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7月定例市長記者会見

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年8月24日更新

 記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。

 会見日:2017年(平成29年)7月12日(水曜日)

報告事項

 ・親善友好都市・浦項市への訪問について

 ・第1回連携中枢都市連絡会議の開催について

 ・福山夏まつり2017について

 ・福山城築城400年事業について

 ・ふくやま未来づくり100人委員会の新たな取組について

会見録

報告事項

市長

 私からの報告の第1点目は,親善友好都市・浦項市への訪問についてであります。7月28日,金曜日から30日,日曜日にかけて3日間,私を訪問団長として,職員・市議会議員等,総勢10名で,本市の親善友好都市である韓国・浦項市を訪問いたします。私が市長に就任してからは初めての訪問となります。

 今回の訪問で,浦項市長との会見を始め,ポスコ工場などの市内視察,そして第14回浦項国際花火祭りへの参加などを予定しております。花火祭りでは,現地で合流する市民訪問団の皆さんと共にパレードに参加をすることとしており,一緒に祭りを盛り上げて,福山のPRにも努めてまいりたいと思っております。

 また,帰路には,朝鮮通信使ゆかりのまちであります釜山市を訪問する予定です。釜山市では,朝鮮通信使の世界記憶遺産の韓国側申請者の代表であります釜山文化財団代表理事を表敬訪問致します。世界記憶遺産への登録に向けた双方の思いを確認し合うとともに,登録に向けて機運を高めたいと思っております。滞在中は関係者と幅広く交流をし,親善を深めてまいりたいと考えています。

 次,2点目であります。第1回連携中枢都市連絡会議の開催についてご説明致します。国の連携中枢都市圏構想は,今年度で4年目を迎えます。現在は全国で23の圏域が形成されています。この度,総務省の主催で,23の連携中枢都市圏が一堂に会する初めての全国会議が,8月7日・8日両日の日程で,福山市で開催されることになりました。

 7日,月曜日は,鞆の浦の鷗風亭において,全国のモデルとなる先進事例,あるいは備後圏域の取り組みの紹介,そして総務省や圏域同士の意見交換等を行います。翌日8日,火曜日ですが,備後圏域における代表的な取組として各圏域へ既に紹介をされています,福山ビジネスサポートセンター「Fuku-Biz」の視察をいただくことになっております。各圏域で地域の特色に応じて様々な取組が進められていますが,本格的な人口減少時代を迎え,広域連携の必要性は今後更に高まるものと考えています。

 私は就任以来,広域連携の必要性・重要性をとなえ,連携中枢都市圏の取り組みの強化に努めてまいりました。その全国会議の第1回目が,福山市で開催されることを大変喜んでいます。この全国会議を通して,更なる意義ある展開のための学びの機会にしていきたいと考えています。

 3点目は,福山夏まつり2017についてであります。今年も8月13日から15日までの3日間,福山夏まつりを開催いたします。これが新しいポスターですね。市外からの応募も含めて,44点の中から選ばれましたデザインをもとに制作しました。JRの駅や市内外の宿泊施設,観光関連施設,また美術館や図書館などの公共施設などに掲出し,多くの方へ「福山夏まつり」を周知してまいります。次に今回初めての取組として,福山夏まつりのPR動画を作成致しました。本日から公開の予定です。ご覧いただきたいと思います。

 ※PR動画放映 1分11秒

 このように素晴しい動画が完成いたしました。この動画は,福山駅構内のデジタルサイネージやフジグラン神辺にある福山情報発信コーナー等,市内各所をはじめ,東京の広島県ブランドショップTAU(タウ)や大阪情報センターなどの施設でも放映をいたします。更に,福山藩阿部家の藩邸があったというご縁で親交がある東京都文京区役所にもご協力をいただきまして,区役所の地下鉄へのルートに大きなオーロラビジョンの様な大きな画面があります。そこでも載せていただくと,発信させていただくと,こういう風になっております。併せて市ホームページやフェイスブックでも見ることができます。ポスターと併せて,夏祭りの機運を盛り上げてまいります。

 更に福山夏まつりの見どころについてお話を申し上げます。まず,13日「二上りおどり大会」です。これは広島県無形民俗文化財に指定されている祭りです。連続出場50回を果たす団体を含む30団体,2,000人が中心部の市街地を練り歩きます。飛び入り参加もできる「飛び入り連」や体験コーナーの設置も行いますので,多くの方に「二上りおどり」を楽しんでいただきたいと思います。50回連続出場という事ですから「二上りおどり」50回目ということに今年はなります。

 続いて,14日に行います「いろは丸YOSAKOI(よさこい)」ですが,名前の由来となった坂本龍馬ゆかりの「いろは丸事件」が,今年でちょうど150年目を迎えることから,“150年の時をこえて”これをテーマとしてその記念の演出等も試みていきます。

 そして,いよいよ夏まつりフィナーレを飾る15日の「あしだ川花火大会」です。昨年は100周年という節目もあって大変盛大な花火大会となったようです。多くの人から,迫力があって素晴しかったという声を私も伺いました。「今年も昨年に続いて迫力のある花火大会を」ということで一同工夫しました。芦田川の水面を活かした長さ1.4kmの水上スターマインを,今年も打ち上げたいと思います。これは西日本一の長さを誇ります,1.4kmは西日本一の規模です。そして打ち上げ花火の個数ですが約16,000発の花火を打ち上げます。このスケールは中四国ナンバーワンという規模になるようです。また,全プログラムを音楽に合わせた演出にするとともに,内容についても工夫を凝らします。これまで10年以上「あしだ川花火大会」に関わり,芦田川での打ち上げ環境を知り尽くしている京都市の「株式会社 国友銃砲火薬店(くにともじゅうほうかやくてん)」様,国友様が手がける,福山ならではの迫力ある花火プログラムは,今年も市民のご期待に沿うものになると思っています。是非,多くの方に「福山夏まつり」へお越しいただきたいと思います。

 次の4点目の報告ですが,福山城築城400年事業についてであります。第4回目となる事業推進企画委員会,以下企画委員会と申し上げますが,今月21日金曜日,福寿会館本館の大広間で開催いたします。これまで議論してきたことを基本方針として取りまとめ,これをもって一つの区切りといたします。そして,来月8月からは企画委員会の委員の方々を中心に,それに各分野の関係団体も加えた実行委員会を新たに立ち上げ,議論の中心をその実行委員会に移していくことになります。この為に,今回の企画委員会では,まず,実行委員会の具体的な組織案,組織の内容を決定いただきます。また更にこれまで事務局で検討してきた本年度,2017年度のプレ事業案,プレ事業案について提案をして委員の方々の意見を伺います。そして委員の方々からもプレ事業案が提案されることになると思います。そうした具体的なプレ事業のイメージをそのまま実行委員会の,今度は担当部会というのを併せて作ることになると思いますが,そこに繋いでいって具体化をしていただくと,こういう繋ぎの会にしていきたいと思っています。

 参考までに,事務局の考えているプレ事業案を申し上げますと,「鞆の江戸時代の風景を再現したVR(バーチャルリアリティ)の制作」について,また「福山城公園全体のライトアップの基本構想」などを諮っていくことになります。これまでは,天守閣中心のライトアップでありますが,城全体を浮かび上がらせるようなライトアップについて,提案をし,議論をしていただくということであります。いよいよ築城400年事業に向けたプレ事業が始まっていくということです。

 次,最後のご報告ですが,ふくやま未来づくり100人委員会の新たな取組であります。100人委員会では,これまで3回の委員会と12の部会,それぞれの部会を個別に開催してきました。毎回,行政の担当部課長が同席しながらテーマごとの議論を深めていただきました。第4回目となる委員会は,16日の日曜日の午後,「中間報告会」という位置付けで,ローズコムで開催いたします。多くの方に傍聴に来ていただきたいと思っています。また,ご意見も,どしどし頂ければと思っております。

 今回,新たな取組として2つをご紹介いたします。1つ目は,「小学生が描く未来図」を募集するということであります。夏休みの宿題として,小学校を通じて小学生の児童に呼びかけます。子どもたちの夢やアイデアが30年後の未来図としてどのような絵になるのか,楽しみにしています。

 2つ目は,100人委員会の事務局としてフェイスブックを開設いたします。100人委員会の公式サイトであります。16日からスタートします。これまでも多くの委員の皆さまに,ご自身の,それぞれご自身のフェイスブック等で,委員会の様子を発信していただいてきました。これからは,これに合わせて事務局が公式サイトを運営することによりまして,幅広く,委員の皆様から「いいね!」やコメントをいただきながら,議論をより活性化していきたいと思っています。私からの説明は,以上であります。

質疑応答

記者

 JR福山駅前の再生について。前回の市議会定例会では,リノベーションの手法を先行的に取り入れると,あと福山城の史跡を活かしたまちづくりという具体なイメージが出されたと思うんですけれども。1つは,リノベーションは再生の早期実現のためという理由を述べられたと思うんですが,先行実施される意図や狙い,具体的なエリア等ありましたら,スケジュールも含めてお話いただけたらと思います。

 また,福山城関連史跡の「築切(つっきり)」の保存ということを示されて,その中で市民の声を参考にしてというような理由をおっしゃったと思うんですが,改めて歴史のまちづくりを活かした再生のまちづくりとは何かをお聞きしたいのと。あと,築切が地下にあるということで,それを具体的にどう保存していくのか,現時点でのお考えを聞かせてください。

市長

 福山駅前の再生についての質問にお答えしたいと思います。出来ることを,スピード感を持って早期の実現につなげていくという観点から,リノベーションによるまちづくりを提案していただいています。協議会からですね。これは福山市のエントランスゾーンのエリア価値を高める取組でもあるわけです。

 まずは,7月24日の月曜日には「福山駅前再生手法説明会」を協議会の開催に合わせて行います。そして地権者や事業者,駅前を変えたい,自らの手で変えていきたい,そういう意欲をお持ちの方にも参加していただきたいと思っています。その説明会では,福山駅前再生協議会の清水座長,そして全国でそうした手法を手掛けたアドバイザーから,プレゼンテーションがあります。この清水座長も,全国で都市再生の都市地域の再生活性化に実績をもっておられるわけです。そして,この説明会の中で具体的なイメージを持っていただきながら,実践的な取り組みにつなげていきたいと思っています。この実践的な取組の第一歩がリノベーションスクールという取組です。手法を学び,実際に事業化を検討する,そのような実践的で効果的な講座がリノベーションスクールです。できるだけ早く実施したい,あるいは出来るんじゃないか,このように地元の雰囲気を我々受け止めております。具体的なスケジュールの検討に,今,入ったところです。

 リノベーションですが,回遊性を向上させる,そして地域の特性を生かした新たな事業が生まれる環境を整備する,併せて雇用をそこに生み出していく,それらが連鎖的に繰り返されていく,広がっていく,そうすることによって,個々の建物が生まれ変わることに留まらず,エリア全体が生まれ変わっていく,様子を変えていく,それで価値が向上していくと,こういう取組がリノベーションの取組ですね。こうしたことをしながら,さらにどのような展開につながっていくのか,例えば再開発ですね。同時に念頭に置きながら,このリノベーションに取り組んでいくことを考えています。具体的には伏見町のエリアを,このリノベーション実践の地域として念頭に置いています。

 次はこの同じ駅前再生において,大きな役割を果たすであろうと私が考える「築切」などの,福山城の遺構の保存の考え方であります。伏見町地区において,発掘調査によって,瀬戸内海につながる入川と城の外堀を区切るために設けられた全国的にも例のない「築切」の一部が確認されています。この築切については,福山城が海城であることの象徴のように位置付けられており,その「築切」の存在によって,国の史跡に指定されるような重要な遺構であるとの評価を文化庁からも既にいただいています。福山駅前の再生に当たっては,こうした歴史的な資源を生かしながら,都市の魅力を向上させることが重要な視点だと考えています。ご質問にもありましたように,民間所有地に所在しております。まずはこの土地の所有者の方にこの文化財の価値をしっかりご理解いただく,という取組をする必要があると思います。そして,こういう文化財を公共の為に保存し,活用すると文化財保護法の趣旨に則って,保存の為の最大限の努力を払っていくと,これが行政の役割だと考えております。以上です。

記者

 今のことで確認なんですけれども,「築切」の件で過去の駅前の開発の中で,歴史の遺産と整備開発をどう両立させていくか,ということでおそらく市民の声も上がりましたし,さまざまな論争があったと思います。現在,駅と城とは切り離せないという方向性が早くから示されたと思うんですけれども,今回具体でやはりきちんと大事にしていく保存していくと,明確に示されたと受け止めているんですけれども,そう市長がご判断された最大の理由,そのお考えというのを確認させて下さい。

市長

 1つはこれからのまちづくりにおいて,歴史的にも文化的にも,この福山市民の共有財産,あるいは誇りの源,そういうものを大切にしていかないといけないと強く思ってきました。そして過去の色々な調査の結果,福山城の遺構の一部の「築切」という存在が,私達が福山駅前の活性化にとって重要な伏見地区エリアで存在することが分かりました。したがってこれからの賑わいの再生や駅前の整備にあたって,そうしたものと両立した都市の玄関づくりは,これはとても重要な視点だと考えたわけです。勿論,利便性の向上と過去の文化遺産をどう両立させていくかということについては,個々ケースバイケースで判断していくことになると思いますけれども,今回の「築切」の存在は大きな価値がある,私達が残していかないといけない,後世に伝えていかないといけない,過去からの贈り物だと思っております。

記者

 2番目の質問ですが,ばらに関してなんですけれども,2022年の世界バラ会議地域大会の開催地が福山市に内定したと一部報道があり,弊社でも確認しておりますけれども,市の方の現在の確認状況と今後のスケジュール,市の指名を出された後の結果の受け止めがあれば。

市長

 今年6月に開催されたスロベニアでの世界バラ会議の大会で,世界バラ会連合のケルビン・トリンパー会長から2022年(平成34年)に福山で地域大会を開催するというアナウンスがありました。私達3月から誘致活動を本格化させてきましたが,そこまでのお言葉を実はこの6月にいただけるとは思っていなかったものですから,とても光栄に思うと同時に慎重に,これからも大切に実現に向けて取り組んでいきたいという思いを持っています。そういう意味ではまだ,内定をいただいたという慎重な受け止め方に留まっていますが,大きな1歩を,この6月に福山はしるすことができたと思っています。内定いただいた以上,本決定に向けて,それまでに出来ることを早め早めに準備していこうと,バラ関連の各団体とは話し合いを進めています。彼らと一緒になった委員会組織を作りながら準備を進めていくことも考えております。

 また今年度中に,世界バラ会連合の会長をはじめ関係者の方が,福山をご訪問いただくご意向もいただいています。そうした具体的な準備もこれから進めていくことになります。そうした取り組みを通じて更に確かなものにしていきたいと思っておりますが,大きな内定の報に接したというように受け止めております。

記者

 バラ会会長さんですかね,ご訪問の時期はいつ頃になりそうですか。

市長

 秋頃ですかね。

記者

 あと本決定はどの時点でと,みておられますか。

市長

 我々が当初想定していたのは,来年デンマークで世界バラ会連合の大会があり,その会で本決定があるのではないかと当初想定していました。ただ内定もあり大会の会長も福山を訪問されますし,それ以上の何かが来年果たしてデンマークであるのかどうか,これは今後確認をしていきたいと思います。

記者

 7月上旬には福山市内でも結構雨が降り,南蔵王町や春日町まで浸水のようなことも結構ありまして,議会でも過去に何度かある地域で浸水があるというので質問が出ています。実際には手城川水系で県の範囲にはなっていると思うのですが,汚水の排水なども含めて,市としてどのような対策をとっているのかを改めて教えて下さい。

市長

 7月5日と9日にあった大雨について,手城川流域を中心とするエリアにお住まいの方には大変なご迷惑をお掛けいたしました。心からお見舞いを申し上げます。幸いにして比較的被害の程度は抑えることは出来たと思っています。ただ,ご質問のように過去の歴史を見てみると,何度かこうした辛い経験を地域の人には強いているとありましたものですから,早速5日の段階で県の東部事務所には,しっかりと河川管理の観点から洪水対策をしっかり実施して欲しい,と申し入れをしております。県と市の役割について,当然,県管理河川を管理する県は洪水防止の為のあらゆる方策をたてる,そして市は内水排除の役割を担う,これが大きな役割分担。ただ,市内から出てきた水を県管理河川に逃がしていく,これが内水排除です。しかしその県河川管理そのものに市内から出てくる水を受け止めて下流に逃がしていく機能が確保されないと,内水排除という市の役割も上手く機能しないんです。県には1988年から手城川流域の総合治水対策に取り組んでいただきました。勿論福山市も入って取り組みました。1つは春日大池の洪水調整機能をレベルアップするということ,それからもう1つは手城川の下流にある排水機のポンプを新設して排水機能を強化する。これを大きな柱としていますが,併せて現在取り組んでいるのが,水を逃がしやすくする,例えば河川の掘削,河床の掘削だと思いますが,取り組んでいただいています。今回の7月の雨を受けまして,県には緊急に至急の対策委員会を設置して欲しい,これまでに加えて短期的に当面しなければいけないこと,出来ること,これをハッキリさせて欲しい,そして県の一段の取り組みを強く促していきたいと思っています。併せてそれと同時に市で出来ることが更にあれば,県からの助言を貰いながら一緒になって,この手城川の対策を強化していきたいと思っています。以上です。

記者

 それは瀬戸川流域の治水対策検討会みたいなものが作られるということですか。

市長

 そうです。瀬戸川については国も入っていましたが,当面,県と市との間で緊急に作るということにしています。

記者

 時期等は。

市長

 それは近々に。それから併せてご報告しておきますと,昨年大きな被害があった流域,福川・猪之子川そして瀬戸川,その流域の状況ですが,今回幸いに福川の流域での被害はありませんでした。この間,県は瀬戸川の河床を掘削するという緊急対策に取り組んでいただきました。河床49cm掘りこむという対策を講じた結果,福川や猪之子川から瀬戸川に溜まった水がどんどん流れ込むという余力を生んだということで,これまでのあるいは昨年の教訓を一定程度活かすことが出来たのではないかと思っています。これは県と国に感謝しないといけないと思いますが,引き続き気を緩めることなく災害に対する備えを強化していきたいと思っております。

記者

 私からは2点,先ほど代表質問でもあった福山城遺構の「築切」の活用について,これは伏見町の地下にあり,伏見町の再開発では民間が主導になろうとは思うんですけれども,いろいろ1回白紙となってリスタートという段階なんですけれども,行政も今後伏見町の再開発に関わるなかで「築切」の再整備をどの程度リンクさせて考えているのかを教えていただきたいです。

 もう1点が,一昨日鞆の伝建地区保存計画の委員会があり,事実上答申がなされて,今月下旬に教育委員会議が正式に計画が策定されるものと認識しています。これは教育委員会の所管ではあるんですが,鞆のまちづくりについて市の方も力を入れておられて,今後「重伝建」選定に向けて国との協議が進められていく中で,それに対する期待のほど,あるいは例えば鞆の保存計画について地元からは必ずしも全面的な賛成を得られているわけではないと私は理解しているのですが,それについて教育委員会以外で市としても,そういった地元への説明に積極的に乗り出す姿勢等々について教えていただけたらと思います。

市長 

 まず「築切」と伏見地区の再開発とのリンク,これは言葉を換えれば,行政と民間事業者との役割分担や連携というご質問に置き換えられる気がします。兼ねてから,確かに再開発費用は民間が主体となって議論していく問題ではあるが,しかし民間任せにはしない。行政が必要な部分,必要なことについては,しっかりとしたメッセージを発して,市民の理解をいただきながら行政主導でやると,行政主導もありうると申し上げてきました。築切あるいはこれを含む福山城の遺構は,市民共有の財産です。したがってこれはその地区の生業に関わりを持っておられる地権者や事業者の思いだけに留まらない市民全体の思いでもある。そこはやはり行政がそうした思いも背負いながら地元との調整をしていく必要があると思っています。端的にいうと築切が再現され,それが伏見地区のエリアの1つ大きな公共機関を成す,そうすることによってエリア全体の文化的価値も上がり,賑わいの中心にもなる,憩いの場にもなる,そういうエリアが出来れば素晴しいと思っています。勿論最終的なご判断は地区に直接関わりあいを持つ方々ですが,強い思いを持って築切の保存についてのお願いをしていきたいと思っています。

 それから鞆の「重伝建」地区選定に係る話です。これまで「伝建」地区指定をしてきました。それをランクアップして,国が選定する「重伝建」地区にしていく,そうすることは鞆地区の町の価値を大きく上げるということで,喜ばしいと私は思います。同時に実際そこには生活があります。生活者の方々の思いも同時に汲みあげながら「重伝建」地区選定に向けて思いを1つにしていきたいと思っています。これまで確かにさまざまな意見がありました。そして今もなおあります。それは「重伝建」に選定されれば,更に制約がきつくなるのではないかという思いです。ただ,市が既に指定している「伝建」地区における制約というのか,その市民にお願いをする事項と「重伝建」になってからのそれとは違いはないんです。「重伝建」になるからまた新たな制約が加わってくるということではありません。むしろ「重伝建」になれば,固定資産税が減免されたり国の補助率がアップしたり,メリットが加わってきます。そうした不安を取り除くこともしていかないと思いますが,それよりも何よりも重要なことは,この今回の取り組みが鞆に生活する人達にとって大きな誇りになっていくことをご理解いただくと。それによって一緒になって鞆の生活を守っていこう,発展させていこう,という第一歩になっていくことをご理解いただく,そういう努力をしていきたいと思います。

記者

 築切の保存活用について市長の思いとしては,保存に向けていく,更に出来れば再現したいという強い思いをお持ちだと受けとめてよろしいでしょうか。

市長

 そうですね,私も今回色々勉強していまして,「築切」の規模は長さ45m・幅10m・高さ3mの土塁というのか土橋というのか,そうしたものでした。それは外堀の水位を一定に保つ役割もあったし,海からの侵入者をそこでブロックアウトする,城の構造にとても重要なものであったようです。全部を再現出来るわけにはいかないかもしれませんが,その一部が再び市民の前に姿を現す,あるいは忠実な形で再現されていく,これは素晴しい姿になっていくと思いますね。

記者

 「重伝建」の話に関連して,高齢化が進んで,あるいは他の自治体でも,「重伝建」を有する自治体では新たな規制がかかることへの心配はやはりあったりするようです。そういった方への配慮をどうされていくのかというのがまず1点と,具体的には国との協議となり,国の審議会で決定になると思いますが,市の方に何かスケジュール感のようなものがあれば,お聞かせいただきますか。

市長

 「伝建」地区選定から「重伝建」地区指定に変わることで,新たに生ずる規制は「無い」と理解しています。むしろ経済的には,より所有者に対する財政支援が手厚くなることでしかありません。ただ,やはりおっしゃるように地権者や地元の方々には,新たな縛りが出てくるんではないかという根強い不安があります。これは引き続き私達もご理解いただくような努力をしていく必要があると思います。

 これからのスケジュールは具体的には整理しきれていませんが,今月末の教育委員会会議に諮ります。そしてそこで,保存計画を策定そして告示していく段取りになります。それを受けて我々の思いとすれば,言わば間髪を入れずに文化庁に「重伝建」選定の申し入れをしていくことです。文化庁も,この鞆の町並みの文化的価値については十分な理解をしていただいています。スムーズな「重伝建」地区の指定に繋がっていくことを期待しています。それに併せて地元説明も重ねていきます。

記者

 確認で,そういった地元説明を重ねた上で申し出といいますか,影響があれば申請になるんですが,これは出来るだけ速やかに行っていくということでしょうか。

市長

 地元説明と併せながら手続きは進めていきたいと思います。文化庁にも必要な手続きのスケジュール感があるようです。そこに遅れると大切な機会を逃してしまう可能性があります。これまでも福山は,行政・教育委員会は出来る限りの説明に努めてきましたが,今後も更に説明に努めていくということです。

記者

 遺構の再現について,それは地権者の方から市が土地を取得して再現していく考えなのかどうか,これがまず1つ。そして鞆の「重伝建」選定に向けて,松永線でしょうか,県道が狭いところを通ると思いますが,今も車が結構通っていて混雑している。それが「重伝建」になった時に,引き続きその状況が続いていくのが望ましいとお考えなのか,それともまた別の方法でそこはなるべく通らないようにするのか,市長としてどのような考えを持たれているのか,その2点についてお伺いします。

市長

 伏見町エリアの一角の問題,「築切」の所在地について市が取得をするのか,あるいは他のやり方があるのか,それは引き続き考えていきます。要は大切な遺構を後世に伝えていく形を模索する,その為の最善の方法を取るということです。それから余計なことかもしれませんが,現在「伝建」指定にあって,その前提の下で県道は拡幅出来ないんですね,既に。したがって,町中交通の円滑化の問題は,そういう前提の下で議論をしているということです。今後も更に地元の意見を聞きながら町中交通の円滑化について知恵を出し合っていく,県が中心になって汗をかいていく,福山はそれにしっかりと付いていく,地元との橋渡しをしていくということです。

記者

 鞆の浦に関して1点質問があります。県の整備にあたって,土地を手放した所有者に対し,湯崎知事・県が前回の説明会での個別訪問をして説明するという話の中で,県側は県全体の組織として回るとしながら,一方で地元住民・地権者へのコメントとしては知事本人が回るべきである意見が出ていて,対立している部分があると思うのですが,この土地を手放した地権者に対して説明することに関しては,市としてはどのように説明していくものだと理解したのかという点。それと今後,まだ同意が得られてない方に対して市から支援とか説明できるようにしていくとか何か方策など考えているのか,難しい質問ですが宜しくお願いします。

市長

 最初の質問については,県と地元とのやり取り問題ですから,今後それをどのような形で説明をされていくのか,県の方で今考えを整理されていると思います。私が答えることではないような気がします。それからもう1点は,その後も県と一緒になって福山市は地元に入り,地元説明会の再開に向けた橋渡しをしてきております。そうする中で出来るだけ早く県による説明会が持てる環境を作っていきたいと思っています。

記者

 もう1点話が変わるんですが,ヒアリが全国的に見つかっている中で,福山港でも今週,県が主催で調査される予定ですけれども,例えば市の方で何かこれについて事前に対策とかされることはあるんでしょうか。

市長

 私も今朝の新聞で福山港も対象になっていることを初めて知りました。改めて勉強してみたいと思います。

記者

 基本的にはやはり,もし見つかったらとなるんですけど,対策とか。

市長

 分かりません。どういう対応が効果的なのか,取り急ぎ勉強してみたいと思います。

記者

 鞆の「伝建」地区に関連して。保存計画,更新されたものの中には,地区住民による保存会などを作っていくという文言があったと思うのですけれども,私個人的にも地区住民の意識醸成というのが,これからの一番の課題になっていくかなと思います。住民による保存や活用に向けた積極的な思いなどの意見が出てくるようになるのが,これから一番求められるのかなと。その点について市長のお考えをお伺いしたいのですが。

市長 

 もしよかったら,教育次長。 

教育次長

 鞆の町並み保存に向けての地元の保存会についてお尋ねでしたが,町全体を日本,世界に誇れる財産として残していくことは,住民の方々がしっかりとそういう思いを持って,我々行政も一緒になってやっていくべきものだと思っております。そう言った意味で,住民の方々が主体的に意識を持って保存それから活用に向けて一緒になって努力していきたいとのことで,保存計画の中へ踏み込ませていただいているものでございます。

記者 

 何か具体的なものが,もし今の段階であれば。

教育次長

 これから中身をどういう構成にするかとか,色々検討していきたいと思っております。

以上。