○福山地区消防組合警防規程
令和2年6月1日
訓令第4号
福山地区消防組合警防規程(平成2年訓令第21号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条~第10条)
第2章 警防勤務(第11条)
第3章 警防対策(第12条)
第4章 警防活動
第1節 消防部隊編成(第13条~第20条)
第2節 消防部隊の出動(第21条~第24条)
第3節 現場要務(第25条~第41条)
第4節 火災防御活動(第42条~第50条)
第5節 救助活動(第51条~第55条)
第6節 警戒活動(第56条)
第7節 その他の災害活動(第57条)
第5章 災害警戒(第58条~第62条)
第6章 非常招集(第63条~第65条)
第7章 相互応援(第66条・第67条)
第8章 災害活動報告等(第68条)
第9章 地水利調査(第69条)
第10章 消防装置及び機械整備(第70条)
第11章 救急業務(第71条)
第12章 水上隊活動(第72条)
第13章 雑則(第73条~第75条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この規程は、法令その他に定めがあるものを除くほか、警防活動の実施に関し必要な事項を定めることを目的とする。
(1) 災害活動 発生した災害の警戒、排除、鎮圧及び人命救助のために行う消防機関の行動をいう。
(2) 消防部隊 災害活動に従事するため、消防車両その他の機械器具を装備した消防の部隊をいう。
(3) 活動隊 消防部隊のうち、災害現場で活動を行うために編成された隊をいう。
(4) 消防隊 消火活動等を行うために編成された隊をいう。
(5) 救急隊 救急活動を行うために編成された隊をいう。
(6) 救助隊 救助活動を行うために編成された隊をいう。
(7) 高度救助隊 高度な救助活動を行うために編成された隊をいう。
(8) 指揮隊 指揮活動を行うために、災害現場を管轄区域とする消防署(以下「管轄消防署」という。)に設置される隊をいう。
(9) 消防統括支援隊 消防局直轄の部隊として、指揮隊の指揮支援及び消防隊の訓練指導を行うために編成された隊をいう。
(10) 延焼阻止 消防隊の消火活動により、火勢拡大のおそれがなくなった状態をいう。
(11) 特殊消防車両 はしご付消防自動車(ポンプ付含む。)、救助工作車及び化学車をいう。
(12) 怪煙 火災と認定することが困難である場合の煙又は火炎をいう。
(局長)
第3条 消防局長(以下「局長」という。)は、消防局部長以下を指揮し、災害活動の実施に関して必要な事項を指揮統括する。
2 局長に事故がある場合は、警防部長がその任務を代行する。
(消防局の課長)
第4条 消防局の課長は、別に定めるところにより、所属職員を指揮する。
(消防局の課長補佐、係長、担当次長及び課員)
第5条 消防局の課長補佐、係長、担当次長及び課員は、別に定めるところにより災害活動に当たる。
(署長)
第6条 消防署長(以下「署長」という。)は、管轄区域内における災害現場に出動したときは、活動隊の運用、指揮統制、情報連絡等を統括する。
2 署長に事故がある場合は、副署長がその任務を代行し、副署長に事故がある場合は、係長(分署長及び出張所長を含む。以下同じ。)がその任務を代行する。
(副署長)
第7条 副署長は、災害現場に出動したときは、係長以下を指揮して、災害活動に当たる。
(署所の係長)
第8条 消防署、分署及び出張所(以下「署所」という。)の係長は、別に定めるもののほか、災害現場に出動したときは小隊長以下を指揮して、災害活動に当たる。
2 係長に事故がある場合は、上席小隊長がその任務を代行する。
(小隊長)
第9条 小隊長は、別に定めるもののほか、災害現場に出動したときは副小隊長以下を指揮して災害活動に当たる。
2 小隊長に事故がある場合は、副小隊長が、その任務を代行する。
(副小隊長及び隊員)
第10条 副小隊長及び隊員は、上司の命を受けて、災害現場に出動し、災害活動に当たる。
第2章 警防勤務
(勤務種別)
第11条 署所の警防勤務は、次のとおりとする。
(1) 警備勤務
(2) 地水利調査勤務
(3) その他の勤務
(4) 作業その他
2 この章の運用については、別に定める。
第3章 警防対策
(警防計画)
第12条 警防計画は、防災の基礎であり計画に当たっては各角度から検討して、被害の軽減を図るよう詳細な計画を樹立するものとする。
2 この章の運用については、別に定める。
第4章 警防活動
第1節 消防部隊編成
(消防部隊の基準)
第13条 消防部隊は、おおむね次の基準により編成する。
(1) 大隊 指揮者及び2個中隊以上をもって編成する。
(2) 中隊 署単位に指揮者及び小隊をもって編成する。ただし、他署管内へ小隊のみで出動した場合でも中隊とみなす。
(3) 小隊 消防隊、救急隊、救助隊又は高度救助隊の各隊の総称をいう。
(4) 消防隊 消防車両、指揮者、機関員及び隊員をもって編成する。
(5) 救急隊 救急自動車、指揮者、機関員及び隊員をもって編成する。
(6) 救助隊 救助工作車、はしご付消防自動車等、その他人命救助に必要な機械器具、指揮者、機関員及び隊員をもって編成する。
(7) 高度救助隊 救助工作車、はしご付消防自動車その他人命救助に必要な高度な機械器具、指揮者、機関員及び隊員をもって編成する。
(8) 指揮隊 指揮車、指揮者、機関員及び隊員をもって編成する。
(9) 消防統括支援隊 指揮車等、指揮者、機関員及び隊員をもって編成する。
(指揮者)
第14条 消防部隊の各隊の指揮者は、次のとおりとする。
(1) 大隊長 管轄消防署の署長をもってこれに充て、大隊を指揮統率する。なお、管轄消防署以外の署長又は副署長が出動した場合は、大隊長の補佐に当たるものとする。
(2) 中隊長 係長をもってこれに充て、大隊長又は指揮隊長の指揮を受けて、中隊を指揮統率する。
(3) 小隊長 消防隊、救急隊、救助隊又は高度救助隊の隊長をもってこれに充て、中隊長の指揮を受けて、各小隊を指揮統率する。
(4) 指揮隊長 管轄消防署の署長をもってこれに充て、消防部隊を指揮統率する。
(5) 消防統括支援隊長 警防課警防司令官をもってこれに充て、指揮隊の支援を行う。
(令6訓令4・一部改正)
(指揮者の代行)
第15条 各指揮者が不在のときは、その職務を代理する者は、次のとおりとする。
(1) 大隊、中隊、小隊、指揮隊及び消防統括支援隊には副隊長を置き、指揮者不在の場合は、その職務を代理する。
(2) 大隊の副隊長は、管轄消防署の副署長とし、中隊の副隊長は、上席の小隊長とし、小隊、指揮隊及び消防統括支援隊の副隊長は、あらかじめ指定する者をもってこれに充てる。
(3) 各副隊長が不在の場合は、次席の者が繰り上がり、各隊長の職務を代理する。
(消防部隊の呼称)
第16条 各部隊の呼称は、南消防署においては南、鞆出張所は鞆、瀬戸出張所は瀬戸、北消防署は北、駅家分署は駅家、東消防署は東、西消防署は西、沼隈内海出張所は沼隈、今津出張所は今津、水上消防署は水上、芦品消防署は芦品、深安消防署は深安、安田出張所は安田、府中消防署は府中、小塚出張所は小塚の文字を冠し隊名を呼称するものとする。
(消防部隊の確保)
第17条 署長は、当務の各小隊を常に出動しうる状態におき、訓練等に消防車両を出動させる場合であっても、支障のないようにしなければならない。
2 訓練等の出動中でも災害を覚知したときは、直ちに所定の災害活動を開始しなければならない。
(消防部隊の臨時措置)
第18条 署長は、消防部隊所属の隊員及び消防車両に著しい障害を生じ、災害出動に支障があるときは、速やかに局長に報告しなければならない。
2 局長は、前項の報告があったときは、消防部隊の災害出動に支障のないように適切な措置を講じなければならない。
3 署長は、消防部隊所属の消防車両が故障等で出動不能になったときは、代車出動の措置を講じなければならない。
(消防部隊編成の例外)
第19条 災害出動後の消防部隊編成については、第13条の規定にかかわらず、適宜応急的に部隊を編成することができる。
(消防部隊編成の報告)
第20条 署長は、所属の消防部隊の編成を実施した場合は、応急的なものを除き局長に報告するものとする。
第2節 消防部隊の出動
(出動種別)
第21条 消防部隊の災害出動種別は、次表に定めるとおりとする。
出動種別 | 内容 | |
火災出動 | 建物火災 林野火災 車両火災 船舶火災 航空機火災 その他の火災 | 火災報告取扱要領に定める火災に対する出動 |
救急出動 | 救急活動を実施するための出動 | |
救助出動 | 救助活動を実施するための出動 | |
その他の出動 | 前各項に掲げる出動以外の災害活動をするための出動 | |
特命出動 | 局長が必要と認める災害活動をするための出動 |
(出動の原則)
第22条 消防部隊の出動は、別に定める出動区分により出動するものとする。
2 火災出動は、普通出動と特命出動の2種とする。
3 普通出動は、第1出動、第2出動、第3出動の3段階に区分するものとする。
4 特命出動は、局長が必要と認めるときに命ずるものとする。
5 局長は、出動各隊の配置状況、地形その他を考慮して有効な警防活動がなされるよう配慮しなければならない。
6 局長は、消防部隊の活動が円滑にできるようあらかじめ、計画を樹立しておくものとする。
(災害出動時の注意)
第23条 消防部隊は、災害出動に際して危害防止及び交通事故防止等に細心の注意を払い、法令を遵守し、安全かつ迅速を期さなければならない。
2 消防部隊は、災害現場への出動途上においても災害状況の把握に努めなければならない。
3 消防部隊は、災害現場への出動途上において事故等のため、現場到着が不可能になり、又は著しく遅延するおそれがある場合には、署長は、直ちにその旨を局長に報告するとともに、災害活動上必要な措置を講じなければならない。
(同時又は連続災害に対する出動)
第24条 管轄区域内に2以上の火災等の災害が同時又は連続して発生したときは、管轄消防署の署長の要請に基づいて局長の命により、他署の消防部隊が出動し、防御に当たるものとする。
第3節 現場要務
(指揮命令)
第25条 消防部隊の災害活動は、原則として、管轄消防署の指揮者の指揮命令により行うものとする。
2 高度救助隊が出動した救助事象の救助部門の指揮は、高度救助隊長の指揮命令により行うものとする。
(災害現場情報)
第26条 先着消防部隊の指揮者は、災害現場に到着したときは、速やかに次に掲げる事項を指令課に連絡しなければならない。
(1) 災害発生場所
(2) 災害の状態及び周囲の状況
(3) 災害活動及び処置状況
(4) 応援隊の要否
(5) その他必要事項
2 災害現場の各消防部隊は、相互の連携を密にし、災害活動に支障のないよう努めるものとする。
(現場指揮本部の設置)
第28条 大隊長は、消防部隊が災害出動し、出動区分による第2出動が発令された場合又は大規模な災害が発生した場合で必要と認めるときは、災害現場に現場指揮本部を設置するものとする。
2 前項の現場指揮本部長は、大隊長とし、その組織及び運用等は別に定める。
3 現場指揮本部長は、現場指揮本部を設置したときは、直ちにその旨を局長に報告し、かつ、消防部隊に周知させるものとする。
4 現場指揮本部には、現場指揮本部旗を標示するものとする。
(現場指揮本部の任務)
第29条 現場指揮本部は、次の事項に定める任務を行うものとする。
(1) 災害状況の把握と作戦の決定及び状況報告
(2) 水利の統制
(3) 消防部隊の合理的配置と進入部署の指揮
(4) 警戒区域等の設定
(5) 災害情報収集
(6) 災害現場広報
(7) 消防部隊の安全及び衛生管理
(8) 燃料、給食等の対応
(9) 防災関係機関の対応
(10) その他
(統監本部の設置)
第30条 局長は、特に必要と認めるときは、災害現場付近に統監本部を設置することができる。
2 前項の統監本部長は局長とし、本部員は消防局員で編成するものとする。
3 統監本部長は、統監本部を設置したときは消防部隊に周知させるものとする。
4 統監本部には、統監本部旗を標示するものとする。
(統監本部の任務)
第31条 統監本部は、現場指揮本部を統括するものとする。
(関係機関への災害通報)
第32条 指令課長は、消防部隊が災害出動したときは必要に応じて、次に掲げる機関に報告し、又は通報するものとする。
(1) 福山地区消防組合管理者(副管理者含む。)
(2) 福山市上下水道局(府中市及び神石郡神石高原町水道担当含む。)
(3) 広島県福山東警察署、同福山北警察署、同福山西警察署、同府中警察署
(4) 中国電力(株)福山営業所
(5) 福山ガス(株)
(6) その他必要と認める機関
(警戒区域の設定)
第33条 消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第23条の2、第28条、第36条の規定による火災警戒区域及び消防警戒区域(以下「警戒区域」という。)の設定については、次の事項に定めるところによる。
(1) 警戒区域の範囲は、災害の規模及び拡大危険に対応したものであること。
(2) 警戒区域は現場到着後、必要と判断した場合、速やかに設定すること。
2 警戒区域の設定に従事する隊員は、法に規定する職務を行うほか、警戒区域内の雑踏整理、災害活動上支障となるものの排除及び避難誘導等必要と認められる職務を行うものとする。
3 局長又は署長は、法第23条の2の規定による火災警戒区域を設定したときは、住民に対する火気使用の禁止等に関する広報その他の必要な措置を講ずるものとする。
(消防警戒区域立入許可証の受給資格者等)
第34条 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第48条第1項第7号に規定する局長があらかじめ発行する立入許可の証票の受給資格者等について必要な事項は、別に定める。
(災害現場広報)
第35条 消防部隊の災害現場における広報は、軽易なものを除き、指揮隊長又は大隊長の指示によりこれを行うものとする。
(機械器具の活用)
第36条 消防部隊は、災害活動に際しては、その災害活動に適応した器具の着装及び携行に努め、隊員の安全確保を図りながら各種装備を充分活用し、その効果をあげなければならない。
2 消防部隊の指揮者は、災害活動に際し機械器具の増強を必要とするときは、機を失することのないよう要請しなければならない。
3 前項の要請に際しては、品目、種別、数量及び配置先、使用目的等を明確に示さなければならない。
(資器材の調達)
第37条 消防部隊の保有していない機械器具又は物品を必要とするときは、上席指揮者の要請に基づき局長の指示により調達するものとする。ただし、災害活動に急を要する場合で局長の指示を得るいとまがない場合は、上席指揮者の指示により、現場付近の資器材の借上げ又は調達を行うことができるものとする。
2 前項ただし書の場合においては、管轄消防署の署長は、事後速やかに局長に報告し、事後処理を行うものとする。
(危害防止)
第38条 災害活動における隊員の危害防止については、次の事項に定めるところによるものとする。
(1) 指揮者は、隊員を危険な作業に従事させる場合においては、十分な危害防止装置及び援護の態勢をとるものとする。
(2) 隊員は、自己の安全を確認しなければならない。
(3) 指揮者及び隊員は、危険な場所への進入に際して、退路の確保等の脱出措置を講じなければならない。
(災害現場の事故報告)
第39条 消防部隊の指揮者は、災害現場で隊員又は機械器具に重大な事故が発生したときには、必要な措置をとるとともに、上席指揮者は、直ちに局長に報告しなければならない。
(災害現場の引揚げ)
第40条 消防部隊の災害現場の引揚げは、上席指揮者の指示によるものとする。
2 上席指揮者は、災害状況により、現場待機及び引揚げを速やかに指示しなければならない。
3 消防部隊の指揮者は、現場引揚げに際し、現場点検を行い、その結果を上席指揮者に報告しなければならない。
(引揚げ後の措置)
第41条 消防部隊の指揮者は、署所に引き揚げたときには直ちに人員及び機械器具の再点検を行い、異状の有無を確認するとともに、災害出動態勢を整えなければならない。
第4節 火災防御活動
(消防隊配置の原則)
第42条 消防隊の火災防御配置は、次の事項に定めるところによるものとする。
(1) 先着隊は、重要方面及び延焼危険の大なる方面に進入し、火勢を先制して一挙に鎮圧を図るものとする。
(2) 後着隊は、延焼危険の大なる方面又は手薄方面へ進入し、包囲体制の確立を図るものとする。
(3) 先着隊は、自隊の担当面に後着隊が進入してきたときには、効果的な防御活動を行うため、後着隊の進入誘導指示を行うものとする。
(水利部署)
第43条 消防隊の水利部署は、先着隊から順次に有効放水のできる火点直近の水利を選定し、後着隊は努めて防火水槽又は自然水利等の水量の豊かな水利に部署するものとする。ただし、水利の指示又は誘導を受けたときは、それに従うものとする。
2 前項の水利部署について、必要と認めるときは、速やかに水利統制及び増水手配等を行うものとする。
(注水部署及び要領)
第44条 消防隊の注水部署は、安全で火勢鎮圧又は延焼阻止に効果的な場所とし、その注水要領は、次の事項に定めるところによるものとする。
(1) 消防力が火勢より優勢な場合は、延焼火勢に近接した攻撃的注水を行い、火勢を鎮圧する。
(2) 火勢が拡大し、消防力が対抗できないと判断される場合は、延焼阻止を主眼として守備的注水を行う。
(3) ふく射熱等のため未燃焼建物等に延焼すると判断される場合は、当該建物等へ予備注水を行う。
(4) 注水は、燃焼実体を確認し、連合注水を形成、延長水管及び圧力の増減さらには注水種別、部署の変更等による有効注水に努め、水損防止に配慮するものとする。
(移動)
第45条 消防隊は、火勢の推移に伴い注水部署が危険となり、また効果的でなくなった場合には速やかに、防御効果のある場所へ移動しなければならない。
2 消防隊は、延焼拡大等のため、防御担当方面を大移動する場合には、指揮者の指示により行うものとする。
(状況判断)
第46条 上席指揮者は、各指揮者からの報告その他各種の情報等に基づき災害状況を常に把握し、適確な判断を下して消防部隊を運用しなければならない。
(飛火警戒)
第47条 上席指揮者は、飛火警戒が必要であると認めるときは、消防隊のうちから飛火警戒隊を指示して飛火危険方面に配置するものとする。
2 前項の飛火警戒隊は、飛火危険方面の住民に対し、飛火警戒に必要な広報等を行い、飛火による二次火災の発生を防止しなければならない。
(特殊消防車両の運用)
第48条 特殊消防車両の小隊は、その特殊機能を十分に発揮する防御をしなければならない。
(残火処置及び鎮火)
第49条 火勢鎮圧及び鎮火は、上席指揮者がこれを決定するものとする。
2 上席指揮者は、現場引揚げに際し残火の有無を点検し、鎮火を確認しなければならない。
3 上席指揮者は、再燃を警戒する必要があるときは、小隊を指定して残留警戒に当たらせるものとする。
4 残火処理について必要な事項は、別に定める。
(関係者への協力依頼)
第50条 上席指揮者は、火災現場を引き揚げるときは被災建物等の関係者に対し、焼跡の警戒、監視等について協力を求め、及び説示して再出火の防止に努めるものとする。
2 関係者に対する協力依頼又は説示等について必要な事項は、別に定める。
第5節 救助活動
(救助活動の原則)
第51条 救助活動は、他の災害活動に優先して行うものとする。
2 救助活動は、要救助者の状況を判断するとともに高度救助隊、救助隊及び消防隊等は相互の連携を密にし、状況に応じた臨機応変かつ安全な方法で迅速に行動し、救出するものとする。
3 災害現場においては、機を失することのないよう救助活動に当たるものとする。
4 各指揮者は、隊員の体力、気力、判断力、技術等を観察し、救出行動を行う上で不適当と判断される隊員には、原則として当該救出行動を命じてはならない。
5 救出行動を行っている隊員から援護を求められた隊員は、優先的にこれに応じなければならない。
6 救助活動を完了したときは、速やかに上席指揮者に報告するものとする。
(高度救助隊及び救助隊の任務)
第52条 高度救助隊及び救助隊は、人命救助を最優先とし、高度の救助技能を習得錬磨して消防活動の高度化に努め、次の任務に服するものとする。
(1) 人命救助活動
(2) 人命救助活動の援護
(3) 消防破壊作業(換気・排煙作業含む。)
(4) 水火災の防御活動
(人命検索要員)
第53条 災害現場の関係者等から要救助者の状況を聴取し、又は自認することにより人命検索区域及び人命検索方法を決定し、2人1組となって、空気呼吸器、ロープ等を装着し、相互協力し、当該検索区域をもれなく検索するものとする。
2 要救助者を発見し、人命検索要員のみでは容易に救出できないとき又は危険が切迫したときは、直ちに援護を求めるものとする。
(救出要領)
第54条 救出の要領は、次の各号に定めるところによる。
(1) 救出に際しては、要救助者の数、位置、状態、緊急度等を総合的に判断し、救助効果の実を挙げること。
(2) 救助用の機器のほか、地形、地物、建物、対象物所有の設備、機械等も状況に応じて活用すること。
(3) 指揮者及び隊員は、二重遭難を起こさないよう留意すること。
(避難誘導)
第55条 避難誘導の要領は、次の事項に定めるところによる。
(1) 避難者の誘導に際しては、各要領での広報及び避難者数の調整等を行い、混乱を防止すること。
(2) 避難者に対しては、避難方向、避難経路及び避難場所等を明確に知らせること。
第6節 警戒活動
(警戒活動の原則)
第56条 活動隊の警戒活動は、怪煙又は災害発生のおそれのある状況を覚知した場合に行うものとする。
2 警戒活動は、管轄消防署の活動隊1個小隊が警戒隊として出動するものとする。
3 警戒活動に出動したときは、直ちにその状況を調査し、必要事項を指令課に報告しなければならない。
第7節 その他の災害活動
(その他の災害活動の原則)
第57条 その他の災害活動は、消防の任務に該当するもの及びこれと密接な関連のあるものについて行うことを原則とする。ただし、関係機関等から要請があり、局長が必要と認めた場合は、この限りでない。
第5章 災害警戒
(災害警戒の種別)
第58条 災害警戒の種別は、次の各号に定めるところによる。
(1) 非常災害時特別警戒
地震、暴風雨その他これに準ずる事案により災害発生危険があると認められるときに行うものとする。
(2) 特命特別警戒
歳末、火災期、水害期、特別行事その他局長が特に必要と認めたときに行うものとする。
(火災警報発令時の措置)
第59条 局長は、火災警報を発令したときは、消防部隊の合理的運用について配慮しなければならない。
2 署長は、火災警報が発令されたときは、火災警戒のため、次の各号に定める必要な措置をとらなければならない。
(1) 消防署に掲示板の掲出を行うとともに、住民に伝達するものとする。
(2) 車両により警戒巡視し、火気使用制限等の指導を行い、警火心の喚起と啓発に努めるものとする。
(3) 所属職員の出向を制限し、活動隊の火災出動に万全を期するものとする。
(4) 機械器具を点検し、活動隊の火災防御活動に支障のないよう努めるものとする。
(火災警報発令時の火災出動)
第60条 火災警報発令時における活動隊の火災出動は必要に応じて、出動区分を一位繰り上げて行うことができるものとする。
(職員の所在)
第61条 勤務時間外の職員は、火災警報発令時にはその所在を明らかにしておかなければならない。
(気象情報等の周知)
第62条 局長は、関係機関から気象情報等の災害に関する通報があったときは、必要に応じて署長に通知するものとする。
2 署長は、前項の通知を受けたときは、速やかに所属職員に周知させなければならない。
第6章 非常招集
(非常招集の発令及び応招義務)
第63条 災害活動のため、職員を招集する必要があるときは、職員に対して非常招集(以下「招集」という。)を発令し、その必要がなくなったときは、これを解除する。
2 職員は招集があったときは、あらゆる手段を用いて速やかに応招しなければならない。ただし、招集しようとする職員について、あらかじめ応招義務の免除を局長が承認している場合又は事故等により応招できないと局長若しくは署長が認めた場合は、この限りでない。
(令4訓令2・一部改正)
(招集の区分)
第64条 招集の発令は、局長等が行い、次の区分によるものとする。
(1) 1号招集 局長が行う招集で全職員に対して行うもの
(2) 2号招集 署長が行う招集で所属職員に対して行うもの
(招集細目)
第65条 招集について必要な事項は、別に定める。
第7章 相互応援
(応援出動)
第66条 消防に関する応援は、相互応援協定等締結内容によるものとする。
2 前項によるもののほか、関係機関等から応援要請があった場合で、局長が特に必要と認めるものについては、出動することができるものとする。この場合の諸々の手続内容は、広島県内広域消防相互応援協定の内容に準ずるものとする。
(応援要請手続)
第67条 局長は、災害時に、応援要請の必要があると認めるときは、次の事項を掌握し、必要な措置を執るものとする。
(1) 被災の状況
(2) 応援隊の任務及び応援場所
(3) 応援隊を必要とする隊数(人員)、車両、機械器具等の数量
(4) その他必要事項
第8章 災害活動報告等
(報告要領)
第68条 災害に関する報告は、他の法令等に定めのあるもののほか、次の事項の定めによるものとする。
(1) 通常の災害報告は、事案発生後3日以内とする。
(2) 報告要領は、所定の報告用紙による。
(3) 局長が特に必要と認めるものについては、この限りでない。
2 その他報告要領について、必要な事項は別に定める。
第9章 地水利調査
(地水利調査)
第69条 消防部隊の活動上必要な地理水利について、職員は、常に把握に努め、災害防御に支障のないよう努めなければならない。
2 職員の地理水利調査について、必要な事項は、別に定める。
第10章 消防装備及び機械整備
(通則)
第70条 消防部隊の活動上必要な装備及び機械の点検整備を励行し、常に稼動可能な状態にしておくよう努めなければならない。
2 消防装備及び機械整備について、必要な事項は、別に定めるものとする。
第11章 救急業務
(通則)
第71条 救急隊は、救急車等及び所要の救急隊員をもって編成し、救急活動をするものとする。
2 救急業務の実施について、必要な事項は、別に定める。
第12章 水上隊活動
(通則)
第72条 水上隊活動については、陸上部分を除き、別に定める要綱によるものとする。
第13章 雑則
(災害検討会)
第73条 大規模の災害活動を検討し、各指揮者の指揮能力の向上及び隊員の技能向上を図り、併せて将来の施策の参考に供するため、災害検討会を開くものとする。
2 災害検討会について、必要な事項は、別に定める。
(活動の証明)
第74条 署長は、警防活動について関係のある者から活動の証明の申請があったときは、活動の結果、確認又は立証し得る事項についての証明を、別に定める活動証明書により交付することができる。
2 前項で定める証明は、関係のある者からの申請に署長が認証し、又は奥書することにより証明とみなすことができる。
(その他)
第75条 この規程に定めるもののほか、特異な事象については、その都度、局内において協議し、対処するものとする。
2 特に必要な場合は、局長の指示によるものとする。
附則
この訓令は、令和2年6月1日から施行する。
附則(令和4年3月28日訓令第2号)
この訓令は、令和4年4月1日から施行する。
附則(令和6年3月27日訓令第4号)
この訓令は、令和6年4月1日から施行する。