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牛海綿状脳症(BSE)について

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年9月11日更新

1 牛海綿状脳症(BSE)とは・・・

●異常プリオンが中枢神経系に蓄積し,脳組織がスポンジ(海綿)状になる牛の病気です。
●異常プリオンとは,本来,動物の脳細胞内にある正常なプリオンタンパク質の構造が変化し,酵素などによっても分解されにくくなったものです。
●この病気が牛の間で広まったのは,BSE感染牛を原料とした肉骨粉を飼料として使ったことが原因と考えられています。
●1995年に,英国で変異型クロイツフェルト・ヤコブ病患者が初めて確認されました。この病気とBSEとの関連性が示唆されています。
●日本では,これまでに変異型クロイツフェルト・ヤコブ病患者が1人確認されていますが,英国滞在時に感染した可能性が有力と考えられています。
●この病気に関して,WHO専門家会議及び家畜衛生の国際機関である国際獣疫事務局によると,通常食されている食肉や牛乳・乳製品は食べても安全であるといわれています。

2 BSE対策の見直し

 2001年(平成13年)9月,国内において初めてBSEの発生が確認されました。同年10月,と畜場における牛の特定部位(異常プリオンたん白質が貯まる部位:頭部(舌・ほほ肉を除く),脊髄,回腸遠位部)の除去・焼却が法令上義務化されるとともに,BSE検査が全国一斉に開始されました。

 厚生労働省は,その後,国内外での知見の収集し,リスク評価機関である食品安全委員会に評価を依頼し,最新の知見に基づき,段階的に対策の見直しを行いました。

 2011年(平成23年)12月に「牛海綿状脳症(BSE)対策の見直しに係る食品健康影響評価」を食品安全委員会に諮問し,2012年(平成24年)10月及び2013年(平成25年)5月に受けた答申を踏まえ,2013年(平成25年)4月1日からBSE検査対象の月齢が,30か月齢超へ引き上げられ,7月1日からさらに48か月齢超へ引き上げられました。

 また,2015年(平成27年)12月に「牛海綿状脳症(BSE)対策の見直しに係る食品健康影響評価」を食品安全委員会に依頼し,2016年(平成28年)8月の答申を踏まえ,2017年(平成9年)4月1日からと畜場における健康牛のBSE検査が廃止(※24か月齢以上の牛のうち,生体検査において神経症状が疑われるもの及び全身症状を呈するものについては引き続きBSE検査を実施。)されることになりました。

 BSEの発生数が国内外で激減した現在も,肉骨粉をえさとして与えないことや異常プリオンたん白質が貯まる特定部位をと畜場で除去するなどの対策を継続しています。

3 福山市食肉センターでのBSE検査について

 2017年(平成29年)4月1日から,健康牛のBSE検査を廃止し,検査対象を24か月齢以上の牛のうち,生体検査において神経症状が疑われるもの及び全身症状を呈するものに見直します。

 食品安全委員会は,今回の見直しを行った場合のリスクの差は,あったとしても非常に小さく,人への健康影響は無視できると評価しています。

その主な理由は以下のとおりです。

・牛群のBSE感染状況,輸入規制,飼料規制,食肉処理工程での措置に加え,種間バリアの存在を踏まえると,SRM(脳,脊髄など)以外の牛肉等の摂取に由来するBSEプリオンによるvCJDを含む人のプリオン病発症の可能性は極めて低い。

4 福山市食肉センターでのBSE対策について

(1)BSEスクリーニング検査
 牛海綿状脳症(BSE)の疑いのある牛を,スクリーニング(選別)検査で判断します。
 牛から延髄(脳の一部)を採取し,検査材料にします。
 当検査所では「エライザ法」という検査方法で行っており,4~5時間程度で判定できます。
 スクリーニング検査で基準値以上の値を示した検体は,国の専門機関に送付してさらに精密な検査を行い,牛海綿状脳症(BSE)かどうかの最終判定がなされます。
「陰性」であることが確認されるまでは,この牛の枝肉・内臓等はすべて食肉センター内で保留されます。
「陽性」であることが確認された場合は,保留されていたこの牛の枝肉・内臓等はすべて焼却処分され,出荷されることはありません。

延髄採取部位
BSE検査に使用する延髄の写真です。

検査風景
BSE検査を行っている写真です。

(2)特定危険部位(SRM)の除去
 異常プリオンたん白質は,脳,脊髄,回腸などに蓄積し,特定危険部位(SRM)と呼ばれています。SRMの除去はヒトが変異型クロイツフェルト・ヤコブ病に感染するリスクを低減するために重要な対策です。
 と畜場では,ピッシング(牛をと畜する際,頭部からワイヤ状の器具を挿入して脳神経組織を破壊して反射運動を抑え,解体中の安全を確保する作業のこと。)の中止,背割り前に吸引機による脊髄の吸引除去,背割り後に枝肉を高圧水により洗浄,枝肉洗浄後に脊髄片の付着がないことを確認する等解体の工程中に食用となる部分をSRMで汚染しないように指導したり,確実な除去の確認をしています。


BSEと診断された場合,牛の肉や内臓等は焼却処分を行います。
市場等に流通することはありません。

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