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国史跡二子塚古墳の整備が完了しました
二子塚古墳は,駅家町にある周溝を含めた総長73mの前方後円墳です。古墳時代後期の政治状況を知る上で重要であることから,2009年(平成21年)7月に国史跡に指定されました。
2002年(平成14年)から発掘調査を開始し,保存管理計画の策定を経て,2016年(平成28年)から崩れた墳丘の復元や見学用の園路・広場等の整備工事に着手しました。2002年(平成14年)の発掘調査から数えて,18年に及ぶ努力が結実し,整備工事が完了しました。
整備された墳丘(西から)
2020年(令和2年)7月18日に,新型コロナウイルスの感染拡大防止のため,関係者及び地元住民のみで整備完成式を開催しました。
完成式では,冒頭の挨拶を枝広市長が行い,少年の頃の心に残る古墳がこの二子塚古墳だったのではというエピソードや,歴史に心馳せた経験を来場した児童に伝えていただきました。
来賓の祝辞では小川市議会議長が,古墳を守り伝えてきた地域の方々への感謝を伝えられました。
関係者によるテープカットで整備の完成を祝った後,ベンチを2基を寄附いただいた駅家西学区まちづくり推進委員会に,感謝状の授与を行いました。
また,駅家西小学校の6年生が総合的な学習の時間の学習成果を発表し,二子塚古墳を地域の宝として守り伝えていくと,誓いを新たにしました。
市長式辞
テープカット
駅家西小学校6年生による発表
整備完成式の後には,駅家西小学校の6年生による二子塚古墳の見学・案内が行われ,この日訪れた来場者約80人が,子どもたちの工夫をこらした解説に聞き入っていました。
駅家西小学校児童による解説
今後も学校等の郷土学習,市民と協働したイベント等を通じて,学習・憩い・活動の場として大いに活用されるよう期待されます。
【二子塚古墳とは】
市内に6か所ある国史跡の一つで,古墳時代後期では県内最大級の墳丘規模を持つ前方後円墳です。備後地域では珍しく畿内※の古墳で多く用いられる竜山石製の石棺が発見され,畿内政権との強い関係性が窺えるなど,当時の社会を考えるうえで重要な史跡です。
※畿内・・・古墳時代の中央政権があった奈良県や大阪府を中心とした近畿地方のことを指します
発掘調査時の後円部石室
復元した石棺
出土遺物