○福山市議会議員政治倫理条例

平成23年12月22日

条例第36号

(目的)

第1条 この条例は、福山市議会議員(以下「議員」という。)の政治倫理に関する規律の基本となる事項を定めることにより、議会政治の根幹をなす政治倫理の確立を期するとともに、市民の厳粛な信託に応え、もって清廉かつ公正で開かれた民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。

(議員の責務)

第2条 議員は、市民の厳粛な信託を受けた代表者であることを自覚し、自らの行動を厳しく律し、倫理の向上に努めなければならない。

2 議員は、政治倫理に反する事実があるとの疑惑を持たれたときは、真摯かつ誠実に疑惑を解明しなければならない。

(政治倫理基準)

第3条 議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。

(1) 議員の品位と名誉を損なう行為により、市民の議会に対する信頼を損ねないこと。

(2) 議員の地位を利用して公正を疑われるような金品の授受を行わないこと。

(3) 政治活動に関する寄附について、政治的又は道義的な批判を受けるおそれのあるものを受けないものとし、議員の後援団体に対しても同様に取り扱わせるよう措置すること。

(4) 市が行う許認可等の処分若しくは行政指導又は請負その他の契約に関し、特定の個人、企業、団体等に対して有利又は不利となる働きかけをしないこと。

(5) 市の職員の公正な職務執行を妨げ、市の職員の権限又は地位による影響力を不正に行使するよう働きかけをしないこと。

(6) 市の職員の採用、昇格及び人事異動に関して、議員の地位による影響力を行使しないこと。

(7) 市税等の完納又は健全な計画に基づく分納等その納付を誠実に行うこと。

(補助等を受けている団体の長への就任)

第4条 議員は、市から活動及び運営に対する補助又は助成を受けている団体の長に就任しないように努めること。ただし、その職に帰する一切の報酬を受けていない場合を除く。

2 議員は、前項に規定する団体から報酬を受領する役員に就任し、又はその職を離職し、若しくは異動があったときは、遅滞なく議長にその旨を届け出なくてはならない。

3 議長は、前項の規定により提出された届出を公表するものとする。

(工事請負契約等に関する遵守事項)

第5条 議員は、自らが実質的に経営に関与する企業と市との間で締結する工事請負契約等に関して、地方自治法(昭和22年法律第67号)第92条の2の規定の趣旨を尊重し、市民に疑惑の念を生じさせないよう努めなければならない。

(除斥の議員名及び事件名の公表)

第6条 議長は、市が締結する工事請負契約等に関する議事において、地方自治法第117条及び福山市議会委員会条例(平成14年条例第31号)第29条の規定(次項においてこれらを「除斥規定」という。)により除斥された議員及び事件名を公表するものとする。

2 除斥規定により除斥される議員は、当該議事が行われる前に議長に届け出なくてはならない。

(審査の請求)

第7条 議員について第3条から前条までの規定に違反する疑いがあると認められるときは、市民にあっては議員の選挙権を有する者の総数の100分の1以上の者の連署をもって、議員にあっては議員の定数の8分の1以上かつ、2以上の会派(3人以上の議員をもって構成する会派に限る。)の議員の連署をもって、それぞれの代表者(以下「審査請求代表者」という。)から、違反する疑いがあることを証する資料を添付して、審査請求書により議長に審査の請求(以下「審査請求」という。)をすることができる。

2 前項の議員の選挙権を有する者とは、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第22条の規定による選挙人名簿の登録が行われた日において選挙人名簿に登録された者とする。

(審査会の設置)

第8条 議長は、審査請求があったときは、これを審査するため、速やかに議会に福山市議会議員政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置するものとする。

2 審査会は、当該審査が終了するまで存続する。

3 審査会は、委員10人以内で組織する。

4 委員は、議員のうちから議長が指名する。

5 委員の任期は、当該審査が終了するまでとする。ただし、議員の資格を失ったときはその任期を終了する。

6 審査会に委員長及び副委員長1人を置き、委員の互選によりこれを定める。

7 委員長は、審査会を代表し、会務を総理する。

8 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故あるとき又は委員長が欠けたときは、その職務を代理する。

9 委員は、その職務を遂行するに当たっては、公正不偏の立場で審査しなければならない。

(会議)

第9条 審査会の会議は、委員長が招集する。

2 審査会の会議は、委員の過半数が出席しなければこれを開くことができない。

3 審査会の会議の議事は、委員長を除く出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。

4 前2項の規定にかかわらず、審査会は、審査の請求をされた議員(以下「被審査議員」という。)につき、第3条から第6条までの規定に違反し、この条例の遵守、出席自粛、役職辞任又は議員辞職の勧告、文書警告、全員協議会での陳謝その他の措置を審査の結果に明記しようとするときは、委員の3分の2以上の者が出席し、その4分の3以上の者の同意を要するものとする。

5 審査会は、審査のため必要があると認めるときは、被審査議員、審査請求をした者、識見を有する者等に対し、その出席を求め、意見若しくは事情を聴取し、又は報告を求めることができる。

6 審査会は、審査に当たり、被審査議員が審査会に出席して又は書面による説明ができる機会を設けなければならない。

7 被審査議員は、審査会の要求があるときは、審査に必要な資料を提出し、又は審査会に出席して意見を述べなければならない。

8 審査会の会議は、公開とする。ただし、出席委員の3分の2以上の多数で議決したときは、これを非公開とすることができる。

(守秘義務)

第10条 委員及び議員は、第8条第1項に規定する審査に関して知り得た秘密を議員以外に漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。

(議長への報告等)

第11条 審査会は、審査の結果について議長に報告するものとする。

2 審査会は、被審査議員の名誉を回復することが必要であると認めるときは、必要な措置を講ずるよう議長に求めることができる。

(審査の結果の通知及び公表)

第12条 議長は、審査会から審査の結果の報告を受けたときは、審査請求代表者及び被審査議員に対して審査の結果を通知するとともに、これを公表しなければならない。

(意見書の提出)

第13条 被審査議員は、前条の規定による通知を受けたときは、審査の結果について、指定された期限までに議長に対し意見書を提出することができる。

2 議長は、前項の規定により意見書が提出されたときは、当該意見書の全部又は概要を併せて前条に規定する公表を行うものとする。

(議長の措置)

第14条 議長は、審査会から報告を受けた事項を尊重し、政治倫理基準等に違反したと認められる議員に対して、議会の名誉と品位を守り、市民の信頼を回復するため、議会に諮り必要な措置を講ずるものとする。

2 議長は、前項の措置を講じたときは、これを公表しなければならない。

(委任)

第15条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、議長が別に定める。

この条例は、平成24年5月1日から施行する。

福山市議会議員政治倫理条例

平成23年12月22日 条例第36号

(平成24年5月1日施行)