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事業管理者・院長ごあいさつ

管理者のメッセージ

管理者

 皆さま、明けましておめでとうございます。
 2018年のこの国を表す漢字一文字は「災」で、とりわけ7月の西日本豪雨災害では200人を超える多くの人命が失われました。経験したことのない大雨などと表現される異常気象は、地球の温暖化と大きな関わりがあると言われていますが、今、地球に生きているわれわれが行動しなければ、未来に対する責任放棄ではないか、と思っています。また企業の不祥事も続いており、特に昨年は国の根幹産業である自動車産業で、組織トップの不正が明るみになりました。そのような暗い話題が多い中、ノーベル医学生理学賞を京都大学の本庶教授が受賞されました。1928年にフレミングにより初めて抗生物質「ペニシリン」が発見され、その後の感染症治療のありさまが大きく変わりましたが、本庶教授の新しい「がん免疫療法」の発見はそれに匹敵する業績で、うれしいニュースでした。
 2018年の当院ですが、3月に事業継続計画(GCP)を策定しました。この国では近い将来、南海トラフ地震の発生が予測されていますが、病院の被害をできる限り少なくさせ、被災下であっても病院機能を極力維持し事業が継続できるようさまざまな対策を講じておきたいと考えています。また、昨年は診療報酬改定が行われましたが、本体は0.55%のプラス改定であったものの、薬価、材料価格などを併せると1.19%のマイナス改定でした。本体のプラス改定部分では技術料部分は少なく、人を配置して初めて報酬が得られる改定が多く、慢性的に人手が足りない地方都市の病院にとっては追い風となる改定ではありませんでした。そのような中でも当院は2年前に引き続き、大学病院本院に匹敵する「DPC特定病院群」(全国で155病院)に認定され、職員一同、地域における急性期医療の守り手としての覚悟と誇りを強くすることができました。診療面では、4月から小児科医師の増員と小児二次救急当番日の回数が増加したこともあり、西館4階を26床の「小児専用病棟」としました。
 2019年はどのような年になるのでしょうか。世界政治や経済などの分野でアメリカの自国第一主義が多くの国、地域と軋轢を生んでいます。以前は国と国との間には「信」や「誠」がもう少しあったように思いますが、判断基準は損か得か、そして連携よりも分断の世界へと動いているように感じています。
 さて、2019年の当院についてですが、今年は厳しい年になると思っています。おそらく当院に限らず、多くの急性期病院は一層厳しい病院運営を迫られるのではないでしょうか。
 一つに働き方改革です。2019年3月には「働き方改革に関する検討会」から報告書が出されることになっていますが、時間外労働には上限が設けられ、2024年3月末まで医師には猶予期間はあるものの、違反すれば罰則が与えられます。ワークシェアやタスクシェアはどの医療機関でも一定程度は進んでいます。更なるワークシェアには人手が必要です。特定看護師などは地方病院では簡単に何人も養成できるものではありません。決められた勤務間インタバルや連続勤務時間制限を守りつつ、従来と同様の医療サービスを提供するためにも、「患者さんを診療する当直」を勤務とするためにもより多くの医師が必要ですが、地方に医師はいません。医師数が十分でなければ、当直を「時間外勤務」とするしかなくなり、医師の時間外労働は定められた上限値を超過してしまう恐れが出てきます。管理者は医療サービスを少なくするか(救急からの撤退・制限など)、労基法違反で送検され、懲罰を受けるかの二者択一を迫られることになります。私はこの「働き方改革」は、現在提供できている「医療サービスの低下」をもたらすのではないかと強く懸念しています。
 次に、病院経営に大きな影響を及ぼす消費税問題ですが、本年10月より、消費税が10%に引き上げられます。現行の消費税制度においては、社会保険診療に係る消費税は非課税とされ、患者さんからは消費税を徴収していません。一方、医療機関の仕入れに係る消費税については、診療報酬などの医療保険制度により手当てすることとされていますが、手当てに不足が生じており、中央社会保険医療協議会の調査によれば2016年度は、病院全体(994病院)での補てん率は85.0%であり、当院の場合は計算上70%の補てん率でした。10月に向けて診療報酬の改定などが行われますが、「十分な補てん」は期待薄であり、当院にとって消費増税は間違いなく逆風となる、と考えています。
 当院の医局の入口に、初代院長の田中早苗先生(第6代岡山大学第一外科教授)が「本立而道生」と揮毫された書の木彫が、先生の手術中の写真とともに掲示してあります。この意は根本が確立すれば道は開けるという意であると理解していますが、まさに当院の理念や歩んできた道に立ち返り、かくあるべきを第一に考えて、病院運営に当たりたいと考えています。当院の理念は、質の高い医療を安全に行い、地域の人々に安心を提供すること、そして心豊かな医療人を育成することです。病院職員がそれぞれの部署で、患者さんや仲間を想いながら、与えられた責任・職責を果たし、また、知識や技術を深めながら日々成長していくことができれば、厳しい年も乗り切ることができると考えています。
 最後になりましたが、2019年が皆さまにとって素晴らしい年となりますことをご祈念申し上げます。

2019年1月
福山市病院事業管理者 高倉 範尚(たかくら のりひさ)

院長のメッセージ 

 院長写真4月1日には新元号も“令和”と定まり、桜の花も満開となりました。この度、当院におきましては、多くの新採用職員を迎える中、診療部の新規採用研修医10名は当院初めてのフルマッチで全員医師国家試験合格、看護部の新採用看護職員35人が全員看護師国家試験合格という非常に喜ばしいことがございました。辞令交付式で、事業管理者の話を頷きながら聞く初々しい彼ら、彼女らの姿を見ていると、病院内に新風が吹きこまれ新たな力が生まれる気がいたしました。新しい芽が大きな力へとなっていくためには、大切に育てなければなりません。明るく正しい方向へすくすく育つよう環境を整え、職場全体でサポートすることの必要性を感じております。
 この度の平成最後の人事異動では、院長はじめ3人の副院長も新たに辞令を受けました。みんな新米、よちよち歩きで重責を感じております。病院の目指す大きな役割は理念、基本方針にあります。備後福山において救急医療ならびにがん診療の拠点となる中核病院として、新たなビジョンを持ちみんなで力を合わせ、より一層住民の皆さまに信頼され親しまれる病院にしていきたいと思っております。
 さて、今年度もDPC特定病院群に指定されましたが、DPC特定病院群の中では機能評価係数2はまだ中間値に満たない低い位置にあり、高い係数2を獲得する方策を考えていく必要があります。また、認知症ケア加算を申請できる体制を整え、機能評価係数1にあたる総合入院体制加算を3から2へグレードアップすることも目指しております。昨年度の平均在院日数は9.8日で、初めて10日を切りました。
 当院の3本柱の一つの救急医療につきましては、昨年度救急外来患者数9275人、救急車搬入患者数は3999人で、増加傾向にありました。救急車搬入患者のうち63%の人が入院治療を受けられました。救急車以外での救急外来患者数は5276人で、そのうち29%が入院されております。
 2つ目の柱であるがん診療では、院内がん登録件数は、2018年度最終集計はでておりませんが、11月診断までで2075件登録されました。膵がん、肺がん、前立腺がん、膀胱がん、卵巣がん、皮膚がんが増加傾向にあり、乳がんは例年通り多い登録件数にあります。その他のがんにおきましても、減少傾向の部位はございません。外来がん化学療法件数は7313件で、ここ3年は7000件を超え微増しております。更なる需要の増加があれば、増員、拡充、拡張を行わないと厳しい状況です。
 3つ目の柱である高度・先進医療の提供では、ダヴィンチを用いたロボット手術は、2015年の開始より右肩上がりで、昨年度は123件に上りました。昨年4月の診療報酬改定で泌尿器科領域の前立腺がん、腎がん手術に加え、呼吸器外科、消化器外科、心臓血管外科、婦人科領域でも新たに12種の手術が適用となりました。追加適用手術は現在はまだ開始できておりませんが、今後研修を積み、安全性を担保しダヴィンチの有効利用を進めてまいります。
 高精度がん放射線治療は、2015年11月よりTrue Beamを用いた照射を開始しております。昨年度の総治療患者数は9300人で、新規患者数は349人でした。また、岡山大学病院をがんゲノム医療中核拠点病院とするがんゲノム医療連携病院の指定を受けました。福山、備後地区でがんゲノム医療が適切に提供されるように体制を整えてまいります。
 現在22名の認定看護師(21名)、専門看護師(1名)は、各分野で重要な役割を果たしております。現在も認知症看護認定看護師、放射線治療看護認定看護師を養成中ですが、看護師の特定行為研修なども含め、今後も育成、増員を図り、病院機能、医療の質の向上を目指してまいります。
 また、現在全ての医療分野において多職種からなるチーム医療の実践が望まれており、互いの信頼からなる「真のチーム医療」の提供に努めてまいります。

2019年4月
福山市民病院院長 喜岡 幸央(きおか ゆきお)


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