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11月定例市長記者会見

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年12月2日更新

 記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。

 会見日:2019年(令和元年) 11月7日(木曜日)

報告事項

全市一斉の福山市総合防災訓練等の実施について

中央公園Park-PFI便益施設設置運営事業者の公募について

ばらのまち福山国際音楽祭2019の結果について

会議録

市長

 私から3点ご報告をさせていただきます。

 まず1点目でありますが,「全市一斉の福山市総合防災訓練等の実施」についてであります。災害への備えとして,11月24日に第4回目となる市内一斉の福山市総合防災訓練を実施します。5月に風水害を想定して初めてブラインド型の訓練を行いましたが,今回は,地震を想定してのブラインド型訓練となります。本市としては初めての試みとなります。

 訓練内容ですが,南海トラフ地震を想定して,災害対応の手順や関係機関との連携など,公助の初動対応の確認,また,自助・共助に基づく地域防災力の向上を目的とします。

 また,新たな取組として,台風15号時に大規模な停電があったことを受け,電力事業者との連携や応急復旧訓練を実施するほか,地域が避難場所を自主開設した際の訓練など6項目を実施予定です。

 学区の自主防災組織をはじめ,国土交通省,自衛隊,広島県,広島県警のほか,今回新たに電力事業者にも参加いただくことになっています。訓練終了後は,その結果をしっかり検証し,課題の解決に繋げてまいりたいと考えています。

 また,11月27日に瀬戸小学校において「ライフライン防災教室」を実施します。この取組は,市内のライフラインを担う「上下水道」「電気」「ガス」「電話」の4つの事業者が合同実施するものであります。子どもたちに防災に関する知識を身につけてもらい,「いざというときにはどうすればよいのか」について学んでほしいと考えています。

 以上が1点目であります。

 2点目は,中央公園Park-PFI便益施設設置運営事業者の公募についてであります。今年の6月から7月にかけて中央公園でPark-PFIの実証実験を行いました。これは新しい公園の使い方を模索するための実験でした。

 この結果を受けて,福山駅前のにぎわいづくりの一環として,中央公園で飲食店等の便益施設を設置し,運営していただく民間事業者を公募する指針を11月1日に公表いたしました。これは中四国地方で初めての取組になります。

 民間事業者には飲食店などの設置,運営だけでなく,公園の芝生の張替や日陰対策など,利用者の利便性や快適性が向上する提案,あるいは整備を担っていただくことを期待しています。

 スケジュールですが,来年1月17日までに公募設置等計画を提出いただき,外部有識者の方々に意見を伺う中で,2月中旬には候補者を決定したいと考えております。その後,施設整備に取りかかっていただき,2021年(令和3年)の運営開始を目標にしていきたいと考えています。

 以上が2点目の報告であります。

 3点目は,先月の10月10日から13日まで開催いたしました「ばらのまち福山国際音楽祭2019」の結果についてであります。リーデンローズをメイン会場としつつ,今回は新たに神辺文化会館とぬまくまサンパルをホールコンサートの会場に設定し,合計で22回の公演を開催いたしました。昨年がホールコンサートは10回ですから,倍増したわけであります。

 また,「まちなかつながるコンサート」は市内8会場で合計21回行いました。今回,初めて福山市民を中心に結成された「ふくやま祝祭合唱団」,「ふくやま祝祭管弦楽団」,「ふくやま祝祭邦楽団」によるコンサートを実施しました。各祝祭楽団ともに,プロの指導のもとで練習を重ねられ,本番では素晴らしい歌声や演奏をご披露いただきました。

 これらにより前回に比べ約4,000人多い約16,000人の方にご来場いただき,「良い演奏を聴くことができた」あるいは「迫力ある音楽が聴けて良かった」などの評価をいただいております。各会場の運営に関しては,今回から公募によるボランティアの方にもご協力をいただきました。

 そして,福山の音楽祭の大きな特徴の一つであります「未来へつなぐ子どもたちへのコンサート」では,市内の全公立小学校の5年生全員,約4,400人を3回に分けてご招待しました。昨年より2,500人多い生徒さんのご参加をいただいたわけであります。質の高い海外のクラシック音楽に触れていただき,児童の皆さん方からは「迫力があった」「すごかった」といった率直な感想をお聴きすることができました。感動していただいたと思います。

 以上申し上げましたように,昨年に比べますと参加者の数,あるいは内容,そうしたものをとりましても,今回は一つの成果を得ることができたのではないかと受けとめています。

 次回(第3回)の音楽祭ですが,来年5月7日から10日までを開催期間とし,現在,実行委員会において企画を検討しています。市民の皆様も楽しみにしていただきたいと思っております。

 以上が私からの報告であります。

記者

 エフピコRiMの閉店についてお尋ねします。RiMは先月,施設老朽化などのため運営会社による営業の継続が困難となり,来年8月で営業を終えることが決まりました。民間の撤退は市が施設を旧そごうから取得してから2度目となり,今回は10年の賃貸契約が満了する前の決定でもあります。RiMとして営業してきた7年間を含め,取得後の施設の運営についてどのように総括されるのか,市長の見解をお教えください。

 また,改修や解体といった方法も示されている閉店後の施設の在り方について今後どのように検討されていくのか,市長のお考えを聞かせてください。

市長

 まず,福山市商業施設取得後の施設の運営についてのお尋ねがありました。福山市商業施設は,2002年(平成14年)3月に旧福山そごうから本市が引き継ぎました。そして,中心市街地の活性化と雇用の再生を目的として2003年(平成15年)から福山ロッツとして,また2013年(平成25年)4月からはエフピコRiMとして運営してきました。

 この間,人口減少や中心市街地のスポンジ化現象などによって商業を取り巻く環境は大きく変化をし,特に巨大な店舗における運営は難しい時代となってきております。その中でRiMについてはテナントや来館者,市民の意見を可能な限り取り入れていく中で,公共施設や店舗を設置し,館内や駅西側エリアの回遊性を高めるような運営にも努めてまいりました。そうした結果,本市の中心市街地の活性化と雇用の再生においては一定の成果は残せたのではないかと思っています。

 なお,来年8月までは,現状での商業施設運営が継続されることになりますので,それまでの間は公共施設との相乗効果によるにぎわいをしっかりと維持してまいりたいと考えています。

 次に今後のRiM再生のあり方について,また,その検討についてお尋ねがありました。RiM再生のあり方につきましては,私が市長就任直後の2017年度から調査を継続しており,現在は,昨年度に調査結果をもとに作成した4つの再生手法を中心に,専門家の意見を聴きながら検討を深めています。

 最終的には,これらの検討を踏まえ,また,幅広く市民のご意見も伺う中で市としての判断を示していきたいと考えています。私は今後の検討に当たって,5つのことを念頭に置くことが重要であると考えています。

 RiMの再生へ向けての私の考えでありますが,まず1点目は,「超スピード再生」というキーワードであります。大切なのは,今の福山駅前の再生の流れを止めないことであります。RiMは,規模が大きいため,仮に解体や建替えをすると5年程度を要するものと推測します。また,解体しないまでも,現在の施設規模を丸ごと維持しようとすれば,大規模な改修やテナントの確保のために時間を要することになります。

 現在,福山駅前の再生に官民で取り組み,再生の動きが出始めている重要な時期において,5年間という長い時間閉鎖された状態が続く,あるいは,常に建物の中に空き空間が感じられるという状態が続くことは,RiMだけにとどまらず,三之丸地区の商店街や駅周辺のエリア価値に与えるマイナスの影響は少なくないと思っています。一旦閉鎖をいたしますが,その後極めて短期間でのスピード再生を目指してまいります。

 2点目でありますが,「最小のコストによるにぎわいの創出」を念頭に置きたいと考えています。「大型商業施設からの転換」ということでもあろうかと思います。RiMの再生にあたっては柔軟に時代の流れを取り込みながら,少ない投資で質の高い市民サービスを提供していくことが重要であると考えています。そのため,エリア価値を高めるコンテンツを精査し,また,コストの最小化を実現するため必要最小限の床の活用にとどめるなど,最小の経費で最大の効果を上げていきたいと考えています。なお,その担い手は民間の事業者が中心となってまいります。

 3点目でありますが,公共による「子育て拠点」,そして,民間による「福山の未来を育てる場」,そうした場にしていきたいと思っています。RiMは立地に恵まれていることから,現在,子育て機能が複数設置され,多くの子どもを始め保護者の方々に利用していただいています。子どもは福山市の将来を担う宝です。健やかな成長を願う若い子育て世代の方々が集える機能は駅の近くに必要だと考えています。

 また,民間事業でありながら公共的な要素を含む魅力的なコンテンツを生み出し,官民が連携して市民生活を豊かにする福山の未来を育てる場,あるいは新しい民間事業者のチャレンジの場に使っていただくという考え方もあると思っています。

 4点目であります。「段階的な再生」が必要ではないかと考えています。エリア価値を高めていく中で,例えば5年から7年経った段階で次なる展開に向けた検討を走りながら開始をしていく,そういう切れ目のない再生に向けた取組にしていきたいと思っています。

 1番にあげました「超スピード再生」の取組を,次なるステップを展望する再生の第一の段階と考えればいいと思います。まずは,エリア価値を高めていくため質の高い民間の投資を呼び込む,そして,5年から7年を目途にさらなる市民のニーズに応える,そうした展開を模索していくことではなかろうかと思っています。

 最後の5点目でありますが,「市民の意見」を十分聴く,そして議論は「見える化」していくことが重要だと思っています。これまでもRiMの再生に当たっての調査の結果については,議会などにご報告をするなど,周知に努めてまいりました。まずはRiMの再生に当たっての方向性を年度末に絞り込んでいく過程の中で,デザイン会議でも議論をして欲しいと思っています。そういう中で市民の意見も幅広く聴いていただく,そういうことも会議にはお願いをしたいと思っています。アンケートをとっていくこともありうるかもわかりません。

 以上5点を念頭に置きながら,一旦,施設や設備の点検,そして工事のために閉館いたしますが,一日も早い再開を望まれる市民の皆さんのご期待に応えるように計画的に展望をもってRiMの再生に向けた取組を進めていきたい,そして,このRiMが再び動き出すと同時に旧キャスパの再開発,そして伏見町のリノベーションも着実に進展していくという3つが,駅前の核となってにぎわいを再生していくという思いを持ちながら現在議論を進めていっているということであります。以上であります。

記者

 RiMのことについて何点かお聞かせください。まず,年度末に方向性を絞り込むというお話がありましたが,もう少し具体的に方向性というものがどういったものなのか,お聞かせください。

市長

 これは,これから専門家の意見をしっかりと聞く中で,先ほど申し上げましたが,有識者も加わって議論をする,市民の皆様方も議論をする,そういう中で最終的には決めていくということになります。私が方向性を示して議論に一定の与件を与えるということは考えていません。

記者

 方向性というのはすごく漠然とした言葉で,市民には何が方向性なのか,例えば解体が方向性なのか,そのまま現存の施設を活かしたものを再生していくことが方向性なのかが見えないのですが,具体的に年度末とおっしゃるのであれば,方向性というものはどういったものが方向性なのかということをもう少し具体的にお話しいただきたい。

市長

 解体をするのか,そのままの規模で改修をするのか,あるいはそれ以外の方法をとるのか,そうしたものを整理していくことが方向性を示していくということになるのではないでしょうか。これは,今後方向性を議論していくための私の思いを市民の皆さんにお示ししているところです。こういうものも合わせて今後議論していくということになろうかと思います。

記者

 先ほど,巨大な施設なので解体すると5年程度かかるというお話がありましたが,市長の5つの項目を見ると,「超スピード再生」「公共の拠点」「未来を育てる場」と言われるということは,基本的に流れを止めないということになると,基本的に解体ということは想定に入ってないのかなと思ってしまうのですが,それはいかがですか。

市長

 今,選択肢を限定するつもりはありませんが,私の思いとすれば,駅前再生の流れを止めたくないという思いを持っているということを先ほどご説明しました。そして,解体や大幅改修をすればどういう問題があるかということも併せて,1番の「超スピード再生」,あるいは2番の「最小のコストによるにぎわいの創出」の部分でご説明しました。私が考える駅前再生のスピード感を持った取組と,RiMの再生とはどのように整合的に進められていくべきか,という私の思いを先ほどご質問に答えるという形で説明させていただいたということです。

記者

 5年から7年後には次なる展開へ向けた検討と言われましたが,いつから5年から7年後ということでしょうか。

市長

 RiMが再び新しい形で営業を始めてからと私は考えてお話しました。

記者

 新しい形で営業を始めてからというのはいつを想定されていますか。

市長

 まだ具体的には想定していません。これから方向性が決まり,準備が進み,一定の期間が必要だと思います。

記者

 RiMのことですが,市長が「超スピード再生」ということで決意を示されたわけですが,とはいえ年度内に一定の方向性をということであれば,今が11月ですから,まさに超スピードで議論を深めていかなければいけないと思うのですが,今のところ,議論をする場というのがデザイン会議しか思いつかないのですが,そのほか会議体として新たに立ち上げるとか,あるいは市民の声を吸い上げるために工夫を施すとか,何か具体的なことが念頭にありますでしょうか。

市長

 色々な議論の場を作っていくという考えもあると思いますが,RiMという施設は,駅前のにぎわい再生に貢献する重要な施設の一つだと思います。駅前再生を議論する中で,その一環として取り上げていくことが自然だと私は思います。であれば,デザイン会議がそれにふさわしい場だと考えています。その場の限られた人たちだけの意見が反映されるのではなく,いろいろな手法を使いながら,より幅広い市民の意見が反映されるような議論の手法をとっていただければと思っています。

 「超スピード再生」ということでありますが,何がスピード感を持った再生なのか,何が超スピードなのかということですが,いずれ来年の8月以降,今のテナントや公共施設が一旦退居し,閉館いたします。次の再開までの期間を「超スピード」で成し遂げたい,成し遂げてほしいという思いです。それは,閉館の期間が長いということは,それだけにぎわいに対するマイナスの影響が大きくなるからという思いからです。

記者

 今までもRiMに関しては,調査等で国から補助金をいただいていたと思いますが,例えば再生にあたって改めて国や県の協力を仰ぐといった方向もあるのでしょうか。

市長

 どのような機能を再生後のRiMに呼び込むのか,そういう再生のあり方や内容が決まった段階で,国の支援が使えるような可能性があれば,検討していきたいと思っていますが,現時点で国の支援ありきで議論を進めるつもりはありません。

記者

 RiMですが,福山駅前の課題になっているエリアの中で,キャスパあるいは伏見町という地区は,民間のエリアです。RiMは公共になっていて,振り返ってみると,20年前にそごうが閉店したバブル崩壊のときの状況と,現在の状況とは変わってきています。今後人口減少が進む中で,10年後20年後,福山市全体を含めてあのエリアも状況が変わってきているかもわかりません。なおかつ,競馬場跡地や将来像が決まっていない遊休の土地があったり,老朽化している施設もあったりしますが,短期的ではなく,長期的な視点で考えていくということもあると思いますが,そのあたりはいかがお考えでしょうか。

市長

 言われる通りだと思います。どの程度まで含めたグランドデザインを描いていくか,というご意見でもあると思いますが,私は就任時から,まずは駅前の再生から取り組んでいきたいという思いでまちづくりを進めてきました。駅前といっても,どの程度まで広げていくかということも整理する必要があるということで,南は中央公園まで,西はRiMまで,東が伏見町まで,北は福山城を中心としたエリアまで,というエリアを設定しながらまちづくりを進めてきました。したがって,今回のRiMの再生は,まちづくりに一定の役割,大きな役割をもつ行政が,しっかりと関わっていくという思いをもって進めていきたいということをご説明しました。こうした取組の道筋が見えていく過程で,さらに範囲を広げた市有地を含めたエリアの開発をどのように駅前の再生と連動させていくかという時期はいずれあろうかと思います。まずは駅前に注力したいと思いを持っています。

記者

 将来的にはRiMの解体という可能性も検討の中では選択肢として入ってくるという理解でよろしいですか。

市長

 それはこれからどういう議論がなされていくか,どういう選択肢の絞り込みがなされていくかということにもよりますが,私見として申し上げますと,老朽化というイメージが先行しているのではないかという印象を持っています。つまり,設備と躯体とに分けて考えてみたときに,老朽化が課題になっているのは設備です。躯体そのものは,まだ25年しか経っていません。これはまだまだ使えます。そこをよく整理をして考える必要があります。そういう中で,どのようにコストを最小化しながら,躯体そのものはあと20数年,30年使えるかもしれないわけですから,そういう利活用を考えていくという選択肢は十分あると思います。これから専門家がしっかりと議論を整理し,できるだけ早く市民の皆さんにお話しする機会があるように,私たちも努力をしていきたいと思っています。

 決してこのRiMの課題が突然目の前に現れて,検討が遅れ議論が後手に回っているというつもりは全くありません。当然来るべきときに来るべきものが来て,それに対してはすでに調査を開始して,議論を整理していく過程にあると思っています。

記者

 館として今後も使っていく可能性も選択肢としてはあるということでしょうか。

市長

 あるのではないでしょうか。

記者

 RiMに関連することですが,年度末にある一定の方向性を絞り込むというニュアンスのことを言われたのですが,これは2020年度の当初予算にその方向性が金額として表われるということでしょうか。

市長

 年度末に議論が整理される,それまでの間には方向性が定まらないということであれば,例えば設計費とかそういうところまで当初には盛り込めないかもしれません。私もまだ頭の整理をしたことがありませんので分かりませんが,超スピードで再生に取り組みたいということであれば,予算措置が制約となってこの取組が阻害されることのないようにしておきたいです。

記者

 RiMの中に各種公共施設が入っており,ふくやま書道美術館など膨大な収蔵品があると思いますが,こういったものをどちらにかわすかというような構想はお持ちですか?

市長

 それも当然の検討課題であり,検討中です。

記者

 最後に,Park-PFIが中四国初ということですが,運営・営業が始まることによって,中央公園の姿が大きく変わると思います。これに対する期待の声をもう一度お願いします。

市長

 新しい手法で,そして公園のあり方が変わってきている,そういう時代の流れにいち早く対応しようという取組だと思います。民間事業者が便益施設を整備すると同時に,市民からニーズの高かった芝生の張替や日陰の施設,東屋とか植樹とかも手掛けていただけます。便益施設の収益をもってそうした芝生とか日陰施設を整備していただくものですから,それを福山市がその後に買い取るコストも割安になっていくというメリットもでてきます。双方にとって,市民も含めて,三方にとってメリットのある公園の利活用方策だと考えています。現時点でも,大手の事業者の数者から引き合いもいただいております。なんとか事業者決定までこぎつけたいと思っています。

記者

 RiM解体の話ですが,市長は解体すると5年かかって,その5年という長い状態が続くのはマイナスが少なくないと言われました。一方で,選択肢を限定するものでもなく,方向性を示して与件を与えるものではないということなので,市長の思いはありつつ,選択肢を限定したりはしないということでよろしいですか?

市長

 はい,そうです。まだいろいろな意見を聴きながら,専門家を中心に議論を整理していただくという段階にあるということです。

記者

 最初の話から,解体はないという市長のお考えのように思えたのですが,選択肢を市長が絞っているということではないということですね。それから,今回は大和情報サービスとの契約が切れて,大和情報サービスはあくまで商業店舗の部分だと思うのですが,他に国や県のものも含めて,公共の部分もあわせて8月末で閉じるということでよろしいですか?

市長

 閉じるという意味ですが,一旦RiMの閉館に伴って退居いたします。機能は原則残すということになると思います。したがって,開館後のRiMに戻る機能もあれば,そのまま移転先で活動・事業を進めるという施設もあるかもしれません。

記者

 いずれせよ,個別のものについては検討中ということですね。

市長

 そうですね。

記者

 当初取材をしたときに,大和情報サービスとの契約が切られるので,商業施設が閉じるというような説明を事務方から受けたのですが,いずれにしても,RiMからは一旦出るということでよろしいですか。

市長

 館の管理運営を大和情報サービスにお願いしていますので,その契約が切れると管理者のいない館に施設が残ることになってしまいますので,そういうことは避けなければならないと思います。

記者

 ちなみに,長くそういう状態が続かないようにするが,「閉館」という言い方でいいですか。

市長

 そうですね。

記者

 新しい体育館でパラクライミングの日本選手権が開催されるニュースが掲載されていました。パラスポーツは来年に向けて期待が高まっているところですが,開催にあたっての期待を教えてください。

市民局長

 今回のパラクライミングの日本選手権については,市で正式に発表したものではありません。確定してから報告させてください。

記者

 予定があることも含めて未定でしょうか。

市民局長

 市としては発表する段階にないので,その時期がまいりましたら報告させていただきます。

記者

 音楽祭について教えてください。市長は成果が得られたと言われましたが成果を具体的に教えてください。また,4,000人しか増えなかったことについて原因を教えてください。同じ日に岡山でも岡山国際音楽祭があり,その関連もあるのかなと思います。客足が伸びなかった公演はどういった公演でしょうか。今回会場数が増えているわけですから,どこの会場の誰の公演が伸び悩んだか教えてください。最後に,有料チケットの完売が100%とするならば何%の売れ行きだったのか教えてください。

市長

 音楽祭に関心を持っていただきありがとうございました。4,000人しか増えなかったというお話ですが,私は4,000人も増えたということが一つの成果だと思っています。福山にはこれまで,市民音楽祭,国際色豊かな音楽祭を開催することがありませんでした。初めての取組が昨年から始まりました。私は予想以上に参加人数が増えたと評価しています。それだけ,これまで馴染みのなかったものが市民に広がっていくということは容易ではないと思っています。

 特に成果としては,市民参加という意味で,意義があったと思います。祝祭楽団がそれぞれに立派な演奏を披露していただきました。それからボランティアですね。課題もありますが,ボランティア参加の下での音楽祭の第一歩が切れたことも大きな成果であります。小学生の招待やママあのねコンサートを実施するということを私たちの音楽祭の特長にしています。その内,小学生を招くコンサートでは昨年は1,900人,今年は2,500人増えて4,400人が来てくれました。小学5年生という多感な時期に良いものに触れていただく機会をしっかり活用してもらえたなと思っています。

 今回残念だったのは,神辺文化会館と沼隈サンパルでの公演です。神辺文化会館ではセルゲイ・ドガディンがヴァイオリンのリサイタルをしてくれましたが,約700人収容のところ観客数は約300人でした。もう少し音楽祭が定着していけばホールがたくさん埋まるような内容だったと思います。

 チケット販売については,販売数の目標は5,300枚としました。その内の8割程度を売ることができました。チケットの販売は容易なものではないなと改めて思いました。これは引き続きの課題であると思っています。

 それから,いろいろな会場でコンサートが行われましたが,時間の設定の仕方をもう少し工夫すれば,街中でコンサートのはしごをすることができたのではないかと思います。今回,はしごをすることが難しい開始時間設定になってしまったというプログラム上の課題も共有することができました。

記者

 RiMの関係で,議論が後手に回っているというつもりはないという話でしたが,8月に閉館するという状況になり,さらに新しいステップに行き,また,5年から7年後に新しい展開を検討するという状況で,公共の部分の引っ越しもある。その中で議論を整理する段階にあるということ自体,議論が遅れているという意見もあると思います。そこについて改めて市長がどう認識されているか教えてください。また,ネウボラ相談窓口などの公共を引っ越しする時に,一旦仮置きの場所になると思いますが,駅近くで検討されているのかどうか教えてください。

 あとPark-PFIについて,中央公園以外で検討を行っている場所があれば教えてください。

市長

 まず,移転先のイメージですが,駅近くが望ましいですが,施設規模や施設が求める環境などを考えると理想通りにはいかないと思います。しかし,再生に要する期間を極めて短くすることができれば多少の不便はご理解いただけるのではないかと思っています。

 それから,今日私が説明したことも含めてRiMに対する取組が後手だという指摘でしょうか。

記者

 そうです。

市長

 であれば,後手でないというのはどうあるべきなのかということですね。私は就任直後からRiMのあり方に向けての調査を開始してきました。そして,市民共有の大きな施設でさまざまな機能が入っている,そうした機能のあり方について市民の合意が得られるような中身はなんだろうかと常に考えてきたつもりです。こうした大きな施設の再生の取組というのは全国的に見てもなかなか難しい。しかも公共と民が一緒に入っており,さまざまな機能がある。調査そのものも先駆的な調査でありました。現時点で,そうした調査の最終的な整理の段階に入っているところです。改めて申し上げますが,後手になったつもりはないという思いであります。

 それからPark-PFIの第二,第三の候補地ですが,あまり性急に事を進めるわけにはいきませんので,まずは中央公園での取組を見極めたいと思います。ただ,こういうことを言うと担当には叱られますが,福山城公園も一つの候補地としてあり得ますし,来年供用開始する旧競馬場跡地の体育館前に広がる公園も魅力的な候補地の一つかもしれません。市民がどのような公園の利活用を望まれるのかというのを踏まえながら,第二の候補地を考えていきたいと思っています。

記者

 RiMのことで質問します。一つは市長の言葉で,極めて短期間で再生をめざすと表現されています。出来るかぎり早くとかでなくて,極めて短期間でと言われていますが,具体的なスケジュール感をイメージされて発言されているのでしょうか。

市長

 私の思いとすれば,ただ専門家の技術的な検討も大きな影響を与えますので,そうしたものをまずはしっかりと整理していただく,そして,私の思いをできるだけ反映していただければありがたい。それが市民のニーズにも応えるものではないだろうかと考えます。

記者

 RiMの再生に関して,あくまで今日の話は市長の思い,考えを発言として,ただ,その中で長い時間閉鎖される状況が続くとあまりよくないとか,4に記載されている「段階的な再生」の部分で,走りながら改修していくという表現がありますが,これらを聞いていて閉館しても大規模改修は考えていなくて,営業しながら改修していくという考えを示したともとれるのですが,そういうわけではないんでしょうか。

市長

 もう一度,5年から7年後には次なる展開に向けた検討を開始するということについて説明します。

 まずはできるだけ早くRiMが再開することをめざしたいと思います。そして,エリア価値が高まっていく,そういう充実した内容にしていきたいという思いです。エリア価値が高まっていくと,次なる展開も当然視野に入ってくる,市民のさらなるニーズも出てくるだろうと思います。そうしたものを取り込みながら,次の展開に向けての議論を5年から7年後には開始する。検討を開始するという意味で,改修を開始するということではありません。走りながら検討を開始するということです。

記者

 最後になりますが,今日の話があくまで市長の考えで最終的な選択肢を限定させるつもりはないということでお話されていると思います。ただ,市のトップの発言というのは少なからず影響があると思います。ここまで詳しく説明されているのは,市長としても思いがあってのことだと思いますが,ここまで説明されているのはどうしてでしょうか。

市長

 年間180万人もの利用があるRiMのあり方について議論が行われ,利用者の皆さん方からも不安の声があります。私の責任として,市民の皆さんの無用な不安を取り除く必要があると思っています。またこれから専門家の見解を待たなければなりませんが,私の思いを述べることによって,不安が少しでも解消されるのであれば,私の思いを申し述べる意味はあるだろうと,こうした思いで質問に答える形で述べさせていただきました。

記者

 RiMの件ですが,5つの方向性をみると希望が持てるなと市民は思うかもしれませんが,実際,そごうが閉店して天満屋も10年で手を引きました。その後,大和情報サービスも7年で手を引いた。現実,大手でも営業は困難な状況になっています。それでも市長は明るい未来を描かれているということについてどう考えておられますか。 

市長

 これは私見でありますが,商圏を考えてもやや規模の大きな施設であるとすれば,そうした施設を全館運営しなければならないということは,こうした時代にあっては無理があるかもしれません。商圏にふさわしい規模でのRiMの活用も一つの選択肢だと思います。先ほど申し上げましたが,老朽化しているのは設備であって施設はまだまだ十分使用に耐え得るわけです。それをどういう効率的な形で利用するかによって,十分にぎわいの核となる再生の可能性が見通せると思っています。決してRiMの今後の在り方が追い込まれてしまっているという考えは全くありません。我々のこれまでやってきた調査でもそうですし,我々がお願いしている専門家の検討の中にあっても,いろいろな前向きな選択肢が出てきています。そうしたものをうまくまとめあげて,市民の皆様にお示ししたいと思っています。しばらく時間はかかりますが,お約束しているのは今年度末ですから,そんなに遠い話ではありません。

記者

 RiMの件でもう一つ,10年の契約の中で7年という形で契約解除となりましたが,設備の老朽化というのは当然あると思いますが,公共としてどう関わっていけばよかったのか,ビジョンをどう描いていけばよかったのかというのが見えにくかったのではないかと思うのですが,7年で終わってしまったことについて行政の課題はどうお考えでしょうか。 

市長

 7年で終わったということを,10年の契約期間を満了できずに,途中で解約に至ってしまったと捉えるのか,当然7年での契約解除,あるいは合意による円満な契約解除が当然ありうるという前提にあったのか,それによっても違いはあると思います。大口のテナントのビジネスサイクルというのは大体7年くらいを想定しながら活動していると聞いています。そういうことから見ますと,RiMが営業開始して7年が経った段階で,一つの営業のサイクルの区切りが訪れるということが十分あり得たんです。だからこそ7年後に解除する条項が契約に盛り込まれた,ということでもあろうかと思います。

 したがって,7年経過時点でRiMがリセットされる,大和情報サービスとの契約がリセットされるということは十分あり得ると考えていました。不測の事態という意識はありません。それに間に合うようにとまでいうつもりはありませんが,7年後の解約ということも念頭に置きながら調査を進めてきたわけです。

記者

 そういう現状の中で5つの方向性をみるとあまりに見通しが楽観的ではないかと思います。担い手となる民間事業者がいるとお考えでしょうか。

市長

 私は持つべき考え方をお示ししたわけです。あるいは,こういうことも選択肢の一つに持ちながら議論を整理していってほしいという専門家に対する期待でもあります。私はまだまだRiMの活用の余地はあると思っていますから,こういう考え方をお示ししました。

記者

 最後に,話が変わって恐縮ですが,県が進めている土砂災害特別警戒区域のレッドゾーンが市街化区域内に100ヘクタールほどあります。命に関わる問題として,市長としては市街化区域内のレッドゾーンをどう扱うのが望ましいか,どう対応するのが望ましいかお考えを教えてください。また,県に対する意見等があれば教えてください。

市長

 まずはがけレッドの扱いをどうするか,地域の見直しをどうするかについては,県が最終的に決定しますから,県が基本的な考えを示していただき,そして実情をよく知る市町が,個々の状況に応じて意見を申し入れて,それを踏まえたうえで最終的に県が決定するということがあるべき議論のプロセスだと思います。県の考え方をしっかり伺いながら個々の状況を整理していきたいと思います。

記者

 直接市役所行政の話ではないのですが,公職選挙で選ばれ,広島県内の政界で活動する市長にお訪ねしたいのですが,週刊誌報道に端を発し,その後新聞報道も続いた河井案里議員の選挙違反疑惑と言われていますが,それに伴って夫の克行議員も法務大臣を辞任され,広島県の政界が残念な形で注目されています。それについて河井議員の説明責任ですとか出処進退について,やはり選挙で選ばれる市長として,ご見解があれば教えてください。

市長

 河井議員も確かテレビで事実関係を説明したいと述べられたと記憶しています。今,やはり県民が求めているのは事実関係を知りたいということではないでしょうか。

記者

 二点質問させてください。総合体育館の完成が来月末となっています。最近スポーツに対する市民の期待感が高まっていますので,新しく総合体育館が市内に完成することについての受け止めを教えてください。

 もう一つ,鞆の長年の懸案事項であります鞆架橋計画に代わりまして山側トンネルが動き始めています。先日も地元への説明会があり,具体的なルート案が示されました。今後,防災拠点も含めて,鞆のまちづくりに地元の首長としてどのような思いでこれから進めていきたいか教えてください。

市長

 来年3月に使用が開始される総合体育館は,レベルの高いスポーツを市民が間近に見ることができ,また幅広い市民の方がそれぞれにスポーツに親しめる,そういう市民共有のすばらしい財産になると思います。市内だけでなく,近隣の市町の方々の利用もあろうかと思います。備後圏域の拠点機能の一つとして市民に親しまれることを期待したいと思います。

 それから鞆でありますが,県のご努力と地域の皆様方の理解で山側トンネル案が合意しました。着実な事業の進捗,完成と加えて県市が一体となったまちづくりに当たって地域の思いもしっかり踏まえながら鞆のまちづくりに邁進したいと思います。

 以上。