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水道法の改正

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年6月21日更新

 2018年(平成30年)12月6日の衆議院本会議で改正水道法が可決・成立しました。この度の改正は,水道の直面する課題に対応し,水道の基盤の強化を図り,将来にわたって安全な水を安定的に供給することを目的としています。
 具体の内容は,次のとおりです。(厚生労働省ホームページより抜粋)

【改正の背景・水道を取り巻く現状と課題】

 日本の水道は,97.9%の普及率を達成し,これまでの水道の拡張整備を前提とした時代から既存の水道の基盤を確固たるものとしていくことが求められる時代に変化している。しかし,次の課題に直面している。

(1)老朽化の進行

・高度経済成長期に整備された水道施設が老朽化。(年間2万件を超える漏水・破損事故が発生。)

・耐用年数を超えた水道管路の割合が年々上昇中。(平成28年度14.8%)

・すべての管路を更新するには130年以上かかることが想定。

(2)耐震化の遅れ

・水道管路の耐震適合率は4割に満たず耐震化が進んでいない。(年1%の上昇率) 

・大規模災害時には断水が長期化するリスク。

(3)多くの水道事業者が小規模で経営基盤が脆弱

・水道事業は主に市町村単位で経営されており,多くの事業者が小規模で経営基盤が脆弱。
  (全国1,355の上水道事業のうち給水人口5万人未満の小規模事業者が約7割。)

・小規模事業者は職員数も少ないため,適切な資産管理や危機管理対応に支障。

・資産管理の前提となる水道施設台帳は約4割の事業者が未整備。

・人口減少社会を迎え,経営状況が悪化する中で,水道サービスを継続できないおそれ。

(4)計画的な更新のための備えが不足

・約3分の1の水道事業者において,給水原価が供給単価を上回っている。(原価割れ)

・計画的な更新のために必要な資金を十分確保できない事業者も多い。

 

【主な改正内容】

1「広域連携の推進」(スケールメリットを活かした効率的な事業運営)

 水道事業は主に市町村が経営しており,小規模で経営基盤が脆弱な事業者が多いことから,施設や経営の効率化・基盤強化を図る広域連携の推進が重要である。広域連携は,料金収入の安定化やサービス水準等の格差是正,人材・資金・施設の経営資源の効率的な活用,災害・事故等の緊急時対応力強化等の大きな効果が期待されることから,次のとおり規定し推進する。

(1)国は広域連携の推進を含む水道の基盤を強化するための基本方針を定める。

(2)都道府県は国の定める基本方針に基づき,水道の基盤を強化するために必要があると認めるときは,関係市町村及び水道事業者等の同意を得て,水道基盤強化計画を定めることができることとする。

(3)都道府県は,水道事業者等の間の広域的な連携の推進に関して協議を行うため,水道事業者等を構成員として,広域連携等推進協議会を設置できることとする。

(4)都道府県に対して市町村を超えた広域的な見地から水道事業者等の調整を行う責務を規定し,広域連携の推進役として位置付ける。

 

 2「適切な資産管理の推進」(水道管の計画的な更新や耐震化を進める基礎)

 水道施設の老朽化等に起因する事故の防止や安全な水の安定供給,長期的視野に立った計画的な施設の更新が必要なため,次のとおり規定し適切な資産管理を推進する。

(1)水道事業者等に,水道施設を良好な状態に保つように,点検を含む施設の維持・修繕を行うことを義務付ける。

(2)水道事業者等に,水道施設を適切に管理するための水道施設台帳を作成し,保管しなければならないことを義務付ける。

(3)水道事業者等は,長期的な観点から,水道施設の計画的な更新に努めなければならないこととし,そのために水道施設の更新に要する費用を含む収支の見通しを作成し公表するよう努めなければならないこととする。

 

3「官民連携の推進」(民間の技術力や経営ノウハウを活用)

 水道の基盤強化のために官民連携を行うことは有効であり,多様な官民連携の選択肢をさらに広げるという観点から,コンセッション方式について,地方公共団体が,水道事業者等としての位置付けを維持しつつ,水道施設の運営権を民間事業者に設定できる方式を創設する。

〖コンセッション方式〗

 利用料金の徴収を行う公共施設について,施設の所有権を自治体が所有したまま,民間企業に水道事業の運営を委ねる方式で,自治体の判断で導入するもの。

※2011年(平成23年)のPFI法改正によりコンセッション方式が創設された当初から,水道事業については住民に対する給水責任を民間事業者に負わせる形であればコンセッション方式を導入することができた。今回の法改正では,事業の確実かつ安定的な運営のため公の関与を強化し,給水責任は自治体に残したうえで,厚生労働大臣の許可を受けてコンセッション方式を実施可能にしたもの。

(1)水の供給責任
 水道事業者として住民に水を供給する責任は,従来通り市町村が負う。
 ※民営化ではなく,市町村が経営するという原則は変わらない。

(2)事前の対応
 地方自治体は,PFI法に基づき,あらかじめ料金の枠組み(上限)や民間事業者に委ねる管理運営の内容や水準等を条例で定める。これに加え,今回の法改正により,厚生労働大臣がその内容を確認したうえで,許可する。

(3)事後の対応
 地方自治体は,PFI法に基づき,モニタリングを実施し,早期に問題点を指摘・改善する。これに加え,今回の法改正により,厚生労働大臣が直接,民間事業者の報告徴収・立入検査を行う。

4 指定給水装置工事事業者制度の改善(資質の保持)

 現行制度は,新規の指定のみで,休廃止等の実態が反映されづらく,無届工事や不良工事も発生している。
 そのため,工事を適正に行うための資質の保持や実態との乖離の防止を図るため,指定給水装置工事事業者の指定の更新制(5年)を導入する。
 ※従来の指定の要件を変更するものではない。

 

【公布日】 

2018年(平成30年)12月12日

【施行期日】

2019年(平成31年)10月1日