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平成24年12月定例市議会 市長説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年2月26日更新
 本日は,12月定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御多用の中を御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 今回提出いたしております2012年度(平成24年度)補正予算案を始め,関係諸議案の御審議をお願いするに当たり,当面する市政の状況と議案の大要について御説明を申し上げます。
 初めに,一昨日,山梨県大月市と甲州市にまたがる中央自動車道の笹子トンネルで死亡者を出す天井板崩落事故が発生いたしました。お亡くなりになられた方々に対し,心から哀悼の意を表します。このたびの事故を受け,国土交通省から笹子トンネルと同じ構造のトンネルを緊急点検するよう指示がありました。本市には,該当するトンネルはありませんが,市民の皆様の安心・安全のため,今後とも,道路,橋りょうなどについて適切な維持管理を行って参ります。
 次に,競馬事業についてであります。これまで「実質単年度収支の確保」ができるかどうか,「今年度の収支見込み」と「次年度の予算編成の可否」の両面においてぎりぎりまで検討して参りましたが,「今年度収支では,黒字を確保することは極めて困難である」「次年度において,収支均衡の予算を組むことは困難である」という結論を出さざるを得なくなり,「本市競馬事業につきましては,本年度末をもって廃止する」という判断に至りました。
 福山市営競馬は1949年(昭和24年)9月18日に戦災復興と新制中学校整備を目的として開設され,以来,63年の長きにわたり,福山のみならず全国のファンに愛され,親しまれて参りました。今日までの利益配分は411億円にのぼり,戦後復興はもとより,都市規模拡大期における小・中学校建設や,その後のスポーツ・文化施設建設など,都市基盤整備の財源として活用され,市民生活と市民福祉の向上に大きな貢献を果たして参りました。しかしながら,レジャーや趣味の多様化,バブル景気崩壊後の景気低迷の影響などにより,1992年度(平成4年度)以降,発売収入は減少し続け,1999年度(平成11年度)には,8億円を超える多額の赤字を計上し,毎年度,繰上充用の予算対応を余儀なくされております。2005年度(平成17年度)には,4割を超える賞典奨励費の削減と共に,庁内に競馬振興プロジェクトを組織する中で,「単年度の収支均衡・黒字確保が事業継続の条件」との方針を明示し,全庁体制での経営健全化へ向けた取組に着手いたしました。しかしながら,競馬会計の抜本的な収支改善にはつながらず,2010年(平成22年)2月「福山市営競馬検討委員会」を設置し,同年9月に答申を提出いただいたというのが,これまでの経過であります。
 競馬事業は,競馬関係者や競馬ファンはもとより多くの市民の皆様の御尽力・御支援があったからこそ,今日まで事業を継続することができたものと考えております。これまでの本市財政への多大なる貢献,雇用の場としての地域経済への貢献,馬事文化の継承や健全なレジャーとしての娯楽の提供など,裾野の広い競馬事業の役割や,競馬関係者のお気持ちを斟酌したとき,できることなら,なんとかして継続したいと,ぎりぎりまでその手法を模索して参りましたが,残念ながら「事業継続は困難」との判断を下さざるを得なくなりました。事業継続を願ってこられた競馬関係者や競馬ファンの皆様の心中をお察しいたしますと断腸の思いでありますが,これ以上赤字を増やし,将来世代へ負担を先送りすることは,市政全体へ悪影響を及ぼすものであります。また,地方競馬を始めとする全国的な公営競技を取り巻く経営環境の厳しさや,老朽化した施設・設備の現状なども勘案する中,総合的な視点から,この先の展望を見出すことはできないと判断し,競馬事業の廃止を決断したものであります。
 昨今の経営環境が厳しい中においても,これまで主催者と労苦を共にし,懸命に頑張っていただいた競馬関係者の皆様と,事業運営を支えていただいた多くの市民の皆様には,感謝の念で一杯であります。心から御礼を申し上げると共に,最後の最後まで「福山けいば」に御支援と御協力を賜りますよう,重ねてお願い申し上げます。
 なお,答申にもありますが,廃止に伴う競馬関係者への生活支援や再就職支援につきましては,先月30日に「福山市営競馬連絡調整会議」を立ち上げ,全庁をあげて取り組むことといたしております。市民理解も得る中,先行事例なども参考に,きめ細やかな配慮と適切な対応ができるよう全力で取り組んで参る所存であります。
 次に,福山駅周辺の中心市街地活性化についてであります。今月1日から「灯り」をテーマにした「LUXEATER(ルクシアタ)ふくやま2012」が開催されています。新たな冬のイベントとなるよう,盛り上げて参りたいと考えております。また,15日には,「福山未来づくりワークショップ」で提案された中心市街地の賑わい創出を図る社会実験が駅前の商店街などで行われます。活性化に向けた市民主体の新たな取組として期待いたしております。福山ロッツにつきましては,現在,市民懇談会の意見を聴く中で施設の一部を公共施設として活用することについて検討いたしております。本日から「福山ロッツ」にかわる新たな名称の公募を開始いたしており,来月には,本市では初めてとなる命名権の募集も行います。引き続き,備後都市圏の玄関口にふさわしい魅力とにぎわいのある中心市街地となるよう取り組んで参ります。
 次に,井笠鉄道株式会社のバス事業終了への対応についてであります。先月,暫定運行を行っている17路線のうち,共同運行を行っている路線を除く12路線で利用実態調査を行いました。今月上旬を目途に調査結果を取りまとめているところであります。また,バス利用者以外のニーズを把握するため,沿線学区の住民との意見交換会やアンケート調査にも取り組んでいるところであります。今後は,福山市生活バス交通利用促進計画推進委員会において,これらの結果を踏まえ,4月以降のバス運行のあり方について検討して参りたいと考えております。
 次に,市制施行100周年に向けた取組についてであります。100周年を迎える喜びを市民の皆様と共有し,将来に夢と希望のもてる年となるよう,多くの方々の御意見をお伺いする場として「福山市市制施行100周年記念事業推進懇話会」を設け,記念事業について検討することといたしております。現在,公募委員の選考を行ったところであり,今月下旬には第1回目を開催いたしたいと考えております。懇話会で出された御意見を基に記念事業に関する基本方針案を策定し,市民の皆様や市議会の御意見を伺って参ります。
 次に,温暖化対策事業についてであります。今月2日,県と連携して県内の小中学生を対象に次世代エネルギーパークにおいて,再生可能エネルギー学習会とメガソーラーを巡るバスツアーを実施いたしました。今後も,体験型の環境学習の場として積極的に活用して参ります。自転車利用の促進につきましては,自転車と歩行者がより安心・安全に通行することができるよう,市道福山駅箕島線の一部に本市で初めて車道に青色の自転車通行ゾーンを設け,年内に供用開始する予定であります。ハード整備と併せ,交通ルールの遵守などについても周知啓発に努め,より一層の利用促進に取り組んで参りたいと考えております。
 次に,公共施設サービスの再構築についてであります。本市には,高度経済成長期に建設された施設や合併により引き継いだ施設など多くの公共施設があり,今後,その施設の多くが更新時期を迎えます。人口減少社会の到来や厳しい財政状況,市民ニーズの変化を考えたとき,将来にわたって公共施設サービスを適切に提供し続けるためには,再構築は避けては通れないものと受け止めております。このため,時代の変化やそれに伴い多様化する市民ニーズなどに対応できるよう,公共施設全体のあり方について検討していかなければならないと考えております。このたび,「保有総量の縮小」「効率的・効果的な活用」「計画的保全・長寿命化」を柱とする「福山市公共施設サービス再構築基本方針」素案を作成いたしました。今年度中の基本方針の策定に向け,今月から,パブリックコメントを実施することといたしております。今後は,この方針の下,全庁をあげて取り組んで参る考えであります。
 次に,我が国の社会経済情勢についてであります。国の11月の月例経済報告では,景気の基調判断が4か月連続で下方修正されるなど,厳しい状況が続いております。本市におきましても,企業の景況感の先行き見通しは厳しさを増しております。こうした中,今月16日には衆議院議員総選挙が実施されますが,経済の活性化や社会保障,財政健全化,地方分権などの分野において政策論争を戦わす中で,国民の政治不信の解消につながるものとなることを期待いたしております。新政権発足後には,安定した政権運営に努められるとともに,スピード感をもって本格的な景気対策や震災復興など国民生活に安心感を与える施策に取り組まれるよう,念願いたしております。
 厳しい経済情勢を背景に,本市の新年度の財政見通しは,歳入では,市税が減少するほか,地方交付税も合併算定替の縮減などから減少するものと見込んでおります。歳出では,扶助費や保険会計への繰出金などの社会保障関係費や公債費の増加を見込んでおり,財政環境は一層厳しさを増すものと受け止めております。本市が将来にわたって発展し続けることができるよう,協働の取組を基底に据え,市民の皆様が豊かさを感じ,生きがいをもって活動できる「新たな仕組みづくり」と「人づくり」に取り組んで参ります。
 次に,今回の補正予算について御説明を申し上げます。このたびは,一般会計ほか3会計の補正をお願いいたしております。
 市民生活の安心・安全の実現に向け,小学校10校の屋内運動場の耐震補強設計や介護事業所が実施する設備整備への補助を行います。また,医療体制の充実を図るため,新年度開設予定の福山夜間成人診療所の運営に係る指定管理料について所要の措置を講じております。芸術文化の振興といたしましては,ふくやま芸術文化ホール大ホールの舞台音響設備の老朽化に伴う改修工事を実施いたします。制度上補正を必要とするものといたしましては,障害福祉サービス事業費や児童扶養手当等について,利用件数や給付件数の増加などに対応するため,所要額を計上いたしております。財政調整基金につきましては,条例に基づき前年度決算剰余金の2分の1相当額を積み立てることといたしております。
 商業施設特別会計では,中心市街地の活性化として,福山ロッツのリニューアルオープンに向け債務負担行為を設定し,ビルの改修工事に取り組んで参ります。国民健康保険特別会計では,健全な運営に向け,前年度決算剰余金の一部を財政調整基金に積み立てるほか,国庫負担金等の精算による返還金などについて所要の措置を講じております。
 以上の結果,今回の補正予算額は,一般会計で30億1,089万5千円の追加となり,4会計の補正予算額は43億9,805万1千円の追加となりました。
 予算以外の議案といたしましては,食肉センターについて,検討委員会の答申を踏まえ,指定管理者制度へ移行し経営改善を図るため,「福山市食肉センター条例の一部改正について」を提出いたしております。このほか,「福山市防災会議条例及び福山市災害対策本部条例の一部改正について」など条例案7件を,その他の議案といたしましては,「(仮称)新浜中継施設建設工事請負契約締結について」など15件を提出いたしております。
 以上が,今回提出いたしております議案の概要であります。何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。

本文は,口述筆記ではありませんので,表現その他に若干の変更があることがあります。