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事業管理者・院長ごあいさつ

管理者のメッセージ

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  皆さま、明けましておめでとうございます。
 2017年もいろいろなことがありました。国際政治の世界では自国第一を掲げるトランプ米国大統領の就任に始まり、北朝鮮の繰り返される核実験やミサイル発射実験、世界の各地で起こる無差別テロなど、平穏とは言えない状況が続いています。
 さて、2018年はどのような年になるのでしょうか。この国は希望にあふれた国へと変わっていくことができるのでしょうか。昨年発覚した日産自動車の無資格者による完成検査の問題や神戸製鋼の製品データの改ざん問題などでは、この国に対する世界の信頼が損なわれ、そのことによって国民の国への信頼や自信もなくなりそうな中で、元気を出すことは難しいのではないかと感じていますが、たとえそうであってもわれわれは誠実に、前を向き頑張っていくしかないと思っています。 
 2018年は医療の世界は大改革の年と言われています。つまり、5年に一度の保険医療計画、3年に一度の介護保険事業計画、そして2年に一度の診療報酬改定と3年に一度の介護報酬改定が同時に行われます。多くの地域で高齢者人口が増加し、医療ニーズもさることながら介護ニーズがいっそう高まり、医療と介護を一体化して解決していかなければならないのは明らかです。地域医療構想は2025年における各医療圏の適切な医療提供体制を整えるものですが、現時点ではゴールの姿とのギャップも多く、診療報酬改定のたびに国の描く姿へ収斂をさせていくような改定が行われるだろうと思っています。
 さて、その診療報酬改定ですが、2018年度の改定では、技術料などの本体は0.55%の引き上げ、全体(ネット)では薬価や材料価格の引き下げなどで1.74%のマイナス改定になりました。2016年度の改定は、本体で0.49%のプラス、全体でマイナス0.84%でしたが、日本病院会の調査では経常利益が赤字病院の割合が2015年度の48.0%から2016年度は53.5%と拡大しており、この傾向はさらに強まることが予測されます。国の財政が厳しい中、医療のみにお金はかけられないということでしょうが、教育や医療が衰退すればまさに国家が国家としての体をなさなくなると心配しています。国全体の医師数は増えているのに医師の偏在が進み、地域の医師が少なくなってきている現況もあります。2014年、日本創成会議が「896の市区町村が消滅の可能性がある」と衝撃的な報告をしましたが、この推計は「2010年から2040年までの30年間で20歳から39歳までの女性が50%以上減少すること」を指標にして出されたものですが、地域の医師数もそれに加味すれば、もっと多くの市町が消滅する可能性があるのではないかと思っています。私は、地域の医療を守る手立てを国は積極的に、あるいは強制力をもって構築するべきであると考えています。
 2018年は「医師の働き方改革」もさらに議論を深めていくと思っていますが、その行方に大きな関心を抱いています。政府は2017年8月から「医師の働き方改革に関する検討会」を開いていて、この1月には中間整理がなされ、その後の検討も経て、2019年3月には報告書が出ることになっています。「働き方改革」は電通の女子社員の長時間時間外労働に起因する事案に端を発し始まったものですが、医療の世界では多くの解決すべき問題を内含しています。長時間労働の是正を求められた病院は救急の受け入れ制限や土曜日の診療を停止しました。また、患者さんや患者さんのご家族に手術や病態の説明をするのを、土日祝日ではなく平日の時間内にすることにしました。もし、会社勤めをされているご家族や遠方におられるご家族に対して、医師が平日の勤務時間内に説明するのであれば、家族の方は会社を休む必要があります。これらのことは患者さん本位ではなく、病院としてもサービスの低下になります。また、この国では「主治医制」、つまり「一人の患者さんに一人の医師」というシステムをとっている病院が多いのではないかと思いますが、「一人の患者さんに複数の担当医」という「チーム制」への変更も進められています。私も「チーム制」は良いシステムだと思いますが、一人しか医師がいない診療科では「チーム制」は実施できません。また、時間外労働規制が医療提供体制の縮小につながる懸念もあり、特に中山間地域の医師数の少ない病院で、本当に労働量を規制して必要な医療が提供できるのか、という課題もあるのではないでしょうか。当院でも国の議論を見守りつつ、「働き方改革」を進めていきたいと考えていますが、あくまで当院の提供する医療の質と量を担保することが大前提であると思っています。
 さて、年頭の想いですが、大変革の2018年であっても、不動で臨みたいと思っています。当院の役割は、質の高い安全な急性期医療を地域の皆さまに提供すること、救急医療の砦として地域の皆さまの安心を確保すること、地域の医療機関の皆さまと連携をして「地域完結型医療」を完遂することです。この役割は不変・不動ですが、そのための病院内のソフト・ハードの変革、そして診療力、看護力、アメニティの向上などには積極的に当たっていきたいと考えています。
 最後になりましたが、2018年が皆さま方にとって素晴らしい年になることをご祈念申し上げます。

2018年1月
福山市病院事業管理者 高倉 範尚(たかくら のりひさ)

院長のメッセージ

院長 1977年(昭和52年)、当院は250床の病院としてこの蔵王の地に開院しました。開院以来、当院は地域医療ニーズに応え、医療ニーズを業績に転換し、その業績が地域に評価されることを基準に発展的に継続してまいりました。現在、28診療科、病床数506床、職員数1,089人、医師数161人(初期臨床研修医を含む)を擁し、地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院、臨床研修病院、DPCII群病院などの国・県等認定、指定施設であり、備後圏域(広島県東部、岡山県西部)の高度急性期・急性期医療を担う中核総合病院です。今後も「発展的に継続する」という使命(ミッション)に変わりはありません。一方、将来の高齢化社会・定常化社会では、健康・安心・人との交流や連携がより重要となり、医療施設が新たな地域コミュニティ創生の中心的役割を担うことになります。10年先、50年先の備後圏域で、当院は医療・介護連携ネットワークの中で「高度急性期・急性期医療を担う中核総合病院」であり、そして「備後圏域コミュニティ創生の中心」となります(ビジョン)。
 2016年から新しい地域医療体制(地域包括ケアシステム・地域医療構想)の取り組みが始まりました。地域包括ケアシステムは、今後地域コミュニティを形成する中核的システムとなります。地域包括ケアシステムの中にあって、地域医療構想は圏域内で医療を完結するために必要な病床を確保し、その病床機能分化(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)を強化することによって効率的に医療を行うことを目的とするものです。地域医療構想での病床機能分化の推進により、圏域内で医療施設の病床機能に応じたピラミッド構造が形成されます。備後圏域のピラミッド構造の中で当院は、救命救急、がん医療、高度専門医療を中心とする高度急性期・急性期医療を担う中核総合病院として最上位の医療施設を目指します。
 当院は備後圏域の中核総合病院として、「科学的・論理的根拠に基づいた医療を、公平に安全に効率的に実施し、その経過・結果を公表する医療(High Quality Care for All)」を実践することにより圏域内で医療を完結する方向性を目指します。地域医療ニーズに応え、医療ニーズを業績に転換し、業績を医療スタッフ自らのあるいは病院のブランドとします。そうすれば新たな医療ニーズも生まれ、このサイクルを繰り返すことで地域コミュニティの信頼が得られ、地域コミュニティの創生の中心としての役割が果たせると考えます。
 この1年、当院は、(1)チーム医療の強化(診療業務の統一、クリニカルパスの運用率60%以上、回復期入院患者率の減少10%以下、DPCII群病院の維持)、(2)全ての医療職種を対象として専門知識・技能を持った医療人の育成(学会・論文数の倍増、研究費を含め臨床研究ができる環境整備、備後圏域の医療施設との交流を介した圏域全体の医療スタッフの育成、初期臨床研修医のフルマッチ)、さらに、(3)備後圏域での医療連携ネットワークの強化(びんご圏公立病院等連絡会議での医療スタッフの交流・クリニカルパス共用による診療業務の統一、市内医療施設との医療チームの交流・医療スタッフ派遣によるアライアンス連携の推進・強化、高度急性期・急性期疾患患者の集患:病床稼働率90%、後方連携病院の確保:平均在院日数10日未満)について取り組みます。
 社会、医療体制はますます変化していきます。我々はその変化に対応し、評価を得ていかなくてはなりません。当院のミッションは地域医療ニーズに応え、医療ニーズを業績に転換し、その業績が地域に評価されることを基準に「発展的に継続する」ことです。ビジョンは備後圏域医療・介護ネットワークの中で「高度成長期・急性期を担う中核総合病院」であること、「備後圏域コミュニティ創生の中心」としての役割を担うことです。

2017年1月
院長 坂口 孝作(さかぐち こうさく)


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