ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

7月定例市長記者会見

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年7月17日更新

 記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。

 会見日:2020年(令和2年)6月25日(木曜日)

報告事項

・新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインの骨子について

・福山城築城400年記念事業について

・非接触型温度検知システム活用について

 7月定例市長会見資料 [PDFファイル/1.83MB]

会議録

市長

 3点,報告をさせていただきます。

 最初のご報告は,新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインの骨子について,あるいは策定に向けた現状についてご説明申し上げます。

 第2波第3波の到来に備えて,家庭と職場をコロナウイルスから守る,そのための行動指針を現在策定中でございます。策定は保健所の中に作業部会を作りまして,その作業部会で原案を整理しています。職場編と家庭編に分けて整理をしています。今日は職場編のイメージを少しご説明したいと思います。

 目的でありますが,平常時と発生時と感染者が退院した後の終息に向けた3つの段階で,それぞれ企業・保健所・行政・医療機関がどのように連携をして取り組んでいくかというものを,チャートで整理をしたものです。大きな特徴は,単に事業所が自主的に安全対策に取り組んでいるということにとどまらず,そうした取組がそもそも効果的なものであるかどうか,そしてしっかりとした対応につながっているか。こうしたものを保健所が確認をする,認証をする,そういうことを含んでいるという点にあります。

 まず平常時では,保健所が主催する講習会に事業所に参加していただきます。参加をした事業所に対しては,受講証を交付するということから事業所の取組が始まっています。この講習会を経た上で,事業所内に対策チームをそれぞれ立ち上げていただきます。そして講習に基づいたチェックリストをそれぞれ事業所の実態に合わせて作っていただきます。例えば,来訪者の特定や,社員,従業員の日常の体温チェックの記録,こうしたものが基本になると思います。そしてさらには,新型コロナウイルスの現時点での知見をもう一度事業所に確認をしていただくということも合わせて行いたいというのが平常時の取組ということになります。

 次は,感染者が発生したときに,どのような対応をしていくかということになるかと思いますが,まずは社内へ告知し,職場の消毒を緊急的に行いながら保健所と連携をとって積極的疫学調査を行い,濃厚接触者,そしてその周辺にある接触者をできる限り早期に把握をしていくという作業になろうかと思います。その時に必要なことが,事業所そして感染者の調査への協力ということがあろうかと思います。そのためにも企業には情報公開のお願いをしていくということであります。そして情報公開が抵抗なく行われれば,社外関係者への連絡もスムーズになり,蔓延が防止されるということになるのだと思います。この情報公開については,今回福山市の事例はとても企業の協力が得られた事例ということで,特筆されるのではないかと思いますが,こうした経験を多くの市内の事業者の皆さん方にも理解をし,受け入れていただければと思っています。

 入院し適切な医療が施され,そして退院する。また関係者の陰性も確認され,その後その事業所が終息に向けて円滑に移行できるかどうかということが大きなポイントになってきます。それからさらには,感染者あるいは感染者の家族に対する誹謗や中傷,そうしたものに対する配慮も必要になってくるかと思います。今回の福山の事例では感染者は22人でしたが,そのうち2人は退院後再陽性になりました。これはコロナの把握しづらい,コントロールしづらいところだと思いますが,そのうちの2人とも,保健所はその退院者に対して定期的な接触をしました。そして健康状態を確認する中で再陽性の恐れを把握し,検体採取につなげ,陽性を確認できたということです。従って退院後,再陽性までの期間を最小限にできたという経験を我々はもっています。退院後も4週間は健康観察をする必要があるという経験を得ました。そうする中でしっかりと再陽性を防止するということであります。

 それから平常時には講習会を開いて,受講証を交付するということを申し上げましたが,終息に向けてもその企業がその後事後処理としてガイドラインに沿った適切な対応をしているかどうかをチェックし,そのガイドラインを満たしていれば認定証を交付することを考えています。これによって無用の風評を浴びることがなくなる。むしろその事業所の信頼性は,場合によっては以前よりも高まる,そういうことを我々は期待していきたいと思います。そういう形のものを明日,ガイドライン策定委員会を招集いたしまして,最終的な意見をいただき確認をし,素案の形で取りまとめます。そのメンバーは岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の疫学・衛生学分野の教授に有識者として入っていただきます。そして地域医療の関係者の代表に入ってもらいます。そのうちお一人は高齢者施設を経営されておりますので,高齢者施設の対応という観点からも意見をいただくということになっています。また事業所が関わってきますので,商工会議所の代表にも入っていただいて,最終的なご審議をいただき,7月の上旬に向けて策定,公表をしていきたいと思っています。策定後は,全市民,全事業者に周知をいたします。また,広報紙「ふくやま」の臨時号を発行して,周知の徹底を図っていきたいと思っています。以上が1点目であります。

 2点目は,福山城築城400年記念事業についてご報告をいたします。いよいよ,耐震改修などのハード事業が本格化する年が,本年度であります。まず天守でありますが,花頭窓を再現いたします。そして全国で唯一福山城だけに施された,北側鉄板張りを復元します。これが大きな天守の耐震改修の外観修復の特徴にしています。そうしたものに加えまして,格子の色が現在は白になっていますが,これを当時の黒に色彩を施すなども考えています。福山城は時代によって外観が大きく変化してきた城だと言われておりますが,こうした外観復元のイメージは築城当時の外観に近づけるということであります。

 それから,月見櫓であります。月見櫓につきましては「やぐらカフェ」という取組が行えるように耐震とともに改修をいたします。洋式トイレや給湯施設を兼ね備え,イベントに活用できる館に変えていこうかと思います。こうした事業でありますが,10月1日から本格的にスタートいたしますので,8月1日からの利用ができなくなります。8月1日からは一時休止になります。休止に入るのは「福山城博物館」「月見櫓」「湯殿」「鏡櫓」この4施設です。

 次はクラウドファンディングについてであります。西国鎮衛として城郭史上価値のあると福山城は言われております。こうした価値や魅力を全国の歴史ファンや城ファンとともに守っていきたい,再現していきたいという思いから,7月1日からクラウドファンディングを開始いたします。ご寄附いただいた方には,北側鉄板や瓦の裏側に名前を記入させていただきまして,協力の証をしっかりと刻んでいきたいと思っています。

 次はライトアップについてであります。7月1日に点灯式を行います。この点灯式は,3段階に分けてライトアップを行うその第1弾です。本当は大勢の方に集まっていただいて点灯式をやりたいのですが,コロナにも配慮しながら少人数でさせていただく代わりに,YouTubeでライブ配信をしたいと思います。点灯期間でありますが,先ほども申し上げましたが,10月1日から本格的なリニューアル工事がスタートしますので,それまでの間,9月末までを考えています。第2弾のライトアップはお城のすぐ西側の美術館前のプロムナードを考えています。そして第3弾は築城400年の年,2022年に天守のライトアップと鏡櫓のライトアップで,すべてのライトアップ工事が完了するという段取りにしたいと思います。

 また,ソフトの取組でありますが,声優の福山潤さんは福山城築城400年応援サポーターにお願いをしておりますが,この福山潤さんがナレーションを務める福山城の歴史を紹介する動画の配信も行っていきたいと思います。福山城築城400年記念事業公式サイトというものはすでに立ち上がっておりますが,その公式サイトで本日から福山潤さんのナレーションによる動画配信をスタートいたします。

 それからもう1点であります。福山アンバサダーという制度があります。これは,福山の魅力を全国,そして全世界に向けて発信していただくという方々でありますが,今回築城400年を控えたこのタイミングから,新たに追加募集をしまして,この福山城の魅力を全世界に発信をしていただきたいと考えています。現在この福山アンバサダーは654人を認定しています。総フォロワー数は182万人を誇ります。この182万人というのはどういう数字かと言いますと,東京都知事の小池百合子さんが86万人,大阪府知事が102万人ですので,そういうことを考えますと,かなりの発信力のある体制になっています。福山アンバサダーをもっともっと強化して情報発信に努めていくということを考えています。

 3つ目の報告は,非接触型の温度検知システムを試験的に導入することといたします。AI・IoTを使った先端技術を活用したまちづくりを推進するための協定をソフトバンク株式会社と結んでいますが,今回同社の協力を得まして,このシステムを2台,1年間試行的に導入いたします。これは先ほど記者の皆さんに体験していただきました。出水期を控えて,避難場所に早速温度検知システムを設置して,効率的なコロナ対策を避難場所・避難所でもやってみたいと思います。また平常時は,イベント会場など多くの方が集まるような会場でも活用しながら,効果を検証し,認められれば順次導入していきたいと思っています。

以上で私の方からの報告を終わります。

記者

 2つ質問をさせていただきます。1つ目は,これから夏が近づいてきます。コロナで新しい生活様式を取り入れた賑わい作りというものもこれから取り組まれると思うのですが,消費の喚起,それからレジャーの視点から,今計画されている取組があれば教えてください。

市長

 例年行っています福山夏まつりがコロナの影響で2年連続の中止となりました。今補正予算などを通じまして,消費喚起の取組を開始いたしましたが,さまざま民と官で協力しながら夏場の賑わい創出を工夫していきたいと思っています。

 1つの取組は,オープンテラスの実施であります。今回福山市から国土交通省に対して,道路の一部利用を可能とする規制緩和の要請をしておりました。他の自治体からも同様の話があったと聞いていますが,今回それを受けまして,国土交通省は道路法を改正し,国の道路の占用許可基準の緩和が行われました。道路の一部が,オープンカフェ・オープンテラスとして利用することができるというものであります。国の規制緩和は国道に関するものでありますが,これを受けて市内の市道においてもこうした道路の一部使用が可能となるような対応を講じたいと思います。例えば飲食で,室内の客席数を減らさないといけない,売り上げが回復しづらい,そういう事業者のためには,道路を活用したオープンテラスに,テーブルとイスを出して飲食をしていただくということで座席数の確保が可能になりますし,開放的な空間での飲食ですので,3密対策にも繋がるということだろうと思っています。毎土夜店という取組が行われていますが,毎土夜店についても今年はこのオープンテラスの考え方を取り入れていただきながら,新しい賑わいの創出に努めていただくということになっています。これが1つの大きな特徴的な取組ということになります。

 2つ目は,新しい生活様式の中での消費喚起ということから,キャッシュレス決済が進行するのではないかと思っています。詳細については現在検討中でありますが,非接触型の決済方法で,飲食代金を払った場合には,ポイント還元をするというスキーム作りを今事業者の皆様と一緒になって検討しています。先ほど最初にお答えしました話は,夏場の賑わい作りについてイメージをしておりますが,キャッシュレス決済によるポイント還元による消費喚起については,その夏場の賑わいの後,秋口にも消費が低迷しないよう,賑わいが低迷しないように,秋口にかけて実施をしていきたいと思っています。

 それから,前回の記者会見でも申し上げましたが,eコマースによる消費喚起,クーポン券を発行するなどしながら,そうした手法による消費喚起などにも同時に取り組んでいきたいと思います。

 その他,海水浴場やプールについては多くの施設がコロナ対策を講じながら開業をすると伺っています。以上であります。

記者

 ありがとうございました。続いて,市長が9月に任期満了を迎えられるということで,市長選も近付く中でこれまで1期目で公約に掲げられております5つの挑戦というものがあります。この5つの挑戦のそれぞれ成果と課題について,市長ご自身の評価をお願いいたします。

市長 

 4年弱の間,市民とのお約束である5つの挑戦に一心に取り組んで参りました。市民の協力もいただきながら,公約のほとんどについて着手ができたと思っています。市政運営の基本方針にスピード感という言葉を掲げましたが,2年弱かかりましたが全学区の地域の責任者の方々と車座トークをすることができました。また,ふくやま未来づくり100人委員会を開いて,30年後の福山の未来図も早速作っていただきました。また防災対策は,10年20年の取組が通常でありますが,「二度と床上浸水は起こさない」という決意のもとで5年間という年限を限っての浸水対策も国・県のご了解をいただきながらスタートさせることができました。エアコンの整備でありますが,1年間かけて全普通教室と一部の特別教室にエアコンをいわば100%設置しました。私が就任する以前は,市内の公立小中学校のエアコン整備率は4%弱でありました。それから中学校給食も全中学校給食がこの9月には実現をします。北産業団地の二期工事の再開についても,慎重な検討を踏まえたうえで再開を決断いたしました。スピード感をもってさまざまな取組を行うことができたと思っています。

それから情報発信という言葉も基本方針に据えました。1年遅れとなりますが,2025年の世界バラ会議福山大会の誘致が実現をいたしました。全世界40カ国から約700人が福山に訪れる。これは都市の魅力を発信するという意味では大変大きな意味をもってくるものと思います。しかも市民が60年かけて100万本のばらを植えてきた。100万本のばらのまちづくりを進めてきた,市民の心にも一致するそんな世界会議,福山で初めての世界会議が実現することになりました。しっかりと福山を情報発信していきたいと思います。

 それから連携でありますが,知事とは7回,知事市長会談をこれまでやってきました。連携が強力に進んだと思います。県と市の連携が前提となって国との調整もスムーズに進むこととなりました。緒に就いたものもあれば形になったものもあるのだろうと思います。エフピコアリーナについては,その前の公園の大型遊具とともに市民の新しい憩いの場として活用がなされていますし,駅前の賑わい再生では伏見町でリノベーション事業がスタートしました。また福山城の景観につきましても,樹木の伐採を始めとして大きく景観が変わってきました。市民が大切にしてきた福山城の景観づくりについて着実に進んでいることだろうと思います。

全体としての評価はもちろん市民の皆さん方がご判断いただく話であろうと思いますが,私から申し上げるべきは,約束の実現に向けて全力で取り組んできた,この一言に尽きるかと思います。以上です。

記者

 選挙戦に関して,告示まであと1カ月ということで,市長ご自身しか出馬表明がないのですが,無投票になると思いますか,それを望みますか。

市長 

 選挙になろうが,無投票になろうが,それは私が望む・望まないという問題ではないと思います。私は二期目への立候補をすでに表明しておりますが,今現時点で何にもっとも注力すべきかを問われれば,コロナ対策だと思います。選挙まで後1カ月余を残す時点においてもやはり全力を傾注すべきはコロナ対策。そういうことを意識しながら,一日一日を過ごしていきたいと思っています。

記者

 仮に選挙戦になった場合,今言われたように選挙戦の争点は,アフターコロナの対策を今後どのように首長としてやっていくかということになると思われますか。

市長

 私は4年間の実績をしっかりとご説明をして,その評価を問う,ということです。それから次の4年間何がしたいかという私の思いをしっかりとお伝えするということ。そしてそれと同じくらい重要な項目として,コロナ対策をどのように進めていくのか。その考え方や,実際進めていきますから,そうしたものに取り組んでいくということだと思います。争点が何になるか,これは私が決める話ではありません。

記者 

 重複しますけれども,選挙になった場合,1週間の選挙期間中,どのような選挙戦を展開するおつもりですか。それともコロナがあるので,市長職務に専念するので選挙活動は控えるのか。それとも一応選挙戦は先頭に立って行うおつもりがあるのかいかがでしょうか。

市長 

 その時期にならないと分かりませんが,今の時点で思っていることは,やはり最優先すべきはコロナ対策だと思います。

記者

 ということは,職務の方に重きを置いて,選挙戦になったとしたら職務の方に軸足を置いた形になると思ってよろしいですか。

市長 

 その時にならないとよく分かりませんが,現時点ではコロナ対策が最優先事項であるという思いを持っています。

記者

 仮に無投票になった場合,「有権者の投票権が奪われる」という考え方もありますし,市長の側に立てば,「無投票になれば市民の負託を受けて2回目の市長職をできる」と堂々と言える2つの相反する事柄が表れてくると思うのですが,無投票か選挙戦,どちらを望まれているのでしょうか。

市長 

 選挙になろうがなるまいが,私が市民に訴えることについてはすでにお答えした通りです。

記者

 初戦の選挙当選後,駅前再生プロジェクトを最重要課題として掲げられて,今年の3月末にデザイン会議が一応一区切りついてデザイン計画が出来上がったのですが,この結果,この計画をどう評価されますか。当初ご自身で思い描いていた福山の未来の姿に近づけるような計画が出来上がったのでしょうか。

市長 

 選挙公約を挙げる時は,まだまだ福山の状況についての勉強が不十分だったのだろうと思います。だけども思いとして,賑わい再生を掲げました。そして実際デザイン会議を作り議論をし,そこには全国の都市再生を手掛けた有識者にも参加していただくことができて,私が思っていた以上に議論が広がっていると受け止めました。これは最初不安だったのです。10年以上福山の駅前は全く変わらなかった。これは大変なことだと思いました。だから小さく成功事例を作っていきたいという思いは内心思っていました。グランドデザインが一気に再生ビジョンの形で示されました。これは他所から見れば,全国の都市づくりを手掛けてきた有識者から見れば,福山の駅前にポテンシャルの核がいくつもある。そうしたものを一体的にまとめながら面的に取り組むことに効果があるということなのだろうと思います。そういう考えに触れるうちに,私も大きく影響を受けて,素晴らしいことだと,市民にとっても素晴らしいことだということに徐々に心境も変わってきました。これは駅の南だけではなくて,駅の北側も含めてエリアとしての構想が目の前にあり,それを改めて進めていきたいという思いをもっています。

記者

 最後に,結論から申し上げるのですけれども,福山市役所敷地内に喫煙スペースを設ければ良いのではないかというご提案です。というのが,一部の職員などが,関係者以外立ち入り禁止と書かれた月極駐車場内に入り込み,職務時間中を除き昼休みに数十人規模で,入れ代わり立ち代わり喫煙行為をされています。その不動産屋に問い合わせると,福山市の職員の方も借りられている駐車場です。けれどもマナー上良くないのでそれは不動産屋から市役所の方に改めるようお願いしたいというような回答がありました。それとは別に,その駐車場に隣接する新聞社の支局の1階部分に喫煙コーナーがありますが,それは支局専用の支局員のための喫煙所です。そこに市の職員などが不法侵入とも言える行為をして,喫煙行為をされているのですが,健康増進を市民に勧める立場として,見苦しいというか,マナー上良くないと思いますので,敷地内の一角に喫煙スペースをお作りになるお考えはありますでしょうか。

市長 

 その話を今初めて聞きました。担当局長の方から状況を確認したいと思います。福山市がルールを作り,市民の皆さんにそのルールを守っていただくと呼びかけをする以上,率先するのは当然のことです。まずはしっかりと確認をしていきたいと思います。

記者

 防災重点ため池の対策工事の進捗状況と今後の対策工事の見通しについてお聞かせいただければと思います。

市長 

 具体的な進捗状況につきましては担当局長の方から答弁させますが,先般,いわゆるため池新法が与野党の賛成のもとで,成立しました。この新法を制定するときに私も自民党本部に招かれまして,現状をご報告して訴えておりました。しっかりとした国の財政措置が伴わないと,数あるため池の安全を守りきれないと。防災重点ため池という以上は,しっかりと整備をする,あるいはつぶしていく。こういうことを進めていきたいというお願いをし,今回法律が制定されたということで,心強く思っています。今後もしっかりとした管理者の特定,管理の状況を確認しながら,地元の合意が得られたところから場合によってはため池をつぶしていく,あるいは国の財政支援も得ながらしっかりとした整備を進めていく,そういうところで市民の安全に繋げていきたいと思います。

建設局長

 防災重点ため池についてはハードの対策,ソフトの対策,これが両方必要であります。ハードにつきましては,耐震補強等を県の行う耐震診断に基づいて順次計画的にやっていっております。ソフト対策としましては浸水想定区域を利用したため池のハザードマップ,これらを現段階既存の175のため池に作っていますけれども,今後はその全体1,110に向けて拡大していくという状況であります。以上です。

記者

 コロナ対策のガイドラインについてお伺いします。市の特徴的な取組として挙げられている,この講習会やチェックリストというのは,今の段階でどういった内容のものを想定しているのでしょうか。また,ガイドラインの策定というのは,第1波の時に事業所での小規模なクラスターや,それがその家族に波及したというようなことが背景にあるということなのでしょうか。

市長 

 1点目については後ほど感染症対策監の方から説明をさせます。

 2点目でありますが,1つはおっしゃるようなクラスターが発生した,そして一時は庁内に大変な緊張感が走りました。ただ,小さなクラスターにとどめることができたことは,我々の経験を第2波においても第3波においてもしっかりと検証し残しておきたいとこういう思いがありました。

 もう1つは終息に向けた取組,風評被害の払拭です。企業が自主的に情報公開し,社名を公開していただいたということが我々にとりましては,積極的疫学調査を進めていくうえでありがたいことでありました。改めて,こうした勇気のある企業の取組に感謝を申し上げたいと思います。今後もやはりこうした企業が積極的に情報を発信していくことで市民への影響を最小限に抑えるという意味では,何かそうした企業への対策を考えて差し上げないといけないということも,大きな理由です。現実その事業所内から陽性患者が発生したということで,さまざまご苦労があったと聞いていますので,万が一そのご苦労がその後の事業の影響を及ぼすことがあったらいけないということもあって,しっかりとしたガイドラインで行動指針を定めようと,あるいは行政が認証しようということになりました。

感染症対策監

 1点目の講習会,それからチェックリストについてのお尋ねでございますが,講習会につきましては今回作成するガイドラインの内容をきちんと周知をしたい,その点を重点的にさせていただきたい。チェックリストの内容ですが,これは例えば働いている方,従業員の方の健康のチェックを毎日していただくときに,ある程度どこかで記録をしていただきたい。こういう形で記録をしていただければ後々活用していただけるという雛型をガイドラインに示します。

 他には,日常的に共用部分の消毒をしていただくとより感染拡大防止になります。我々の事例でも,直接会話するなどの接触ではなく,共用部分で接触感染をしているのではないかという事例もありました。どういう点に注意をして日頃消毒していただいたら良いかというリストも用意して示したいと思います。内容につきましてはこのご時世ですので,実際に人を集めるというのは難しいかもしれませんので,例えばインターネットの活用等を商工会議所等とご相談しながら進めたいと考えております。以上でございます。

記者

 河井さんの事件に関しまして,ここにきて他の自治体の首長など,今まで河井克行さん案里さんからお金をもらっていないと言っていた方が,もらっていたようなケースも出てきたようです。そこで市長についてはこれまでも克行さんとはすれ違ったことはあるかもしれないが話したことはない,案里さんとの接触もないとおっしゃっていましたが,お金をもらったことはない,あるいはお金の受け渡しを向こうがしてきたような行為はないと今までと変わらないご回答でしょうか。

市長 

 金銭の授受はありません。先方から差し出されたこともありません。河井克行さんと言葉を交わしたこともありません。案里さんは私が全国の国会議員と港湾関係の議論をする,意見交換をする場におられました。その時にご挨拶を一度したと思います。だけどもそれは儀礼的なご挨拶であります。

記者

 検察の聴取も受けていないという変わらない認識でよろしいのかということと,他の首長でお金をもらっていなかったという人がもらっていたということが明らかになったことについて,そのことを同じ政治家としてご見解がありますか。

市長 

 事情聴取はありません。

 私も昨日から今朝の新聞報道を見て驚いていますけども,ぜひそれぞれの方がそれぞれのお立場で真相を語っていただければありがたい。河井ご夫妻がとうとう最後まで説明責任を果たしませんでした。それに代わって,県民有権者の前に真相を語っていただければ良いのではと思います。

記者

 福山城について大きく2つ質問させていただきます。

 まずは鉄板張りの復元についてです。現在の天守ができて半世紀が経ちますが,落成の折の古い本を読みますと,徳永豊市長が「福山城は郷土福山の象徴的存在で,文化的伝統の使命を果たすことと信じる」という風に述べております。この半世紀が経ってこれまでの福山城がどういう存在として市民に受け止められてきたか,そして今後築城400年に向けてどういうお城になることを期待されるかという市長の受け止めをお伺いいたします。

 それと今後のリニューアルに関してですが,福山城と同じく2022年には隣県で新幹線が必ず止まる岡山県の岡山城が開業オープンすることもありまして,人手は岡山城の方にとられるのではないかというような懸念も感じております。今後工事中,城が全く見えなくなった時の機運醸成策として,何かお考えはありますでしょうか。今までのような講演会も,このコロナ禍の中にあっては開催もできそうにありません。幅広い取組を文化振興課に限らず全庁的に,それこそ先ほど世界バラ会議の話がありましたけれども,60年のばらの取組に限らず福山の街という名前ができてから400年という歴史があるからこそ,全庁的に取り組まれるのがよろしいのではないかと感じます。その2点をよろしくお願いいたします。

市長

 今の天守が復興されて約半世紀近くです。私も長く福山にいたわけではありませんので,詳しくその間どのような存在であり続けたのかということについて十分なお答えはできないのですが,必ずしもお城が市民の心の礎になっていたとはあまり見えない感じがしました。それは外観をみても私にとっては明らかでした。長年に渡っておそらくは樹木の伐採や剪定も行われていなかったのだと思います。お城の石垣からは雑草が伸び放題でもありました。そもそもそのお城の防備上は不要であるはずの木が繁茂していたということから見ても,これは何とか市民の誇りに福山城をしていかなといけない。そうすることで福山市民にとって自分たちの街の歴史や伝統やそうしたものを,再認識するということになるのだろうと感じています。そのためにもハード面での取組やソフト面での取組,さまざまあると思います。ハード面での取組もしっかりと耐震改修を基本にしていきたいと思いますし,新しいお城の受け入れ方,城の存在の新しい受け止め方にもチャレンジをしていきたいと思います。先ほど「やぐらカフェ」と言いました。天守の中の博物館も大幅にリニューアルして,「一度行ったらもう行かなくてもいいなというような博物館よさらば」というような思いでしっかりとしたものを作っていきたい。上質な賑わいを城内に作っていきたい。そして今と歴史とをうまく調和させていきたい。新しい景観を市民の皆さん方の前にお示ししていきたい。そういう思いをもっています。

 何度も全国から訪れていただくことを期待しておりますが,だからといってお隣の岡山城と張り合うつもりもありません。岡山城も素晴らしい魅力をもっていますから,多くの人に岡山城に訪れていただき,そして必ず福山城にも来ていただく。その逆のケースもあると思います。お互いにお城というものを誇りにしている都市として連携していきたいと思います。

 全庁体制で臨むべしと,機運醸成をもっと強めていくべしと,まったくご指摘の通りだと思います。残された期間そんなに長くありませんが,しっかりとこの期間,ソフトを中心にということになりますが,天守がしばらく見えなくなりますから,その間ソフトで盛り上げていきたいと思っています。

記者

 先ほどの代表質問の2つ目の質問と少し関連するのですが,これからもし選挙戦があれば,これから4年間で何をしたいかということを伝える,というお話でしたが,この4年どんなことに引き続き取り組もうと思われているのか,教えていただければと思います。

市長 

 基本は5つの挑戦を継続することに尽きます。「“続”5つの挑戦」ということなのだろうと思います。

 この間に色々と駅の周辺の整備のあり方も変わってきます。その度に市民の声もしっかりと受け止めながら,単に今までの見慣れた風景を残すということに価値を見出すのではなくて,新しい都市の景観を作っていく。そういう前向きな気持ちで駅前には臨んでいきたいと思います。

 後は市民の健康・福祉・医療,そういう大きな柱ですが,ネウボラを県内トップをきって導入いたしました。今度は,コロナで高齢者の方々がおそらく運動不足で体調に異変を感じておられるのではないかと心配をしています。フレイル対策を市をあげて取り組んでいきたいと思います。

 もちろん浸水対策は着実にやり遂げたいと思いますし,北産業団地の二期工事についても,今コロナ禍で大変産業活動が影響を受けていますが,しかしここをぐっと我慢をして,着実に進めていきたい。そして企業が元気を取り戻して,「設備投資をしたい」「工場の土地がほしい」といったときに,福山市内にはしっかりとした工業団地があるのだという準備を,今のうちだからこそやっておきたいと思います。

 今教育も学校再編問題で,保護者の皆さん方,地域の皆さん方が心配はされておりますが,これは見えないものに対する不安だと思います。当然そうだと思います。だからこそ,しっかりと教育委員会には,教育長以下地元に入って説明してもらいながら,新しい教育環境作りをしていきたい。そういう信頼を得るためにも,常石小学校でスタートしますイエナプラン教育,広瀬でスタートします特認校の活動を順調にスタートさせることで,さまざまな子どもたちに配慮をした教育行政ということを市民にお伝えして参りたいと思います。

 文化スポーツ,来年は東京オリンピックが開催されるのだと思います。メキシコやパラグアイの選手団も合宿に訪れます。新総合体育館エフピコアリーナもどんどん今全国規模の大会が戻ってきています。スポーツを通じたまちづくりにも取り組んでいきたいと思います。

 5つの挑戦をさらに広げ進化していきたいと思います。

記者

 非接触型温度検知システムに関してですが,これを導入される狙いと,どういう風に作用されることを期待されているかということをお伺いしてもよろしいですか。

市長 

 先ほどご覧いただきましたように,実に効率的に体調の変調をチェックすることができるというところに,我々は大きな安心感をもっています。そうすることで,避難所・避難場所における健康な方とのしっかりとした動線の隔離というものをしながら安全の確保,コロナ禍における災害対策に活用していきたいと思っています。やはり非接触型と言いますか,これが一つの新しい生活様式のキーワードだと思います。これからは行政でも新しい生活様式に色々取り組み,それを市民にお示しし,そして市民生活の中にも浸透させていく。こういうことの一つの事例にもなるだろうと思っています。そういうさまざまな意義を持った2台の取組ですけれども,そうした効果につなげるように活用していきたいと思っています。

記者

 もし選挙戦になった場合,4年間の中で訴えたいことという質問も相次いでありました。福山駅は,のぞみ号が止まる駅にしては,民間の調査団体の認知度調査でも倉敷や尾道と比べて認知度が低い数字が出ています。そこで市長が力を入れておられる情報発信とか駅前再開発の観点から,福山の認知度向上について意気込みがあれば聞かせてください。

市長 

 目で見て視覚的に情報発信の核として活用すべきは鞆の浦であり,ばらであり,福山城ということだろうと思います。従って福山城の景観を整備するとともに,福山城の周辺も回遊しやすい,快適な新しい都市型空間に変えていく必要があると思っています。そういうものを通じて今度はそうしたハードをどう情報発信のツールに乗せていくかという取組が必要になってくると思います。これまでも有識者を通じて,効果的な情報発信のあり方を議論してきましたが,そうしたものをさらに実践を重ねることで,認知度向上に努めていきます。ただ,一気に5%のものが70%になるというわけにもいきません。言ってみればこれまでの取組が今,結果として表れているわけで,今回取り組むことの成果が出るのは,この10年先20年先ということなのかもしれません。なかなか形にする,数字にしていくということは難しいのですが,しっかりと認知度の向上が福山市民の誇りにつながる,福山に輝きをもたらすと思っています。取り組んでいきたいと思っています。

記者

 市長にとっては重要なテーマであることは間違いないですか

市長 

 そうです。

以上

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)