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《地域おこし協力隊インタビュー企画》仕事を通して土地の魅力を生かす暮らし

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年8月31日更新

今回は、沼隈町で酒店を営む田中靖啓さんに、仕事を通して土地の魅力を生かす暮らしについて伺いました。

田中さん
▲田中酒店/田丸屋 田中靖啓さん

地元にしかないものを伝える店

─田中酒店について教えてください。

 田中酒店は、1916年に曾祖父が創業した酒屋です。私は23歳まで広島市内の旅行代理店で添乗員や営業をしていましたが、母が亡くなったのがきっかけで、24歳の時に家業に入って田中酒店で働きはじめました。当時は、家庭へのビール配達が中心でしたが、時代も変わって、酒屋で買う人が減少し、小さな酒屋は苦戦を強いられていました。その頃から、元々販売していた地元の沼隈産ぶどうを、お店の特徴にしていこうと力を入れるようになりました。当店のコンセプトである「地元にしかないものを人に伝える」ということの始まりです。今では沼隈ぶどう専門店として、北海道や九州など全国から注文が入るようになりました。

田中酒店
▲田中酒店

─沼隈町の見方は、戻ってくる前と変わりましたか?

 正直、最初は全く変わっていませんでした。20~30代はとにかく仕事ばかりで。夏はぶどうの栽培が忙しいので海にも行けず、子どもができて40歳を過ぎてやっと地元の海に連れて行ったりするようになって、すごくいいところだと思うようになりました。子どもと遊ぶことによって、今まで急いでいたものをゆっくりとみるようになったことが大きいのではないでしょうか。歩くスピードも子どもに合わせるようになるし、山の景色や空気をより感じられるようになりました。独身の頃は、早く仕事を終わらせて町に行きたいとばかり思っていましたが、今は田舎がいいなと思うようになりましたね。

小さな店だからこそできる「伝える仕事」

─それからワインもつくるようになったんですか?

 地元のぶどうを使って何かできないかと考えて、「沼南ワイン」を作り始めたのが16年前。ワイン用のぶどうを安定的に確保するため、2年後にはぶどうも栽培するようになりました。それまで、1000円のワインでも年間100本売れるか売れないかというお店だったのですが、「沼南ワイン」は年間800~1000本作り、それが1~2ヶ月で売れてしまうんです。そこで気付いたのは、小さいお店は「売る仕事」ではなく「伝える仕事」をしていかないといけないということでした。作り手の思いやストーリーを伝えると、お客さんが喜んでくれることが、自分がプロデュースしたワインを売る中でわかったんです。それから、広島の地酒や国産ワインについても、作り手の思いを伝えられるものを取り扱うようになっていきました。

沼南ワイン
▲沼隈ぶどうを使った「沼南ワイン」

─取り扱う商品はどうやって選んでいるんですか?

 無理に取扱いを増やそうと思わず、「行ってみたいな」「あの人に会ってみたいな」という気持ちを大事にしています。大抵は、誰かが紹介してくれることが多くて、ご縁を少しずつ増やしていくようにしています。

─それって、なんだか楽しそうですね。

 楽しい仕事ですよ。人とつながることを大切にしていけば、売り上げはあとからついてくる、というのが私の信念です。安いからという理由で買うものは、リピートがあまりないんです。ちゃんと愛情を持って売れば、リピートがある。だから、ただ物を売るだけの商売はやめて、きちんと伝えられるものだけを売ることを心がけています。

 

“テロワール”を生かし、楽しむまちに

 ―昨年12月には飲食店もオープンされましたね。

 地酒やワインをもっと伝えられる場を作りたいと思い、酒屋の隣に古民家を改装した「田丸屋」をオープンしました。この庭を見た時、こんなところで庭を眺めながらお酒やワインを飲めたら、すごく気持ちがいいんじゃないかと思って、頑張ってみようかと。掃除や片付け、木の伐採なども自分たちでコツコツ進めながら、3年を経てオープンしました。自分が行きたいお店を作ったような感じなんです。町外の方に沼隈町に来ていただくきっかけになればいいなと思って。

田中さん
 

─オープンして良かったなぁと感じることは何ですか?

 一番良かったのは、私自身新しい出会いがたくさん生まれていることです。店内にも飾っているんですが、「酒は人を呼び友をつくる」という言葉が好きで。お酒は、悪い飲み方をすれば、ケンカをしたり愚痴を言ったりしがちですが、いい飲み方をすれば、いい縁ができると思っているんです。ここで出しているお酒は、作り手の思いが詰まったいいお酒ですから、いい飲み方ができるはずです。

─それが地元のお酒なら、さらに素晴らしいですね。

 ワイン用語で、「テロワール」という言葉があります。ぴったりの訳語がないんですが、土地が持つ可能性のことです。お酒ってまさにその「テロワール」の塊なんですよ。土から育った作物で、その土地の人が作る。福山市内には、沼隈町以外にもぶどうを作っているところがあって、それぞれ味が違います。その土地土地のぶどうを使ったワインがあったら面白いでしょうね。どれが一番ということではなくて、それぞれの違いを楽しめるようになれば、楽しいですよね。

─「仕事を通して土地の魅力を生かす暮らし」。田中さんのお話から,また一つ福山らしい暮らしのヒントが見えました。ぜひ沼隈町のぶどうやワインを楽しんでみてください。

《お知らせ》沼隈町のぶどうやワインを楽しみたいなら

■ぶどうの収穫体験会
田中さんが沼隈町で栽培しているぶどうの収穫をお手伝いしませんか?田中さんのご友人やご親戚に混ざり、お手伝いをさせていただけることになりました。収穫したぶどうは、2017年の沼南ワインになり、12月に飲むことができます。
ぶどうの生育状況によるため、直前になるまで日時を決めることができません。少人数での開催となりますが、福山市地域おこし協力隊のFacebookページでお知らせいたしますので、ご興味がある方はぜひご参加ください。

日時:9月末頃
場所:田中酒店近く(福山市沼隈町大字中山南719−1)
※詳細は、参加者の方に個別にお伝えいたします
定員:10名
問い合わせ先:080-3098-7211(福山市地域おこし協力隊:中尾)