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平成23年第2回福山市議会定例会 市長総体説明

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年2月26日更新
 本日は,2011年(平成23年)第2回定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御多用の中を御参集いただきまして,誠にありがとうございます。
今回提出いたしております2011年度(平成23年度)当初予算案を始め,関係諸議案の御審議をお願いするに当たり,新年度における市政運営の基本方針と予算案の大要について御説明申し上げます。
初めに,先月22日にニュージーランドで地震が発生し,日本人を含む多くの被災者を出す災害となりました。国内では,新燃岳の噴火も依然続いており,被害を受けられた方々に対し,心からお見舞いを申し上げるとともに,被災地の一日も早い復興をお祈りいたします。近年,自然災害による甚大な被害が多発しております。本市におきましても,市民の皆様の生命と財産を守る災害に強いまちづくりに引き続き取り組んで参ります。
次に,福山市立大学についてであります。先月25日に前期入学試験が実施され,全国から多くの方が受験されました。前期・後期合わせて12.1倍と非常に高い志願倍率となり,市立大学の特色と魅力が多くの受験生に支持されたものと大変嬉しく思っております。今後は,今月12日に後期試験を実施し,4月4日の入学式には希望に満ちた第1期生の皆様を真新しいキャンパスに万全の体制でお迎えできるよう,準備を整えて参ります。市立大学は,市民の皆様の財産であります。4月4日と5月14日には一般公開を予定いたしておりますので,是非,多くの方にお越しいただきたいと考えております。
さて,我が国の社会経済情勢についてであります。少子高齢化や人口減少社会の進行など社会構造は大きな転換期にあります。経済面においても,名目国内総生産が世界第2位から第3位になることが確実となりました。こうした中,景気は,「持ち直しに向けた動きがみられ,足踏み状態を脱しつつある」と上方修正されたものの,完全失業率は4.9%と高い水準で推移しており,依然として厳しい雇用情勢が続いております。本市におきましても,福山商工会議所の景気観測では,企業の景況感は,先行きの見通しにおいては回復の兆しが見受けられるものの,安定した回復基調とはなっていないものと受け止めております。本市を取り巻く行財政環境も,厳しい状況が続くものと考えております。私は,こうした社会の変化にも的確に対応し,財政規律を踏まえる中で,活力ある持続可能なまちづくりを進めることが,最大の市民サービスであると考えております。そのため,新年度においても,引き続き,重点政策枠を設け,46施策,約89億円に財源を重点的に配分したところであります。
まず,特に精力的に取り組む「福山発」の施策について御説明を申し上げます。
 「福山発」の施策は,市民の皆様との協働によるまちづくりを基底に据えて取り組んでおり,新年度で3年目を迎えます。二酸化炭素排出量の削減や公共施設へのばら花壇の整備,「少女たちの羅針盤」の映画化,学校給食における地場産農林水産物の使用拡大など,これまでまいてきた種が,花を咲かせ始めております。引き続き,更に内容を充実させ,取り組んで参りたいと考えております。
1つ目の「福山発」は,「温暖化対策事業(スクラムふくやま☆エコトライ)」であります。
これまでの取組により,2年間で約3万トンの二酸化炭素排出量が削減できる見込みであり,市民の皆様方の御協力の下,着実に成果をあげているものと受け止めております。新年度からは,現在策定中の「福山市地球温暖化対策実行計画」に基づき,2020年度(平成32年度)までに二酸化炭素排出量を40%削減することを目指して,再スタートいたします。エコドライブ普及事業など事業者向けの取組を充実させるとともに,壁面緑化の推進や箕島浄水場内への太陽光発電設備の整備などに取り組んで参ります。また,新年度からの3年間で,市内すべての防犯灯をLED灯に切り替えることにより,エネルギーの効率的な利用につなげて参りたいと考えております。今後とも,市民・事業者の皆様とスクラムを組んで温暖化対策に取り組んで参ります。
2つ目は,「ばらのまちづくり推進事業」であります。
100万本のばらのまちを推進するため,ばらのアクションプランに基づき,小学校など公共施設へのばら花壇の整備や地域における「ばらづくり」のリーダーの育成などに取り組んでいるところであります。新年度は,子どもの頃からばらに触れ合えるよう,小学1年生全員に入学記念として「ミニばらの苗」をプレゼントすることといたしており,1世帯でも多く,ばらのまちづくりに参加していただきたいと考えております。また,「ばら制定都市会議(ばらサミット)」を開催し,加盟都市との情報交換を行う中で,魅力あるばらのまちづくりに取り組んで参ります。さらに,本市を訪れた方が一目見て,「ばらのまち福山」をイメージできるよう,市の玄関口である福山駅前広場を整備するほか,福山市立大学にも,ばらを植栽するなど,引き続き,市民の皆様とともにばらのまちづくりを進めて参りたいと考えております。
3つ目は,「『福山らしさ』創出事業」であります。
昨年は,大河ドラマ「龍馬伝」の影響もあり,全国的に鞆の浦の知名度が向上したものと受け止めております。鞆が多くの観光客を継続的に呼び込める地となるよう,引き続き,様々な知恵を出して参りたいと考えております。映画「少女たちの羅針盤」につきましては,先月17日に,民間企業や地域の関係団体からなる福山上映実行委員会により,特別試写会が開催されました。見慣れたはずの福山の風景がスクリーンの中では新鮮に感じられ,楽しく鑑賞することができました。5月14日から全国で公開される予定となっており,多くの方に御覧いただけるよう,積極的な支援を行って参ります。食のブランド化につきましては,「福山食ブランド創出市民会議」において創り出された「福山ならでは」の一品を,市制施行95周年記念事業の一環として発表し,食を通じたまちの活性化につなげて参りたいと考えております。また,新年度から,新たに,福山にゆかりのある人物などをテーマとしたまんが本の制作に着手することといたしております。子どもたちがふるさと福山に,誇りと愛着を持つきっかけづくりになればと考えております。
4つ目は,「地産地消推進運動」であります。
今年度は,地産地消モデル地区の設定や福山市内産 産直市マップの作成,「地場産物100%給食の日」などに取り組んで参りました。普段の生活の中でも「地産地消」という言葉をよく聞くようになり,浸透しつつあるものと実感いたしております。4月からは新たに,毎月29日を「ふくやま地産地消の日」として定め,市民総ぐるみで推進して参る考えであります。学校給食につきましては,生産者から学校への直接納入を市内全域へ広げるとともに,郷土の食文化の伝承など食育とも連携した取組を展開して参ります。再生された耕作放棄地につきましては,農地としての利用を定着させるとともに,販路確保に努めて参ります。また,広域連携の視点を取り入れ近隣市町を含む情報交換の場を設け,地産地消を更に推進して参りたいと考えております。
次に,新年度予算案の概要についてであります。
歳入につきましては,市税は,企業収益の回復などによる法人市民税の増などから2.2%の増加となるものと見込んでおりますが,地方交付税は,市税の増加の影響などにより6.2%の減少となる見込みであります。また,市債は,臨時財政対策債が増加することなどから,4.2%の増となる見込みであります。臨時財政対策債は,本来,地方交付税として交付されるものが,国の財源不足等の要因から制度上,地方が借入金として対応するものであり,こうした要因で,市債が増加することには強い懸念を持っております。
歳出につきましては,計画的に進めております職員定数の適正化などにより,人件費は2%の減となったものの,子ども手当や生活保護費など扶助費が増加したことなどから義務的経費全体では,4.6%の増となりました。投資的経費では,福山市立大学の建設工事費の減や東桜町地区市街地再開発事業の完成など,これまで進めてきた主要な基盤施設の整備が概ね完了することから21.4%の減となりました。その他の経費といたしましては,福山市立大学の開学に伴う管理運営経費や子宮頸がんなどの予防接種に係る経費などを計上いたしております。
新年度は,引き続き,協働を市政運営の柱とするとともに,中長期的な視点から今後の新たな行政需要に柔軟に対応できるよう配慮した予算編成を行ったものであり,一般会計の予算規模は,1,685億6,300万円と,今年度当初予算と比べ5億9,200万円,0.3%の減少となりました。企業会計まで含めた全会計の合計では,特別会計における保険給付費の増や病院会計における市民病院の増床に向けた増築工事などから,3,129億6,868万5千円となり,今年度当初予算に比べて20億5,744万円,0.7%の増加となりました。
競馬事業につきましては,依然として厳しい状況に変わりありませんが,新年度では,賞典奨励費や管理・運営費などの経費縮減を図るとともに,収入面では,現状の売上状況や在籍頭数などを踏まえ,競馬関係者とも協議する中で,開催日数を今年度より11日増やして96日とし,発売収入の確保と振興策に取り組むことといたしております。新年度においては,実質単年度収支の確保に向け主催者と競馬関係者がこれまで以上に一丸となって事業運営に取り組んで参ります。引き続き,運営状況を注意深く見極めて参りたいと考えております。
次に,新年度の主要な施策について,第四次福山市総合計画に掲げるまちづくりの基本目標に沿って,重点政策を中心に御説明申し上げます。
基本目標の第1は,「だれもが安心して安全で快適に暮らせるまち(安心・安全・環境)」であります。
本市では,人が人として尊重され,だれもが暮らしやすさを実感できる社会の実現に向け,諸施策に取り組んでいるところであります。安心・安全で快適なまちづくりを更に進めるため,市民の皆様との協働により,防災体制の強化や環境にやさしいまちづくりに,より一層取り組んで参りたいと考えております。
新年度では,災害に強いまちづくりに向けて,小・中学校の校舎や屋内運動場,水道施設,下水道施設の計画的な耐震化に取り組むとともに,すべての橋りょうについて,2012年度(平成24年度)までに長寿命化修繕計画を策定し,予防的な修繕などに取り組んで参りたいと考えております。全国的に自然災害が多発する中,災害時要援護者に対する避難支援対策は重要な課題であります。引き続き,地域との協働により,避難支援体制の確立に努めて参ります。また,中心市街地を管轄する防災拠点として北消防署の改築にも着手いたします。
快適な暮らしを支える生活基盤の整備といたしましては,安心・安全な給水の確保のため,老朽化が著しい出原浄水場について,引き続き,計画的な施設の更新に取り組んで参ります。市民の安全対策として,歩行者や自転車利用者の安全確保のため,歩道整備に取り組むとともに,自転車が走行しやすい環境整備にも取り組むことといたしております。また,バス交通の利用促進として,市内を走行するバスの運行状況がリアルタイムで確認できるバス接近表示システムの導入を促進いたします。交通施設のバリアフリー化では,JR松永駅などへのエレベーター設置に取り組んで参ります。
環境にやさしいまちづくりといたしましては,河川等浄化対策として,浄化槽の設置を推進して参ります。旧来型の浄化槽から転換する場合には,市独自の助成制度も設けておりますので,市民の皆様方には制度を有効活用していただき,水環境の改善に御協力いただきますようお願いを申し上げます。このほか,し尿・浄化槽汚泥を安定かつ適正に処理するため,老朽化した処理場を集約して整備する(仮称)汚泥再生処理センターの本体工事に着手いたします。(仮称)福山市神辺斎場につきましては,10月の供用開始に向けて本体工事や火葬炉設備工事などに取り組むことといたしております。
第2は,「子どもが健やかに育ち,だれもが健康でいきいきと暮らせるまち(保健・福祉・医療)」であります。
将来を担う子どもたちの健やかな成長は,市民共通の願いであります。安心して子どもを生み育てられるよう,地域社会全体で子育てを支援していくとともに,住み慣れた地域で安心して暮らせるよう,地域で支えあう仕組みを構築して参りたいと考えております。
発達に課題のある児童が増加傾向にある中,県東部待望の(仮称)こども発達支援センターの整備に着手いたします。発達障がいに対応できる診療・相談・支援等の機能を併せ持つ総合的な専門機関として,2012年度(平成24年度)の供用開始を目指して取り組みます。より効果的な支援体制を構築するため,福山市立大学とも連携を図って参ります。深刻な社会問題となっている児童虐待防止対策につきましては,未然防止,早期発見・早期対応のため,担当部署の職員体制を強化することに加え,こども家庭センター,警察,自治会などの児童虐待防止等ネットワーク関係機関との連携強化を図り,地域社会全体で「かけがえのない命」を守り育てて参ります。
高齢者おでかけ支援事業については,モデル地域を更に増やし,外出の困難な高齢者が積極的に社会参加ができるよう,地域との協働により取り組んで参ります。地域医療体制の充実といたしましては,医師会と連携を図る中で,(仮称)救急支援診療所の新設に取り組み,夜間における一次救急患者の受入体制の充実を図ります。市民病院につきましては,急性期医療とがん診療を中心に高度で良質な医療を提供する病院として,病棟の増床や外来化学療法室,内視鏡室などの施設整備を実施し,地域の中核病院として機能の充実を図って参ります。
第3は,「多様に学び,文化をはぐくむまち(教育・文化)」であります。
本市が将来にわたって発展するためには,次世代の育成が大切であります。学校・家庭・地域社会が連携して,確かな学力と豊かな感性を身に付けた人材を育成して参りたいと考えております。
すべての児童生徒が一人一人の持てる力を高めることができるよう,引き続き,少人数指導や特別支援教育を推進して参ります。小・中学校の普通教室・特別支援教室などへ扇風機を設置し,夏における健康管理と学習環境の改善を図ります。退職教職員など地域の教育力を活用し,児童生徒へ学習の仕方を指導する「土曜チャレンジ教室」を開設し,学習意欲を高めるとともに,学力の向上を図ります。また,グローバル化が進む中,北京市との教育交流を実施し,生徒の国際感覚を養って参ります。子ども市政参画事業につきましては,子ども議会について,内容を充実させて開催するとともに,子どもたちの意見を市政に反映できるよう,仕組みづくりを研究して参ります。
また,鞆の優れた文化を次の世代に伝えていくため,引き続き,老朽化が著しい伝統的建造物の修理などへの支援を行うとともに,早期の重要伝統的建造物群保存地区の選定に向け,取り組んで参る考えであります。朝鮮通信使が鞆の浦の眺めを日東第一形勝とたたえてから今年で300年となることを記念し,日韓トップ棋士による囲碁対局などを開催することといたしております。国史跡である二子塚古墳につきましては,保存管理計画の策定に取り組みます。神辺町の葛原家住宅につきましては,計画的な保存修理に向け,既存の建物の調査などに取り組んで参ります。ふくやま美術館では,秋に,福山市名誉市民の松本卓臣様の茶道具のコレクションから樂黒茶碗など貴重な品々を,特別展「(仮称)秘蔵・茶の湯の美-松本コレクション-」として公開する予定といたしております。この機会に,是非,多くの方に御覧いただきたいと考えております。
第4は,「産業の力みなぎる活力とにぎわいのあるまち(活力・交流)」であります。
活力のある将来にわたって持続可能なまちを実現するためには,本市の持つ潜在能力や可能性を活かし,都市の魅力の創出や人・モノ・情報が行き交う交流拠点としての機能の強化が重要であると考えております。
福山駅周辺整備では,駅前広場整備について,地下送迎場は概ね工事が完了し,7月の供用開始に向けて取り組んでいるところであります。地上部につきましては,2011年度(平成23年度)中の完成を目指して,バス・タクシー乗降場の整備など,アクセス性を高める交通環境の改善・強化に取り組むことといたしております。市街地再開発事業では,伏見町地区について,再開発事業の基本方針の決定に向けて取り組まれると伺っております。引き続き,状況に応じた効果的な支援を行って参る考えであります。福山港につきましては,新年度から第2バースが供用開始され,物流拠点としての機能が高まります。今後,更に海外との貿易拠点港としての役割を果たすため,福山港・水島港の国際バルク戦略港湾の選定に向け,引き続き,県や商工会議所とともに国に対し強く要望して参りたいと考えております。
鞆のまちづくりに関わっては,現在,県主催の住民協議会での議論が続いております。先月27日には9回目となる協議会が開催され,埋立架橋事業への賛成派,反対派双方からまちづくりに対する意見発表が行われるなど,いよいよ最終局面を迎えていると認識しております。県知事が昨年1月11日に現地視察や双方からの意見を聴取されて以来,1年2か月が経過しようとしておりますが,この間,鞆のまちづくりの主体となるべき本市においては,焦燥感を抱きつつも,県の意向を尊重する中で議論の推移を注意深く見守って参りました。しかしながら,「待ったなし」の鞆の現状を見据えた時,一日も早く再生・活性化に向けた取組を進めなければなりません。県知事におかれては,鞆の現状や地元自治体の思いを汲み取っていただいて,住民協議会の取りまとめや控訴審の対応について,速やかに適切な判断を示されるべきものと考えております。
農業施策の推進といたしまして,イノシシなどの有害鳥獣による被害の拡大に対応するため,地域ぐるみで被害対策に取り組む団体への支援や専任の調査員による鳥獣被害の実態調査を実施するとともに,荒廃した里山の整備・保全にも取り組むことといたしております。
本市には,備後地域の中核都市として果たすべき役割があります。備後地域の一体的な発展が可能となるよう,広域的な課題について自治体間で連携して取り組んでいくことが必要であり,県境を越えた連携も含む近隣市町との広域連携に関する検討を行って参りたいと考えております。また,福山市立大学が本市のシンクタンクとしての役割を果たすとともに,知の拠点として人材育成などにも取り組めるよう,産学官連携のあり方について検討して参ります。さらに,企業などが求めている人材を育成するため,大学や産業支援機関と連携して人材育成ネットワークの構築に取り組みます。
また,厳しい経済情勢の中,市内企業の経営の安定化を図るため,引き続き,市独自の制度であります経営環境変化対応特別融資を今年度と同額の40億円確保し,緊急雇用創出事業・ふるさと雇用再生事業を今年度より約1億2,000万円増額するなど,経済・雇用対策に万全を期して参ります。
第5は,「市民とともにつくる自立したまち(協働・行革)」であります。
本市の「協働のまちづくり」は,今年度で5年目を迎えました。子どもの見守り活動や自主防災組織の立ち上げ,高齢者おでかけ支援事業など地域課題の解決に向け様々な取組が展開され,成果があがっているものと考えております。しかしながら,担い手不足や広く市民全体のものとなっていないといった課題もあります。引き続き,地域活動を担うリーダーの発掘や育成に取り組むとともに,これまでの成果や課題を踏まえ,市民がまちづくりの主役として活躍できる社会の実現を目指し,「(仮称)第二次福山市協働のまちづくり行動計画」を策定して参ります。
行財政改革につきましては,第4次行財政改革大綱に基づき,健全で持続可能な行財政基盤を確立するため,今後も,改革の歩みを緩めることなく,効率的・効果的な行政運営に努めて参ります。また,社会経済環境の変化や多種多様な市民ニーズに的確に対応できるよう,「福山市人材育成基本方針」に基づく計画的な人材育成に取り組んで参ります。
下水道事業につきましては,これまで地方公営企業法の適用に向け,他都市の実施状況の調査や資産整理などの準備を行ったところであります。経営の健全性を確保するとともに,組織の効率化や市民サービスの向上を図るため,2012年(平成24年)4月を目標に,地方公営企業法の全部適用と併せて水道局との組織統合に向け取り組んで参ります。
以上,重点政策や新規事業を中心に,新年度予算とその大要について申し上げました。
本市は今年,市制施行95周年を迎えます。この節目の年に,東桜町地区の市街地再開発事業が完成し,本日からホテル部分の営業が開始されます。4月1日にはアイネス福山全体のグランドオープンも予定されております。4月4日には福山市立大学が開学するとともに,7月には福山駅地下送迎場が供用開始される予定であります。備後の中核都市にふさわしい都市基盤が着実に整いつつあるものと受け止めております。今年度,本市は,持続可能なまちづくりに向け,「再(Re)」の取組に着手いたしました。この取組は,効率性や経費の削減,無駄の洗い出しなどを主眼とする従来の行財政改革や事業仕分けとは異なり,原点に返って,行政の役割をゼロベースで再検討し,「行政のあるべき姿,進むべき方向性やまちづくりの理念」を明らかにする中で,施策を再構築し,持続可能なまちづくりに向けて再出発していく取組であります。1年をかけて,行政の役割や行政運営のあり方を全庁で再検討し,基本となる考え方のまとめを中心に行いました。大学連携事業など一部については取組も始めたところであります。新年度におきましては,「再(Re)パート2」として,今年度整理した基本的な考えの下,個々の施策について再検討し,整理できたものから取り組んで参る考えであります。そして,「新生・福山市」をキーワードに市制施行100周年に向け,市民の皆様とともに協働のまちづくりを更に進め,「ふるさと福山」に誇りと愛着を持ち,「いつまでも住み続けたい」と思える未来志向のまちづくりを進めて参ります。
予算以外の議案といたしましては,福山市事務分掌条例の一部改正についてなど条例案13件,その他の議案として,中央雨水滞水池築造工事請負契約締結についてなど4件を提出いたしております。何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。
なお,給与訴訟につきまして,最高裁判所の決定がありましたので御報告いたします。給与訴訟につきましては,昨年7月の広島高等裁判所の判決について,審理が尽くされていないと考え,上告及び上告受理申立てを行っておりましたが,2月26日,最高裁判所から上告を棄却し,上告審として受理しない旨の決定を受け取りました。本市の主張が認められず,誠に残念であります。今後の対応につきましては,内部で十分検討して参ります。

本文は,口述筆記ではありませんので,表現その他に
若干の変更があることがあります。