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調査・研究について

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年4月1日更新

 調査・研究した内容は次のとおりです。

2021年度

プール検体を用いたダイレクトRT-PCR法による新型コロナウイルス検出の精度評価
 (第33回日本臨床微生物学会総会・学術集会 一般演題として発表/2022年1月仙台)

 検体を複数混合して検査を行うプール法について、遺伝子抽出操作が簡便で時間短縮にもつながるダイレクトRT-PCR法での検出精度を検討し評価しました。個別結果と比較した一致率は90%以上となり、結果は良好でした。ただし、ウイルス量が低い場合は偽陰性となる可能性があり、この方法での検査対象集団の選定には注意が必要であることも示唆されました。

 

2020年度

 福山市内で市販される乳および乳飲料中アフラトキシンM1汚染調査
 (食品衛生学雑誌 第61巻第4号に掲載)

 2018年度~2020年度にかけて取り組んできた見出しの調査について、公益社団法人日本食品衛生学会の発行する食品衛生学雑誌に論文が掲載されました。
 本論文は、国立研究開発法人科学技術振興機構が提供する電子ジャーナル「J-STAGE」上で公開されます。

 https://www.jstage.jst.go.jp/browse/shokueishi/-char/ja

 

2019年度

 福山市内で市販された乳および乳飲料中アフラトキシンM1汚染実態
 (第115回日本食品衛生学会学術講演会で口頭発表)(要約)

 アフラトキシンB1(かび毒の一種)が動物の体内で代謝されることで産生され、尿や乳へ移行する物質であるアフラトキシンM1についての汚染実態を調査しました。
 結果は、すべての検体で乳のアフラトキシンM1の基準値(0.5μg/kg)未満となりました。また、夏期(6~8月)の牛乳(0.073μg/kg)及び乳飲料(0.079μg/kg)の各1検体が比較的高濃度(EUの加熱処理乳の基準値0.050μg/kg超)を示しました。乳のアフラトキシンM1濃度は夏期及び冬期で有意差がありませんでした(P>0.05(有意水準5%))。
 次に検出下限値を超えてアフラトキシンM1が検出された検体の汚染度をアフラトキシンM1検出率として評価し、同時期に製造された乳と乳飲料を比較したところ、夏期は乳55.1%、乳飲料12.0%、冬期は乳45.8%、乳飲料4.0%となり、いずれも乳飲料の方が有意に低い結果となりました(P<0.01(有意水準1%))。
 これらの結果から、すべての検体が乳のアフラトキシンM1の基準値を下回ったため、市内を流通する乳及び乳飲料の安全が確認されました。乳のアフラトキシンM1汚染は、動物の飼料のアフラトキシンB1汚染に影響されるため、飼料の汚染の程度は低かったと考えられます。
 比較的高濃度のアフラトキシンM1を検出した2検体は、共に夏期に製造されていますが、かびは夏期に繁殖しやすいため、今後も継続的に調査(特に夏期において)することが重要です。
 また、乳飲料のアフラトキシンM1検出率は、乳と比較し有意に低い結果となりましたが、乳飲料は生乳または乳製品を主要な原材料とすることから、乳製品の汚染の程度や製造工程により、アフラトキシンM1検出率が低くなった可能性が考えられます。

 

2018年度

 乳・乳飲料中のかび毒(アフラトキシンM1)の調査研究について

 アフラトキシンM1は、アフラトキシンB1(かび毒の一種)が動物の体内で代謝されることで産生され、尿や乳へ移行する物質です。ヒトに対して発がん物質の可能性があるとされており、主に乳及びその加工品への汚染が問題となっています。そこで、アフラトキシンM1の検査体制を確立し、乳及び乳飲料の実態調査に取り組みました。本調査結果から、市内で販売されている乳及び乳飲料中のアフラトキシンM1濃度は、乳の基準値を下回ることが確認できました。