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2016年度(平成28年度)から適用される主な市・県民税の改正点
個人住民税における公的年金からの特別徴収制度の見直し
1 仮徴収税額の算定方法の見直し(仮徴収税額の平準化)
年間の税額の平準化を図るため,仮徴収税額を「前年度分の公的年金等に係る所得割額と均等割額の合算額(年税額)の2分の1に相当する額とする」こととされました。
公的年金からの特別徴収税額の計算方法(年金特徴継続者)
継続者 | 仮徴収 | 本徴収 | ||||
4月 | 6月 | 8月 | 10月 | 12月 | 2月 | |
現行 | 前年度分の本額÷3 (前年2月と同じ額) | (年税額-仮徴収額)÷3 | ||||
改正後 | (前年度分の年税額÷2)÷3 | (年税額-仮徴収額)÷3 | ||||
改正後の例
年度 | 年税額 | 【現行】 | 【改正後】 | ||
仮徴収額 (4・6・8月) | 本徴収額 (10・12・2月) | 仮徴収額 (4・6・8月) | 本徴収額 (10・12・2月) | ||
N | 60,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 |
N+1 | 36000円 (医療費控除の増額等) | 10,000円 | 2,000円 | 10,000円 | 2,000円 |
N+2 | 60,000円 | 2,000円 | 18,000円 | 6,000円 | 14,000円 |
N+3 | 60,000円 | 18,000円 | 2,000円 | 10,000円 | 10,000円 |
※ 現行においては,一度生じた不均衡が平準化しませんが,改正後は年税額が2年連続で同額の場合平準化します
2 転出・税額変更があった場合の特別徴収継続の見直し
「ふるさと寄附金(ふるさと納税)」に係る改正
1 所得税の最高税率引き上げに伴う「ふるさと寄附金」に係る特例控除額の改正
2015年分(平成27年分)以後の所得税の最高税率が45%に引き上げられたことに伴い,2016年度(平成28年度)以後の,特例控除額の算定に用いる所得税の限界税率を,課税所得金額4000万円超の場合は,45%とすることとされました。
2 特例控除限度額の拡充
2016年度(平成28年度)以後の特例控除額の限度額が個人住民税所得割額(調整控除適用後)の2割(改正前は1割)に引き上げられました。
ただし,課税総所得金額がない方,または課税総所得金額から人的控除の差の合計金額を差し引いた額が0円以下の場合で分離課税に係る譲渡所得等がある場合については,2016年度(平成28年度)以後も10%のままとなります。
※特例控除額は個人住民税における寄附金税額控除の対象となる寄附金のうち,地方公共団体に対する寄附金について加算される控除です
【寄附金税額控除計算方法】
基本控除額
=(地方税対象寄附金支払額-2千円)×10%[市6%,県4%]
※地方税対象寄附金支払額は総所得金額等の30%を限度
特例控除額
=(地方公共団体に対する寄附金支払額-2千円)×(90%-(限界税率×1.021)
3 「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の創設
確定申告が不要な給与所得者や年金所得者がふるさと納税を行った場合の寄附金控除の手続きの簡略化のため,確定申告を行わなくても寄附金控除が適用されるしくみである「ふるさと納税ワンストップ特例」が創設されました。
対象は,2015年度(平成27年)4月1日以後に行うふるさと寄附金(ふるさと納税)です。特例の適用には,寄附を行う際に各寄附先の自治体に特例適用の申請書を提出を行う必要があります。なお,寄付先の自治体数が5団体以内であることが条件となります。

「ふるさと納税ワンストップ特例」の適用を受ける場合は,所得税からの控除は発生せず寄附をした年の翌年に課税される個人住民税から税額控除として控除されます。
申告特例申請書を提出されている方でも,次に該当する方は適用対象外となります。
- 5団体を超える自治体へふるさと納税をした人
- 確定申告書,住民税申告書を提出した人
- 寄付した年分の確定申告義務がある人
- 申告特例申請書に記載の住所と寄付した年分の1月1日の住所が異なる人で,1月10日までにふるさと納税先自治体に変更の届出を提出していない人
※確定申告書または住民税申告書を提出される人で,寄附金控除を受ける場合は申告書に寄附金控除をうけるすべての寄附金(ふるさと納税分も含む)を記載してください