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平成21年第2回定例市議会市長総体説明

印刷用ページを表示する 掲載日:2009年2月26日更新
 本日は,2009年(平成21年)第2回定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御多用の中を御参集いただきまして,誠にありがとうございます。
今回提出いたしております2008年度(平成20年度)補正予算案や2009年度(平成21年度)当初予算案を始め,関係諸議案の御審議をお願いするに当たり,新年度における市政運営の基本方針と予算案の大要について御説明申し上げます。
初めに,我が国の経済情勢についてであります。内閣府が発表した10月から12月期の国内総生産速報値は,実質で前期比3.3%減,年率換算で12.7%減となりました。3四半期連続の減少で,戦後2番目の大幅な減少となり,景気は一段と冷え込んでおります。雇用情勢につきましても昨年12月の完全失業率は前月より0.5ポイント悪化し4.4%と2か月連続で上昇し,その悪化幅は過去最大と並び,非常に厳しい状況にあります。本市におきましても,福山商工会議所の1月の景気観測では,景気局面を把握する経済指標であるDIが,1998年(平成10年)の調査開始以来,最も悪化を示す結果となった昨年12月から,更に4.0ポイント下降するという,2か月連続で最悪の状況を示す結果となりました。市内企業を取り巻く経営環境も,依然として非常に深刻な状況にあるものと受け止めております。私は,企業の元気はまちの持つ魅力を高め,活力の創造につながるものと考えており,地域経済の活性化と雇用の創出は,重大かつ喫緊の課題であります。今後,国において国民が期待の持てる景気対策が展開されることを念願するとともに,本市におきましても,市独自の施策はもちろん,国や県の経済対策とも呼応した施策を,引き続きスピード感を持って効果的に実施して参る考えであります。
まず,補正予算についてであります。先月27日に定額給付金や子育て応援特別手当の交付事業などを内容とする国の第2次補正予算が成立したことに伴い,一刻も早い御可決をいただきたいと考えておりましたところ,新年度当初予算に先駆け御審議を議会として御配慮いただきましたことを改めて厚くお礼を申し上げます。
それでは,2008年度(平成20年度)補正予算案について御説明を申し上げます。市独自の経済・雇用対策を早急に実施すべく,去る1月の臨時市議会において補正予算案を提案し,御可決いただいたところであります。現在,本庁舎1階に緊急雇用相談窓口を設け,雇用相談や生活相談などを行うとともに,離職を余儀なくされた方を臨時職員として雇用するなど,雇用の促進に寄与すべく,迅速かつ効果的な対応に鋭意努めているところであります。こうした中,国の第2次補正予算が成立いたしました。これを受けて,必要な予算措置を行うため一般会計及び下水道事業特別会計の補正をお願いするものであります。
 一般会計につきましては,地域活性化・生活対策臨時交付金事業に伴うものについて,特に環境や安心・安全にかかわる施策に重点を置いて措置いたしました。市民センターや福山クリーンセンター,生涯学習プラザなど公共施設への太陽光発電設備の整備・拡充を図るとともに,福山駅箕島線について福山駅前南交差点から福山港洗谷線交差点までの間へ発光ダイオード・LEDの道路照明を整備することといたしております。また,小中学校校舎の耐震化を進めるとともに,川北排水機場の排水施設整備事業に対する補助や道路・水路の維持補修を行うほか,新型インフルエンザ対策としてマスクやゴーグルなど個人防護具の備蓄や市民啓発用チラシの作成などにも取り組みます。2010年(平成22年)放映予定のNHK大河ドラマ「龍馬伝」に先駆けて市営渡船を更新し,新たに(仮称)平成いろは丸を建造することといたしております。定額給付金や子育て応援特別手当の交付事業につきましても,速やかな支給に向けて必要な措置を講じております。定額給付金につきましては,今月18日に福山市定額給付金実施本部を設置いたしたところであり,国の関連法案成立後,できるだけ早期に支給開始できるよう,全庁的なプロジェクト体制で準備を進めていくことといたしております。今後,子育て応援特別手当も含め,広報などを通じて十分な情報提供を行うなど,円滑な支給ができるよう取り組んで参りますので,市民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。東桜町地区市街地再開発事業につきましても,国の緊急支援策を活用し,引き続き,計画どおりの完成に向けて取り組んで参ります。下水道事業特別会計につきましては,松永地域の浸水対策を積極的に推進するため,必要な措置を講じております。
 以上の結果,今回の補正予算額は,一般会計で85億436万3千円の追加となり,2会計の補正予算額は86億436万3千円の追加となりました。
さて,現下の経済危機に対応するため,国においては,2008年度(平成20年度)の第1次補正予算や第2次補正予算に続いて第3段となる2009年度(平成21年度)予算案を切れ目なく実施していく方針が示されました。本市におきましても,緊急経済・雇用対策として,1月補正予算やこのたび提案いたしております補正予算,そして新年度予算を連動させて切れ目のない予算執行を行うことにより,安心・安全な市民生活の確保はもちろんのこと,企業活動の下支えに資する施策を積極的に展開して参る考えであります。新年度予算における緊急対策といたしましては,離職を余儀なくされた方を対象に臨時職員として雇用するとともに,再就職支援のためのOA講座の開催や枯損木処理の委託事業を行うなど,国の第2次補正予算にかかわる緊急雇用創出事業として約1億5,000万円を措置いたしたところであります。また,独自施策として,経営に深刻な影響を受けている中小企業に対し,資金繰りを円滑化させるために必要な資金を供給する経営環境変化対応特別融資資金も8億円を計上いたしております。深刻な経済情勢の下,緊急経済・雇用対策に係る一連の予算を実効あるものにすべく取り組んで参る考えであります。
新年度は,これまでまいてきた種が5年後,10年後に大輪の花を咲かせるために,しっかりと大地に根を張る基盤づくりの時期であると考えております。厳しい財政環境にはありますが,引き続き,7つのキーワードに基づく重点政策枠を設け施策の選択と重点化を図る中で,持続的な発展性のあるまちづくりや,地方主権による地方自治の確立に向けて着実に取り組んで参る考えであります。特に,これまで取り組んできた市民の皆様との協働によるまちづくりを基底に据え,「温暖化対策事業」や「地産地消推進運動」「『福山らしさ』創出事業~龍馬と鞆の浦の魅力を追い求めて~」を「福山発!地方主権」の施策として全国へ発信するとともに,将来都市像である「にぎわい しあわせ あふれる躍動都市 ~ばらのまち 福山~」の実現に向けて,より市民満足度の高い行政運営に取り組んで参る考えであります。
まず,新年度において特に精力的に取り組む「福山発!地方主権」の施策について御説明を申し上げます。
1つ目の事業は,「温暖化対策事業」であります。
今,地球温暖化問題は,集中豪雨などの異常気象に代表されるように,待ったなしの状況にあります。これまでも本市では,エコでえ~ことキャンペーンやふくやまエコファミリー認定制度など,市民の皆様の御協力を得る中で取り組み,一定の成果を上げることができました。新年度では,こうした取組を「協働」をベースに,「家庭・地域・学校」や「事業者」「行政」それぞれの役割を明確にする中で,関連事業との連携も図りながら体系的に取り組んで参りたいと考えております。身近な取組を実践することで削減できる二酸化炭素の量を積み上げて,具体的な削減目標を設定し取り組んでいくことといたしております。この取組を「スクラムふくやま☆エコトライ」と命名し,市民や事業者,行政がスクラムを組んで,自転車利用や太陽光発電システム設置の推進,公共交通の利用促進やレジ袋削減運動,「エコスクール」やふくやまエコ企業認定制度,環境緑化事業などに取り組み,1年間で二酸化炭素1万4,600トンの削減という目標に向かってトライいたします。
2つ目の事業は,「地産地消推進運動」であります。
現在,国においては食料自給率の向上に向けた取組が始められておりますが,本市におきましても,食の安心・安全という観点から市内の食料自給率を高めることは非常に大きな課題であると受け止めております。そこで新年度では,市内の自給率を高めるための第一歩として,地産地消推進運動に取り組んでいくことといたしました。市民の皆様に新鮮で安心・安全な農産物を供給するため,市内の園芸産地・農村地域の活性化や耕作放棄地の再生に努めるとともに,ふくやまブランド農産物「ふくやまSUN」の育成を図るなど市内産の農林水産物の生産拡大に取り組みます。
また,学校給食への市内産農林水産物の利用拡大を図るため,関係者によるネットワークづくりなど,体制整備について検討を進めて参ります。ふくやまSUNや地産地消についての啓発,産直市の設置数の拡大など関係機関と連携し,食育の推進と併せて消費拡大にも取り組みます。なお,耕作放棄地につきましては,将来にわたり農地として定着するよう,モデル地区を指定し,地域やNPOなどによる耕作放棄地の再生・活用事業を支援して参ります。
3つ目の事業は,「『福山らしさ』創出事業~龍馬と鞆の浦の魅力を追い求めて~」であります。
2010年(平成22年)のNHK大河ドラマで坂本龍馬の生涯を描く「龍馬伝」が放映されることとなっております。多くの方々から注目を浴びるこの機会に,「いろは丸事件」の舞台となった「鞆の浦」を全国へ発信することにより,本市の都市イメージの向上と観光客の増加につなげて参る考えであります。プレ企画として,ホームページを開設して龍馬と鞆についての情報発信を行うとともに,龍馬ゆかりの地である高知市や長崎市との都市間連携によるイベントも実施して参りたいと考えております。高知競馬場と連携し,龍馬を冠に据えた交流レースも実施する予定といたしており,多くの皆様に福山競馬場へお出でいただき,楽しんでいただきたいと考えております。先程も補正予算として御説明いたしましたが,市営渡船を更新し,新たに(仮称)平成いろは丸も建造することといたしております。「龍馬伝」が放映される来年には,福山市の全国的知名度が更に向上するよう積極的に取り組んで参ります。
私は,先行きが非常に不透明な社会経済状況の中にあっても,市民生活の安心と住民の幸福感の達成を最優先に考えることが,市政に対する参加意欲の向上につながることであり,最も大切なことであると考えております。このため,2009年度(平成21年度)においては,「安心・安全なまちづくり」や「住民自治」「福山のブランドづくり」などの実現に向かって取り組む事業に特に意を用いる中で,66事業,約100億円の財源の重点配分を行ったところであります。こうした施策を中心に,新年度予算案を編成したところであり,その大要について御説明を申し上げます。
 歳入につきましては,市税は,景気の後退により企業収益が悪化したことなどから法人市民税が大幅に減少するとともに,評価替えの影響などにより固定資産税も減少するなど市税全体では5.1%と,かつてない大幅な減少を見込んでおります。地方交付税につきましては,制度的な増加や地方の厳しい財政状況に配慮した「生活防衛のための緊急対策」に基づく増額などにより26.5%と大幅な増となりますが,主要な一般財源は前年度を下回るものと見込んでおります。財源対策として財政調整基金からの繰入金での補てんを余儀なくされるなど,歳入面における財政状況は非常に厳しい状況にあります。
歳出につきましては,人件費は職員定数の減などから1.4%の減となりましたが,扶助費や公債費が増加したことから義務的経費全体では3.8%の増となりました。投資的経費では,四年制大学の校舎建設に工事着手するとともに東桜町地区市街地再開発事業の完成に向けて,引き続き積極的な支援を行っていくことなどから8.2%の増となりましたが,大規模事業基金の活用など有効な財源活用に努めたところであります。なお,四年制大学の整備につきましては,引き続き,基金の有効活用を図る中で今後の財政運営に大きな影響が出ないよう取り組んで参る考えであります。財政の健全化に向けては,公債費負担の軽減対策として高利率の公的資金を繰上償還し,低利率の市債への借換えを積極的に行ったところであります。この結果,新年度の予算規模は,一般会計では前年度当初予算と比べ1.9%の増となりました。
 次に,新年度の主要な施策につきまして,第四次福山市総合計画に掲げるまちづくりの基本目標に沿って,重点政策を中心に御説明申し上げます。
 基本目標の第1は,「だれもが安心して安全で快適に暮らせるまち(安心・安全・環境)」であります。
 本市では,人権文化が根付いた地域社会の実現に向けて,平和行政の推進やユニバーサルデザインのまちづくりなど諸施策の推進に取り組んでいるところであります。防犯対策につきましては,生活安全モデル地域の指定や地域への防犯資器材の配布,子どもの安全確保のための防犯カメラシステム設置やこども110番事業の推進などにも引き続き取り組んで参ります。なお,地域での子どもの見守り活動は,全国に誇れる協働の取組であります。日ごろの取組に対し心から感謝いたしますとともに,引き続き,御協力をお願い申し上げます。災害に強いまちづくりのため,山陽自動車道に架かる跨道橋や小中学校の校舎・屋内運動場,上・下水道施設などの計画的な耐震化に努めます。また,災害時要援護者の避難支援体制の確立に向けた活動を推進・支援するとともに,消防・救急体制の充実に向けて,引き続き芦品消防署の改築工事にも取り組みます。市民の安全対策といたしましては,転落防止対策を必要とする緊急箇所について計画的に整備を行うとともに,ふた掛けや歩道の段差解消を行うなど安全性の高い歩道の整備にも取り組んで参りたいと考えております。また,多重債務や複雑化する相談内容に対応できるよう消費生活センターの相談体制の充実などに努めて参ります。このほか,水道未普及地域を解消するため,神辺町三谷地区への水道管布設にも取り組んで参る考えであります。
 良好で質の高い景観を形成するため,引き続き景観計画の策定に取り組んで参ります。深津市営住宅につきましては,今年度に整備計画を策定したところであり,新年度では解体工事などに着手することといたしております。また,低床バスやICバスカード導入に対する助成を行うなど生活バス交通の利用促進にも努めて参ります。
地球環境の保全では,京都議定書にある温室効果ガス排出量の6%削減の達成に向け,市域全体における温室効果ガスを削減するため「福山市地球温暖化対策実行計画(地域推進計画)」の策定に向けて取り組んで参ります。また,太陽光発電システムの設置を推進するため,設置者への補助を行うとともに,新たに,一定区域でおおむね5戸以上がまとまって申請する場合には,その地区をモデル地区に認定し補助を行って参りたいと考えております。設置費用について無利子融資制度も新設し,融資機関に対し利子補給補助も行って参ります。河川などの浄化対策といたしましては,合併浄化槽の設置について補助額を見直すとともに,単独浄化槽から転換する場合には更に上乗せして補助する制度も新設し,浄化槽の設置を推進して参ります。市民の皆様方には,こういった制度を有効に活用していただきますようお願い申し上げます。また,バスでリサイクル施設などを見学し,ごみの分別など体験型の環境啓発を行う「エコ体験ツアー」を実施し,環境問題に対する市民意識の向上に努めて参ります。このほか,新たな汚泥再生処理施設の建設に向けて,旧箕沖清掃工場の解体などにも取り組みます。
第2は,「子どもが健やかに育ち,だれもが健康でいきいきと暮らせるまち(保健・福祉・医療)」であります。
これまで将来を担う子どもたちが,健やかに生まれ育つ環境づくりや,高齢者の方々が生きがいを持って暮らせるまちづくりに鋭意取り組んできたところであります。新年度では,幼児健康診査の健診回数を増やすなど,よりきめ細やかな健診が実施できるよう体制の充実に努めます。また,妊婦の健康管理の充実と経済的負担の軽減を図るため,妊婦健康診査の公費負担回数を5回から14回へ拡充するとともに診査内容の充実に取り組んで参ります。高齢者福祉につきましては,高齢者が積極的に地域活動や社会参加ができるよう,地域住民が主体となった外出支援活動を支援する高齢者おでかけ支援事業に取り組むとともに,敬老行事への参加率の向上に向けて,新たな支援策も実施して参りたいと考えております。障害者福祉につきましては,地域で安心して暮らせるよう地域活動支援センターへの助成を拡充するとともに,広島県東部地域障害者就業・生活支援センターのサテライト事務所を福山すこやかセンター内へ誘致し,障害者等総合相談事業の更なる充実に努めます。発達に課題があり支援を必要とする児童が増加傾向にある中,早期発見・早期療育を進めるため,療育センターの基本構想策定に取り組んで参る考えであります。また,生活習慣病対策として,チャレンジ「健康」運動に取り組み,その中で自転車を活用した健康づくりを推進して参りたいと考えております。このほか,在宅当番医制による小児科の診療体制の充実を図るなど地域医療体制の確保にも努めて参ります。
市民病院につきましては,救命救急やがん医療,高度先進医療を充実・強化するとともに,地域の医療機関との連携強化を図ります。また,病棟の増床も含め外来化学療法室や内視鏡室の整備に向けて取り組んで参ります。
なお,国民健康保険事業につきましては,我が国の国民皆保険体制の中で他の医療保険に属さない人を引き受ける仕組みとなっており,少子高齢社会の進展や経済動向の影響を直接的に受け,年々医療費の増加を招きその運営は厳しいものとなっております。そうした中にありましても,本市におきましては,一人当たりの医療費の増加の中で,被保険者の御理解と御協力をいただきながら2000年度(平成12年度)から,年次的に保険税の低減に努めてきたところであります。2008年度(平成20年度)の調査では,本市の保険税は,中核市の中で低位に位置しております。しかしながら,これらの影響もあって,更に新年度の医療費を推計する中で高齢化の進展や医療保険制度改正の影響などもあり,一人当たりの医療費が大幅に上昇するため,やむなく保険税を大幅に引き上げざるを得ない状況にあります。こうした状況の中で,基金からの充当に加えて,特別に一般会計から繰入れを行うなど,被保険者負担の軽減に努めて参りたいと考えております。さらに,現下の経済状況から失業,事業の休廃止また長期入院者への保険税の減免制度の拡充や新たに子育て世代への負担軽減も図って参ります。今後,更に収支の改善を図る中で,税率決定時に向け極力上昇幅の抑制に努めて参りたいと考えておりますので,市民の皆様の御理解をお願い申し上げます。
 第3は,「多様に学び,文化をはぐくむまち(教育・文化)」であります。
教育は,将来の福山市の発展を築く礎となるものであります。このため,すべての児童・生徒が自ら学び,考え,生涯にわたって学び続ける基礎となる確かな学力と豊かな心を培うため,少人数指導推進支援や特別支援教育体制の推進,中高一貫教育など学校教育環境の整備に努めます。これまでの取組により,学習意欲や基礎学力の向上などの成果が上がりつつあり,引き続き,一人一人に応じたきめ細やかな対応に努め,生きる力をはぐくむ学校教育の充実に取り組んで参る考えであります。また,小中学生を対象に本市の将来像や地域課題などについて意見を聴く子ども議会を開催し,青少年の市政やまちづくりへの参画を促進して参りたいと考えております。四年制大学の設置につきましては,2011年(平成23年)4月の開学を目指して,大学設置準備委員会において教育研究体制などについて検討しているところであります。9月ごろには,建設工事にも着手する予定といたしており,2009年度(平成21年度)末の大学設置認可申請に向けて鋭意取り組んで参ります。なお,校舎建設のための財源として,住民参加型の公募債の活用を考えており,来年3月ごろに5億円程度を発行する予定といたしております。四年制大学は,市民の皆様の財産であります。ともにつくり育てる大学を目指しておりますので,皆様の御協力をお願い申し上げます。
文化財の保護と活用を図るため,引き続き,二子塚古墳の保存・整備に向けて取り組むとともに,子どものころから優れた文化・芸術に親しむ機会を充実するため,美術館の特別展の観覧料などについて,高校生以下を対象に無料化を実施して参りたいと考えております。また,冬のレクリエーション活動の場を提供するため,メモリアルパーク内のアイススケート場の再開に向けて整備に取り組んで参ります。
 第4は,「産業の力みなぎる活力とにぎわいのあるまち(活力・交流)」であります。
地域が活力を持ち,将来にわたり豊かであるためには地元企業の基盤強化やものづくり技術の伝承などへの支援が必要であると考えております。このため,今年度内に策定する福山市産業振興ビジョンに沿ってものづくり等人材育成や企業間連携,産学官連携などを促進し,地域産業の振興に努めて参ります。
鞆地区道路港湾整備事業は,鞆のまちづくりのためには欠くことのできない重要な事業であります。一日も早く認可が得られるよう,県とも十分連携しながら国に粘り強く説明し,事業の実現・推進に向けて鋭意取り組んで参ります。
鞆の埋立架橋計画は,鞆のまちづくりや再生・活性化に向けてのプロローグであり,現在ある鞆の歴史・文化を子や孫に継承するためにも重要な事業であります。鞆の住民の皆様とともに策定した「鞆地区まちづくりマスタープラン」を基に,まちづくりを計画的かつ総合的に推進していく必要があり,新年度からはまちづくりの整備方針やその促進に係る総合調整,情報発信などが行えるよう組織体制を整備することといたしております。いずれにいたしましても,鞆町住民の大多数の方々が待ち望んでおられる鞆地区道路港湾整備事業が早期に着手でき,町並み保存など伝統文化や歴史的資産を活用した総合的なまちづくりを進めることで,鞆地区の再生・活性化を図って参りたいと考えております。
福山駅前広場整備事業につきましては,多くの市民や専門家の皆様方の御意見を伺う中で,昨年12月にお示しをいたしました基本計画に基づき,実施設計に取り組んできたところであります。今後,国や県,交通事業者など関係機関と協議しながら,交通結節点としての機能や安全性・利便性を備えた駅前広場となるよう一日も早い完成を目指して取り組んで参ります。市街地再開発事業では,東桜町地区について,住宅床を取得する特定事業参加者が民事再生の申し立てを行いましたが,施行者は事業を進めていくことを表明されており,再開発ビルの完成に向けて工事が進められております。今後,再生計画などについて十分注視する必要はありますが,計画どおりの完成に向けて引き続き支援して参る考えであります。伏見町地区につきましては,現在,準備組合において新たな企業を含めた事業パートナーの補強に努めていると伺っております。準備組合の動向を見ながら状況に応じた支援を行って参ります。地域経済の発展に向けて,福山港箕沖地区の国際コンテナターミナル第2バースの整備も引き続き推進して参りたいと考えております。
今年は,浦項市との親善友好都市提携30周年を迎えます。記念式典の実施を始め,市民レベルでのスポーツ・文化交流事業などを予定いたしており,こうした行事を通して異文化に対する理解を促進し,国際交流を進めて参りたいと考えております。
本市の都市ブランドの創出と発信のため,福山城や文化ゾーンと一体となった福寿会館の利活用を促進し,その良さを多くの方々に知っていただくことにより,都市イメージの向上につなげて参る考えであります。折しも,ばら祭を行う5月には,将棋名人戦の第3局が開催される予定となっております。福寿会館とばらのまち福山の魅力を,市内外に積極的にアピールして参ります。また,ばらのまちふくやまミステリー文学新人賞につきましては,本市のブランド力アップにつながる取組であり,引き続き実施して参る考えであります。3月末には第1作目が全国の書店に並ぶ予定となっており,多くの皆様にお読みいただきたいと考えております。
第5は,「市民とともにつくる自立したまち(協働・行革)」であります。
これからのまちづくりには,市民と行政とが良きパートナーとして連携し,それぞれの役割を果たす中で,市民満足度の高いまちづくりに取り組んでいくことが重要であります。新年度においては,こうした取組を更に推進するため,市民一人一人が地域活動やボランティア活動への参加を通じて,地域や市政に対する理解や関心を高められるよう地域ポイント制度を創設することといたしております。より多くの皆様がまちづくりの主役となるよう,制度スタートの第一歩として,市内の児童や生徒,その家族を対象に実施して参りたいと考えております。また,これまでも新築住宅へのばら苗配布などに取り組んで参りましたが,市民総参加による100万本のばらのまちづくりを更に積極的に推進するため,公募市民も含む(仮称)ばら市民会議を設置し,「ばらのアクションプラン」も策定することといたしております。
行財政改革についてでありますが,現在,景気は一段と悪化いたしており,本市におきましても非常に厳しい行財政運営を強いられるものと考えております。一方で,財政需要は年々増加いたしており,満足度の高い市政運営を行うためには,知恵を絞り工夫をしながら効率的・効果的な行政を推進し,質の高い市民サービスの提供に取り組んでいかなければなりません。引き続き,第三次福山市行財政改革大綱や集中改革プランに基づき,既存の施策の見直しによる持続可能な新たな施策の構築や,中長期的な視点に立った健全な財政運営など,より一層行財政改革を進めます。そして,それらにより生み出された財源を,これまでと同様に市民サービスの向上につながる事業に弾力的に振り替えて参ります。なお,拠点支所の市民課窓口を中心に,市民の皆様に優しく分かりやすい窓口となるよう手続の流れをスムーズにするなど,窓口サービスの向上に向けて取り組んで参りたいと考えております。
 次に,競馬事業についてであります。これまで黒字の確保,収支均衡を基本に経営改善に取り組んで参りましたが,2008年度(平成20年度)第3四半期の収支は,急激な景気悪化の影響などから約3,900万円の赤字となり,年間収支の見通しも非常に厳しい状況にあります。このため,引き続き魅力あるレースの実施などによる売得金の確保に取り組むとともに,新年度におきましては,福山地方競馬健全化対策推進委員会の意見具申を踏まえ,基金を活用した馬資源の確保や60周年記念特別レースの実施などに取り組むとともに,経費の見直しや節減にも努める中で単年度収支の確保に向けて,競馬関係者と一丸となって不退転の決意で取り組んで参る考えであります。
 以上,重点政策を中心に,新年度予算案とその大要について申し上げました。
現在,社会経済情勢の先行きに一段と不透明感が増しております。市民の皆様には非常に厳しい不安な状況にあるものと受け止めております。私は,市民一人一人を大切にする,持続可能で落ち着きのある市民生活を構築していかなければならないと考えております。新年度は,そのための第一歩を踏み出す年にして参る考えであります。額に汗して働く人たちが報われるよう,今こそが福山市としての総合力を高め,その真価を発揮する大切な時期であると考えております。そのため,職員の英知を結集し,皆様が将来にわたって希望が持てるよう全力を傾注して取り組んで参る覚悟であります。議員各位を始め市民の皆様の御理解と御協力をいただきますようお願いを申し上げます。
 予算以外の議案といたしましては,福山市事務分掌条例の一部改正についてなど条例案21件,その他の議案として,新たに生じた土地の確認及び字の区域の変更についてなど7件を提出いたしております。何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。

本文は,口述筆記ではありませんので,表現その他に若干の変更があることがあります。