○福山地区消防組合火災調査規程
平成7年9月26日
訓令第3号
福山地区消防組合火災調査規程(平成2年福山地区消防組合消防局訓令第23号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条~第7条)
第2章 調査上の心得(第8条・第9条)
第3章 調査の実施(第10条・第11条)
第4章 現場保存(第12条~第15条)
第5章 実況見分(第16条~第20条)
第6章 質問(第21条~第24条)
第7章 資料提出(第25条~第27条)
第8章 鑑定(第28条~第30条)
第9章 原因の判定(第31条・第32条)
第10章 少年に関する特則(第33条~第40条)
第11章 損害調査(第41条~第43条)
第12章 火災調査書類(第44条・第45条)
第13章 報告(第46条~第47条)
第14章 雑則(第48条~第52条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第7章の規定に基づいて実施する火災の原因及び損害の調査(以下「調査」という。)について、必要な事項を定める。
(調査の目的)
第2条 本調査は、火災の原因及び火災により受けた損害を明らかにして火災予防対策及び警防対策に必要な基礎資料を得ることを目的とする。
(火災の定義)
第3条 火災とは、人の意図に反して発生し、若しくは拡大し、又は放火により発生して消火の必要がある燃焼現象であって、これを消火するために消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの、又は人の意図に反して発生し、若しくは拡大した爆発現象をいう。
(調査の責任)
第4条 調査の責任は、火災発生地を管轄する消防署長(以下「署長」という。)とする。
2 消防局長(以下「局長」という。)は、署長に対して調査遂行上必要があるときは、指示を与えることができる。
(平11訓令9・平19訓令9・一部改正)
(調査員の指名及び区分)
第5条 局長は、消防局職員から調査員(以下「局調査員」という。)を指名し、管内全域の調査に当たらせることができる。
2 署長は、所属職員から調査員(以下「署調査員」という。)を指名し、管轄区域内の調査に当たらせるものとする。
(平19訓令9・全改)
(調査の指揮)
第6条 火災現場における調査の指揮は、局調査員にあっては総務部予防課長(以下「予防課長」という。)が、署調査員にあっては署長が当たるものとする。
(平19訓令9・全改、令6訓令4・一部改正)
(調査本部の設置)
第7条 局長は、大規模火災その他特異火災等で必要があると認めるときは、調査本部を設置することができる。
2 前項の規定により調査本部を設置したときは、予防課長が本部長となり、調査の指揮に当たるものとする。
3 調査本部の編成その他必要な事項は、その都度予防課長が定める。
(平11訓令9・平19訓令9・令6訓令4・一部改正)
第2章 調査上の心得
(調査の適確)
第8条 調査は、事実の立証を主眼とし、物的調査と人的調査とを併用して、科学的かつ合理的に判断しなければならない。
2 調査を行うに当たっては、調査方針を立てて行い、随時調査会議を開く等なるべく多くの者の意見を聞くよう努めなければならない。
(調査員の心得)
第9条 調査員は、法第34条第2項の規定を遵守するほか、常に火災現象及び関係法令の研究に努めて、調査技術の改善向上を図るとともに、物価の動き、その他社会の動向に留意し、調査能力の向上に努めなければならない。
2 調査員は、調査員相互の連絡を図り、調査業務の進行が円滑になるように努めなければならない。
3 調査員は、調査に際し関係者の民事的紛争に関与しないように努めるとともに、個人の自由・権利を不当に侵害したり、調査上知り得た秘密をみだりに他に漏らしてはならない。
4 調査員は、関係のある場所へ立ち入るときは、原則として関係者の立会いを得なければならない。
5 調査に当たっては、所轄警察署、海上保安部及びその他関係機関と緊密な連絡を保ち、相互に協力しなければならない。
第3章 調査の実施
(調査の種別)
第10条 調査は、火災原因の調査(以下「原因調査」という。)並びに火災及び消火のために受けた損害の調査(以下「損害調査」という。)に分けて行うものとする。
(調査の着手)
第11条 署長は、管轄区域内の火災を覚知したときは、直ちに調査に着手しなければならない。
2 局長は、署長の要請があったとき又は必要と認めるときは、局調査員を派遣して調査の指導をさせることができる。
(平11訓令9・一部改正)
第4章 現場保存
(消火活動中の現場保存)
第12条 消防隊の指揮者及び隊員は、出火点と認められる場所及びその付近(以下「出火箇所」という。)の消火活動に当たっては、細心の注意を払い、現場の保存に努めなければならない。
(現場保存区域の設定)
第13条 署長は、調査のため必要があると認めるときは、火災現場の必要な範囲に限り、現場保存区域を設定するものとする。
(現場保存区域の監視)
第14条 署長は、前条により、現場保存区域の監視をする必要があると認めるときは、所要の監視員を配置するものとする。
2 前項の規定により、監視を命ぜられた者は、みだりに物件の移動又は現状を変更させてはならない。
(令5訓令1・一部改正)
(死者の取扱い)
第15条 署長は、火災現場において死者を発見したときは、直ちに局長に報告するとともに、所轄警察署長に通報し、必要な措置を講じなければならない。
第5章 実況見分
(実況見分)
第16条 調査員は、火災現場その他関係のある場所及び物件について、詳細に実況見分を行い、調査資料の発見入手に努めなければならない。
(火災前の状況把握)
第17条 実況見分を行うに当たっては、関係者その他関係のある者の説明を求め、当時の状況を明らかにしておかなければならない。
(出火出動時の見分調査書)
第18条 最先着隊の指揮者は、出動途上及び現場到着時の燃焼並びにその推移の状況等を必要に応じ、別に定める出火出動時の見分調査書により、記載しておかなければならない。
(令5訓令1・一部改正)
(写真の撮影)
第19条 調査員は、見分内容を明らかにするため、必要な写真を撮影しなければならない。
(実況見分調査書)
第20条 調査員は、第16条により実況見分をしたときは、別に定める実況見分調査書により、そのてん末を記載しておかなければならない。
2 前項による実況見分調査書には、その内容を明らかにするため、図面及び別に定める実況見分調査書継続紙に整理した写真を添付しなければならない。
(令5訓令1・一部改正)
第6章 質問
(質問の原則)
第21条 局長又は署長は、法第32条第1項の規定により、調査をするため必要があるときは、局調査員又は署調査員に、関係のある者に対して質問させることができる。
2 調査員は、質問を行うに当たっては、強制的手段を避け、その場所及び時期などを考慮して、被質問者の任意の申述を得るようにしなければならない。
(平11訓令9・平19訓令9・令5訓令1・一部改正)
(質問調査書)
第22条 調査員は、質問により知り得た事項で調査上必要と認めるものは、別に定める質問調査書により、録取しておかなければならない。
2 前項に定める質問調査書は、被質問者に閲覧させ、又は読み聞かせて誤りのないことを確かめさせ、同人が質問調査書の内容について、増減変更の申立てをした場合は、その申述を質問調査書に記載しておかなければならない。
(令5訓令1・一部改正)
(通訳人の介助)
第23条 調査員は、通訳人の介助を得て質問を行った場合は、通訳人の介助を得て質問調査書を閲覧又は読み聞かせて誤りのないことを確認させ、被質問者が質問調査書の内容について、増減変更の申立てをした場合は、その申述を質問調査書に記載しておかなければならない。
(令5訓令1・令6訓令4・一部改正)
(状況聴取書等)
第24条 調査員は、関係のある者に対する質問に当たって、原因調査に密接な関係がないもので、質問調査書の必要がないと認められる場合は、別に定める状況聴取書により録取し、又は関係のある者から、その事実を任意に記載したてん末書を提出させることができる。
(令5訓令1・一部改正)
第7章 資料提出
(資料の収集及び保管)
第25条 署長は、法第32条第1項又は法第34条第1項の規定により関係者に対して必要な資料の提出を命ずるときは、別に定める資料提出命令書によるものとする。ただし、軽易なものについては、口頭によることができる。
2 前項の規定により提出させ、又は任意に提出された資料は、別に定める資料提出書により、所有権放棄の有無を明らかにし、提出者が所有権を放棄したときは提出者に対して別に定める受領書を、また、放棄しなかったときは別に定める資料保管書を交付しなければならない。
3 提出資料を返還する場合は、資料保管書と引換えに返還しなければならない。
(令5訓令1・一部改正)
(資料採取状況の記録)
第26条 調査員は、前条により、資料の提出を求めた場合は、その資料の発見された状況、その他必要と認められる事項を、実況見分調査書に特に記載し、写真撮影しておかなければならない。
(令5訓令1・一部改正)
(官公署への照会)
第27条 署長は、法第32条第2項の規定により、関係のある官公署に対し、別に定める火災調査関係事項照会書により、必要な事項の通報を求めることができる。
第8章 鑑定
(鑑定の嘱託)
第28条 署長は、調査のため必要があると認めるときは、局長の承認を得て官公署又は学識経験者に鑑定を嘱託することができる。
2 前項の鑑定の嘱託は、別に定める鑑定嘱託書により行わなければならない。
(民間会社等への照会)
第29条 署長は、出火原因となったと推定される器具等で、鑑定のため必要がある場合は、製造業者等に意見を求めることができる。
(鑑定の承諾)
第30条 署長は、第25条により資料保管書を交付した資料の鑑定を行う場合は、提出者から別に定める鑑定処分承諾書を得て行わなければならない。ただし、特に必要がないと認められる場合は、この限りでない。
第9章 原因の判定
(調査結果の検討)
第31条 原因調査を行った調査員は、実況見分及び質問並びに資料等により知り得た事実を総合して、火災原因を判定しなければならない。
(火災原因判定書)
第32条 前条により火災原因を判定したときは、必要に応じ別に定める火災原因判定書を作成しなければならない。
2 前項の火災原因判定書には、判定に至った経緯及び結果を、系統的かつ明細に記載しなければならない。
第10章 少年に関する特則
(準拠)
第33条 少年が関係する調査については、他の法令等に定める場合を除くほか、この章の規定に基づき行わなければならない。
2 この章にいう少年とは、少年法(昭和23年法律第168号)第2条第1項の規定に基づく20歳に満たない者をいう。
(令5訓令1・一部改正)
(処遇)
第34条 少年が関係する調査を行うに当たっては、少年の将来を考慮し、温情と理解をもってこれに当たらなければならない。
(少年の立会い)
第35条 少年を実況見分の立会人としてはならない。
(少年への質問)
第36条 少年に対する質問は、必ず立会人をおいて行わなければならない。
2 質問により知り得た事項で調査上必要と認めるものは、立会人からの伝聞調査書として、録取しておかなければならない。
(令5訓令1・一部改正)
第37条 削除
(令5訓令1)
(特例)
第38条 前3条の規定にかかわらず、調査を行うため、特に必要があると認めるとき、又は年齢、心情、その他諸般の事情を考慮して、支障がないと認めるときは、一般の例により行うことができる。
(名前告知の禁止)
第39条 少年の関係する火災情報を、報道機関又はその他の機関から求められた場合は、その少年の名前を告げ、又はその者を推知させるような方法を用いてはならない。
(令5訓令1・一部改正)
(準用)
第40条 心神喪失、心神こう弱の状況にある者又は聴覚障がい者等の関係する調査は、この章の規定を準用する。
(令5訓令1・一部改正)
第11章 損害調査
(損害調査の対象)
第41条 損害調査は、火災報告取扱要領(平成6年4月21日消防災第100号。以下「取扱要領」という。)に基づき、次の各号について行うものとする。
(1) 建物の焼損床面積及び焼損表面積
(2) 焼損棟数及び損害棟数
(3) り災世帯及びり災人員
(4) 死者(30日死者を含む。)及び負傷者
(5) 林野の焼損面積
(6) 車両、船舶及び航空機の焼損数及び損害車両等数
(7) その他の焼損数及び損害数
(8) 損害額
2 前項第4号に規定する死傷者が発生したときは、別に定める火災死傷者報告書を作成しなければならない。
3 損害額の算出は、取扱要領の区分及び算出方法並びに別に定める火災損害申告書の内容、その他収集した確実な調査資料に基づき、時価により決定しなければならない。
4 損害の査定は、原則として別に定める損害査定書を用いるものとする。
(り災の報告)
第42条 署長は、損害額決定のための資料として、関係者から損害の程度について報告を求めるときは、法第34条第1項の規定により、別に定める火災損害申告書を提出させるものとする。
(損害調査書)
第43条 調査員は、損害調査結果を次に定める調査に基づき作成しなければならない。
(1) 建物火災
り災棟別及びり災世帯ごとに、り災建物損害調査書
(2) 林野火災及びその他の火災
り災林野又はり災物件の所有区分ごとに、り災林野・その他の損害調査書
(3) 車両、船舶及び航空機火災
り災車両、船舶及び航空機ごとに、り災車両・船舶・航空機損害調査書
(令5訓令1・一部改正)
第12章 火災調査書類
(火災調査報告書)
第44条 火災調査書類は、この規定により作成した調査書類のうち、次に掲げるものを次の順序で添付し、別に定める火災調査報告書を表紙として作成しなければならない。
(1) 火災原因判定書
(2) 出火出動時の見分調査書
(3) 実況見分調査書(写真及び図面添付)
(4) 質問調査書
(5) 状況聴取書
(6) 鑑定書
(7) 火災死傷者報告書
(8) 政令対象物の査察状況及び火災状況報告書
(9) 損害調査書
(10) 損害査定書
(11) 火災損害申告書
(12) その他参考資料
2 署長は、前項の調査書類のうち別に定める基準により必要としない書類について、添付を省略することができる。
(平19訓令9・令5訓令1・一部改正)
(書類の作成基準及び併合)
第45条 火災調査書類の作成は、別に定める基準により作成しなければならない。
2 2以上の火災が、相互に関連があるため、一括して処理することが適当と認めるときは、それらの火災の調査書類を併せて作成することができる。
(平19訓令9・一部改正)
第13章 報告
(火災報告書及び火災調査報告書)
第46条 署長は、第11条第1項により調査を行ったときは、別に定める火災報告書及び火災調査報告書により、局長へ報告しなければならない。
(即報)
第46条の2 署長は、重要な要素を含む火災が発生したときは、速やかに火災の概要を火災即報として、局長へ報告しなければならない。
(調査書類の保存)
第47条 火災調査書類の原本は、全て所轄署長がこれを保存しなければならない。
(令5訓令1・令6訓令4・一部改正)
第14章 雑則
(認定書の送付)
第48条 官公署から調査結果につき照会を受けたときは、別に定める認定書を送付することができる。
2 前項の照会に対する認定書送付は、局長の承認を得て署長がこれを行うものとする。
(謄本等の送付)
第49条 官公署から調査書類の送付を依頼されたときは、署長は、局長の承認を得て火災調査報告書の謄(抄)本又は写しを送付することができる。
(り災の証明)
第50条 署長は、関係のある者からり災証明の申請があったときは、火災調査の結果、確認又は立証し得る事項についての証明を、別に定めるり災証明書により交付することができる。
(準用)
第51条 この規程は、第3条に定める火災に該当しない、その他これらに類する現象についても準用する。
(委任)
第52条 この規程の実施に関して必要な事項は、別に定める。
附則
1 この訓令は、公布の日から施行し、平成7年10月1日から適用する。
2 この訓令は、神石郡油木町、神石郡神石町、神石郡豊松村、神石郡三和町、甲奴郡上下町においては、平成7年9月30日までの間は適用しない。
3 この訓令の適用の際に、福山地区消防組合火災調査規程(平成2年訓令第23号)の規定に基づきなされている行為は、この規程の相当規定に基づきなされたものとみなす。
4 平成11年4月1日の前日までに府中市火災調査規程(平成10年府中市訓令第2号)の規定に基づきなされている行為は、この規程の相当規定に基づきなされたものとみなす。
(平11訓令9・追加)
附則(平成11年4月1日訓令第9号)
この訓令は、平成11年4月1日から施行する。
附則(平成19年7月24日訓令第9号)
この訓令は、公布の日から施行する。
附則(令和5年3月28日訓令第1号)
この訓令は、令和5年4月1日から施行する。
附則(令和6年3月27日訓令第4号)
この訓令は、令和6年4月1日から施行する。