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9月定例市議会市長記者会見

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年9月26日更新

 記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。

 会見日:2018年(平成30年)8月28日(火曜日)

報告事項

・この2年間の振り返りについて

・平成30年7月豪雨災害について

・補正予算の項目について

・9月議会の案件について

会議録

市長

 来月9月で市長就任2年を迎えることになります。
 まず,始めに,任期の折り返しを迎えて,この2年間を振り返り,私の思いを述べさせていただきます。

 就任以来,活力と魅力に満ちた輝く都市の実現に向けて「スピード感・情報発信・連携」を市政運営の基本に,市民の皆様との対話を大切に,現場主義を貫いてきました。市民に身近な市政の実現と,備後の中心にふさわしい都市の拠点機能の拡充に努めてきた2年間でありました。

 私は,5つの挑戦を掲げ,1年目を実行の年,2年目は加速の年として,スピード感を持って施策を実施してまいりました。
中心市街地の活性化では,福山駅前の再生ビジョンを策定するなど,行政主導による取組をスタートさせました。それに移行するかたちで官民が共に取り組む動きに繋がったことから,国もこれに注目し,地方再生モデル都市の指定をいただきました。現在,次のステップであるデザイン計画策定に向けて,デザイン会議をスタートさせたところであります。

 子育て支援では,「福山ネウボラ」を県内のトップを切って立ち上げ,子育て相談のワンストップ化に県と連携して取り組んで参りました。

 地域経済の活性化では,福山北産業団地第2期事業への着手やフクビズをスタートさせました。
 次代を担う人材育成では,市内企業と大学の協力をいただき,福山独自の留学制度を創設するとともに,子どもたちに本物の芸術に触れて欲しいとの思いから,市内の小学4年生全員を市立美術館に招待する「10歳の君へ,ようこそ美術館プロジェクト」をスタートさせました。

 また,歴史と文化を大切にする豊かな都市の実現を目指してまいりました。福山城築城400年に向けた取組をスタートさせるとともに,福山では初の開催となる「ばらのまち福山国際音楽祭」を立ち上げました。

 このほか,ふくやま未来づくり100人委員会では,1年かけて議論をしていただき,「30年後の未来図」を完成していただきました。「世界バラ会連合」の世界大会の誘致や,世の中の激しい変化に遅れることのないよう,IoT・AIなど最先端技術によるまちづくりを目指した官民協議会もスタートさせました。

 このたびの7月豪雨による被害のように,様変わりの気象の中にあって,自然災害への備えを万全にすべく,国・県との連携を密にし,河川改修の早期完成や地域防災力の強化にも取り組んできました。未だ,道半ばではありますが,安心・安全に暮らせるまちづくりに,細心の注意と力をそそいで取り組んでまいりました。

 人口減少対策は,全庁的なプロジェクトチームを結成し,日本政策投資銀行や戦略推進マネージャーなど外部からの柔軟な視点も取り入れる中で,昨日,その全体像をお示しする事が出来ました。

 残り2年,特に2019年度(平成31年度)は,1期目4年の事実上の集大成の年と考えています。 
 「5つの挑戦」を更に加速させる中で,人口減少対策や拠点機能の強化,そして,地域の維持・再構築に取り組み,広島県東部をけん引する活力と魅力に満ちた福山の実現を目指してまいります。

 次は,「平成30年7月豪雨災害」関連で,2点,説明させていただきます。
 まず,災害に関する寄附金についてであります。

 本年7月に発生した「平成30年7月豪雨」に際しまして,市内の皆様を始め,全国の多くの方々から,心温まる寄附金を賜りました。改めて,心からお礼を申し上げます。
 寄附金受入額は,8月24日現在で177件,39,298,151円であります。
 資料のとおり,多くの企業・団体・個人の方から,御寄附をいただいています。

 この寄附金を主な財源とする特別見舞金を,8月9日付け専決処分により,補正予算において,新たに措置をいたしました。
 これに基づき,従来からの条例に基づく災害見舞金を加えた合計8,170万円を,既に8月中旬から支給開始しています。
 残余の寄附金につきましては,引き続き被災者の方々への生活支援を始め,災害復旧・復興に活用させていただきます。

 災害関連の2点目でありますが,今回の災害対応についての検証作業等についてであります。
 今回の災害の甚大さに鑑み,新たに,8月23日に,国・県と共に「第1回福山市域における浸水対策協議会」を立ち上げました。河川のハード面から,検証を始めることといたしました。

 県においても検討会が立ち上がっておりますが,県の検討会の議論を見据えながら,11月には本市の協議会でも中間取りまとめを,そして来年1月頃を目途に最終取りまとめを行いたいと考えております。また,8月30日には,避難情報の伝達や避難場所のあり方など,ソフト面の対応を考えるために,町内会や被害の大きかった地域の自主防災組織,消防団などをメンバーにする「防災対策検討会議」を立ち上げることといたしました。

 ここで議論された成果のいくつかは,11月に予定しております本市の防災訓練に反映をさせて行きたいと考えています。

 こうした検証作業の一方で,8月7日には,備後圏域6市2町で連携協議会を開催いたしました。そして,災害救助法の適用市においては,宅地に流入したがれきや土砂の撤去について,連携した対応を申し合わせました。

 この協議会の結果を要望書として取りまとめ,8月29日,加盟の首長とともに,直接知事に対して実情や要望を訴えていきたいと考えております。

 今回の災害を,国・県などとともに,しっかりと検証し,より強靭な災害対策に努めていきたいと考えております。
 以上が,災害関連の報告2点です。なお,災害関連予算については,後ほど9月議会の議案の中で説明いたします。

 続いて,災害関連以外の補正予算の項目について,2点,説明させていただきます。
 まず,乳幼児等医療費助成制度の拡充についてであります。

 2019年度(平成31年度)より対象年齢を拡大します。入院,通院ともに中学生までを助成の対象にすることといたします。
子どもの医療費については,本来国が制度を創設すべきという考えのもとで県内の市町が一致して国に要望してまいりました。
 近年は,県内他市町において,相次いで,制度の拡充がなされてきた中にあっても,本市においては,こうしたこれまでの基本的な考え方を踏まえてまいりました。

 国において制度創設がない中で,昨年度行った「子どもの生活に関する実態調査」結果の分析からは,子どもの医療機関受診抑制経験者の割合は生活困難度が高いほど高く,特に生活困窮層と呼ばれる世帯においては,受診させなかった理由として経済的な理由を挙げる割合が高いという状況が確認されました。

 また,将来的に必要だと考える支援として「子どもの医療費に対する支援」を求める割合が最も高く,生活困難層,非生活困難層いずれの層においても約6割を占めるに至りました。
 こうしたことから,子どもの医療費助成制度は,貧困対策のみならず,喫緊の課題である人口減少対策の側面を持つものであると考え,この度,対象年齢を入院,通院ともに中学生まで引き上げることとしたものです。

 子育て期における保護者の経済的な負担感を軽減し,安心して子どもを産み育てられる環境をより一層充実させることにより,「子育てにやさしいまち」を実感していただきたいと思います。
 今年度補正予算においては,拡充に伴うシステム改造に着手し,2019年度(平成31年度)冒頭4月から,中学生までの助成を実現してまいります。  

 次に,小・中学校等教育環境の充実整備にあたりましては,これまでも学校教育環境に関する基本方針に基づき,中学校給食の完全実施やトイレの洋式化などに,順次取り組んでまいりました。
 また,空調設備整備についても,その事業手法等について検討を行ってまいりました。

 一方で,本年4月には,児童生徒を取り巻く環境の変化を踏まえ,文部科学省において学校環境衛生基準が改定されました。教育の望ましい室温が従来の「10℃以上30℃以下」から「17℃以上28度以下」に変更されたところであります。

 また,今年の夏,本市においても観測史上2番目となる最高気温37.6℃を記録いたしました。
 災害級とも言われる猛暑日が続く中,異常気象の常態化が懸念される中で,その対応策が喫緊の課題とされました。

 こうした状況を踏まえ,児童生徒の健康管理,学習環境の改善のために,小中学校に空調設備を緊急に整備する事を決断しました。
 今後はまず,改築工事や学校再編に伴う大規模改修工事を実施又は実施予定の学校5校について,工事に合わせて空調設備を整備する直接施工方式によって整備をいたします。また,その他の教室につきましては,PFI方式による整備を考えております。

 小学校は2021年(平成33年)6月末まで,中学校は2022年(平成34年)5月末までに暑くなる時期が到来する前までに設置完了を目指していきたいと考えています。
 事業費につきましては,これからの調査・設計において具体的に精査してまいりますが,ランニングコストを除いた事業費で,約64億円を見込んでおります。

 以上で報告事項を終わります。

 引き続き,9月議会の案件につきまして,ご説明をいたします。
 9月議会につきましては,本日,招集告示を行い,9月4日から開会することといたしました。
 第1次分として提出します内容について,ご説明をいたします。お手元の資料をご覧ください。

 まず,報告案件としては,「損害賠償の額を定めること及び和解の専決処分の報告について」を始め3件であります。
 次に,予算専決案件としては,「平成30年度福山市一般会計補正予算の市長専決処分の承認を求めることについて」の1件であります。

 次に,決算案件としては,「平成29年度福山市病院事業会計決算認定について」を始め4件であります。
 条例案件としては,「福山市一般職員の給与に関する条例等の一部改正について」を始め11件であります。
 単行議決案件としては,「福山市立城北中学校南棟校舎改築他工事請負契約締結について」を始め5件であります。

 それでは,補正予算議案説明資料に基づき,ご説明をいたします。
 5ページをお願いします。
 今回の補正は,一般会計の他,国民健康保険特別会計,後期高齢者医療特別会計,
食肉センター特別会計の3特別会計,そして水道事業会計,工業用水道事業会計,下水道事業会計の3企業会計,合計7会計であります。

 補正予算額は,一般会計は,79億9,820万8千円の追加,特別会計は,7,942万7千円の追加,企業会計は,1億2,745万9千円の追加,合計で82億509万4千円の追加であります。また,一般会計で債務負担行為を7件計上しております。
 今回の補正は,主に,未曾有の被害をもたらした平成30年7月豪雨による災害復旧に対応するもので,災害関連経費が,一般会計と企業会計で併せて72億7,660万8千円と,全体の8割を占めております。

 内訳としてまず,平成30年7月豪雨による災害関連経費について申し上げます。
 1,一般会計分でありますが,大雨により被災した道路・河川のほかに,6ページにわたりますが,小中学校など,公共施設の災害復旧について対応をいたします。また,災害廃棄物処理費は,被災家屋のがれきや土砂の撤去を行うもの。
 災害援護資金貸付金は,被災された方に,生活再建のために必要な資金を貸し付けるもので,併せて,利子補給を行い,実質無利子で貸し付けを行うものであります。

 災害救助費についてでありますが,生活必需品の給与や,避難所の運営費などを措置するもの。
 土地改良区施設整備費補助は,排水機場の電源設備等の復旧や,施設の浸水対策を行うもの。
 小規模福祉施設設備整備費補助は,小規模多機能型居宅介護事業所などに復旧費用を助成するもの。
 私立保育所等施設整備事業費補助は,私立保育所などに,復旧費用を助成するもの。
 水防対策用資材費は,土のう袋やビニールシートなど,水防用備蓄資材を補充するもの。

 7ページに移りますが,土地改良区施設維持管理費補助は,排水機場のポンプ修繕などに対するものであります。
 2,企業会計では,配水管の修繕や,雨水幹線の修繕などについて,それぞれ計上するものであります。
 このほか,債務負担行為といたしまして,一般会計で利子補給を2件計上しております。

 次に通常分につきましてご説明いたします。同じ7ページの下あたりです。
 まず,「1人口減少対策の推進」といたしまして,乳幼児等医療対策は,先にご説明した通り,新年度からの対象を拡大に向け,福祉総合システムの改造などを行うものであります。

 8ページに移ります。
 「2教育環境の充実」といたしまして,これももう既にご説明をいたしましたが,小中学校空調設備整備を行うものであります。
 次に「3安心・安全の実現」といたしまして,公共施設緊急安全対策は,本年6月,大阪府北部の地震で発生したコンクリートブロック塀の倒壊事故を踏まえ,緊急に実施する安全対策といたしまして,87施設のコンクリートブロック塀の撤去等を行うもの。
 「5公共事業等の追加に伴うもの」といたしまして,緑町公園屋内競技場の飛込台の改修費などを計上いたしております。
「7寄附金対応」でありますが、それぞれの趣旨に沿った対応を行うもの。

 次のページ「8制度上補正を必要とするもの」といたしましては,特別養護老人ホーム施設建設費補助は,国庫補助単価の引き上げに対応するものであります。
 「10国民健康保険特別会計」では,療養給付費国庫負担金等返還金について,「11後期高齢者医療特別会計」では,保険料過誤納付還付金について,「12食肉センター特別会計」と「13水道事業会計」では,コンクリートブロック塀の撤去費等についてそれぞれ計上するものであります。

 10ページをお願いします。
 債務負担行為として,福山城の耐震改修に向けた設計業務委託など,一般会計で5件計上するものであります。
以上が,今回予定しております,平成30年第4回定例市議会に提出する補正予算の概要であります。
 以上,補正予算7件を含め,9月議会へ1次分として31件を提出いたしております。
 よろしくお願いいたします。

 以上で説明を終わります。

質疑応答

記者

 保険系システムのトラブルについてです。

 市が今年1月に導入した保険系システムで,トラブルが続いています。
 「被保険者証の生年月日を誤る」「延滞金免除にもかかわらず延滞金を課す」「保険料の徴収方法の変更が反映されていない」などがあり,8月8日までに5件が公表され,その都度,お詫びや経過説明,書類の再送などの対応がされています。
 トラブルが続いていることや,その対応が十分だったかについて,市長の考えをお聞かせください。

市長

 保険系システムのトラブルについてのお尋ねであります。

 この5月以降,保険系システムにおいて5件の誤りが続いて発生いたしました。
 被保険者の皆様にご迷惑をおかけしましたこと,そして市民の皆様の行政への信頼を損なうことになりましたことにつきまして,重く受け止めております。

 まず,5月に発生した3件の事案の原因でありますが,パッケージ機能を福山市仕様に改造したプログラムに誤りがあったことなどによるものでありますが,システム開発業者と印刷委託業者,加えて全体をチェックすべき立場の市,それぞれにチェック漏れ等のミスがありました。

 このため,担当部署では,システム開発業者と連携し,設計書どおりにプログラミングされているのかどうかのチェックを実施するとともに,複雑な確認プロセスを簡素化し,チェック漏れの防止を図ることといたしました。

 7月の2件でありますが, 5月の事案とは異なり,プログラムそのものではなく,処理に使用する文字コード変換の設定ミスによる名前の表示誤りと,データのセットアップ漏れによるもの,これが原因でありました。
 原因が異なるとはいえ,繰り返し発生したため,改めて再発防止策を指示しました。

 具体的には,システム開発業者に対して,受託内容についてしっかりと責任を果たすよう強く要請をいたしました。
 また,チェック体制の充実としては,初めて処理する業務では,現物そのものの確認をもれなく行う事,また,各本番処理実施後の更なる改善に向けた検討会を実施すること,さらに市では課長,システム開発業者ではマネージャークラスを含む複数人が懸案事項の把握・決定事項の承認を行う進捗管理など,情報共有や確認,合議等のルールについて再徹底を図ることとしました。

 なお,システム開発の仕様が満たされていないために発生したトラブルについては,業者に対して損害賠償の請求を行うことを現在検討中です。
これらの取組により再発防止に努め,市民の皆様の信頼回復に取り組んでまいりたいと思っております。以上であります。

記者

 82億円補正のうち,災害関連で72億円の補正を組まれているのですが,これは近年で言うところの,どれ位以来の最大規模の補正であるか,また災害廃棄物処理費を計上されているのですが,がれきでは何トンぐらい,土砂では何トンぐらいの処理をしないといけないのかを教えてください。

市長

 がれきや土砂の分量につきましては後ほど担当の方からご説明いたします。
 今回の補正の規模でありますが,近年にない規模となっております。直近で一番大きいものが,一般会計で申し上げますと,平成4年度で49億円です。同じ一般会計で平成17年には,45億円という数字があります。
 それに対して今回,一般会計で79億円という規模の補正となっております。
 災害関連72億円だけでいいますと,過去一番大きな補正額となっています。

記者

 平成に入って最大の額ですか。

市長

 そうですね。平成の1・2・3年は特に多くないですね。平成になって最大だと思います。
 後は,がれきや土砂は担当者からご説明します。

建設局長

 先程,ご質問がありました災害廃棄物処理費について,これに対しての処理量トン数の見込みについてのお尋ねですけど,がれき等処理費につきましては,5,590トンを見込んでおります。
 堆積土砂処理につきましては,体積として,13,100立米,単位体積重量を1.8だとすると,23,580トンという数字を見込んでおります。以上です。

記者

 ありがとうございます。

記者

 子どもの医療費助成の拡充ですが,中学3年生まで延ばす事でどれ位の費用負担が市の方でされていくのかという事と,それだけ大きな助成増になると思うのですが,それだけ大きな負担をしてまで拡充した背景というものについて,先程,市長が子どもの実態調査についてあげられましたけれども,人口減少対策にどれだけ有効なのか,どういう判断があったのかという事についてお聞かせください。

市長

 拡充分にかかる追加的な費用としては,年間8.2憶円程度の一般財源が必要になるという試算をしております。
 大変規模とすれば,大きな規模となりますが,県が行いました生活実態調査の結果報告を見ましても,将来の必要とされる支援策として大勢の方がこの医療費に対する助成を求めていました。

 それと,受診抑制に繋がる心配も寄せられました。そういう事から先程は,今後の2年間について子育てしやすいまちづくりに全力を尽くしていきたいと私の思いを述べさせていただきましたが,こうした問題にしっかりと対応していくのが市政の在り方ではないかと,この様に判断をいたしました。
 昨日お示しした少子化対策の中で,こうした医療費の拡充がどの程度の貢献をするのか,今後検証してまいりますが,市民の特に若い子育て世代の切実な声だというふうに判断をいたしまして,今回拡充を決めました。

記者

 以前の6月議会の時に市長は,財源については国に引き続き求めていきたいと,基本は国が制度をつくるのが筋ではないかというお話があったと思うのですが,そこらへん財源措置について今後国への提案を検討されていますか。

市長

 引き続き少子化時代にあって子どもを子育ての環境を国がどの程度までその役割を担っていくかという事は重要な視点だと,今でも考えております。
 国に対する要望について,これをもってやめるつもりもありません。それと同時に,県の役割分担はどうあるべきかという事についても協議を検討して参りたいと思います。
 国・県・市がどのような役割を果たすべきかという事を引き続きの課題,解決すべき課題ととらえつつも当面は市が一般財源をもって医療費の拡充を決断したという事であります。

記者

 6月の議会でもお話があったのですが,今回飛び込み台の改修に1,800万円が計上されているその思いというか 受け止めというか感想をお聞かせください。

市長

 県内で最多の8競技を受け入れているのが福山市であります。これまでもメキシコの選手団と市民の交流も含めていい関係を築きつつあるというように考えております。

 メキシコオリンピック委員会の会長にはできる限りの練習環境の整備をさせていただくという事を既にお伝えしております。そのような一環から,今回特にメキシコの飛び込みチームからは,現状,どうしても拡充しないといけないという強い意見はきていないのですが,ただ先ほど申し上げました私たちの思いから,できるだけいい環境を整備して差し上げようという事もあり,今回必要な予算額を計上したという事であります。

記者

 災害復旧に関してハード面で国・県・市で協力してやっていくという事なんですけれども,河川の補修などにおいて,具体的に市の役割というとどういうところにあると思いますか。
 土地改良区でのポンプとかの予算の計上はされていると思うのですが,どういう存在感で今後市が河川改修に取り組み,浸水対策に取り組んでいくのかというところをもう少し具体的にお聞かせください。

市長

 基本的な考え方は,内水排除といいますけれども,市街地・住居地の水を河川に,いかに円滑に流し込むか,それが市の役割で,そして,それを受け止めて更に大きな本線や,あるいは海に水を排除するための河川改修をする。

 河川改修に関しては,県の役割。これが基本的な役割だと思いますが,ただそれらは,相互密接に関連していますよね。
 そういう意味では,「河川改修は県だ,内水排除は市だ」というふうに決めつけることなく,市民生活に影響の大きな浸水被害をできるだけ早期に解消するという事について,県と市が知恵を出し合う,そしてそこに国がどのような支援をしてくれるかという事を話し合うという事であります。

 これらの取組は,一定の効果が出てきたと考えています。ことの発端は,2年前,28年6月の浸水被害でありました。
 その後,県には,河川改修を先行して取り組んでいただきました結果,一定程度の防災力が今回の災害においては認められました。

 したがって大きな考え方は間違ってはないと思いますが,ただ,河川改修計画にしましても,長年時間がかかるといわれています。それを何とか短縮できないか,集中的・重点的に取り組めないかそれが大きな課題だと思います。今はそうした事を第一の念頭におきながら,議論を進めていきたいと思っております。

 それから先程,ポンプというお話がありましたけれども,今回市内で,広い範囲が浸水をいたしましたが,その要因の一つとして,ポンプの脆弱さがあったのではないかという事が指摘されています。我々もそれをしっかりと検証してみたいと思います。

 なぜそのような思いがあるかというと,県河川の末端のポンプが土地改良区のポンプだという事ですね。従来の農業用水,農業排水を川に流し込むという時代にあっては土地改良区のポンプでよかったのかもわかりませんが,都市化がその後進み,雨水が一気に県河川に流れ込んでくると,こういう社会環境の変化にあっては,もっともっとポンプの排水能力を増強する必要があるのではないかという問題意識を強く持っています。既に,国・県に対してもそうした問題意識は伝えてあります。

記者

 ため池の対策についてお尋ねします。
 今回の豪雨は,幼い女の子が亡くなって,ため池についての課題を全国的にも注目されました。

 市内では一昨年,芦田町の方でため池が決壊したということがありまして,これも復旧にかなりの額がかかっているようです。
 今後,統廃合も含めてため池対策について,現在の検討状況,実現したものがあれば,実現した。間もなく台風シーズンが来ますけれども,将来のロードマップなども含めてですね,地元との利害関係も含めて,地元の水に関する調整も必要でしょうけれども,その辺で市長のお考えをお聞かせいただけますか。

市長

 今回の災害を期に,国も大きな危機意識をもっています。

 現在農水省が下流の人家や公共施設に被害を与える可能性のあるすべての農業用ため池の緊急一斉点検を実施しております。8月末まで実施予定と聞いております。

 福山市は,2,200のため池がありますが,その9割が今,点検は進んでいるというふうに聞いております。
 ほぼ全部を対象にするのではないかというふうに今思っておりますが,こうした国の点検作業に,県と共にまずは協力をしていきたいという事であります。
 そして,一定規模以上のところにつきましては,一定規模以上のため池につきましては,県に対しては,重要ため池に指定をしていただくように改めて申し入れをしています。

 現在,国の制度である防災重点ため池の基準の見直しが国で行われています。それを踏まえて県も,県の重要ため池の指定基準の見直しが行われる可能性があります。そうした一連の動きも踏まえながら,重要ため池への指定追加を県には強く申し入れをしていきたいと思っております。

 現在,重要ため池に指定されているため池数は175であります。そして,その175の重要ため池については,今年度中にハザードマップを作成する予定で進めております。
 これを確実に行う。そして下流に住む住民の皆さん方にその存在や万が一の時の避難方法の意識付けをしていく,そういう事が今後重要になっていくと思います。
 もし県に対して重要ため池の追加を申し入れ,それが受理されることになりますと,さらに多くの数の重要ため池についてのハザードマップ作成の必要性が生じてきます。これについては,しっかりと計画性をもってできるだけ早くハザードマップの作成に繋げていきたいと考えています。以上です。

記者

 災害関連でお伺いします。

 今のため池の話でもありましたが,近年にない規模の補正も組まれていますが,長い支援や今回の反省を生かした取組が必要になってくると思いますが,市長としての受け止めといいますか,決意をお伺いしたいのですが。

市長

 先程も申し上げましたように,まずは関係者が一同に会して検証作業を急ぎ,その結果を踏まえて有効な災害対応を構築していくという事が基本であります。その結果を待つ必要がありますが,私の思いについてご質問がありましたので,現時点での思いをお話しいたしますと,市内2,000ヘクタールが浸水いたしましたが,これは,本線であります芦田川の水位が上がってしまい,そこに注ぐ市内30河川の県河川の水をはかす事が出来なくなったと,これが基本的な姿ですね。
 したがって国には河川の中に繁茂する樹林や,今回の災害でも更に堆積をした多量の土砂の撤去を緊急にしていただきたいという思いをもっています。

 やはり,水位が上がる個所は,そうした障害物がたくさん存在し,もちろん川の形や幅にもよると思いますけれども,そうした障害物の存在が無視できないんではないかと,こういうふうに思っています。それが1つですね。

 そして先程お話ありましたが,ポンプの能力増強を強く意識をさせられた災害でありました。
 もちろん,自然の流下能力に勝る排水の力はありません。いくらポンプが増強されたからと言ってそれで完全に自然流下を補完することはできないのですが,それにしても,増強されたポンプによって1時間2時間3時間,何か対応する時間に余裕が生ずれば,随分家財に対する被害も軽減されるのではないかと思っています。つまりそのポンプの問題ですね。

 それから,ため池の在り方をしっかりと見直すという事です。
 不要となったため池は,つぶす。あるいは農業用というよりは洪水調整機能を重視したため池というものを改めて整理をする,そうしたため池の整理をしっかりする事によって日ごろの管理の強化にも繋げていく。こうした事を今,頭の中に入れております。

 それからソフト面でもよく言われるのが避難情報をどう地域住民に届ける事が出来るか。地域住民にどう避難行動に結び付けていただくか。こういう問題が,よく議論されます。
 それとあと,避難情報の出し方という事についても,問題意識を私どもは持っています。今回の台風第20号の災害の時に,避難勧告を出しました。これまでの経験を踏まえて被害が発生しそうな危険性の高い所に限定して避難勧告を出しました。町内会単位,そして町内会の中でも,町内会第1班と第2班というふうに限定した形で出しました。対象の住民の数は487人です。そのうち171人が避難所に出向いていただきました。比率は15%でした。7月豪雨災害の時は,避難指示は市内全域に出しました。その結果避難所に来られた方は2,895人でした。比率は0.6%でした。
 避難情報の出し方にも大きな意味がある。ただ単に市民に自分の身として受け止めてくれというだけではなく,行政側の出し方においても違いが出てくるのではないかというふうな思いがいたしております。

記者

 医療費助成で2点お伺いするのですが。先程の説明と若干重複するんですけれども,入通院ともに中学生までとした根拠を教えてください。

市長

 確かに,「どこで切るのか」という事は大きな問題でありますね。色々な議論がありました。
 ひとつは,義務教育課程までしっかりとした子育てに対する支援策を講じておきたい思いがありました。
 ひとことではなかなか,なぜ中学生までなのか,いうふうには言いにくいんですが。

記者

 もう1点は,去年議会と話題に上っていて,ともすれば,この一般の当初予算でも組まれる可能性があるのではないかと思っていた話ではあるのですが,それがここで補正を組むというタイミングになったそこの判断をした理由というのはどういったとこなのでしょうか。

市長

 一番大きな要因は,県が実施した生活実態調査の結果をしっかりと分析をしたという事であります。
その結果がこのタイミングになったという事であります。

記者

 市民の方が,先程切実な声だという事で判断したという部分もあると思うのですが,これをきっかけに先程の受診が増えてくるという期待感というか,そういうのはお持ちでしょうか。

市長

 経済的理由から受診を控える。その結果,子どもの健康に将来にわたって影響が出てくる。そういう事は避けないといけませんね。
 そういう意味で,適切なタイミングで,ご家庭にお子さんの受診を促す,そうしたひとつの大きなきっかけになって欲しいと思っております。そうする事によって,全体として子どもの健康状態が改善をする,またそういう支援が家庭の支えになって,子育てに明るい希望をもつ。ひいては少子化対策にも繋がる,そういう思いをもって今回,補正で取組を始めました。

記者

 文部科学省が今日(8月28日)のテレビとラジオが午後5時解禁で新聞は朝刊縛りで発表する数字があるのですが,公立学校施設の耐震改修状況フォローアップ調査の結果についてという数字があります。
 これは,小中学校の耐震化されていない建物がどれ位残っているかという数らしいのですが,広島県73棟(今年4月1日現在)残っていて,その内,福山市で45棟と,全国で3番目に多い数字らしいのですが,耐震化率でいうと88.3%。
 これだけまだ多くの施設が残っている事に対する受け止めと,今後,耐震化率100%になるのはいつ頃になるのか,いつ頃を目指すのか,というのを教えていただきたいです。

教育次長

 耐震化の文科省の調査,この4月1日の状況を調査したものです。今日の5時が報道解禁という事になっております。
 文科省の報道の資料の中には,残棟数福山市が45というふうに出ておりますので,資料の中でも,明らかな数字となっております。

 これまでも耐震化については,2020年度末の100%を目指すというところで今取り組んできております。今後につきましても計画的に進めてまいるという対応をして参りたいと考えております。
(※会見終了後,耐震化完了見込みを2021年度末に訂正)

市長

 改めてまた,記者レクをするのですか。

教育次長

 既に文科省の方から資料が出ておりますので,その数字をもってご理解いただければと,特にあらためて記者発表する予定はありません。

記者

 今日の会見の冒頭で,就任2年間の振り返りをしていただいたんですけれども,来年度,19年度を2期目の事実上の集大成の年にしたいと言われてました。その思いについて改めて教えていただきたいのと,あと,人口減少対策とか拠点機能の強化とかそういうものに力を入れて取り組みたいという事でしたけれども,集大成の年に,具体的にこの事業について市民に対して目に見える形で成果を出したいという具体的な思いがありましたら教えていただければと思います。

市長

 残り2年ですが,私の任期が9月の初旬までですから,とにかく思いとすれば2019年度に2期目,私の思っている施策の全体像については,しっかりと着手をし,できるものは成果に繋げていきたいと,そういう思いで事実上3年目の年を最後の年と,そう思いを申し上げました。

 やはり,一番力を入れていきたいのは,人口減少対策であります。より効果的な施策を打ち出していきたい思いであります。
 昨日発表しました全体像を受けて,今後は,各部局が新年度予算に向けてより有効な施策を考えてくれる事になります。と同時に,この人口減少対策は,なにも行政だけの取組ではないですね。
 思いをしっかりと共有していただいく各分野の方々の実践がなければ,これは実現できません。

 具体的には働き方改革を実践していただく,例えば企業の経営者の思い・意識,そうした事も強く訴えていかないといけない課題だと思っています。
 そういう意味で,ある時期で官民が問題意識を共有し,それぞれが何に取り組むのかというアクションプランをつくっていきたいと思っています。そうする事で初めて効果的な人口減少対策に繋がっていくのだと思っています。

 拠点機能の強化につきましては,いずれも,これは大きな取組ですね。
 例えばスポーツでいえば,総合体育館ができるのが2019年の3月です。したがってそこから様々な取組が始まり、その成果が問われていくという事になろうと思います。

 さらに駅前整備につきましても,今年来年と議論をして,デザイン計画ができる。デザイン計画を踏まえて今度はどう実践するのかという次の取組に入っていく。それまでにリノベーションのまちづくりはどこまで進んでいるのか,そことどうこのデザイン計画で議論をされた拠点との繋がりができて,賑わいに繋がっていくのか。など,大きな取組なものですから,なかなかこの1期の間での成果を示していくという事は難しいとは思いますが,しっかりと4年たった段階,あるいは3年終えた段階での成果がご説明できるような,そういう意識をもってこれからも取り組んでいきたいと思っています。

 以上。