について御説明申し上げます。
 条例案として,「福山市税条例の一部改正について」など3件,その他の議案として,「大津野ポンプ場築造工事(土木工事)請負契約締結について」など7件を提出いたしております。
 何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げます。

本文は,口述筆記ではありませんので,
表現その他に若干の変更があることがあります。